2013年02月08日

やたらとフルネームで呼びたがる フレンズ7-11その2

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[Scene: Joey and Rachel's, Monica, Chandler, Rachel, and Ross are playing Monopoly as Phoebe enters angrily.]
ジョーイとレイチェルの家。モニカ、チャンドラー、レイチェル、ロスがモノポリー(ゲーム)をしているところに、フィービーが怒りながら入ってくる。
フィービー: Joseph Francis Tribbiani, are you home yet?!! (ジョセフ・フランシス・トリビアーニ、家にいるの?)
レイチェル: Umm, I think he's still out. What's wrong? (あー、彼はまだ外出中だと思うけど。どうかしたの?)
フィービー: Well, I'll tell you, Rachel Karen Greene. I had plans with Joey tonight and he left me this note. (Hands it to Rachel.) (こういうことなのよ、レイチェル・カレン・グリーン。今夜ジョーイと会う予定にしてたのに、彼は私にこんなメモを残したのよ。)
レイチェル: (reading the note) "Pheebs, can't make it. Got a date. Talk to you later. Big Daddy." (Laughs) "Big Daddy"? ([メモを読みながら] ”フィービー、行けそうにない。デートがある。後で話すよ。パパより。” [笑って] ”パパ”ですって?)
フィービー: Oh, that's a nickname we were trying out. (あぁ、それは、私たちが試験的に使ってみたニックネームなの。)
ロス: Hey, y'know what nickname never caught on? "The-Ross-a-tron." (Monica shakes her head in disgust.) (ねぇ、決してウケなかった[定着しなかった]ニックネーム知ってる? ”ザ・ロスアトロン”だ。 [モニカはうんざりした様子で頭を振る])
ジョーイ: (entering) Hey! ([入ってきて] よお!)
フィービー: Oh! Here's Joseph Francis! (あぁ!ここにいたのね、ジョセフ・フランシス!)
ジョーイ: Oh-Wha-Ho! What are you middle-naming me for?! I left you a note! (おぉい! 何で俺をミドルネームで呼んでるんだよ? 俺はフィービーにメモを残したぞ!)
フィービー: So what?! That doesn't give you the right to ditch me! (それが何なの? そんなことで私を置き去りにする権利が与えられるわけじゃないわ!)
ジョーイ: Hey, you can cancel plans with friends if there is the possibility for sex! (おい、友達との予定はキャンセルできるんだぞ、もしエッチの可能性があるならな!)
ロス: Phoebe, he's right. That is the rule. (フィービー、ジョーイは正しいよ。それがルールだ。)

フィービーは怒りながら入ってきて、ジョーイをミドルネームを含んだ正式なフルネームで呼んだ上で、彼は家にいるの?みたいに聞いています。
フィービーが怒っている様子を見て、レイチェルは「ジョーイはまだ帰ってないけど、一体どうしたの?」みたいに尋ねています。
その後、I'll tell you と言って、事情を説明するのですが、ここでもまた、話し相手のレイチェルに対して、レイチェル・カレン・グリーンとフルネームで呼びかけていますね。

普段のフレンズたちは、Joey または Joe、Rachel または Rach みたいに名前か愛称で呼び合う仲なのに、こんな風にわざわざフルネームで呼びかけるというのは、「ちょっとものものしい感じ、堅苦しい感じ、距離を置いてまた少し上から語りかける感じ」がしますよね。
正式なフルネームで呼ばれてしまうと、「名前での特定感」がより高まるというか、「他の誰でもないその人」感が強調されるというか…で、自分に対するその発言に向き合わざるを得なくなる感じがします。
フィービーが入ってくるなり、ジョーイをフルネームで呼んだのは特にそうで、まるで先生が悪いことをした生徒にこれから説教を垂れようとしているような雰囲気があります。
その会話の流れで、レイチェルのことも、フルネームで呼んでいるわけですが、「別にレイチェルまでフルネームで呼ばなくても…」みたいな面白さが出るわけですね。

