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いとこフラニーの結婚式に、家族の中で唯一招待されなかったモニカですが、兄ロスの同伴者として強引に出席することにします。
(Cousin Frannie and her husband enter.)
いとこのフラニーとその夫が入ってくる。
モニカ: There's Frannie. Hmm, won't she be happy to see me? (Starts to get up and greet Frannie.) (フラニーだわ。ふーん、私を見て嬉しくなるかしらね? [立ち上がってフラニーに挨拶しようとする]
ロス: Now wait a minute, you be nice! All right? I didn't bring you here so you can ambush her. (ちょっと待ってよ。ナイスに振る舞うんだぞ、いいか? フラニーを待ち伏せして襲うためにお前をここに連れてきたわけじゃないんだ。)
モニカ: Frannie was the one who found your Playboys and showed them to Mom. (ロスのプレイボーイ誌を見つけて、それをママに見せたのはフラニーだったのよ。)
ロス: That bitch! (He gets up and they go over to ambush Frannie. Monica taps on Frannie's shoulder.) (あのアマ! [ロスは立ち上がり、モニカとロスの二人はフラニーを待ち伏せしようと向かう。モニカはフラニーの肩をトントンと叩く])
フラニー: (turning around) Monica! What--? ([振り返って] モニカ! 何を…?)
モニカ: Am I doing here? Why? Surprised to see me? Ross brought me. How do you like that?! (私がここで何をしてるか、って? どうして? 私を見て驚いた? ロスが私を(同伴として)連れて来たのよ。そういうの、お気に召したかしら?)
ロス: (to Frannie) Hi, Frannie. Congratulations. ([フラニーに] はーい、フラニー。おめでとう。)
モニカ: You invite my brother, you invite my whole family, and not me?! Why?! What-Why wouldn't you want me at your wedding? What could I have possibly done?! (Frannie's husband walks up.) Stuart! (あなたは私の兄を招待し、私の家族全員を招待して、それで私は招待しないの? どうして? どうして私があなたの結婚式にいるのを望まなかったの? ひょっとして、私が何かしたっていうの? [フラニーの夫が歩いて近づいてくる] スチュアート!)
フラニー: I believe you know my husband. (あなたは私の夫を知ってると思うけど。)
(Monica is shocked into silence.)
モニカはショックで黙り込んでしまう。
ロス: So it's really a question of "who" could you have possibly done. (じゃあ、(何をしたかじゃなくて)”君は誰とやったか”ってのが本当の質問だな。)
入ってくる花嫁姿のフラニーを見て、モニカは、won't she be happy to see me? と言っています。
直訳すると、「フラニーは私を見て幸せにならないだろうか?」みたいなことですね。
招待してない私が来てるのを見て、フラニーはどんな気持ちになるでしょうね、みたいに意地悪く言っている感覚になるでしょう。
モニカがフラニーに何か文句を言おうとしている様子を感じて、兄ロスは、you be nice! と言っています。
これは、Be nice! という命令形をさらに強調する形で、主語の You を付けたものですね。
「お前、ナイスでいろよ!」という感じの命令形ですが、nice な状態でいる、とはつまり、「相手に対して、優しく親切であること、意地悪なことを言ったりしたりしないこと」を指すでしょう。
I didn't bring you here so you can ambush her. は「お前が ambush できるようにと、ここにお前を連れてきたわけじゃない」みたいな感覚。
ambush は「待ち伏せする、待ち伏せして襲う」ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
ambush : to attack someone from a place where you have been hiding
つまり、「ずっと隠れている場所から、誰かに攻撃すること」。
欠席しているはずのモニカが急に現れて相手を驚かせひるませることを、ロスは ambush と表現しているわけですね。
フラニーをかばおうとするロスを見て、モニカは子供の頃の出来事を話して聞かせます。
Frannie was the one who found your Playboys and showed them to Mom. は、「あなたのプレイボーイ誌を見つけて、それを(私たちの)ママに見せたのは(他ならぬ)フラニー(その人)だったのよ」みたいなニュアンス。
Frannie found ... and showed... と普通に過去形で表現することも可能ですが、それよりも、Frannie was the one who found.. and showed... と表現した方が、「ロスのプレイボーイをママに見せたのは、(あなたが今、かばおうとしている)フラニーなのよ」という感じがより強く出ることになります。
エッチな本を持ってることをママにバラしたのはフラニーなのに、ロスは腹が立たないの?みたいなことですね。
それを聞いたロスは案の定(笑)、That bitch! 「あのアマ!」みたいに(あまりロスらしくはないですが)フラニーに対する怒りを見せて、二人ともムッとした様子で、フラニーに近づくことになります。
後ろから肩をトントンされたフラニーは、振り返ると招待してないはずのモニカがいるのでびっくり。
