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ロスは、自分が教えているクラスの男子生徒に、「ロス先生に恋してるから、テストに集中できなかったんだ」と言われ、落第だった彼の点を上げてやることにします。
が、「その生徒はゲイではなく、彼女もいて、他の先生にも同じやり方を使って点数を上げてもらっていた」ことを他の生徒から聞いたロスは、その生徒に話しかけています。
[Scene: Ross's classroom, he has just finished his lecture and the students are filing out.]
ロスの教室。ちょうど講義を終えたところで、生徒がぞろぞろと出て行っているところ。
ロス: Uh Mr. Morse? Can I speak to you for a moment? (モース君? ちょっと話せるかな?)
モース: (walking up) That was a great lecture today. Did you get a little haircut? ([歩いて近づいてきて] 今日、さっきのは素晴らしい講義でした。ちょっと髪の毛切りました?)
ロス: Uh-hmm, yeah-yeah do you like it? Do-do you looove it? I just want you to know that I'm changing your grade back. (あぁ、そうだよ、君はそれが好きかな? だーい好きかな? 僕はただ君に知ってもらいたいんだよ、君の評価を元に戻そうとしてる、ってことをね。)
モース: What?! Why? (何? どうして?)
ロス: ‘Cause I know what you're trying to pull here. Okay? It's not gonna work. (それは、君が何をしでかそうとしてるかってことを僕が知ってるからだ、いいかい? そんなのうまく行かないよ。)
モース: I'm not trying to pull anything. Look, I love you, dude. (僕は何もしでかそうとしてませんよ。ねぇ、あなたを愛してるんだ。)
ロス: Y'know what? I-I'm not even gonna talk about this. Okay? This little "thing" is over. I know you have a girlfriend! Okay-(Ned looks shocked)-Yeah! And I know about the other professors! How do you think that makes me feel, Ned?! You used me! You don't love me and you never did! (Ross turns around to make a grand exit but runs into two colleagues.) Ah Professor Winston. Professor Fredrickson. I'll be right with you. (To Ned) Don't make this worse and I'll give you a "C." (To the professors) Shall we? (They leave.) (いいかい? このことについてはもう話すつもりさえない。いいか? このちょっとした関係は終わったんだ。君には彼女がいるって知ってるんだぞ! いいか [ネッドはショックを受けた様子] そうだよ! 他の教授のことも知ってるぞ! それが僕をどんな気持ちにしたと思う、ネッド? 君は僕を利用したんだ! 君は僕を愛していないし、今までも愛してなかった! [ロスが堂々と退場しようと振り向くが、二人の同僚にばったり出くわす] あぁ、ウィンストン教授、フレドリクソン教授。すぐにそちらに行きます。[ネッドに] これを今以上に悪くしないでくれ、そうしたら君には評価「C」をあげるよ。[教授たちに] 行きましょうか? [ロスと教授は去る])
自分が騙されていたことを知ったロスは、その学生(モース君)に話しかけています。
ロスが気付いているとは知らないモース君は、「今日のさっきの講義は素晴らしかった。ちょっと髪の毛切りました?」みたいに、相変わらず「僕は先生にぞっこんですよ」みたいなセリフを言ってみせています。
ロスは、like や love という単語、それも皮肉っぽく、love を looove みたいに伸ばして発音したりして、「この髪型、気に入ってるかな? 大好きかな?」みたいに言っています。
like や love のふりをしても、もうこっちはお見通しなんだよ、と言いたい感じがありありと出ています。
君が何て僕を褒めようと、僕はただ君に知っておいて欲しいんだよね、君の評価(grade)を元通りに戻したことを、とロスが言うので、生徒は驚いた様子。
ちなみに grade はいわゆる「グレード」のことで、これまでのフレンズでは「学年」の意味で使われることが多かったですね。
ロス: I've been in love with you since the ninth grade. (9年生の時から君のことがずっと好きだった。)
などが学年の意味の grade の使用例の典型でしょう。
今回は「成績の評価」のことで、以下の研究社 新英和中辞典の説明が大変わかりやすいと思います。
grade 【C】 《米》 (生徒の)成績(点), 評点, 評価 (解説 次の5段階評価が普通: A (Excellent 秀), B (Good 優), C (Fair, Average, Satisfactory 良), D (Passing 可), F (Failure 不可); D 以上が合格)
ロスは、君がここで何を pull しようとしているか僕は知ってるんだぞ、のように言っています。
pull の基本的な意味は「引っぱる」ですが、ここでの意味は、「何か悪いことを行う」というニュアンス。
研究社 新英和中辞典では、
pull 【動】【他】《口語》
1 〈犯罪などを〉やってのける
pull a bank robbery 銀行強盗をやってのける.
