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シーズン7 第12話
The One Where They're Up All Night (オールナイトは大騒ぎ)
原題は「彼らがオールナイトで起きている話」
フレンズ全員と(レイチェルの彼氏の)タグが、彗星を見ようと屋上に集まり、空を見上げています。
モニカ: (looking up) Ross, when's this comet thing start? ([空を見上げて] ロス、この彗星ってやつは、いつ始まるの?[この彗星ってやつの始まりはいつ?])
ロス: Well, technically, it started 7 billion years ago.... (そうだな、専門的に言うと、70億年前に生まれたんだ…)
みんな: (groaning) Oh no! Oh no! (They all start to get up to leave.) ([ブーブー言いながら] だめだ、だめだ! [みんなは立ち上がり去ろうとする])
ロス: Okay! Okay! Fine, I'll stop! No teaching, okay? We'll just watch the pretty light streaking across the sky. Okay? Who's official name is Bapstein-King. (わかった、わかった! よし、もうやめるよ! 教えたりしないよ。僕たちは空を横切る綺麗な光を見るだけだ。いいかい? その正式名な、バプスタイン・キングっていうんだ。)
みんな: Okay! Okay! (They start to leave again.) (わかった、わかった! [みんなはまた立ち去ろうとする])
フィービー: (looking up) There it is! Oh, look at that! Isn't Mother Nature amazing? ([見上げて] あそこよ! あぁ、あれを見て! 母なる自然ってすごくない?)
チャンドラー: (looking up with her) That's a plane! ([フィービーと一緒に見上げながら] あれは飛行機だよ!)
フィービー: Well, all right. 1700 bags of peanuts flying that high, that's pretty amazing too. (ええ、そうね。あんなに高いところを飛んでいる1700袋のピーナッツ、それもかなりすごいわよね。)
ビルの屋上で彗星を見上げているフレンズたち。
モニカは、when's this comet thing start? と尋ねています。
when's となっているのは、when does this comet thing start? ということですね。
モニカにとっては、comet (彗星)というのは、そんなに身近なものではないので、「(今みんなで見ようとしている)この彗星、ってやつは」みたいに this comet thing と表現し、それが、いつ始まるのか(when does ... start?)を尋ねていることになります。
ちなみに、76年ごとに現れる、有名なハレー彗星は、英語では、Halley's comet 。
イギリスの天文学者エドモンド・ハレーの名前が付けられています。
「赤い彗星のシャア」を英語で言うと、Char, the Red Comet ですね。
さらにおまけで言うと、The White Comet だったら「さらば宇宙戦艦ヤマト」の白色彗星になります^^
モニカは、「彗星を見よう、ってことで、ずっと空を見上げてるけど、それは一体いつ始まるのかしら?」という意味で尋ねたわけですが、それに対してロスは、「彗星は、70億年前に始まったんだ」みたいに答えています。
billion は「10億」なので、7 billion years ago は「70億年前」。
モニカは、彗星ショーの始まりを尋ねたのに、ロスは、彗星の誕生について答えたことになります。
その彗星が生まれたのは・できたのは、70億年前のことで〜…と天文学的な話をし始めたので、フレンズたちは「あぁ、また、ロスのウンチク話が始まった、やだやだ」みたいに立ち去ろうとします。
あきれて帰ろうとするみんなを引き留めて、ロスは、「ただ、そのきれいな光が、空を横切るのを見よう」と言っています。
streak は「疾走する、猛スピードで・大急ぎで走る」という意味。
日本語で「ストリーキング」と言うと、裸で走る、みたいな意味で使われますが(なぜか広辞苑には「ストリーキング」という言葉が載ってなかった…笑)、基本的な意味は、「疾走する」の方なのです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
streak :
2. to run or fly somewhere so fast you can hardly be seen
across/along/down etc.
例) Two jets streaked across the sky.
3. to run across a public place with no clothes on to shock people
つまり、2. は「ほとんど見られないくらい非常に早く、どこかを走る、または飛ぶ」。
例文は、「2機のジェット機が空を猛スピードで横切った」。
3. は「人を驚かせるために、服を着ないで公共の場所を走って横切る」。
3. が日本語の「ストリーキング」のイメージですね。
ちなみに、この Bapstein-King comet というのは実在する彗星ではないようです。
Wikipedia 英語版: Comets in fiction
つまり、「フィクションの・架空の彗星」というウィキペディアの項目があって、その Film and television に以下の記述があります。
In the Friends episode titled "The One Where They're Up All Night" (2001), Ross Geller takes the group on the roof of their apartment to view the Bapstein/King comet.
