2013年06月05日

ゲットオーバー・ゲットアンダー フレンズ7-18その3

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ロスは、男子生徒に惚れられてるんだ、という話をジョーイに話してきかせます。
後から部屋に入ってきたレイチェルに、そのことを説明するジョーイ。
ジョーイ: Ross has a boyfriend! (ロスには彼氏がいるんだよ!)
ロス: I do-I do not have a boyfriend. There's a guy in one of my classes who-who has a crush on me. (僕には彼氏なんかいないよ。僕のクラスに僕に惚れてる男がいるんだ。)
レイチェル: Really? (ほんとに?)
ロス: Yeah! I don't know. I mean, last year, Elizabeth, now-now this kid. What-what-what-what is it?! Am I giving out some kind of... sexy-professor vibe? (Rachel and Joey both look at him.) (そうなんだよ! わからないな。だって、去年はエリザベスで、今はこの子だ。一体何なの? 僕は何かセクシーな教授の感じ[バイブ]を発散してるの? [レイチェルとジョーイは二人ともロスを見る])
レイチェル: Not right now. (今は発散してないわ。)
ロス: It-it- The point is, my natural charisma has made him fail his midterm. (要は、僕の持って生まれたカリスマ性のせいで、彼が中間試験を落とすことになってしまったんだよ。)
レイチェル: Oh, see, now I feel bad for the kid! I had a crush on a teacher once, and it was so hard! Y'know you- I couldn't concentrate and I blushed every time he looked at me. I mean come on, you remember what's it's like to be 19 and in love. (あぁ、わかるわ、今その子に同情するもの! 私も昔、先生にお熱で、それってすっごく辛かったわ! ほら、集中できなくて、彼が私を見るたびに私は顔を赤らめてたの。ほら、19歳で恋してるってどんな感じか覚えてるでしょ?)
ロス: Yeah. I guess I can cut him some slack. (そうだな。彼のことは大目に見てあげられると思うよ。)
レイチェル: Yeah. (そうね。)
ジョーイ: How'd you get over that teacher? (どうやってその先生のことを乗り越えたの?)
レイチェル: I didn't. I got under him. (乗り越えたんじゃないの。先生の下に入ったの。)
ジョーイ: (To Ross) Problem solved. ([ロスに] 問題解決。)

ロスが男子学生に惚れられてる、という話を聞いて、ジョーイはレイチェルに「ロスには彼氏がいるんだよ」と嬉しそうに話します。
ロスはそれを否定して、「ボーイフレンドじゃなくて、ただ、僕の受け持ってるクラスの1つに、僕にお熱の男子がいるんだよ」と説明していますね。
have a crush on は、フレンズ1-1 にも出てきた定番フレーズで、「〜に惚れている、〜に熱をあげている」。
ロスは「去年はエリザベスだし、今年はこの子だし、一体何? 僕は、some kind of sexy-professor vibe を give out してるの?」みたいに言います。
give out は「(用紙・ビラなど)を配る、配布する」という意味があり、また「(音・においなど)を発散する、放つ」という意味もあります。
vibe は vibration 「霊気、感じ、雰囲気」ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
vibe : [noun] (informal) the feelings that a particular person, group, or situation seems to produceand that you react to
つまり、「ある人やグループや状況が生み出しているように見える、それに対して人が反応する感覚」。

「学生に何度も惚れられちゃってさぁ、僕ってセクシー教授ぽい何かを発散してるのかなぁ?」と自慢そうに言ったわけですが、ジョーイとレイチェルは怪訝な顔をして、いや、そんなことはないと思うけど、と言いたい様子。
Not right now. は、You're not giving out... right now. ということですね。
よくわからないけど、少なくとも今は、そんな雰囲気を発散してないわね、と言っているわけです。

ロスはまだ得意気な様子で、my natural charisma has made him fail his midterm. と言っていますね。
charisma は「カリスマ」。
もうすっかり日本語として定着してしまいましたが、英英辞典の語義を改めて見てみると、LAAD では、
charisma [noun, uncountable] : the natural ability to attract and interest other people and make them admire you
つまり、「他の人を惹きつけ、興味を引き、その人たちに自分が賛美されるようにする生まれつきの能力」。
ロスのセリフは、「僕の生まれつきのカリスマ性が、彼に中間試験を落とさせた」のように、使役動詞 make を使った構文になっています。
日本語らしくいうと、「僕のカリスマ性が原因となって、彼が試験を落とすことになった」ということですね。

