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シーズン7 第15話
The One Where Joey Gets A New Brain (ジョーイの脳は大女優)
原題は「ジョーイが新しい脳をゲットする話」
チャンドラーとモニカの部屋に、ジョーイが嬉しそうな顔で入ってきて、
ジョーイ: So I just talked to one of the DOOL writers today, and-- (でさ、今日、ちょうど DOOL (ドゥール)のライターの一人と話してたんだけど、でね…)
モニカ: What is DOOL? (ドゥールって何?)
ジョーイ: Days Of Our Lives. Anyway, you're not gonna believe it! My character is coming out of his coma!! (デイズ・オブ・アワ・ライブズ(「愛の病院日誌」)だよ。とにかく、みんな信じられないぞ! 俺のキャラクターが昏睡から目覚めるんだ!)
みんな: Oh!! (おぉー!)
チャンドラー: That's great! (それはすごいな。)
ジョーイ: And-and-and not only that, I'm gettin' a new brain!! (で、それだけじゃないんだぞ。俺は新しい脳を手に入れるんだ!)
チャンドラー: So great things are happening at work and in your personal life! (それじゃあ、すごいことが起こるんだな、仕事で、そして、私生活で!)
レイチェル: Wait, what do you mean you're getting a new brain? (待って、どういう意味なの、あなたが新しい脳を手に入れる、って。)
ジョーイ: Oh well, they're killing off one of the characters on the show, and when she dies her brain is being transplanted into my body. (えーっと、番組でキャラクターの一人が死んで降板させられるんだ、で、彼女が死ぬ時、彼女の脳が俺の体にに移植される予定なんだよ。)
ロス: What? A brain transplant?! It's ridiculous! (何だって? 脳移植? ばかげてるよ!)
ジョーイ: Well, I think it's ridiculous that you haven't had sex in three and a half months. (ふーん、ロスが3ヶ月半もエッチしてないこと(の方)が、ばかげてると俺は思うけどね。)
ロス: (to Monica and Rachel) It's winter. There are fewer people on the street. (Rachel and Monica smile and nod, knowingly.) ([モニカとレイチェルに] 今は冬だ。通りには(他の季節と比較して)人がほとんどいないんだよ。[レイチェルとモニカは微笑み、わかるというようにうなずく])
ジョーイは部屋に入ってくるなり、DOOL のライターの一人と話をしてたんだけど、みたいなことを言っています。
DOOL は「ドゥール」みたいに発音していますね。
聞き慣れない言葉なので、モニカは、ドゥールって何?と聞き返すと、ジョーイは、Day Of Our Lives のことだよと答えます。
自分が出演しているソープオペラ(昼メロ) Day Of Our Lives 「愛の病院日誌」の略称だったのですね。
フレンズたちにしてみれば、んな略称知るかよ、というところでしょうが、おー、なるほどそれのことねー、とうなずいてあげているのも微笑ましいところ。
My character is coming out of his coma!! の coma は「昏睡(状態)」で、文字通り、「俺の演じているキャラクターが、昏睡状態から出る予定である」、つまり「昏睡状態から覚める予定だ」と言っていることになります。
and not only that 「そしてそれだけじゃなくて」と、さらに興奮した様子で続けて、 I'm gettin' a new brain!! と言っていますね。
あまりにも漠然とした表現過ぎて、聞いているフレンズたちも正直意味不明だったでしょうが、チャンドラーはここぞとばかりに嬉しそうにツッコミを入れています。
その So great things are happening at work and in your personal life! について。
前から順番にイメージしていくと、「それじゃあ、すごいこと(複数のこと)が起こる予定なんだな、仕事で、そして、お前の私生活で!」ということになるでしょう。
特に、and の部分をチャンドラーは強めに発音しています。
and の前までの前半部分は普通のリアクションで、それだけ聞くと、「そっかー、じゃあ、お前は仕事ですっごいことがいろいろ起こるんだな」と言っていることになりますね。
「新しい脳を手に入れる」という突拍子もない話ですから、聞いているフレンズたちも、詳しい事情はわからないまでも、それがドラマの中での出来事であるという理解はしているはずでしょう。
そういう意味で、「昏睡から目覚めて、新しい脳を手に入れる、って、仕事場であるドラマの中では、すっごいことが起こるんだな」と言っているとすると、ごく普通の反応になるわけです。
が、そこにわざわざ、「で、お前の私生活でも!」と付け加えることで、「新しい脳を手に入れる」という話は、ドラマの中の俳優としての話ではなく、ジョーイ本人の話だと理解しているように聞こえるわけですね。
「そっかー、ジョーイは新しい脳をゲットするのかー、これからのお前の私生活、がらっと変わるんだなー」みたいに言ってみせたところが、チャンドラーらしいジョークになっているということです。
レイチェルは真面目に、「新しい脳を手に入れる、ってどういう意味?」と問うています。
その次のジョーイの説明のセリフ、they're killing off... について。
they というのは、番組制作者を漠然と指すニュアンス。
番組上で、キャラの一人を kill off する予定だ、と言っていますが、kill off は文字通り「殺して、オフにする」みたいな感覚。
出番があるのが on で、出番がないのが off と理解すればわかりやすいでしょう。
キャラを物語の中で死なせることで、出番をオフにして、降板させる、ということになります。
そして、そのキャラ(女性)が死ぬ時、彼女の脳が俺に移植される予定だ、とも言っていますね。
a brain transplant 「脳移植」と聞いて、古生物学者という科学者のロスは、「ばかげてる」とあきれています。
いくらドラマと言ったって、脳移植なんて非科学的すぎる、と言いたいようですね。
ridiculous だとバカにされたジョーイは、「ふーん、俺はこっちの方がばかげてると思うけどなー」みたいに言って、ロスのことを言っているのですが、その内容が「お前が3ヶ月半、エッチしてないってことがばかげてると俺は思うよ」。
どうして3ヶ月半という、そこまで詳しい期間(笑)を知っているんだ、と笑ってしまうわけですが、プレイボーイのジョーイにしてみれば、「俺のドラマのことをばかげてるとか言う前に、自分の恋愛関係のことをちっとは反省してみろよ」みたいに言いたいわけでしょう。
それだけでも十分、ジョークのオチとしては面白いと思うのですが、続くロスのセリフがさらに面白さを上乗せしていますね。
「そうなんだー、ロスってもう3ヶ月半もエッチしてないんだー、彼女いないんだー」みたいに女性陣に見られてしまったので、その女性陣に向かって、「今は冬だ。通りに人がいないんだ」みたいに言い訳していることになります。
脚本の面から考えると、3ヶ月半という期間をジョーイにセリフとして言わせたのは、「今は冬だから」というオチのセリフを持ってくるためだった、とも言えそうです。
誰かとの新しい出会いを、と思っても、ここしばらく冬だったから、みんな外を歩いてない、だから出会いようがないんだよ、別に僕のせいじゃないんだよ、と言いたいわけですね。
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