今回のエピソードの「バプスタイン・キング彗星」が、ドラマの中で出てきた架空の彗星の一つとしてここに掲載されているわけですね。
他の人は彗星の名前なんてどうでもいいわ!という感じらしく、ロスが名前を説明し出すと、また立ち去ろうとします。
そんな中、フィービーは空を見上げて、感嘆の声を上げ、Mother Nature って amazing じゃない?みたいに言っていますね。
Mother Nature は文字通り「母なる自然」、amazing は「驚くべき、すごい、素晴らしい」。
フィービーは、あれが彗星なのね、すごいわね、と自然の素晴らしさに感動しているわけですが、チャンドラーに「あれは(彗星じゃなくて)飛行機だよ」と指摘されてしまいます。
興ざめなことを言われてしまったフィービーですが、「でも、これもかなり素晴らしいことよ」と言って、bags of peanuts の話をしています。
bags of peanuts は「ピーナッツの袋」。
フィービーは、飛行機の中には、乗客のおつまみ用のピーナッツの袋が大量にあることを持ち出して、「(飛行機に積まれて)あんなに高く飛んでいるピーナッツの袋が、1700袋もあるのよ」と言っているのですね。
飛行機にはピーナッツ、というのは、お決まりの連想のようで、フレンズ3-21 では、飛行機で出会った女性の話をしているセリフで以下のようなものがありました。
ピート: Her name's Ann. She's a journalist. Ahh, we met on the plane. She asked me if she could finish off my peanuts. I thought she said something else. We had a big laugh. (彼女の名前はアン。彼女はジャーナリストなんだ。飛行機で出会ったんだよ。彼女が僕に、僕のピーナッツを食べちゃって[平らげちゃって]いいか?って聞いてきたんだ。僕は彼女が何か別のことを言ってるんだと思って。僕らは大笑いしたんだよ。)
このセリフはどうやら、「あなたのピーナッツ食べちゃっていい?」みたいに聞いてきたのを、何かしらエッチなことのお誘いに聞き違えた、みたいなことのようですが、とにかく、飛行機にはピーナッツが付き物、みたいな感じは、このセリフからもわかる気がしますよね。
そういう、飛行機とピーナッツの連想を使って、「あれは彗星じゃなくて、飛行機だよ」と指摘されたフィービーは、「1700袋のピーナッツがあんな空高く飛んでることも、驚異的なことだと思わない?」と返したということです。
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this comet thingのようなthingの使い方は便利ですよね。乱発すると品がなくなるのかもしれませんが。the tablets thing とかthe math thing のように、−系や、−のやつは、−ってものは、という感じでしょうか。
コメントありがとうございます。
Bapstein-King みたいな固有名詞が出てくると、聞き取れないと思って慌ててしまいますよね。1700 bags の話は、「あれって飛行機じゃん」みたいにツッコまれてしまったことへの反論として、フィービーらしくて面白いなと思いました。
おっしゃるように、「なんちゃら thing 」みたいな言い方は非常に便利ですよね。確かに乱発すると、ボキャ貧みたいに思われてしまうのでしょうが、「〜のやつ」みたいにちょっと距離感を置いて言いたい時には、大いに使える表現だと思います。そういう thing の感覚は、セリフをたくさん浴びることで培っていくしかないですよね。
peanut plane でググるとピーナツアレルギー関係のことがやたら多くヒットします。
ある航空会社の注意事項としてピーナツアレルギーの人に対して2010年10月以降事前に申し出ればピーナツは出さないがほかのナッツ類が出されることや乗客の持込を禁止することまでは保障できないとしています。ピーナツが機内のスナックとしてよく使われていることにも言及しています。ピーナツと旅客機とは縁が深いようです。
フレンズではやたらと、「ピーナツと言えば飛行機」みたいな言及がされますが、「ピーナツと言えば、アレルギー」というイメージもありますよね。
私もたまたま育児書でピーナツ・アレルギーの話を読んだのが印象に残っていて、
フレンズ2-6その1
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470219.html
で、アレルギー繋がりから、ピーナツ・アレルギーのことを書いたりもしました。
そのようにアレルギーを引き起こす可能性が高い食べ物を、お決まりのもののように給仕する、ということに対して問題になったわけですね。それくらい、どこの飛行機会社でもピーナツが当たり前のように出されていた、ということがよくわかりますよね。
情報ありがとうございました。