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シーズン7 第10話
The One With The Holiday Armadillo (アルマジロ・クリスマス)
原題は「ホリデー・アルマジロの話」
[Scene: Monica, Chandler, and Phoebe's, Chandler is on the phone, Rachel and Monica are sitting in the kitchen.]
モニカ、チャンドラー、フィービーの家。チャンドラーは電話中で、レイチェルとモニカは台所に座っている。
チャンドラー: Buh-bye. (Hangs up the phone) I just got us reservations at Michelle's and tickets to The Music Man to celebrate our first holiday season as a betroughed couple. (バーイ。[電話を切って] 今、ミシェルズの予約と、「ザ・ミュージック・マン」のチケットをゲットしたところだ、betroughed (婚約した)カップルとして最初のホリデーシーズンを祝うためにね。)
モニカ: "Betrothed." (Corrects him) (”Betrothed”よ。[彼の(間違いを)訂正する])
チャンドラー: Betrothed couple. (Betrothed カップル、ね)
フィービー: (entering carrying a skull) Hey! ([頭蓋骨(スカル)を持って入ってきて] はーい!)
チャンドラー: Hey! (よお!)
レイチェルとモニカ: Hi! (はーい!)
フィービー: Haaaa... (Puts the skull on the table) ... ahhhh! (はぁ〜… [その頭蓋骨をテーブルに置く] あーっ!)
チャンドラー: Pheebs? (フィービー?)
フィービー: Huh? (ん?)
チャンドラー: Skull? (頭蓋骨?)
フィービー: Oh, yeah, it's my mom's. (ええ、そうよ、ママのなの。)
レイチェル: (freaking out) Oh, my god!! ([パニクって] なんてこと!)
フィービー: No, no, no. It's not! It's not my mom. It belonged to my mom. Yeah, no, she used to put it out every Christmas to remind us that even though it's Christmas, people still die. And, you can put candy in it. (She grabs the skull, pulls out a stick of licorice, and takes a bite.) (違う違う違う、そうじゃないのよ! (その頭蓋骨が)私のママなんじゃないの。ママの持ち物だったのよ。そう、ママはね、毎年クリスマスに、その頭蓋骨を出しておいたものだったわ。クリスマスであったとしても、それでも人は死ぬんだってことを私たちに思い出させるためにね。それに、そこにはキャンディーを入れとくこともできるのよ。[フィービーは頭蓋骨を掴み、リコリスを1本引き出して、一口食べる])
電話を切ったチャンドラーは、ミシェルズ(レストランの名前)の予約と、「ザ・ミュージック・マン」のチケットをゲットした、と言って得意げな顔をしています。
「ザ・ミュージック・マン」(The Music Man)というのは、ミュージカルですね。
その人気から、1962年に映画化もされています。
私はミュージカルも映画も見ていないのですが、タイトルだけはよく覚えています。
それは、アリー my Love(Ally McBeal)の 2-16 「キスの代償」(原題: Sex, Lies and Politics)で、陪審員が待ち時間に映画「ザ・ミュージック・マン」を見ることを知ったジョン・ケイジが、そのミュージカル仕立ての歌いながらの尋問をして、陪審員の気持ちを味方につけてしまう、というシーンがあったから、なのですね。
そんな風に、アリーのエピソードで引用されるくらい、アメリカでは有名なお芝居であり、映画である、ということです。
チャンドラーは「婚約したカップルとして初めてのホリデーシーズンだから、張り切っちゃったよ」と自慢しているのですが、その「婚約した」の単語の発音がヘンであることを、モニカは指摘しています。
チャンドラーのセリフの綴りが間違っていて(チャンドラーの発音した風に文字化してあるため)、モニカの訂正したものが正しい、ということですが、betrothed は、古語・文語で「婚約した」。
ネイティブでも、r- 音の後に、th- 音が来るのはちょっと言いにくかった、ということでしょうか、th- を発音しなかったことをモニカが指摘したことになるでしょう。
フィービーは、部屋に入ってくるなり、頭蓋骨(スカル)をテーブルの上にドンと置きます。
突然、ガイコツを置かれたフレンズたちは、「ん? これは頭蓋骨?」みたいに驚いていますね。
それに対して、Oh, yeah, it's my mom's.「ええ、そうよ、ママのなの」と答えたので、レイチェルは大騒ぎしています。
ママの…つまり、フィービーのママの頭蓋骨…この頭蓋骨はママの変わり果てた姿なわけ?という驚きですね。
レイチェルのびっくりぶりを目にしたフィービーは、「違う、そうじゃない」(鈴木雅之さんの歌のタイトルみたいw)と答えています。
It's my mom's. という表現ではあやふやで誤解を招くことから、その後に、It's not my mom. It belonged to my mom. のように、きちんと言葉で説明しています。
私はさっき、my mom's 「ママの(もの)」と言ったけど、そのスカルがママなわけじゃなくて(not my mom)、ママの持ち物、所有物だった(belonged to my mom)という意味で言ったのよ、ということですね。
日本語でも、「その骸骨、ママのなの」と言った場合に、「ママが骸骨になったもの」とも聞こえるし、「ママが持っていた骸骨」とも聞こえるので、所有格(...'s)の指すものの曖昧さは、日本語も英語も同じだ、ということですね。
過去記事、フレンズ1-9その2 でも、
ロス: I just came by to pick up my skull. Well, not mine, but.... (僕はただ、僕の頭蓋骨を取りに寄っただけなんだ。[驚いたスーザンに] あぁ、「僕の」じゃないけどね。)
というセリフが出てきたのですが、それも「ロスは生きてるのに、ロスの頭蓋骨、って何?!」みたいにスーザンが驚いたので、「僕の頭の中にある頭蓋骨、って意味じゃなくて、僕が所有している骨の標本のことだよ」という意味で、not mine と言ったわけです。
シーズン1とシーズン7で、似たような「頭蓋骨ネタ」が出てくるところが面白いですね。
クリスマスだと言うのに、どうしてそんな不気味な頭蓋骨を置いたりするのか…とみんなは怪訝な顔をしていますが、フィービーは「ママはクリスマスになると、その頭蓋骨を(出して)置いたものだった」と言っています。
その理由として、「例えクリスマスであったとしても、人は(普段と変わらず)死ぬのだ、ということを私たちに思い出させるためにね」と言っていますね。
みんながお祭り気分になっている時でも、普段と同じように人に死はやってくる…という哲学的な話のようですが、それを教えるためにわざわざドクロをクリスマスに出してくる…というところが、さすがはフィービーのお母さん、と言ったところです。
そんなことを言いながらも、「その中にキャンディーを入れとくこともできるのよ」」と言って、頭蓋骨に入れた(!)赤いキャンディーを取って、一口食べるフィービー。
licorice は、「リコリス、カンゾウ、甘草」で、このお菓子は「カンゾウ風味のキャンディー」ですね。
アメリカのドラマや映画では、時々見かける気がしますが、日本ではあまりなじみのないお菓子ですねぇ…私も食したことがありません。
詳しくは、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: リコリス菓子
ということで、「どんな時でも人は死ぬものだ」のような深い話をしたように見えて、死の象徴である骸骨をお菓子入れにしちゃってる、というトンデモさ加減が、フィービーらしいオチだということですね。
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