2013年04月01日

出生証明書を逃亡者に売った フレンズ7-14その3

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モニカの30歳のバースデーの回想に続いて、今度はフィービーが30歳になった時の場面がフラッシュバックされます。
フィービーは、仲が悪くて疎遠になっている姉アースラの家に言って、30歳の誕生日おめでとう、と言うのですが、
アースラ: Yeah, we're not thirty, we're 31. (ええ、私たちは30歳じゃない。31歳よ。)
フィービー: Nu-uh! (いいえ〜!)
アースラ: Yea-huh! That's what it says on my birth certificate. (そうなのよ〜! 私の出生証明書にそう書いてあるもの。)
フィービー: You have your birth certificate? (あなた、出生証明書を持ってるの?)
アースラ: Yeah, I got a big box of family stuff when my mom died. (ええ、私のママが死んだ時、家族のものが入った大きな箱をもらったの。)
フィービー: Our mom. (私たちの、ママよ。)
アースラ: (sarcastic) Right! Okay. (Hands Phoebe her births certificate.) ([皮肉っぽく] そうね! いいわ。[フィービーに自分の出生証明書を手渡す])
フィービー: Do you have my birth certificate? (あなた、私の出生証明書、持ってる?)
アースラ: No, I sold it to a Swedish runaway. (いいえ、それはスウェーデン人逃亡者に売ったわ。)

双子の姉であるアースラに、30歳の誕生日おめでとう!と言いに来たのに、「私たちは30歳じゃなくて、31歳よ」と言うので、フィービーは驚いています。
Nu-uh! は「ナッ、アー!」みたいに、後半のアーの語尾を上げる感じで発音しています。
No! を大げさに言ってみせた感覚ですね。
強い調子で否定したフィービーに対して、アースラも Yea-huh! 「ヤッ、ハー!」みたいに強い口調で返しています。
それぞれ、No! と Yes! で反論し合っているわけですが、各自、"No, we're not 31." "Yes, we're 31." だと主張し合っていることになります。

That's what it says on my birth certificate. について。
まず、birth certificate は「出生証明書」ですね。
certificate は「証明書」という意味で広く使われている言葉で、英検の合格証明書の英語版も、タイトルに Certificate と書いてあります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
certificate :
1. an official document that states that a fact or facts are true
a birth/marriage/death certificate
例) Send in your birth certificate with your passport application.

つまり、「事実が本当であると述べる、公的な文書」。
例文は、「パスポート申請書と共に、出生証明書を郵送で提出して下さい」。

say は「言う」で、無生物が主語になると、「(主語)に…と書いてある、出ている」という意味にもなりますね。
The notice/sign says なら「掲示・標識に…と書いてある」ということ。
ここでは、My birth certificate says... ではなく、It says... on my birth certificate の形になっています。
その書かれている内容(... の部分)が、what になって前に出て、「それ(私たちが31歳である、ということ)は、出生証明書(の上)に書かれていることよ、書かれている内容よ」と言っていることになります。
it says の it は、漠然とした状況を指している it だと考えればいいでしょうか。
「出生証明書が…と言っている」と主語に持ってくるのではなく、「出生証明書の上で…と言っている、…と出ている」のように、「出生証明書上で、私たちは31歳であると表記されている」という感覚に近いように思います。

birth certificate という言葉を聞いて、フィービーは反応しています。
「あなた、そんなものを持ってるの?」と驚いていることから、フィービーは当然持っていないし、そんなものがちゃんと存在していた、そしてアースラはそれを持っていた、ということを知って驚愕していることがわかるわけです。

アースラは、「ママが死んだ時に、family stuff の大きな箱をゲットした」みたいに言っていますね。
stuff は「もの、持ち物」という感覚ですから、家族のもの、つまり、ママの形見みたいなものをママが死んだ時にもらったの、と言っていることになります。
フィービーはそういう形見のようなものを持っていないのに、姉だということでそれを独り占めしたらしいアースラにムッとしている様子。
「アースラはさっきから、my mom って言ってるけど、our mom 私たち二人のママ、でしょ?」と怒っています。
怒っているフィービーを見て、皮肉っぽく Right! 「ええ、そうねぇ」と笑っているのもアースラらしいですね。
アースラは自分の出生証明書を妹フィービーに見せ、フィービーは「あなたは私の出生証明書を(私の分も)持ってる?」みたいに尋ねています。
家族の持ち物を預かったのなら、私のもあったはずでしょ?ということですね。

