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シーズン7 第14話
The One Where They All Turn Thirty (30歳のバースディ)
原題は「彼らが全員30歳になる話」
今日はレイチェルの30歳の誕生日。フレンズたちがお祝いしようと、飾りつけをした部屋でレイチェルを呼んでいるのですが、レイチェルは自分の寝室から出ようとしません。
代わりに出てきたのは、恋人のタグで…
タグ: (entering from her room) Hey. ([レイチェルの部屋からリビングに入ってきて] ねえ。)
チャンドラー: (To Monica) She's not as pretty as she was when she was 29. ([モニカに] 彼女は29歳の時ほど(今は)可愛くないね。)
タグ: Ms. Green would like to establish some ground rules before she comes out. She would appreciate it if you don't use the words "old" or "downhill" or (To Joey) "They still look pretty damn good." (Joey smiles and everyone glares at him.) (ミズ・グリーンは出てくる前に、いくつかの基本ルールを設定しときたいと思ってる。君たちが、「年とった」とか「下り坂」とか、[ジョーイに向かって] 「それはまだすっごくいい感じに見えるじゃん」とかって言葉を使わないでいてくれるとありがたい。[ジョーイは微笑み、みんなはジョーイをにらむ])
ジョーイ: They do! ((実際)そうじゃん!)
いくら呼んでもレイチェルが出て来なくて、代わりに恋人のタグが出てきたため、チャンドラーはお得意のジョークを言っています。
She's not as pretty... の文は、「彼女は、彼女が29歳の時にそうであったのと同じくらいに可愛いわけではない」みたいなことですね。
つまり、「彼女、(30歳になったら)29歳の時ほど可愛くなくなってるな」ということですが、レイチェルを呼んだら、男性のタグが現れたので、「30歳になって、レイチェルは男みたいな顔になったな」「30歳になったら、29歳の時のおもかげがすっかりなくなっちゃって」みたいにジョークを言っていることになります。
「おや、レイチェルは30歳になって、男に変身しちゃった?」みたいに言うのもアリっぽいですが、「前より可愛くなくなっちゃって」みたいに言うのが、チャンドラーっぽいのかな、と思ったりもしました。
タグは、Ms. Green、つまり、レイチェルは、would like to establish some ground rules だと言っています。
establish rules は「規則・ルールを制定・確立する」という感覚ですね。
寝室から出てくる前に、いくつかルールを決めときたい、ということです。
would appreciate it if... というのは「もし・・・ならありがたいと思う」という決まり文句。
if 以下では、「こういう言葉を君たちが使わないでくれるとありがたい」という言葉の内容を説明しています。
old は「年とった、年老いた、老けた」、downhill は斜面を下ることをカタカナで「ダウンヒル」と言ったりするのでなじみがあるかもしれませんが、「下り坂」、そこから形容詞「落ち目の、悪化する」、副詞「落ち目で、悪化して」という意味にもなります。
go downhill は「坂を下る」ということで、まさに「衰える、落ち目になる」ということ。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
go downhill : to become worse
と出ています。まさに「悪くなる」ということですね。
そしてタグは、ジョーイの方を向いて、"They still look pretty damn good." って言葉を使うな、みたいに言っています。
直訳すると、「それら(複数形)はまだかなりすっごくよく見えるよ[いかしてるよ、いけてるよ]」ということ。
そんな風に言うなと言われたジョーイは、ニッと笑って、他のフレンズたちににらまれた後、They do! 「そう見えるって言うなと言われても、実際にそれらはそう見えるじゃん。現に、それらはまだかなりよく見えるじゃん」と反論していることになります。
登場人物たちも、そしてそのセリフを聞いて笑っている観客たちも、they が何かに気付いているわけですが、この they は、Rachel's breasts のことを指しています。
DVDの日本語字幕では、「まだ垂れてない」と訳されていましたが、タグの言っていることもまさにそういうことで、「30歳になっても、まだその二つのお胸は、いいカタチしてんじゃん」みたいなことを言うな、とジョーイに釘をさしていることになります。
breasts という具体的な単語ではなく、they とだけ表現しているのがこのセリフのポイントですね。
ジョーイが pretty damn good と言いそうな「複数形のもの」と言えば breasts だな、ということが、ジョーイの普段の言動と彼の嗜好(笑)からわかる、という、シリーズものならではの面白さと言えるでしょう。
ジョーイのそういう胸に対する憧れ(?)みたいなものは、初期の フレンズ1-5その1 の以下のセリフですでにわかる気がします。
ジョーイ: Women can see breasts anytime they want. You just look down, and there they are. How you get any work done is beyond me. (女は、いつでも胸が見られるだろ。下を見るだけで、そこにあるんだから。どうやって仕事をこなすのか、俺には理解不能だね。)
女は下を見下ろすと、胸(の谷間)が簡単に見れちゃう、俺だったらそわそわして仕事が手につかないよ、みたいな意味のセリフになっているわけです。
そう言えば、ちょっと脱線してしまいますが、アニメ「ワンピース」でつい最近見たばかりの回(関西では、3月17日放映の第586話「大ピンチ ルフィ極寒の湖に沈む」)で、5人のキャラの中身が入れ替わってしまうという場面があり、ナミの身体になってしまった自分を見て(というか、胸の部分を見下ろしてw)、サンジが目をハートにして喜んでいるシーン(笑)が3回も出てきます。
翌週のエピソード(3月24日放映の第587話「激突! ローVSスモーカー中将」)でも、その状態は続いていて、「とにかくどこかにカメラはないかー? 変わっちまうまえに写真をー!」というサンジに、ナミが「何を撮る気よ!」と怒ったりするというシーンもありました。
サンジの声は、ジョーイの吹替と同じ平田広明さんなので、「ナミさんの胸を間近で見下ろすというこのアングル」を写真に収めたがっているサンジを見て、私はこの フレンズ1-5 のセリフ "You just look down, and there they are." を思い出さずにはいられなかった…というお話、でした^^
脱線しすぎてしまいましたが、ここでのポイントは、Your/Her breasts still look... と明確に言うのではなく、They still look... とジョーイが言うだけで、みんな they = your/her breasts であるとの連想がすぐに働いてしまう、という面白さにある、ということですね。
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