2 〔+目(+on+【(代)名】)〕〔人に〕〈詐欺などを〉行なう
pull a dirty trick (on a person) (人に対して)汚い手を使う.
などと出ています。上の例にあるような、a bank robbery や a dirty trick のような悪いことを目的語に取って、「そういう悪事を働く、やってのける」という意味で使われるわけですね。
what you're trying to pull のように動詞に pull を使うことで、その pull しようとしていること、が「悪いこと、悪事、悪だくみ」であることがわかるわけです。
こういう pull については、過去記事、悪いニュアンスのpull フレンズ3-9その13 で詳しく解説しています。
「何か悪いことたくらんでるだろ」的なことを言われたので、「僕は何も pull しようとしてないですよ」とモース君は言うのですが、ロスにはもう通じません。
その後、ロスは、騙された恨みを晴らすかのように、「君には彼女がいるって知ってるんだぞ。君が他の教授にも同じようなことをしたことも知ってるんだぞ」とまくし立てています。
How do you think that makes me feel, Ned?! You used me! You don't love me and you never did! を訳すと、「そのこと(君が僕にしたこと)が僕をどんな気持ちにしたと思う? 君は僕を利用したんだ! 君は僕を(今)愛してないし、過去にも僕を一度も愛したことはなかった」になるでしょう。
日本語訳からも想像できますが、何だか「悪いやつに騙されて、フラれようとしている人」(笑)的なセリフになっているのが面白さのポイントですね。
「あなたの仕打ちで、私がどんな気持ちになったと思ってるの? 私をいいように利用して! あなたは私を愛してないし、これまでだって一度も私を愛してくれたことなんてないのよ!」という感じの、「悪い男にだまされていたとわかって、怒り悲しんでいる女」みたいな雰囲気が出てしまっています。
落第しないために、先生が好きなふりをしていた学生に、「もう僕は騙されないぞ」と言いたいだけのはずなのに、ロスの方が未練がましく相手に怒っている、みたいな構図になっているのが面白いわけです。
そんな捨て台詞を残して、その場を去ろうとしたロスは、他の教授二人に今のセリフを聞かれていたと知って、愕然とします。
「ちょっと待ってて下さい、すぐにご一緒しますから」と同僚に言って、モース君の方を向き、Don't make this worse and I'll give you a "C." と言うのが面白いですね。
訳すと、「これをさらに悪くしないでくれ。そうすれば、君に「C」をあげるよ」ということ。
記事の前半で、grade の意味を紹介した時にも出てきましたが、
C (Fair, Average, Satisfactory 良)
ですね。
とりあえず不可ではない可(D)じゃなく、もう少し上の C をあげちゃうよ、と餌を見せて、「同僚の教授が見てる前で変なことを言って、さらに僕の立場を悪くしないでね、お願い」とこっそり頼んでいるわけですね。
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今日のTV欄見たんですが、あの安河内哲也先生が『金スマ』に出るみたいですね。
〜誰でも簡単に英語が話せる学習法 ついに、あなたも苦手な英語を克服する〜
どんな感じになるんでしょうか。最近予備校の先生の出演多いですね。
コメントありがとうございます。
私も安河内哲也先生の『金スマ』ご出演、楽しみにしていました!
しっかり録画して、何度も見てしまいました。
FRIENDS の名前が何回も連呼されていて(笑)、本当に嬉しかったです。あまりにも嬉しかったので、今日投稿の記事に、いろいろ書いてしまいました。
最近の予備校の先生のご活躍、素晴らしいですよね。安河内哲也先生に、林修先生…いつも番組表でチェックしては、せっせと録画する毎日です(^^)
ななしさんへ
コメントありがとうございます。
有名人だなんて勘違いするまでにはまだ至っていないのですがw、プロフィール画像については、ヘアメイク付きでプロのカメラマンに撮影していただいたものなので、「気合入りまくり」なのは紛れもない事実(笑)ですね。「何、気合入りまくってんねん」みたいにツッコミを入れてもらえると嬉しいな的な、チャンドラーの自虐的ジョークに似たものがあります。自分を落としてでも笑いが欲しいという大阪人気質、でしょうか^^
家族や友達はそんな風にツッコんでくれて、ウケてくれるのですが、それ以外の方に言っていただいたのは今回が初めてなので、正直ホッとしています。マジでやってると思われる方が、却って恥ずかしいですので(^^)
貴重なご意見ありがとうございました。