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フレンズ1-24その1 のコメント欄 でセリフに関するご質問がありました。
そのセリフに関する私の解釈を書いていたら、長くなってしまったので、今日はそれをブログ記事として投稿することにしました。
まずは1つめのご質問。
1) "Jeez, you say one thing and..." について。
そのセリフは以下のシーンで出てきます。
[Time lapse. Chandler and Joey are making the fire, Monica and Phoebe are inside. Ross enters, carrying luggage.]
時間が経過。チャンドラーとジョーイは(ベランダでバーベキューのために)火を起こしている。モニカとフィービーは家の中にいる。ロスが入ってくる、荷物を持って。
ロス: Hey. [Phoebe sees his bags] (やあ。[フィービーはロスのバッグを見る])
フィービー: How long did you think this barbecue was gonna last? (このバーベキューがどのくらい続くとあなたは思ったの?)
ロス: I'm going to China. (僕は中国に行くんだよ。)
フィービー: Jeez, you say one thing and... (なんてこと。<訳はここでは省略>)
モニカ: You're going to China? (ロスは中国に行くの?)
フィービーのセリフは、you say one thing and... で止まっていますが、フィービーはこの後、どういう言葉を続けようとしていたのか、そしてその意味は何か?というご質問でした。
まず、one thing というフレーズで思い出すのは、one thing and another 「あれやこれやで」、one thing leads/led to another 「あることが別のことにつながって」などでしょうか。
To A is one thing, to B is another. 「A することと、B することは別物だ」という決まり文句もありますね。
この後に何というフレーズが続き、その意味は何であるか?について、私なりに2通りの解釈を考えてみました。以下にそれを書いてみますね。
まず1つ目の解釈は、you say one thing and it leads to another みたいな言葉が続くのでは?という想像。
直訳すると、「あなたが1つのことを言うと、それが別のことにつながって」みたいなことですね。
フィービーは、ロスが「中国に行くんだ」と言ったことを嘘だと思っていて、「そんな風に1つ嘘をつくと、辻褄合わせで嘘に嘘を重ねることになって、後で大変なことになっちゃうわよ」みたいに言いたいのかなぁ、と。
DVD の日本語訳も「(字幕)ウソはダメよ/(音声)うそ1秒、ケガ一生よ」となっていて、特に音声の訳は、私が上に書いた解釈と同じな気がしたわけです。
そのシーンのフィービーの表情を見てみても、目をカッと見開いて、ちょっと身体を震わせてみせているので、「そういう嘘を言うと、その後、大変なことになっちゃうわよ」みたいなニュアンスが感じられる気がしました。
次に、2つ目の解釈。
話の流れからすると、上の解釈が正解かなぁ、と思うのですが、実は、"You say one thing and do another." というお決まりフレーズがあるのですね。
最初の部分 You say one thing and... が全く同じなので、フィービーはわかりきった後半部分を省略した、とも考えられる気がしました。
英辞郎では以下のように出ています。
say one thing and mean another=言ってることと本心が違う
say one thing but do another=言うこととすることが違う
つまり、「ある一つのことを言って、別のことを意味する・別のことをする」ですから、「言うこととすることが違う」というような意味になるわけです。英辞郎では上の2種類が出ていますが、実際にネット検索してみると、"You say one thing and do another." の形もよく使われているようです。
ただ、「言うこととすることが違う」という意味で言っているとすると、ちょっと話の流れ的に、またフィービーの表情の印象と、ずれている気もするのですね。
フィービーは「バーベキューするのにそんな大荷物?」みたいに最初は話しかけ、それに対してロスが「中国に行くんだよ」と答えた時点で、「ロスの言っていることと、やっていることは一致している」ことになると思うからです。中国に何泊も泊りがけで行くから、そんな大荷物なんだー、ということで、誰もが納得できるはずですよね。
ですから、このフィービーのセリフが、you say one thing and... まで偉そうに言って、途中で「言行一致してるじゃん」と自分の間違いに気付いて、言うのを途中でやめた、ということならいいのですが、セリフの言い方やフィービーの表情からは「間違えちゃった」というイメージは受けません。
途中まで言って自分の間違いに気付いた、という場合だと、you say one thing and... uh, whatever. 「あー、何でもいいわ」とか、you say one thing and.... Never mind. 「気にしないで(今の話は忘れて)」みたいな言葉が続きそうにも思うのです。
とすると、いくら、You say one thing and... という決まり文句があったとしても、そのフレーズが続くと考えるのは無理があるのかなぁ、と。
ただ、もう一つの可能性としては、「中国に長期旅行するから大荷物」のように、ロスの説明とロスの装備が一致しているのに、人とはズレた感覚のフィービーが、「言ってることとやってることが違うじゃない」「その大荷物と、中国に行くのと、どういう関係があるのよ」みたいに、全くピント外れな返しを(それもちょっとあきれた感じで)言っている、という面白さなのかもしれない、、とも思ったりもしました。
ただ、そういう「ナンセンスな返し」であれば、ロスが「はぁ? フィービー何言ってんの?」みたいなあきれた顔をするようにも思うのですね。
ということで、"You say one thing and do another." というお決まりフレーズが存在するものの、今回のセリフは、「適当なこと(嘘)を言うと、それが続くことになるわよ」みたいな意味で言ったのかな、と思いました。
次に、2つ目の質問。
2) "Have you been involved with someone where you haven't broken up?" の where の役割と意味について。
そのセリフは以下のシーンで出てきます。
ロスが自分のことをずっと好きだったと知って、急にロスを意識し始めたレイチェル。
他の男性とのデート中にも、ロスの幻影(それも妙にかっこいい幻影…笑)を想像してしまっているレイチェルが、その幻影のロスと会話しているシーン。
レイチェル: Ross, you're, like, my best friend. (ロス、あなたは、ほら、私の親友なのよ。)
ロス: I know. (そうだね。)
レイチェル: If we broke up, and I lost you-- (もし私たちが(付き合って、その後)別れたら、私はあなたを失う…)
ロス: Whoa, whoa, whoa. What makes you think we're gonna break up? (ちょっと、ちょっと、ちょっと。僕らが別れることになるって、どうしてそう思うの?)