それに対するアースラの返事が、これまたアースラらしい、なんとも邪悪な内容になっています。
「それ(フィービーの出生証明書)を、スウェーデン人の runaway に売った」と言っているわけですが、この場合の runaway は「逃亡者」という名詞ですね。
まさに、run away 「走り去る、逃げる」した人、ということです。
このアースラの一言で、身元を隠して逃げている謎のスウェーデン人が、フィービーの出生証明書を手に入れ、今はフィービーになりすましているであろうことが想像されるわけです。
自分の出生証明書はちゃっかり持っていて、双子の妹の分は、本人に渡してやることもなく、外国人逃亡者の身元隠しの材料に売ってしまった、という極悪ぶりが光っています(笑)。
この後のフィービーは、自分の出生証明書が誰かに売られてしまったことは気にもとめず、ただ、アースラの証明書を見て、今が31歳であることにただただ驚く、という展開になっています。
普通の人なら大騒ぎするところですが、フィービーも波瀾万丈の人生を歩んできた人ですから、そういうところには動じない、というのも、フレンズ的お約束と言えそうですね。


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posted by Rach at 16:40| Comment(7) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは!いつも楽しくブログ拝見させていただいております^-^!
このエピソード大好きです!使えそうなフレーズがたくさん出てきますよね^^
ひとつご質問です。以下の文章はどういう構造になっているのでしょうか・・?that they ~がどこにかかっているのかよくわかりませんでした><
ご教示いただけますと幸いです!
Monica: Oh, no! My parents have never seen me drunk! . . That they know of.
Posted by Kyoko at 2018年10月07日 06:57
Kyokoさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
いつもブログを読んでいただいているとのこと、大変光栄で嬉しく思います。
このエピソードも実に面白いですよね(^^)

それでは早速ご質問について。
解釈を考えていたら、説明が長くなってしまいました。
お時間のある時にゆっくり読んでいただければ幸いです。

That they know of. というのは、They know of that. の that を強調のために前に出した形になると思います。
英辞郎に以下の That I am sure of. というフレーズが載っていたのですが、それと似た感覚だと思われます。

that I am sure of=それは確かだ、間違いなく、絶対に、私はそう信じている。(挿入句または前の文への付け足し)
例)He knows you love him. That I am sure of. 彼はあなたに好かれてることに気付いてるよ。絶対。

know は他動詞として直接、目的語を取りますが、know of という形だと、以下の研究社 新英和中辞典の説明がわかりやすいように思います。

know〔+of+【(代)名】〕=(直接ではないが)〔…のことを〕間接的に知って[聞いて]いる
I know of him, but I don't know him (personally). 彼のうわさは聞いて(間接的に知って)いるが(個人的に)知り合ってはいない。(注:あとの know は 【他】Uの意味)
This is the best method I know of. 私の知るところではこれがいちばんよい方法だ。

モニカのセリフ That they know of. を英辞郎の That I am sure of. と似た風に訳すと「それは彼らが知っていることだ、彼らはそうだと知っている」という感じになるでしょうし、研究社の2番目の例文の「私の知るところでは」という和訳を当てはめると「彼ら(両親)の知るところでは(そうだ)」のようなニュアンスになるでしょうか。
直接ではなく間接的に知っているという意味で「知っている」との断言を避け「知るところでは」と距離感を出すような日本語になっているのでしょうね。

ちなみに Not that I know of. というのは決まり文句として「私の知る限りは、違うと思う(そうでないと思う)」という意味で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも以下のように出ています。

not that I know of : (spoken) used when answering a question to say that you believe that the answer is "no," but there may be facts that you do not know about
例)"Did anyone call for me?" "Not that I know of."
つまり「ある質問に答える時に、その答えがノーだと信じているが、自分が知らない事実があるかもしれないことを言うために使われる」
例文は「誰か私に電話してきた?」「私の知る限りでは(電話は)なかったと思う」。

以上のことを踏まえて、モニカのセリフを見てみると、
モニカ: Oh, no! My parents have never seen me drunk! (Pause) That they know of. は
「私の両親は私が酔っぱらったのを見たことないわ!(間があって)両親の知るところではね」のようになるでしょうか。
後から付け足しのように「両親の知るところでは」と言ったのは、「両親の前で酔っぱらっていたことが過去にはあったかもしれないけど、親はそれを酔っぱらったとは認識していない、気づいていない」のような意味で言った、という可能性がまずは考えられるかと思います。

ただ know of 「知っている」という表現については「自分が知っているかどうか」はわかりますが、他人が知っているかどうかというのはその人に聞いてみないとわからない、というところもあるので、個人的にはそこに少し引っかかってしまいました。
not that I know of が決まり文句として使われることからも、主語が I の方が一般的な気がするのですね。
モニカのセリフが That I know of. だったなら「両親は私が酔っぱらったところを見たことない(はず)。少なくとも私の知るところでは」となり、その場合は「両親は私が酔っぱらってるところ見たことないのに!」と断言した後、「少なくとも私の知る限りではそうだ、ってだけだけどね」のように断言を和らげる効果が出るように思います。
「私の記憶にある限り、両親に酔っぱらってるところを見られたことはないはず」という意味になり、ある意味、そっちの方が意味的にはシンプルでわかりやすい気もしますし、「私が記憶をなくしてるほど酔っぱらってたところを知らない間に見られていたかもしれない」ということも示唆するようにも思います。
ですから、もしかすると、本当なら「私の知るところではそうね」という意味で That I know of. と言うべきところを I ではなく they と言ってしまった、「両親の知るところではそうね」のようにトンチンカンな発言をすることで、モニカのベロンベロン具合を表現したという面白さなのかなぁ、とも思ったりもしました。

