2013年02月14日

散髪した? うん30回くらい フレンズ7-11その4

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[Scene: Central Perk, Monica and Phoebe are entering. As Phoebe is sitting down, she recognizes someone sitting at the counter.]
セントラルパーク。モニカとフィービーが入ってくる。フィービーが座ろうとしている時、誰かがカウンターに座っているのに気付く。
フィービー: (gasps) (whispering) Oh, my God! That's David! ([息を呑んで][ささやきながら] なんてこと! あれはデビッドよ!)
モニカ: David who? (デビッドって誰?[どのデビッド?])
フィービー: David, the scientist guy. David that I was in love with. David who went to Russia and broke my heart, David! (デビッドよ、科学者の。私が恋したデビッドよ。ロシアに行って、私の心をボロボロにしたデビッド、(あの)デビッドよ!)
デビッド: (noticing Phoebe) Oh, my God! ([フィービーに気づいて] なんてことだ!)
フィービー: Oh, you say someone's name enough, they turn around. (あぁ、誰かの名前をいっぱい呼ぶと、その人は振り返るものよ。)
デビッド: Phoebe? (フィービー?)
フィービー: David! (He kisses her cheek) What-what are you doing here? Aren't you supposed to be in Russia? (デビッド! [デビッドはフィービーの頬にキスする] ここで何してるの? あなたはロシアにいるはずじゃないの?)
デビッド: Yeah, I'm just, I'm just in town for a conference. Umm, God, you look phenomenal! (あぁ、僕はただ、会議でこの町に来てるんだ。あー、君はものすごく綺麗だ。)
フィービー: Well.... Yeah. You look great too. Did you get a haircut? (えぇ、まぁ。あなたも素敵よ。髪の毛切った?)
デビッド: Yeah. Well, I-I got like thirty of them. (ああ。そうだな、30回くらい散髪したかな。)

フィービーは、カウンターに座っている人物を見て、息を呑んで、あれはデビッドよ!と言っています。
David というのは、よくある名前なので、ピンと来なかったらしいモニカは、David who? と尋ねています。
直訳すると、「デビッド・誰」みたいな感じになりますが、それは、「デビッド・○○」みたいなファミリーネーム(姓)を尋ねている感覚になるのでしょうね。
ファーストネームのデビッドだけじゃわからないから、デビッド・何、さん?、どこのデビッドさん?みたいに質問していることになるでしょう。
もしくは、その後にフィービーが答えているように、David, the scientist guy. 「科学者のデビッドよ」という感じの、「誰であるかの説明」を who で尋ねている感覚とも言えますね。

彼の顔を見て思い出した方も多いと思いますが、このデビッドは、フレンズ1-10 に出てきました。
初登場した時の解説記事はこちら↓
フレンズ1-10その2
演じているのは、ハンク・アザリアで、最近では、2009年の映画「ナイトミュージアム2」で、カームンラー役で出演していました。
Wikipedia 日本語版: ハンク・アザリア

the scientist guy 「科学者」のデビッドよ、と説明した後、David that, David who のように関係代名詞を使って、「私が〜したデビット。…したデビッド」と、デビッドとの関係、彼がしたことを説明として付け加えることで、デビッドという人物をモニカに思い出させようとしています。

David that I was in love with は、「私が愛したデビッド」、David who went to Russia and broke my heart は、「ロシアに行って、私のハートをブレイクしたデビッド」になるでしょうか。
broken heart は「ブロークンハート」みたいに日本語にもなっていますが、「失恋」と訳されることが多いですね。
ただ、この二人の関係は、デビッドがフィービーを一方的に振った、というよりも、研究のためにミンスクに行かないといけないので、泣く泣く別れざるを得なかった、みたいな感じでしたから、失恋のように訳すのはそぐわない気がします。
まさに文字通りの、「私の心を壊す、打ち砕く、張り裂けさせる」みたいな表現がふさわしいでしょう。