ちなみに、やたらとフルネームで呼びたがるフィービーを見ていると、ガンダムなどの富野キャラを思い出すのは私だけ、、、ではないはずだw
ミドルネームつきのキャラも多いですしねぇ(キャスバル・レム・ダイクン、アルテイシア・ソム・ダイクン、デギン・ソド・ザビ、、、以下略)
フラウ・ボゥなんか、あれで一つの名前みたいになってるし…。
マ・クベもフルネームじゃないとわからないですよね。「哀・戦士編」のエンディングクレジットで「マ 塩沢兼人」と書いてあるのに爆笑したファンは多いのだ(笑)。
その反省からか、「めぐりあい宇宙編」では「マクベ」と表記されていて、さもそれがファーストネームであるかのように書かれていたのも御愛嬌。
ランバ・ラルも同様で、「哀・戦士」では「ランバ」、「めぐりあい宇宙」では「ランバラル」表記になっていました。
富野キャラはフルネームの響きがかっこいいのだから、クレジットはフルネーム表記にすれば良かったのにねぇ^^、、、と、英語とは無関係な脱線話、大変失礼いたしました。<(_ _)>

he left me this note は「彼は私にこのメモを残した」。
he left me のように目的語が1つだと、「彼は私を残した」→「彼は私を残して去った」という意味になりますが、今回のように、me(人) this note(もの)と2つ目的語を取ると、「人にものを残す」という意味になるわけですね。
ちなみに、note はいわゆる日本語の「ノート(ブック)」ではなく、「覚え書き、メモ」を指します。

そのメモを見せられたレイチェルは、声に出して読みます。
I などの主語がわかりきっているということで省略された、「いかにもメモっぽい」文章になっているところに注目しましょう。
make it はさまざまな意味で使われますが、まずは「うまくいく、何とかする」という意味があります。
また、「時間に間に合う」「何とか出席する」という意味でも使われますね。
この場合は、フィービーとの約束に行けそうもない、という意味で can't make it と言っていることになるでしょう。
その理由として、I got a date. と言っていますが、これは「デートをゲットした」→「デートすることになった」という意味とも取れるし、「デート相手が見つかった」という意味にも取れるでしょう。
いずれにしても、デートすることになったんで、フィービーとの約束には行けそうにないんだ、ということですね。
最後の Big Daddy は、「ビッグ・ダディより」みたいに自分のことをそう名乗っている感覚になります。
レイチェルは、Big Daddy という言葉にウケていますが、いわゆる「パパ」という感覚ですね。
同じ世代なのに、自分のことを「(君の)パパ」みたいに言っていることになります。
try out は「試してみる、試験的に・実際に使ってみる」。
二人だけで話す時は、二人だけのニックネームを使いましょ、みたいに決めたらしいことがわかりますね。

ニックネームの話が出たので、ロスが横から話に入ってきます。
catch on は「はやる、うける、人気を博する、定着する、受け入れられる」。
ですから、y'know what nickname never caught on? は「決して定着しなかった(ウケなかった)ニックネーム知ってる?」と言っていることになるでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
catch on : to become popular and fashionable
つまり、「人気となる、または流行となる」。

「ザ・ロス・ア・トロン(ザ・ロサトロン)」みたいに言っていますが、それを聞いてモニカはうんざりした顔をしていますね。
ロスが言っているように、みんなには不評だったようですが(笑)、ロス自身は結構気に入っているようで、「みんなにはウケなかったし、定着もしなかったけど、僕も昔、ザ・ロス・ア・トロンってニックネームを持ってたよ」みたいに言ってみたわけでしょう。

そこにジョーイが帰ってきたので、フィービーはまた、「ジョセフ・フランシス!」と呼び掛けています。
そんな風に呼ばれたことにただならぬ気配(笑)を感じたジョーイは、What are you middle-naming me for?! と言っていますね。
What are you doing... for? は「何のために君は…してるんだ?」という感覚。意味的には、Why are you doing...? 「なぜ君は…してるんだ?」とほぼ同じですね。
ですからジョーイは、「何のために(なぜ)フィービーは俺をミドルネームで呼んでるんだ?」と言っていることになります。
middle name 「ミドルネーム」という名詞を動詞扱い、それも目的語 me を後ろに置いた「他動詞」として使っているところにも注目ですね。
そういうのは、「へぇ〜、middle name って動詞の意味もあるのかぁ〜」というものではないんですよね(辞書にも動詞の意味は載っておりませんし)。
-ing をつけて、目的語を取っている、というこの「カタチ」から、動詞として使っていると判断できるだけのことです。
「文中の動詞の位置に当てはめれば何でも動詞になる」ということであって、位置で品詞を判断するという英語らしい特徴がよく出ている気がします。
これが日本語の場合だと、最後に「る」をつけることで強引に動詞にしてしまうことになりますね。「スタンバる」とか…(これを言いたくて、延々、動詞の話をしてたんじゃないぞ!w)