レイチェルは「その子に同情するわ、私もかつて、先生にお熱だったことがあって、すっごく辛かったわ」と言っています。
blush は「顔が赤くなる、顔を赤らめる」。
you remember what's it's like to be 19 and in love. を直訳すると、「19歳で恋してるということがどんな感じかをあなたは覚えてる(でしょ)」という感じですね。
自分が19歳で誰かに恋してた時の気持ちを思い出してみてよ、ロスに恋してるその大学生の子の切ない気持ちがわかるでしょ、みたいなことになります。
それを聞いてロスも、「まぁ、点数が悪かったことは大目に見てやるかな」と言うのですが、ジョーイはレイチェルに「レイチェルはどうやってその(自分が惚れた)先生のことを乗り越えたの?」と尋ねます。
それに対するレイチェルの返事が、実にフレンズっぽいセリフになっています。

まず、ジョーイのセリフの get over は上に訳した通り、「乗り越える」という意味ですね。
get という基本動詞には「動き」のニュアンスがあり、さまざまな前置詞と結びつくことで、その前置詞のイメージを含んだ動きを表わす句動詞を作ります。
get over も over 「〜の上に、〜を越えて」と結びついているので、「〜の上を越えて動く」という感覚から、「乗り越える」という基本的な意味になるわけです。
日本語の「乗り越える」という意味と同様に、物理的に柵などを乗り越えるという意味でも使うし、「困難を乗り越える・乗り切る」「ショックから回復する、立ち直る」という意味にもなります。
ジョーイのセリフの、get over that teacher は精神的に乗り越える、という意味の方で、お熱を上げてて、目が合うたびに赤面してたっていう、その先生のことをどう乗り越えたの? その恋をどう克服したの?と言っていることになります。

レイチェルは、I didn't. つまり、I didn't get over him. 「彼を get over したんじゃない」と否定した後、I got under him. と答えています。
get over him したのではなく、get under him したのよ、ということで、got under him がその問題の解決策となった、と言っていることになります。
ジョーイが over 「〜の上に」という単語を使ったので、その反対語の under 「〜の下に」を使ったわけですが、この get under の基本的な意味は「〜の下に入る」。
レイチェルは、この get under him という言葉を物理的な意味で使っているのがポイントですね。
日本語で「彼の下に入る」と訳しても何となくピンときてしまいますが(笑)、要は、彼の下になる形で彼と寝た、のように、結構露骨な感じで、その先生と寝たことを言っていることになります。
over したんじゃなくて、under したのよ、のように反対語を使って、「精神的に乗り越えたんじゃなく、物理的に彼の下になった」と表現することで、「目が合っただけで赤面するの」とか言っていた先生とちゃっかり関係を持っていたことが、ここでわかるわけですね。

このように、over を使った相手に、対義語の under で返す、というパターンは、過去記事、フレンズ2-7その7 にも出てきました。
ロスが、自分の留守電に入っていた、レイチェルの "I am over you." (私は、あなたのことをすっぱり忘れたわ)という衝撃の告白を聞いてパニクっている時のセリフ。
ロス: You're over me? When were you under me? (君はオーバー・ミーなの? いつ、アンダー・ミーだったの?)
over me で「僕を忘れる」ですが、ここではover (上に)に対する反対語として、under (下に)を使っていて、一種の言葉遊びになっていました。
今回のセリフは、over じゃなくて、under よ、と言うことで、それがフレンズお得意のエッチなオチ(笑)になっているのが実に面白いなと思います。

レイチェルの話を聞いたジョーイは、Problem solved. と言っています。
これは「問題解決」という定型表現。
Problem solved. については、過去記事、問題解決!のbe動詞省略 フレンズ5-22その2 で詳しく説明しています。
このように be動詞が省略された受動態の形になっている決まり文句としては、
Apology accepted. もありますね。
ロスが「受け持ちの男子学生に惚れられちゃってさ」と相談してきたことに対して、「ロスもぐだぐだ悩んでないで、レイチェルみたいに相手と寝ちゃえば問題解決なんじゃないの?」と言ってみせたわけですね。


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posted by Rach at 16:04| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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