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チャンドラーとモニカは、ロンドンでの二人のなれそめをジョーイに話したのですが、その話を聞いていたフィービーがモニカに、"Tell him who you originally wanted to hook up with that night." 「あの夜、元々は誰とくっつきたいと思ってたかを彼に話しなさいよ」みたいに言ったことで、波乱の展開に…。
モニカはそのフィービーの発言を流そうとしたのですが、チャンドラーが聞き捨てならないという様子で追及してきます。
チャンドラー: Who did you originally want to hook up with? (モニカは元々は誰とくっつきたいと思ってたんだよ?)
モニカ: Okay, fine, but please don't be upset! Okay? I was really depressed, okay? And really drunk! I just wanted something stupid and meaningless. I just wanted... just sex. So, when I... went to your room that night... I was actually looking... for... Joey. (Joey smiles.) (わかった、いいわ。でもどうか怒らないで。いい? 私はほんとに落ち込んでたのよ。そしてものすごく酔ってた! 私はただ、バカで無意味なことをしたかったの。私はただ…エッチしたかったのよ。それで、私があの夜あなたの部屋に行った時…私は本当は捜してたの…ジョーイを。)
ジョーイ: Yeah, baby! (Chandler glares at him.) No, baby! (いいねぇ、ベイビー! [チャンドラーがジョーイをにらむ] だめだよ、ベイビー!)
チャンドラー: Oh, my God. You came to the room looking for Joey? Were you planning on telling me this? (なんてこった。モニカはジョーイを探してあの部屋に来たのか? このことを俺に話すつもりだったか?)
モニカ: No, because I, I didn't think it was important. (いいえ(話すつもりはなかったわ)、だって、重要なことだと思わなかったから。)
チャンドラー: Oh, it's not important? It's not important?! If it wasn't for a bridesmaid, you'd be marrying him (Points to Joey) not me! (ほぉ、重要なことじゃない? 重要じゃない? (ジョーイと一緒にいた)ブライズメイドがいなければ、モニカは(今ごろ)ジョーイと結婚する予定だったんだぞ [ジョーイを指さして] 俺じゃなくて!)
モニカ: No! Do you know how unbelievably glad I am that Joey was not there that night?! (違うわ! あの夜にジョーイがあの部屋にいなくて、私がどんなに信じられないほど嬉しいと思ってるか、あなた、わかる?)
ジョーイ: Hey! (Monica turns and looks at him) I'm a man of the cloth but I still have feelings! (おい! [モニカは振り返ってジョーイを見る] 俺は、衣(ころも)の人[聖職者]だけど、それでもまだ感情は持ってるんだぞ!)
hook up with の hook はいわゆる「フック、ホック、(引っかけるための)鉤(かぎ)」のことで、動詞 hook は「(ものを)かぎで引っかける」、hook up with... だと「…と結合する」という意味になり、そこから、「(異性と)くっつく、いい仲になる」という意味にもなります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hook up [phrasal verb] : (slang) to start having a sexual relationship with someone
つまり、「(スラング) 誰かと性的な関係を持ち始めること」。
チャンドラーに追及されたモニカは、本当のことを話し始めます。
どうか怒らないで、と言いながら、私はすっごく落ち込んでて、すっごく酔っぱらってたから、stupid で meaningless なことがしたかったの、と言っています。
そう言った後、ダイレクトに「ただエッチしたかったの」とも言っていますね。
あの夜、チャンドラーの部屋に行った時に、実は・実際に、私が捜していたのは、ジョーイだったの、と真実を告白するモニカ。
隣で聞いていたジョーイは、「モニカは俺とエッチしたがってたの?」みたいに嬉しそうに、Yeah, baby! と言うのですが、婚約者であるチャンドラーがにらんでいるので、慌てて、「だめだよ、ベイビー」と言い直しています。
俺の部屋に来たのは、ジョーイを捜すためだったのか…と言って、チャンドラーは、「このことを俺に話すつもりにしてたか?」みたいに尋ねています。
plan on doing の形で、「〜するつもりである、〜しようと思う」という意味になりますね。
モニカは、「この件を話すつもりはなかった」と否定して、だって、重要なことだとは思わなかったから、とも言っています。
「重要なことじゃない、だって?!」みたいにチャンドラーは言って、If it wasn't for a bridesmaid, you'd be marrying him not me! と続けます。
この文章は、仮定法が使われていますね。
It it wasn't for... は「もし…がなければ」という決まり文句。
モニカが訪ねて来た時、ジョーイはブライズメイド(花嫁の付添役)と出掛けていたのでたまたま不在だったけど、あのブライズメイドがいなくてジョーイが部屋に残ってたら、という仮定ですね。
you'd be marrying him not me! は、「(もしそうなら)今頃は、俺じゃなくて、彼(ジョーイ)と結婚する予定だったろう」。
be marrying という進行形は、近い将来の予定を表す進行形で、あの時、ジョーイがいて、ジョーイと寝てたら、今ごろジョーイと婚約してることになってたろうさ、みたいに言っているわけです。
unbelievably は文字通り、「信じられないほど(に)」。
ですから、Do you know how... の文章を直訳すると、「あの夜、ジョーイがあの部屋にいなかったことを、私がどれほど信じられないほどに嬉しいと思ってるか、あなたはわかる?」と言っていることになります。
ジョーイがあそこにいなくて良かった、ジョーイと結ばれてしまわなくて良かった、って心から思ってるの、みたいに言われたので、ジョーイは怒っています。
I'm a man of the cloth but I still have feelings! について。
a man of the cloth という表現があるのですが、例えばその意味を知らないにしても、文全体を見ることで、だいたいの意味の見当をつけることはできます。
このセリフは、「俺は a man of the cloth だけど、それでもまだ感情はあるんだ・持ってるんだ」ということですから、a man of the cloth が、感情がない人、感情的ではない人、または感情を超越した、感情を押し殺すようなタイプの人間を指していることが想像できますね。
cloth は、テーブルクロスなどのクロスのことで、「布」、そこから、「(法衣としての)黒の僧服」の意味にもなり、the cloth で「聖職、牧師たち」も指します。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
a man of the cloth : (formal or humorous) a Christian priest or minister
つまり、「(フォーマル、またはユーモラスな表現) キリスト教の司祭または牧師」。
日本の感覚で言うと、「袈裟(けさ)の人」みたいな感じでしょうね。
俺は、結婚式を執り行える牧師の資格を取った「袈裟の人、法衣の人」である聖職者だけど、それでも感情をすべてなくしたわけじゃないんだぞ、みたいな言い方をしているわけです。
聖職者になったからって、心が傷つかないわけじゃない、今のモニカの失礼な発言は、俺の心を大きく傷つけたぞ、みたいに怒っているのです。
I'm a minister 「俺は牧師」みたいにそのまま言うのではなく、a man of the cloth とちょっともったいぶった感じで表現してみたところがこのセリフのポイントですね。
そんな風に、「俺は神に仕える身なんだぞ」みたいに言っておきながら、「ジョーイと寝なくてほんと良かった」みたいにモニカに言われたことを怒っているわけですから、聖職者であることと、怒っている内容の俗物性(笑)とのギャップが、このセリフの面白さになっている、ということですね。
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