What--? と言ったまま絶句していますね。
その後に続くべきセリフは、次のモニカのセリフからわかる通り、What are you doing here? だったわけですが、驚愕のため言葉が出てこなかったため、それを察したモニカが、その後を続けて、あなたが尋ねたかったのは、What are you doing here? ね、という意味で、What am I dong here? 「私が今ここで何をしているか?ですって?」みたいに言ったわけです。
What are you doing here? というのは驚いた口調で言うと、「あなた一体ここで何してるの? どうしてあなたが今ここにいるの?」というニュアンスが出るんでしたよね。
「私を見て、あなた驚いてる? ロスが私をここに連れてきてくれたの」と説明した後、How do you like that?! とも言っています。
直訳すると、「そのこと(ロスが私をここに連れてきたこと、私が今ここにいること)をあなたはどんな風に好きかしら?」となるでしょうか。
そのように、How do you like...? というフレーズは「どのように好きか?」→「どう思うか? 気に入りましたか? お気に召しましたか?」ということを尋ねる言葉になります。
「驚いてるようだけど、ロスが私を連れてきてくれたのよ。そのことについて、あなたどう思う?」みたいに意地悪く尋ねている感覚になるでしょう。
さきほどは、プレイボーイ誌の件で一瞬ムッとしたロスでしたが(笑)、モニカほどの恨みつらみはないようで、ロスはちゃんとフラニーを見て、おめでとう、と挨拶します。
収まらないモニカは、まだしつこく、「兄も家族もみんな招待したのに、私だけ招待しないってどういうこと? なんで? どうして私が結婚式に出るのがそんなにいやなわけ?」みたいにまくしたてています。
What could I have possibly done?! は、could have done が「〜した可能性がある」、possibly は「ひょっとして」なので、「私がひょっとして(過去に)何か(あなたに嫌われるようなことを)したということがありうるの?」みたいに言っていることになるでしょう。
もっと、口語っぽいセリフ調で言うと、「私が一体、何をしたっていうの?」という感じになりますね。
「私は何かあなたにひどいことでもしたかしら、そんなことあったりしたのかしら(私は全然記憶にないんだけど!)」みたいに怒っているわけです。
えらい剣幕で怒っているモニカでしたが、フラニーの夫スチュアートを見て、ショックで黙り込んでしまいます。
その態度からわかる通り、モニカとスチュアートの間には何か、つまり、過去に深い関係があったらしいことがわかりますね。
フラニーは、自分の夫となる人と関係のあったモニカを呼びたくなくて、招待しなかった、ということです。
黙ってしまったモニカの代わりに、ロスは、So it's really a question of "who" could you have possibly done. と言っており、これがこのやり取りのオチになっています。
基本的な構造は、It's really a question of... 「それは本当は、…という質問だ」。
直訳すると、「それなら(そうだとすると)、本当は、「お前(モニカ)が、ひょっとして誰かを do したってことがありうるのか」っていう質問だね」みたいになるでしょうか。
本当は…という質問だ、というのは、その前のモニカのセリフ、What could I have possibly done?! を受けてのことになります。
モニカは、What could I have possibly done?! と言ったけれど、本当にここで問うべき問いは、what じゃなくて、who だったね、と言い直している感覚です
つまり、do (could have done) の目的語として、what (こと)ではなくて、who (人)を取っているわけですね。
do something は「何かをする」になりますが、do someone のように目的語に人を取ると、このような恋愛がらみの話では、「(人)とエッチする」という意味になります。
つまり、ロスは、モニカが言ったセリフを少し変形させることで、「私が何をしたっていうの?」というのを、「私が誰とした[誰とヤッた]っていうの?」みたいに、本当の問いはこっちだったわけだねー、と、モニカをからかうようにジョークにしてみせた、ということですね。
実際に、モニカのセリフとロスのセリフを見比べてみると、
モニカ: What could I have possibly done?!
ロス: "who" could you have possibly done.
となっていて、モニカのことをそれぞれ I, you と表現している以外はほとんど同じになっています。
違うのは、what と who で、ロスの方は字幕でわざわざ who を引用符でくくっていることからも、what じゃなくて who だ、というのがオチのポイントであることがわかる仕組みになっているわけです。
do という動詞の多様性(これは日本語の「する、やる」も同じ感覚ですが…笑)を使って、「何をしたのか、何をやったのか」の代わりに、「誰としたのか、誰を・誰とやったのか」と言い換えることで、モニカがフラニーの夫とエッチしたことが原因で結婚式に招かれなかったことを、モニカ自身が言ったセリフをひねって皮肉っぽく言っているジョークになるわけですね。
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コメントありがとうございます。
このやりとりは「対比」がポイントになっていますが、音だけ聞いていると、流してしまいそうな部分ですよね。字幕ではわざわざ、"who" のように引用符でくくって、対比であることを明示してくれていたのは、学習者にとってはありがたいなぁ、と思いました。
Stuart ですが…多分、前に出てきたキャラではないようです。これが多少なりとも過去に名前の出てきたキャラクターであれば、もっと面白かったでしょうね。モニカはえらい剣幕で怒っていたのに、スチュアートの顔を見て、招待されなかった理由を悟り、それに追い打ちをかけるように兄ロスがセリフをもじってモニカをからかう、というのが、フレンズっぽくて楽しいですよね。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。