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フィービーは、コーヒーハウスで知り合った男性ジェイクとラブラブ中。
ドアのところで二人はさよならを言っています。
フィービー: Bye! (Phoebe goes over and joins Monica on the couch.) We said goodbye at the door so as not to flaunt our new love. (バーイ! [フィービーはカウチに座っているモニカに合流する] 私たちはドアのところでさよならを言うのよ。私たちの新しい恋を見せびらかさないようにね。)
モニカ: Phoebe, it's okay. You don't have to tiptoe around me. I-I've been thinking about it and umm, y'know what? I'm okay about not having that new-relationship feeling.... (フィービー、いいのよ。私を避けて忍び足で歩かなくてもいいのよ。私はそのことについてずっと考えてたの。でね、新しい関係の気持ちを持たないことについて、構わないと思ってるの…)
ジェイク: (yelling through the window to Phoebe) I miss you already!! ([フィービーに向かって窓越しに] もう恋しくなっちゃった!)
フィービー: (yelling back) I miss you too!!!! (He walks away.) ([叫び返して] 私もあなたが恋しいわ! [ジェイクは歩いて去る])
モニカ: See? That's what I mean. I mean that, that's great! But I wouldn't trade in what I have for that. I mean I'm gonna be with Chandler for the rest of my life, and that's what makes me happy. (Chandler approaches.) Hey sweetie, come here! Come sit down. Hey, Phoebe and I were just talking about how our relationship's deep and meaningful. It really is, don't you think? (ね? それが私の言いたいことよ。つまり、今のは最高よ! でも、私が持っているものをそれとトレードしようとは思わないの。だって、私は残りの人生をチャンドラーと一緒にいるのよ、そしてそれは私を幸せにしてくれるの。[チャンドラーが近づいて来る] ねぇ、ハニー、こっちに来て! 来て座って。ねぇ、フィービーと私は話してたところなの、私たちの関係がどんなに深くてどんなに意味があるか、ってことを。本当にそうよね、思わない?)
チャンドラー: Oh, totally! (Holds up his finger.) Pull my finger. (あぁ、全くその通りだよ。[指を出して] 俺の指を引っ張って。)
知り合ったばかりの彼ジェイクとラブラブのフィービーは、ジェイクとさよならした後、モニカの横に来て、「私たちの新しい愛を flaunt しないように、ドアのところでさよならを言ったの」みたいに言っています。
flaunt は「見せびらかす、誇示する」。
モニカのそばでラブラブしてると、何か見せつけてるみたいになっちゃうから、わざと離れたところでさよならを言ってるのよ、ということです。
つまりは、モニカに遠慮してそうしてる、と言ったわけなので、モニカは、tiptoe around me する必要なんかないのよ、と言います。
tiptoe は「つま先」、動詞では「つま先で歩く」という意味になります。
英辞郎では、
tiptoe around=〜を避けてつま先で歩く
と出ていて、今回のセリフだと、me の周りを迂回するような形でつま先で・忍び足で歩く、というような感覚になるでしょう。
相手に気付かれないように、足音を忍ばせて歩く、ということですが、モニカはそんな風に私に気を遣ってこそこそしてくれなくてもいいわ、と言っているわけですね。
私はそのことについてずっと考えてたの、と言って、「新しい関係の気持ち」を持たないことはオッケーよ、みたいに言っています。
私はもう婚約してるから、フィービーとジェイクみたいに、新しい恋に落ちた時のときめきみたいな気持ちをもう持つことはないけれど、それでもオッケーなのよ、みたいなことですね。
「いいの、私は」と納得したような発言をしようとしているところに、ジェイクは窓越しに I miss you already! と叫んでいます。
I miss you. は「君がいなくて寂しく思う」という意味なので、今さっき、さよならを言ったばかりなのに、もう君が恋しくて寂しくなっちゃった、と窓の向こうで言っていることになります。
そうやって叫ぶジェイクに、フィービーも I miss you too! と叫び返していますね。
「恋に落ちたばかりの時のときめきを感じなくてももういいの」と言いかけた時に、まさにそういう超ラブラブの様子を見せつけられたみたいな形になってしまったわけです。
それでもモニカは、「やっぱり恋に落ちたばかりの頃っていいわよねぇ〜」みたいにうらやましがることなく、「今みたいな初期のラブラブは great よ。でも私はそれと引き替えに、私が今持っているものをトレードしたりはしないわ」と言います。
残りの人生をチャンドラーと一緒にいること、それが私を幸せにするの、とも言っていますね。
そして、隣にやってきたチャンドラーに、「私たちの関係がどれほど深くて意味があるかを、フィービーと話し合ってたところなの、本当に深くて意味がある、ってあなたも思うでしょ?」みたいに言って、チャンドラーも、Totally! 「全くその通りだよ」と完全同意します。
その後、チャンドラーは指を出して、Pull my finger. 「俺の指を引っ張って」と言い、観客の笑い声(ラフトラック)が起きています。
つまり、この Pull my finger. というセリフが、このシーンのオチになるわけですが…。
この部分、DVDの日本語字幕では「引くと屁(へ)が出る」と訳されていて、実際に、この英語のセリフはまさにそういう意味なのです。
意味が意味なので(笑)、手持ちの英英辞典には載っていなかったのですが、ウィキペディア英語版に載っていました。
Wikipedia 英語版: Pull my finger
その説明を以下に引用させていただきます。
Pull my finger is a joke or prank regarding flatulence in which a mark is asked to pull the finger of the joker, who simultaneously farts so as to suggest a causal relationship between the pulling of the finger and the subsequent expulsion of gas.
