2013年05月20日

私がいなければ知ることすらなかった フレンズ7-17その3

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モニカ、レイチェル、フィービーの3人は、ブライダルショップで見つけたお気に入りのドレスを安値で買うために、ブルックリンにあるディスカウント・ストアのクライマンズという店に来ています。
たくさんの人が押し寄せてきている中、モニカも必死で自分のドレスを探しているところ。
モニカ: No. No. Not it. Not it. Not it. (Checks another rack and another woman tries to reach around her.) (To the woman) Don't crowd me! (Finds it) This is it! This is the dress! Oh my God, it's perfect! (She takes it off of the rack and someone has a hold of it on the other side of the rack and tugs on it.) I'm sorry, this one's taken! (The other woman tugs harder pulling Monica through the rack.) Whoa! (違う違う。これじゃない、これじゃない。[別のラックをチェックすると、別の女性がモニカの後ろに手を回そうとする] [その女性に]押さないでよ! [目的のドレスを見つける] これよ! これがその(探してた)ドレスだわ! なんてこと、完璧よ! [モニカがそれをラックから取ろうとすると、誰かがそれをラックのもう一方の側から掴んで、そのドレスをぐっと引っ張る] ごめんなさい、このドレスは取られてるの! [その別の女性はより強く引っ張り、モニカをラック越しに引っ張る] ワオ!)
モニカ: Megan! (メーガン!)
メーガン: Monica! (モニカ!)
モニカ: You came?! (あなた、来たの?)
メーガン: Yeah! (ええ!)
モニカ: This is my dress! (これは私のドレスよ!)
メーガン: No! (違うわ!)
モニカ: Yes it is! You saw me wearing it! (私のよ! あなたは私がそれを着ているのを見たでしょ?)
メーガン: And now you'll see me buying it. (そしてあなたは私がそれを買っているのを見ることになるわ。)
モニカ: What? You freak! You wouldn't even have known about this place if it wasn't for me! (何ですって? あなたおかしいわ!もし私がいなければ、あなたはこの場所について知ることすらなかったのに!)
メーガン: Look, you don't want to fight me. (ねぇ、あなたは私と争いたくはないでしょ。)
モニカ: Maybe I do! I'm pretty feisty! (She blows the signal.) (多分、私は争いたいと思ってるわ。私はとっても喧嘩好きだもの! [モニカは合図の笛を吹く])

ハンガーにたくさん掛けられているドレスを一つ一つチェックしながら、モニカは、Not it. Not it. と言っています。
これは、This is not it. という感覚でしょうね。
「今見てるこれ(このドレス)は、it ではない」というニュアンスで、it というのは、自分が探している目的のドレス、自分の頭の中にイメージされているドレス、を指していることになります。
探している、目的のドレスじゃない、という意味で、モニカは、Not it. Not it. と連呼しているわけですね。

目的のものが見つからずイライラしているモニカは、横から手を伸ばしてきた女性に、Don't crowd me! と怒っています。
crowd は名詞では「群衆、人ごみ」という意味ですから、動詞だと「群がる、殺到する、押し寄せる」という意味になります。
今回のセリフの、Don't crowd me. は「私に向かって押し寄せないで」みたいに言っている感覚になるでしょう。

そんな風に怒っていたモニカですが、あるドレスを見て、This is it! This is the dress! と言っていますね。
This is it. の it は、さきほども説明したように、「自分が探していた目的のドレス、自分の頭でイメージしているまさにそのドレス」という感覚なわけですが、This is it! This is the dress! と連続で表現されていることが、よりその it の感覚をうまく説明してくれている感じがしました。
まさに、it = the dress 「その(探していた目的の)ドレス」という等式が成り立つわけですね。

This is it. という表現については、過去記事、THIS IS IT フレンズ5-12その6 で、マイケル・ジャクソンの THIS IS IT に絡めて、私なりの感覚を詳しく説明しています。

お目当てのドレスを見つけたモニカは、完璧よ!と言ってそのドレスをラックから取ろうとするのですが、ト書きにあるように、誰かがラックの向こう側から、そのドレスを掴んで引っ張っています。
ト書きの tug on は「…を力をこめて、ぐっと・ぐいと引く」という意味。
「付け札、タグ」のタグは、tag という綴りなので別の単語です。
this one's taken! は、「このもの(このドレス)は取られている」という受動態ですね。
あなた引っ張ってるけど、もう私がこのドレスを取ったからそっちの手を離して、と言いたいわけです。
ですが、相手は離すことなく、tugs harder 「より強く引っ張って」、ラックの中を通る形で、向こう側にモニカを引っ張り出すことになります。

お互いの顔を見た二人は、それがブライダルショップで会ったあの時の人だとわかり、驚いていますね。
「これは私のドレスよ」と言っても、メーガンはそれを否定するので、「だってあなたもあの時、ブライダルショップで私がこれを試着してるのを見たじゃない」と言います。
それに対するメーガンの返事に彼女の負けん気の強さが出ていますね。
And now you'll see me buying it. は、「そして今は、私がそのドレスを買っているのを・買おうとするのを、あなたが見ることになるでしょう」。
「私が着てるの見たじゃない」「(あなたは着ただけで)あなたは私が買うのを見ることになる」、つまり、「あなたは確かに着てたけど、それを買うのはこの私よ」と言っていることになります。

freak は「奇人、変人」みたいな意味ですから、You freak! 「あなたヘンだわ。あなたおかしいんじゃないの?」みたいに、あまりに非常識な言葉に対してあきれている、信じられないと思っていることがわかります。

You wouldn't even have known about this place if it wasn't for me! は典型的な仮定法ですね。
if it wasn't for me は「もし私がいなければ」、You wouldn't even have known about は「…について知ることさえなかっただろうに」。
あのブライダルショップで、私がこの安売り店のことを教えてあげたからあなたはここにいるわけで、私がいなかったらこの店の存在を知ることすらなかったのよ、教えてあげたのは私なのにあなたは恩を仇で返すつもり?みたいな気持ちなのでしょう。

メーガンは「あなたは私と争いたくは・戦いたくは・喧嘩したくはないわよね」、つまり、「喧嘩するのはやめましょう」みたいに言うのですが、勝気なモニカが簡単に引き下がるはずもなく、Maybe I do! I'm pretty feisty! と言って、レイチェル、フィービーという仲間を呼び寄せるための合図の笛を吹くことになります。

Maybe I do! は、Maybe I want to fight you! ということですね。
「喧嘩したくないなんてとんでもない、多分、私は、あなたと戦いたいと思ってるわよ」というところ。
feisty は「ファイスティ」と発音し、意味は「攻撃的な、喧嘩好きな」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
feisty : (approving) having a strong, determined character and being willing to argue with people
つまり、「(良い意味) 強く断固とした性格で、人と議論するのをいとわない」。
approving 「賛成する、よいと認めている」とありますので、悪口として使われる言葉ではなく、前向きな意味のようです。
負けん気の強いモニカですから、自虐的に言っているのではなく、「私は戦いを挑まれたらそれを堂々と受けて立つタイプの人間よ」みたいに自分の強さを誇示しているセリフになっている、ということでしょうね。


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posted by Rach at 15:10| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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