ジョーイはその後、「君にメモを残したじゃないか!」と言っていることからも、ミドルネームで呼ばれることに対して、叱責めいたニュアンスを感じ取っているということになりますね。

So what? はまさに文字通りの「それが何か? それが何なの?」という感覚。
That doesn't give you the right to ditch me! は、「そのこと(私にメモを残したこと)が、あなたに、私を ditch する権利を与えるものではない」というニュアンス。
ditch は名詞で「溝(みぞ)、排水溝」という意味があり、動詞では「〜を溝にはまらせる」という意味から、「(もの・人)を捨てる、見捨てる、ほったらかしにする」という意味にもなります。

LAAD では、
ditch : (spoken, informal) to leave someone somewhere without telling them that you are leaving
例) I'm mad at Charlene - she ditched me at the party last night.

つまり、「自分が立ち去ると言わずに、誰かをどこかに置き去りにすること」。
例文は、「僕はシャーリーンに怒ってるんだ。彼女は昨夜、僕をパーティーに置き去りにしたんだよ」。

ちなみに、give someone the right to do という言い回しは、これまでのフレンズにも出てきましたので、併せて紹介しておきます。

フレンズ5-17その2
レイチェル: hey-hey-hey, even though I kissed you, that does not give you the right to demand sex from me! (ちょっとちょっとちょっと、例え私があなたにキスしたとしても、それが、あなたが私にエッチを求める権利を与えることにはならないわ!)

フレンズ5-20その4
レイチェル: But that still doesn't give us the right to erase his message! (でも、それでもそのことが、彼のメッセージを消す権利を私たちに与えるわけじゃないのよ!)

フィービーに言わせると、「メモを残したくらいでえらそうに言わないで。メモを残せばそれで何もかも許されるわけじゃないのよ」みたいな感じなのですね。
それに対して、ジョーイも反論しています。
you can cancel の you は「一般の人」を指すニュアンス。
「人というものは友達とのプランをキャンセルすることができるんだ、もしエッチの可能性があるならね」と言っていることになります。
聞いているロスも、「ジョーイの意見が正しいよ、それはルールなんだ」と彼を援護しています。
男性二人の意見は、「約束をすっぽかすのは良くないことだけれど、エッチができそうな(笑)予定が入った場合は、それを優先させることになってもしょうがない」ということです。
今回は重大な理由があったんだから、俺を勘弁してよ、ジョーイを勘弁してやりなよ、とそれぞれが言っているわけですね。


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posted by Rach at 16:14| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、お久しぶりです。
ここの解説にあった
What are you middle-naming me for?
記事読むまで、このmiddle-nameって動詞にも
なるんだぁ・・・って思ってました。
そういう風に使っている、っていうこと納得です。英語って(この言い方が正しいのかは判りませんが)語順がきちんとしていれば割と自由なんですね〜〜 動詞の位置に来るから名詞を
動詞として使っている!ナルホド!
改めて文法の大切さが判りました。
やっぱり生の英語で学ぶってすごい!
Posted by やっちん at 2015年07月20日 10:53
やっちんさんへ
お久しぶりです。コメントありがとうございます。

「この単語は動詞の意味もあるんだ」ではなくて、「動詞として使っている」ということなんですよね。英語は文のどこの位置にあるかで品詞が決まり、動詞の位置で使われていれば、それは動詞だと判断できる、ということですね。

こういう感覚は、生の英語を浴びるとだんだんわかってくるものですよね。文法を、実際の英会話と切り離さずに、うまく結び付けていくのが、英語をより良く理解するコツなんだろうと思います(^^)
Posted by Rach at 2015年07月21日 15:54
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