つまり、「”俺の指を引っ張って”は、flatulence (腹にガスがたまること)についてのジョークまたはいたずらで、そのジョークでは、(ジョークを仕掛けられる)標的(相手)がジョークを行う人の指を引っ張るよう求められ、その人は(指を引っ張られると)同時に、おならをする。指を引っ張ることと、それに続いておならを放出することの間の因果関係を示唆するために」。
何だか堅苦しい説明ですが(笑)、要は、指を引っ張られておならをする、ということで、おならをしても平気な仲なんだよ、ということがそのしぐさでわかるわけですが、このタイミングでこれを出してくるところが脚本的に絶妙ですね。
男性側からすると、「そういうみっともない部分も見せられる相手と一緒にいられる幸せ」というのがあって、それをこの Pull my finger. で示してみせたわけですが、今のモニカは、恋に落ちたばかりのラブラブのフィービーたちを見せつけられて、そういうときめきやドキドキはもう感じられないのかなぁ〜とちょっと残念に思ってる気持ちがあるわけですよね。
それでチャンドラーに、「私たちの愛も、深くて意味があるわよね」と言って、恋愛初期じゃなくても、ときめき度は負けてないわ、というところを見せたかったのに、チャンドラーが見せたものは「目の前でおならができちゃうような深い仲」という方向性だったので、余計にフィービーとの差が歴然としてしまい、口あんぐり、げんなりすることになってしまう…というオチになっているわけです。
男女の恋愛観の違いが出ている、実にフレンズらしい面白いオチだと思いました。
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ドラマのセリフから英語を覚えると、教科書より理解しやすそうですね
僕も過去、ドラゴンボールの海外版で英会話の勉強をしようとトライしました。
結果は・・・
2週間で挫折しました。
僕もオンライン英会話のブログを書いています。
今回の記事、とても面白かったです^_^
いつもながら深ーい解説ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
はじめまして。コメントありがとうございます。
残念ながら挫折された、とのことですが、ドラゴンボールの海外版で学ぶ、というのはなかなか面白そうですね。私も時々、日本のアニメの英語版ウィキペディアなどを読んで楽しむことがあります。このセリフはこう訳すのかぁ〜、みたいなのがなかなか興味深いです。
記事をお褒めいただき、ありがとうございます。ナリさんもブログ、頑張って下さいね。私も頑張ります。
koroyakunさんへ
コメントありがとうございます。
「抜き足…」「くさい仲」という日本語表現は、まさにその通りですね。英語でも日本語と同じような感覚があるのだと思うと、英語がより身近に感じられる気がして嬉しいです。
解説をお褒めいただき、ありがとうございます。いつも温かいお言葉に感謝しております。こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
はじめまして。
いつも参考にさせていただいています。
causal relationship はくだけた関係ではなく、因果関係ですね。
すみません、粗探しすつもりは全くないのですが。
ちょっと気になってしまいました。
⚪︎ 粗探しする
はじめまして。お返事遅くなり申し訳ありません。
そして、貴重なご指摘、誠にありがとうございます。
おっしゃる通り、causal relationship は「くだけた関係」ではなく「因果関係」でした。
causal を casual と勘違いしていたようです。ご指摘の通りに記事を訂正させていただきました。
貴重なご指摘、ありがとうございました<(_ _)>