レイチェル: Well, have you been involved with someone where you haven't broken up? (訳は省略)
ロス: [pause] No. But it only has to happen once. Look, you and I both know we are perfect for each other. Right? I mean.... So the only question is: Are you attracted to me? ([間があって] いや、そんな経験はないよ。でも、そういうことが起きるのは一度だけじゃないといけない。ねぇ、僕たちはお互いにとって完璧だってことを、僕らは二人ともわかってるんだ。だろ? だから、たった1つの質問はこれだよ。君は僕に惹かれてる?)
have you been involved with someone where you haven't broken up? の where はやはり「関係副詞」だと思います。
場所を表す先行詞がありませんが、こういう場合は、where が出てきた時点で、「その前に語られた内容の場所や状況を指している」と軽く頭にイメージするのがいいように思います。
今回のセリフでは、where が出てくる前の前半部分で言われている内容の状況を、「その状況の中で」 という感覚で where で受けている、と言える気がするのですね。
関係代名詞 which も、Which means... 「それはつまり…(ということである)」のように、前に言った文章全体を受ける場合がありますね。
今回のセリフの where も、直前に語られたこと(この場合は、You have been involved with someone 誰かと付き合ってきた、恋愛関係にあった)を状況としてとらえ、その状況の中で、という意味で where で受けている感覚になるでしょう。
前半の部分で、「あなたはこれまで誰かと付き合ったことある?」みたいに尋ねています。
その後、where you haven't broken up と続いているので、where を「そこで、その場所で、その状況で」みたいに捉えると、「その誰かとの関係の中で、あなたが別れたことがない」と言っていることになります。
someone を先行詞として、who を関係代名詞として使うと、「(人)と別れる」は、break up with (someone) のように with が必要になってきますから、Have you been involved with someone (who) you haven't broken up with? になるでしょうか。
それだと「これまで別れたことのない人と付き合ったことがある?」みたいな訳になりますね。
それと同じようなことを、「人」ではなく「状況」で語っているのが、今回の where を使った方のセリフになると思うわけです。
「(あなたが)別れたことのない誰かと付き合ったことがある?」ではなくて、「誰かとの関係の中であなたが別れたことがない、そういう人と付き合ったことがある?」と尋ねている感覚なのだろうと。
それを全部、英語にしようとすると、Have you been involved with someone, in the relationship with whom, you haven't broken up? みたいになるのかなぁ、と。
無理やり日本語に訳すと、「誰かと付き合ったことがある? その誰かとの関係の中で、あなたが別れを経験しなかったような」になるでしょうか。
関係副詞 where は、直前に述べた場所を示しつつ、文章を繋げるという役目があるので、例えば、and there みたいに訳すと、何となく意味が取れたりもします。
上ではそれを、in the relationship with whom のように無理やり関係代名詞(の目的格)を使って英文化してみましたが、シンプルに、and there (= and in the situation) とイメージすることで、このセリフの where の感覚がわかってくるように思いました。
つまり、この where は「漠然と、その誰かと付き合っているという関係(の状況)を指している」感覚だと思います。
誰かと付き合ったことある?と質問した時点で、その人との関係、というものが双方(話し手、聞き手)の頭にイメージされ、そこで where と出てくると、その「場所、状況」が指すものは、その人との(恋愛)関係のことである、とイメージできるように思うのです。
そんな風にイメージはできると思うものの、やはりこの文章は、口語のセリフっぽく、かなりくだけた言い方で、文法的には適切でない、ということにはなるでしょう。
「厳密に言うと、where の指している場所や状況を指す言葉が where の前にない」という意味で、文法的に正しいとは言い難い文章、だと言われそうだということです。
あえて説明するとすれば、「where より前の文章全体を受けている」と言うことは可能だと思います。