「ほら、あのデビッドよ、私が恋したデビッド…」のように、デビッドという名前を何度も声に出したので、当人のデビッドもそれに気付き、フィービーを発見し驚きの声を上げています。
フレンズ1-10 で別れた二人が、今回の フレンズ7-11 でまた出会ったわけなので、フレンズのストーリー上でも実に6年ぶりの再会!になるわけですね。
愛した人との6年ぶりの再会で、それはもうどんなに感動的か!と思うのですが、そこはコメディーらしく、フィービーらしいトボけたセリフを言っています。

Oh, you say someone's name enough, they turn around. を直訳すると、「あぁ、誰かの名前を十分に言うと、その人は振り返る」という感じになるでしょう。
you というのは「一般の人」を指す感覚で、後半の they は、someone を指す代名詞ですね。
このように、セリフなどの口語では、someone のような単数名詞を they のような複数形の代名詞で受けることがよくあります。
フィービーが言っているのは、「人の名前をやたらと呼ぶと、その人が振り返ったりするものよ」みたいなことですね。

対面した二人は感動した様子で、デビッドはフィービーの頬にキスします。
ここにデビッドがいるのが信じられないフィービーは、「ここで何してるの? あなたはロシアにいるはずじゃないの?」と言っていますね。
「僕はただ、会議でこの町に来てるんだ」みたいに説明した後、you look phenomenal! と褒めています。

phenomenal は 名詞 phenomenon (複数形:phenomena)「現象、事象」「驚異(的なもの)」の形容詞形ですね。
名詞の「驚異的なもの」という意味から、形容詞形 phenomenal は「驚異的な、驚くべき」という意味にもなります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
phenomenal (Ac) [adjective] : extremely impressive or surprising
例) The restaurant is a phenomenal success.
a phenomenal performance

つまり、「きわめて印象的である、または驚きである」。例文は、「そのレストランは驚異的な成功である」。「驚異的なパフォーマンス」。

You look phenomenal! と言われたフィービーは、 You look great too. と褒め言葉を返しています。
「あなたも great に見えるわ」という感じなので、look phenomenal は、look great と同じような意味の褒め言葉になるわけですが、デビッドが普通に look great とは言わずに、phenomenal のような単語を使うところに、科学者らしさが出ていることになるでしょう。
LAAD では、phenomenal という単語に、Ac というマークがついていますが、これは、ロングマンの「アカデミック・ワード・リスト(Academic Word List)」に入っている単語のマークです。
アカデミック・ワードとは、学生が英語を読む時に理解しなければならない、そしてアカデミックな課題を書く時に使わなければならない重要単語のこと。
「現象」という言葉の関連語である phenomenal というアカデミックな形容詞を使って相手のルックスを褒めているところが、科学者っぽいわけですね。

Did you get a haircut? を直訳すると、「散髪をゲットした」みたいになるでしょう。
つまり、「あなた、散髪した?」ということですね。
それに対して、「うん」と返事をした後、I got like thirty of them. と答えるのが面白いです。
them は haircut の複数形 haircuts を指すことになるでしょう。
「散髪を30回くらいゲットした」→「30回くらい散髪した」と言っていることになります。

フィービーは、前に会った時の彼の姿を思い出して、「あ、髪の毛が短くなってる」と思ったのでしょうね。
それで反射的に、「あ、髪の毛切ったの?」みたいに言ってしまったわけでしょうが、さきほども書いたように6年ぶりの再会ですから、そりゃまぁ、その間に散髪くらいはしますよね、って感じですね。
根が真面目なデビッドは、ただの挨拶にもかかわらず、「うん、確かに散髪したけど、あれから(6年間の間に)30回くらいは散髪したかな」と、律儀に返事している、というわけです。
6年ぶりに再会した相手に「髪の毛切った?」と尋ねるフィービーのオトボケぶりもさることながら、それに対して「うん、30回くらい切ったかな」と丁寧に返す真面目なデビッドの描写が、二人はあの頃から変わってないんだー、と思わせて、ファンとしては微笑ましい気分になるシーンだと思います。


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posted by Rach at 15:41| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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