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Days of Our Lives (愛の病院日誌)というソープオペラ(昼メロ)に出演中のジョーイは、ソーピー賞(Soapie)という賞にノミネートされ大喜び。
ですが、受賞を逃し、会場で不機嫌な顔をみんなに見せてしまいます。
同じドラマの共演者ジェシカが受賞した「最優秀助演女優賞」を彼女の代わりに受け取ったジョーイは、自分の用意してきたスピーチを話し始め、会場をドン引きにしてしまいました。
その後のシーン。
[Scene: Joey and Rachel's, Joey and Rachel are entering.]
ジョーイとレイチェルの家。ジョーイとレイチェルが入ってくる。
レイチェル: Joey! Why did we have to rush out of there so fast?! (ジョーイ! どうして私たちは、そんなに素早くあそこを急いで出てこないといけなかったの?)
ジョーイ: Rach, we had to get out of there because-- Look what I won! (He whips out the award for Best Supporting Actress that he accepted for Jessica.) (レイチェル、あそこから出ないといけなかったのは、それは…俺が勝ち取った[獲得した]ものを見ろよ! [ジョーイは、彼が(共演者の)ジェシカのために受け取った、最優秀助演女優賞(の盾)をサッと取り出す])
レイチェル: Oh, my God. You stole her award! (なんてこと! あなたは彼女の賞を盗んだの!)
ジョーイ: No-no! No, I'm accepting it on her behalf. (He puts it up above the TV to display it.) (違う、違うよ。俺は彼女の代わりにそれを受け取ってるんだよ。[ジョーイはその賞を飾るために、テレビの上に置く])
レイチェル: Joey, I don't think you know what "behalf" means. (ジョーイ、あなたが behalf の意味をわかってるとは思えないけど。)
ジョーイ: Sure I do! It's a verb! As in "I be half-in' it"! (もちろんわかってるさ! 動詞だよ! 「俺はそれを半分にしてる(半分こしてる)」みたいな。)
レイチェル: Joey, you have got to take this back! (ジョーイ、あなたはこれを返さないとだめよ!)
ジョーイ: But why?! I should've won one and I really want it and she didn't even care enough to come to the thing! It could also be a Grammy. (でも、どうして? 俺は賞を勝ち取るべきだったのに(ゲットできなかった)、それに俺は本当にそれが欲しいんだ。彼女はそれのために来るほどには賞のことを気にしてさえなかったんだよ! それにこれはグラミー賞にもなるかもしれないんだぜ。)
レイチェル: (looking at the award) No! Joey! ([その賞を見ながら] だめよ! ジョーイ!)
レイチェルは、授賞式の会場を慌てて出てきたジョーイに質問をぶつけています。
rush out は「急いで出る」という感覚ですね。
ジョーイは、「急いで出ないといけなかった理由はね…」と言った後、Look what I won! と言って、服の下に隠していたものをレイチェルに見せます。
ト書きにあるように、同じドラマの共演者ジェシカが受賞した「最優秀助演女優賞」の盾、ですね。
あなた、彼女の賞を盗んだの?と非難するレイチェルに、ジョーイは、I'm accepting it on her behalf. と言っています。
on someone's behalf は「〜に代わって、〜の代理として」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
behalf [noun] :
on somebody's behalf : instead of someone, or as their representative
つまり、「誰かの代わりに、または誰かの代理人として」。
代わりに受け取る、っていうのは、こんな風に自宅に持ち帰ることとは違うでしょ、ジョーイは「代わりに受け取る」って言う意味を勘違いしてるんじゃないの? 意味がわかってないんじゃないの?というように、レイチェルは、I don't think you know what "behalf" means. 「behalf という言葉が何を意味するかを、あなたがわかってるとは私には思えない。あなたはその意味をわかってないと思う」のように言っています。
それに対しての、Sure I do! は、Sure I know what "behalf" means. ということですね。「もちろん、意味はわかってるさ」という感じです。
その後、behalf は動詞(verb)で、as in 「〜にあるような」という表現を使って、"I be half-in' it"! みたいな意味で使ってるんだよ、と説明しています。
behalf は上のロングマンで紹介したように「名詞」ですが、ジョーイはそれを、be+
half-in' の形に分けることで、「動詞」だと言ってみせているようです。
DVDの英語字幕では、I be half-in' it と表記されていて、half-in' のように、in の後に、' (アポストロフィー)がついています。
これは、How you doin'? みたいに、ing の -g が省略される時につく「 ' 」 だと思われるので、強引に half を動詞化して、I'm halfing it. 「俺はそれを半分にしてる」のような意味で、I be half-in' it. と言ってみせたのかなぁ、と。
最初、I am half in it. 「俺もその中に半分入ってる」→「俺にもその賞をもらう権利が半分ある」という意味かな、とも思ったのですが、そうすると、-in' のように「ハイフンがついていること、省略を意味するアポストロフィーがついていること」の説明がつかないので、やはり、half-in' は、half を動詞として扱った -ing 形、ということなんだろうなぁ、と私は思いました。
もちろん、文法的に正しい言葉ではないですが、ジョーイが behalf という単語に half という言葉が含まれているのを利用して、「半分こ」的な意味に無理やりこじつけた、というジョークになっているのだと思います。
そんなジョーイの言い分を聞いても、レイチェルは、「これは彼女に返さないとだめよ」と説得します。
ジョーイは、「どうして返さないとだめなんだ?」と言って、その理由を説明していますね。
I should've won one の one は、an award 「賞、賞品」のことで、「俺は賞を勝ち取るべきだったのに(実際には勝ち取ることができなかった)」。
「俺が賞を取るべきだったのに取れなくて、俺はほんとにその賞が欲しかったんだ」と言った後、she didn't even care enough to come to the thing! と言っています。
the thing はこの賞の盾のことで、「この賞、この盾」のために来るほどには十分に、care してさえいなかった、と言っていることになります。
つまり、「わざわざこれをもらいに来るほど、この賞のことを気にかけていなかった、彼女にとってはわざわざ取りにくるほどのものでもなかった」ということですね。
盗んだみたいに言うけど、彼女がこの賞のことをどうでもいいと思ってるんだから、本当に欲しいと思ってる俺がもらっちゃってもいいじゃんか、みたいなことです。
It could also be a Grammy. は、「それ(この賞の盾)は、グラミー賞にもなりうる」という感覚。
これは、ジョーイがこっそりと受賞した時のスピーチの練習をしていたのをレイチェルが目撃した時に、「私だって、シャンプーのボトルでスピーチの練習してるわよ。グラミー賞の最優秀新人賞(Grammy. For Best New Artist.)の」と言ったことを踏まえてのものです。
「俺がこの盾を持ってたら、レイチェルも、グラミー賞の気分をもっとリアルに味わえるんだぜ」と言って、レイチェルを味方につけようとしているわけです。
そう言われて、一瞬、盾を見つめたレイチェルですが、やっぱり盗むのはいけないことよ、と我に返った様子で、No! Joey! と叫ぶことになります。
そんな風に、グラミー賞の話を持ち出され、一瞬、心が揺れ動いてしまうところが、レイチェルっぽくて面白いですね。
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