2013年04月08日

今のでリストから1つ消せる フレンズ7-14その5

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30歳の誕生日を迎えたばかりだと思っていたのに、双子の姉アースラに「私たちは今31歳よ」と知らされ、ショックが隠せないフィービー。
フィービー: Plus, it totally ruined my schedule! I... I haven't done any of the things I wanted to do by the time I was 31! (それに、(私が31歳だってことが)予定を完全にめちゃくちゃにしたのよ。私…私が31歳までにしたかったことのどれもまだしてないのよ!)
ジョーイ: Like what? (例えばどんな?)
フィービー: Like, okay, I-I-I, I haven't met any Portuguese people! I, I haven't had the perfect kiss! And I haven't been to sniper school! (例えばほら、私はまだポルトガル人に会ったことがない。完璧なキスもしたことがない。それに、スナイパーの学校に通ったこともない。)
モニカ: Phoebe, y'know why don't we just go upstairs and have some birthday cake? (フィービー、ほら、とにかく上に行って、誕生日ケーキを食べましょうよ。)
フィービー: No, I just feel like being by myself for a while. All right? I'll see you guys later. Thanks. (Gets up and exits.) (いいえ、私はただしばらく一人になりたい気分なの、いい? みんな、また後でね。ありがと。[立ち上がり(セントラルパークを)出て行く])
レイチェル: Hey. (After she leaves.) Oh, poor Pheebs. (ねえ。[フィービーが出た後で] あぁ、かわいそうなフィービー。)
ジョーイ: Hey, y'know what you guys? I think I'm gonna go walk her home. (Gets up and runs out.) (ねえ、あのさ。俺、彼女を家に送って行こうと思うんだ。[立ち上がり、走り出す])
モニカ: Oh, man! (あぁ、なんてこと。)
チャンドラー: What? (何?)
モニカ: He's gonna eat the cake! (ジョーイはケーキを食べる気だわ!)
[Cut outside, Joey is catching up with Phoebe.]
外に場面がカット、ジョーイはフィービーに追いつく。
ジョーイ: Pheebs! Wait up! (She stops.) Listen uh, close your eyes. (She does so and Joey passionately kisses her.) Maybe that's one thing you can cross off your list. (フィービー! 待って! [フィービーは立ち止まる] ねぇ、あの、目を閉じて。[フィービーは目を閉じる。ジョーイは情熱的にフィービーにキスする] 多分、今のは、リストから消すことができることの1つだよね[今ので、1つリストから消せるよね]。)
フィービー: Oh, yeah. (ええ、そうね。)
(Joey starts to walk away, but stops.)
ジョーイは歩いて立ち去ろうとするが、立ち止まって。
ジョーイ: Oh, and plus, I'm 1/16th Portuguese. (あぁ、それプラス、俺は16分の1、ポルトガル人だから[ポルトガル人の血が入ってるから]。)
フィービー: Oh! (Phoebe walks away smiling.) (まぁ! [フィービーは微笑みながら歩いて去って行く])

30歳だと思ってたのに、実際は31歳だとわかったことで、私の予定(スケジュール)が完全にだめになっちゃった、みたいにフィービーは言っています。
31歳になるまでの間に私がしたいと思っていたことのどれもまだしてない、とも言っていますね。

Like what? は、「例えば、どんな感じのこと?」というニュアンス。
具体的にどんなことか内容を教えてよ、という感じです。
フィービーは、I haven't p.p. (過去分詞)という現在完了形を使って、「私はまだ〜していない」という内容を3つ説明しています。
つまりそれが、31歳になるまでにしたかったことだということになります。

1つ目は「私はポルトガル人に会ったことがない」。
なぜにポルトガル人??とも思ってしまうところですが、そこでポルトガルという国を出してきたのが、アメリカ人にとっては絶妙なチョイスなのでしょうね、きっと。
移民の多いアメリカ人にとっても、ポルトガル人はちょっと珍しいというイメージがあるのかもしれません。

2つ目は「私は完璧なキスをしたことがない」。
これまでフィービーの恋人だった人たちに対して失礼な発言とも言えそうですが(笑)、とにかくフィービーは the perfect kiss と思えるようなキスを経験したことがない、と思っていることがわかります。

そして3つ目は「私はスナイパーの学校に通ったことがない」。
ゴルゴ13にでもなるつもりか!と、ツッコみたくなる発言ですが、この3つ目は、典型的なコメディーのオチっぽくて楽しいですね。
波瀾万丈の人生を歩んできたフィービーなら、スキルの一つとしてスナイパーの資格を持っていてもおかしくない、みたいに妙に納得できるキャラであることも、このセリフを面白くしているわけでしょう。

ないないづくしで、3つの「まだしてないこと」を挙げたフィービーをなだめるように、モニカは、上の部屋に行って、ケーキを食べましょ、と誘っています。
ですがフィービーは、「私はしばらく一人になりたい気分なの」と言って出て行ってしまいます。
そんなフィービーを見て、レイチェルは、Oh, poor Pheebs. 「あぁ、かわいそうなフィーブス(フィービー)」と言っていますが、この poor は、最近の記事、かわいそうに Poor thing フレンズ7-13その4 で説明した、Poor thing. 「かわいそうに」の poor と同じニュアンスになります。