「あなたが別れたことがない」という恋愛関係・状況であったような、そういう相手と付き合ったことある?みたいなニュアンスだということですね。
ロスに「どうして、別れることが前提みたいに言うわけ?」と問われたことに対する返事ですから、「これまでに何人か付き合って来た人がいるってことは、その前の人と別れてきたわけでしょ、今までたった一人の人と付き合ってきたってことじゃなければ、付き合えば別れる可能性がある、っていうのは当然のことじゃない」みたいなことがレイチェルは言いたいわけですよね。
DVD日本語訳では、
「(字幕)別れず続いてる恋がある?/(音声)じゃああなたは、誰ともダメになったことがない、って言うわけ?」
となっていましたが、それを英語のセリフで表現すると、「(その人との関係において)別れたことのない誰かと付き合ったことあるの?」となる、ということです。
「誰かと付き合った関係の中で、その関係において」というのが、ここでの、関係副詞 where のニュアンスだということですね。
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今回もたくっさん調べていただいてありがとうございました。
1) "Jeez, you say one thing and..." について。
これ、Rachさんの解釈の you say one thing and it leads to anotherすっごくすっきりしました。
これだと「うそはダメよ」の訳にもしっくり来ますね〜 もうひとつのフレーズは知りませんでした。
電子辞書でも調べてみたけれどヒットしなかった・・・英辞郎は気になっているんですが使ったことはないけれど、今度見てみようかなぁ。
あとifが聞こえる・・・件ですが、この後更に2回聞いてみましたが、聞こえるような、言ってないような・・・
(3回目・・って思ったけどPC壊したくなくて思いとどまりました 笑)多分、最初にこの部分を考えたときに one thing and・・だから次に来るのはthe othere か anothereかなぁと考えてそれだと「もし・・なら、」と考えてifが入る?と思ったのでそう聞こえたのかも・・・ (我ながらすごい耳?? 笑)
2)関係副詞whereの解釈について
こちらも納得です。 副詞だからすぐ前の先行詞というよりは、文全体を指して状況説明している、という説明すごく判りやすかったです。つまりロイヤル英文法の言う文法的には正しくない、は説明としてはあっているということですよね? でも単に文法書でだけこの言葉を読んだのだったら、このニュアンスは私には理解できませんでした。こうして口語表現で実際に使われているのを聴いて、おまけに
解説していただいたお蔭でスッキリしました。この次にこういう表現に出会ったら、and there (= and in the situation) で置き換えて
考えてみます。
こうしてフレンズを使って口語表現をいっぱい学べるのってホント凄い! これからもじっくり観倒しますので、どうぞよろしくお願いします。
Rachさんも1回目はそれ程良いと思わなかったんですね〜 おんなじで良かった♪ でも今はこれ以上に面白い&役に立つシットコムはないとさえ思っています。
最近フィビーのボケっぷりをとっても気に入っているやっちんより
ご丁寧なお返事ありがとうございます。また、上のような長文の解説をきちんと読んでいただけたことがわかって、とても光栄で嬉しいです。ありがとうございます。
if が聞こえるかどうかについては、私も何度か聞いてみたのですが、うーん、やっぱり聞こえないような気がするんですよねー。イヤホンをして聞いてみたので、よりクリアに聞こえたと思うのですが、if はない、ように思いました。こういうものは、最初に聞こえた感じの印象がずっと残ってしまい、どうしてもそれに囚われてしまうところがあるので、どちらが正解かとかは何とも判断しにくいところですね。
where については、文法で習ったことに当てはめようとすると、まずは場所を表す先行詞を探す、ということになりますね。先行詞を含む関係副詞、というのもあって、その場合は、the place where と考えればよいわけですが、今回はそれともまた少し違った感じがしました。
and there として考えてみたらどうでしょう、という話は、関係副詞の基本理念に立ち返るとそうなるんじゃないかな、ということです。前に述べられた場所のことを続けて述べる場合に、場所を示しつつ、前後の文章を繋げるという役割が関係副詞なわけなので、そういうイメージで話しているネイティブと同じように、聞く方もイメージすればいいのかな、と私は思いました。
フレンズのことを、面白く役に立つ、と言っていただけると、大変嬉しいです。そういうフレンズを題材にしているわけですから、その面白さを伝えつつ、英語学習に役立つ記事を書けるように頑張りますね。
フィービーのボケっぷりは愛らしいですね。私も大好きです。英語のセリフにフィービーらしさを感じられるようになることも、英語上達のバロメーターになると思います。