ということで、単に「両親の知るところでは」という文字通りの意味で言っただけなのか、「私の知るところでは」と言うべきところを they と言ってしまった面白さなのかはよくわからないのですが、いずれにしろ That they know of. というセリフ自体は「それ(その前に言った内容)を彼らは知っている、彼らの知るところではそうである」という意味だということになります。

興味深いご質問ありがとうございました!
Posted by Rach at 2018年10月09日 20:43
こんにちは

モニカの台詞の that は、研究社新英和大辞典の that 2 (関係代名詞) の項目5 に説明があります。

5 [否定構文の主節に続いて] ... する限りでは (so far as)

この that は = so far as なので、My parents have never seen me drunk 全体にかかると考えられます。
Posted by mq at 2018年10月12日 20:58
ちなみに:

Not that I know of. という表現は、上の「否定構文の主節」を not 一語に集約したものと考えられます。

英辞郎の That I am sure of. という例文には、上のパターンを肯定に使った口語の軽さが感じられます。倒置の必然性はないように思います。
Posted by mq at 2018年10月13日 07:03
mqさんへ
コメントありがとうございます。
教えていただいた that の用法は、「大」辞典ではない方の(私がよく使っている)研究社 新英和中辞典にも以下のように載っていました。

that 【接】(5) [通例否定語の後で制限の節を導いて] 〈…する〉限りでは, 〈…する〉ところでは
用法:この用法の that はそれ自体は関係代名詞的で, 後の他動詞や前置詞の目的語に当たる
He never read it, that I saw. 私の見たところでは彼は一度もそれを読んだことがなかった。
No one knows anything about it, that I can find. 私の知るところではだれもそのことを知らない。
Not that I know (of). 私の知る限りではそうではない。

おっしゃる通り、もっぱら否定文の後に使われるようですね。それを考えると、Not that I know of. の not は「否定構文の主節」を not 一語に集約したもの、というご意見、おっしゃる通りだと思います。
そして、That I am sure of. には、お決まりフレーズである Not that I know of. を肯定に使った口語の軽さが感じられる、というお話にも納得です。

上の研究社の説明に、「関係代名詞的で、後の他動詞や前置詞の目的語に当たる」とありますので、前文を受ける関係代名詞 which を使って言い換えると、
My parents have never seen me drunk, which they know of.
となり、関係代名詞を使わず本来の目的語の位置に戻すと、
My parents have never seen me drunk, and they know of that.
のようになるとも考えられるということでしょうか。
That they know of. 部分がないと、前文の内容が事実ということになってしまうので、「見たことないっていうのはあくまで彼らが知る限りの話だけど」と付け足した感じになるということで、確かに関係代名詞的なニュアンスがあると思います。

That を前に出したのは強調のための倒置だと私は考えたのですが、新英和中辞典の説明にあるように which のような(前文全体を受ける)関係代名詞だと考えると、非常にしっくりきます。

That I know of. ではなく、Not that I know of. という否定形の方が決まり文句になっているのは、そのような「〜する限りでは」という意味の that がもっぱら否定構文の後に使われるものだからで、今回のモニカのセリフの前半の文が never が使われた否定文になっているのもその流れを汲んでいるということですね。

貴重なコメントありがとうございました。
Posted by Rach at 2018年10月13日 10:27
補足です:

上のコメントで「that = so far as」と書きましたが、言外に含まれていた so far as のニュアンスが that を本来の目的語の位置に戻したときに出てくると言った方が正確かもしれません。

That they know of. = So far as they know of that.

この that は、主節を受け、なおかつ主節に制限的にかかる点で特殊です。LAAD で (spoken) とされているのはそのためでしょう。

which については、研究社の辞典で that の項目5 に相当するものが関係代名詞 which に見当たらないので、普通の解釈になるかと思います。

My parents have never seen me drunk, which they know of.
= My parents have never seen me drunk, and they know of that.

which が主節に制限的にかからないとすると、「両親は私が酔っているのを見たことがない、そしてそのことを知っている」という、いささか奇妙な意味になります。
Posted by mq at 2018年10月15日 14:09
mqさんへ
補足のコメントありがとうございます。

「この that は、主節を受け、なおかつ主節に制限的にかかる点で特殊」というお話、おっしゃる通りだと思います。
この that はその特殊性から、関係代名詞 which とは別物である、ということですね。

貴重なコメントありがとうございました。
Posted by Rach at 2018年10月15日 16:27
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