その後、ジョーイが「俺、フィービーを家まで送ってくるわ」みたいに言って、店を出ます。
モニカは、「ジョーイは部屋に先に行って、さっき私が話題に出したフィービーの誕生日ケーキを、先に食べちゃう気だわ」などと言うのですが、ジョーイは本当にフィービーを追いかけ、声をかけています。

この後は、優しいプレイボーイであるジョーイの真骨頂、という感じですね。
Close your eyes. 「目を閉じて」と言って、ジョーイはフィービーに情熱的なキスをして、その後、Maybe that's one thing you can cross off your list. と言っています。

cross off は文字通り「クロスして、オフにする」みたいなことで、「(リストなどに書いてある名前や項目)に線を引いて消す」という意味になります。
クロス(cross)という言葉には、「交差」「十字」「十字架」などの意味がありますが(「超人バロム・1」の「バロム・クロス!」とかw)、ここでの動詞の cross は「×(バツ)印をつける」というよりは、「横線を引く」という感覚になります。
across などと同じく「横切る」という感覚で、cross the border なら「国境を越える」とう意味ですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cross off [phrasal verb] :
cross something off / cross off something : to draw a line through one or more things on a list because you have dealt with them or they are not needed anymore
例) Cross off their names as they arrive.

つまり、「リスト上の1つ、またはそれ以上のものの上に線を引くこと、それらの処理・対応が済んだ、またはもうそれらが必要ないという理由で」。
例文は、「彼らが到着したら、名前を線で消しなさい」。

ですから、ここでのジョーイのセリフ、Maybe that's one thing you can cross off your list. を直訳すると、「多分、それ(今のキス)は、「フィービーが31歳までにやりたかったことリスト」から消せる一つのことだね」みたいになるでしょう。
今のキスで、リストから項目を1つ消すことができるよ、だって今の俺のキスは、the perfect kiss だっただろ?みたいなことで、プレイボーイのジョーイならではのセリフということになりますね。
フィービーもそれは否定せず、嬉しそうな顔でうなずいています。

ジョーイとフィービーは恋人同士でもないのに、そういうロマンティックなキスをしたことが(私が思い出す限り)これまでに2回ありました。
1つ目は、フレンズ1-17 で、フィービーがアースラのふりをして、優しく別れの言葉を告げてキスをする、というシーン。
そして、2つ目は、フレンズ2-24その3 で、キスシーンの演技に問題あり、と言われたジョーイのために、フィービーがキスの練習台になってあげた(!)というシーンでした。
その時のジョーイのキスについて、
フィービー: Good. Very good. Firm, but tender. I'd recommend you to a friend. (素敵。とても素敵よ。揺るぎない、でも、優しい。私ならあなたを友達にお勧めできるわ。)
とまで言っており、ジョーイはやっぱり、a good kisser 「キスがうまい人」であることが証明された場面でした。

そういう a good kisser のジョーイが、落ち込んでいるフィービーのお願いを1つ叶えてあげるために、今回、とびっきりのキスをしてあげたわけなので、彼のテクニック(笑)、プラス、彼のフィービーを想う優しい気持ちが合わさった今回のキスは、the perfect kiss と呼べるものであったでしょうね。
フィービーの照れたような可愛い笑顔も、それをよく表している気がしました。

キスの後、立ち去ろうとするジョーイですが、立ち止まって、あることを言っています。
ネットスクリプトでは、"Oh, and plus, I'm 1/16th Portuguese." 、DVD英語字幕では、"Plus, I'm one-sixteenth Portuguese." と表記されていましたが、1/16 は「16分の1」ということで、発音は、「ワン・シックスティーンス」のようになります。
「俺は、16分の1 ポルトガル人なんだ」ということで、高祖父母(4親等の直系。曾祖父母の父母)の誰か1人がポルトガル人の場合、ポルトガル人の血が 16分の1 になるということで、1/16th Portuguese になるわけですね。
ジョーイはイタリア系アメリカ人ですが、実はちょっとポルトガル人の血も受け継いでいるんだ、と言っていることになります。

「ポルトガル人にまだ会ったことない」と嘆いていたフィービーですが、「完璧なキス」という2番目の願いを叶えてあげた後で、「あ、それで俺さ、ちょっとだけポルトガル人の血が入ってるから」のように、1番目の願いももしかしたら叶ったって言ってもいいんじゃない?みたいに言ってみせたところが、なんとも洒落て(しゃれて)いますよね。
残すは、スナイパースクールに通うだけになった(笑)フィービーの幸せそうな顔が印象的です。

ジョーイとフィービーの関係はフレンズの中でも独特のものがあり、「友達なのにそんなロマンティックなキスするかぁ〜?」と言いそうにもなるのですが、今回のシーンについては、そういう気持ちを通り越して、とにかく微笑ましく温かい感じがしました。
男3人女3人が親友である「フレンズ」というこのドラマは、それぞれの恋愛が描かれると同時に、このような男女間の友情のシーンもあるのが魅力だと思うのですが、今回のシーンもその一つかな、と思います。


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posted by Rach at 15:53| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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