2013年06月18日

フル・フロンタル フレンズ7-19その1

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シーズン7 第19話
The One With Ross and Monica's Cousin (いとこはボンド・ガール)
原題は「ロスとモニカのいとこの話」


映画のオーディションがいい感じだった、とご機嫌のジョーイは、エージェントのエステルからの電話に出ているところ。
エステル: Joey! It's Estelle! I just talked to the casting people. They loved you! (ジョーイ! エステルよ! ちょうどキャスティングの人たちと話したところなの。みんなあなたが気に入ったって!)
ジョーイ: (to Monica and Phoebe) They loved me! ([モニカとフィービーに] みんな俺を気に入ったって!)
エステル: Yeah, they wanna see you again tomorrow. (そうよ、また明日、もう一回会いたいって。)
ジョーイ: (on phone) Oh my God! ([電話で] なんてこった!)
エステル: There's just one thing. Do you have a problem with full-frontal nudity? (ただちょっと1つだけあるんだけど。正面まる見えのヌードに問題ある?)
ジョーイ: Are you kidding me? I never rent a movie without it! (Listens) Oh. (Listens) Uh, okay uh let me call you back. (Hangs up.) (冗談でしょ? 俺はヌードのない映画は絶対借りないよ! [聞く] あぁ。[聞く] わかった、後で電話をかけ直させて。[電話を切る])
フィービー: What's the matter? (どうしたの?)
ジョーイ: They want me to be totally naked in the movie! (映画で俺に素っ裸になってくれ、って。)
モニカ: Wow! (わお!)
ジョーイ: I know! My grandmother's gonna see this! (そうだよ! 俺のおばあちゃんがこれを見ることになる!)
フィービー: Grandma's gonna have to get in line. (おばあちゃんは列に並ばないといけないことになるわよ。)

エージェントのエステルは、キャスティング担当の人たちとちょうど話したところだ、と言って、その人たちがジョーイを気に入ったとも言っています。
もう1回会いたいと言われて大喜びのジョーイは、エステルからの電話を聞いて、驚きの声を上げます。
エステルのセリフで、その驚きの内容が伝えられていますね。
There's just one thing. は「ただ1つのことがある」という感覚。
ちょっと1つ問題があるんだけどね、というニュアンスですね。
Do you have a problem with...? は「あなたは…に問題ある?」
full-frontal は「フル・フロントの」というカタカナからも何となくイメージできますが、「真正面を向いた、正面まる見えの」という意味で、今回のような full-frontal nudity はまさに「正面まる見えの全裸(オールヌード)」という意味になります。
また、nudity のような単語なしの full-frontal だけでもそういう全裸のニュアンスで使われますし、ヌード以外の言葉と結びついた場合は「あけっぴろげの、隠すものがない」という意味でも使われます。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
full frontal nudity : the fact of showing the front of people's bodies with no clothes on, in movies, pictures etc.
つまり、「映画や写真などで、服を全く着ていない人の体の前面を見せているという事実」。

Macmillan Dictionary では、
full-frontal :
1. shown or seen from the front, wearing no clothes
例) a full-frontal view of a nude model
2. direct and violent
例) a full-frontal attack/assault

つまり、1. は「服を着ないで、前から見せられること、見られること」、例は「ヌードモデルの全裸の姿(光景)」、2. は「単刀直入(直接的)で暴力的な」、例は「直接的な攻撃」。

ちなみに少々脱線しますが、「フル・フロンタル」と言うと、福井晴敏さん原作の小説・及びアニメ「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」に、まさにその「フル・フロンタル」という名前のキャラが出てきます。
「赤い彗星の再来」(the Second Coming of Char Aznable, the Red Comet)と呼ばれている人物なのですが(声も池田秀一さん^^)、ガンダムUCのウィキペディアの説明でも、
「丸裸」を意味するその名とは裏腹に、真意を窺い知れぬ謎めいた言動で
と書かれており、意図的にそのような名前がつけられているようです。
ガンダムお約束のw「仮面の男」に、そのような名前をつけているのが面白いわけですね。
顔に仮面をつけている、つまり、「identify するのに一番重要な前面を隠している」わけですから、その人の名前がフル・フロンタル(full-frontal、前面まる見え)だと知ったときは、さすがに笑ったよ(by キシリア)状態の私でした。
ちなみに私は、アニメ版(OVA)の episode5 「黒いユニコーン」まで見ました。ですから、まだフル・フロンタルの正体は知りません。小説を読んだ方は彼の正体を内緒にしてて下さいね!…ということで、脱線終わり!

「素っ裸で正面がまる見えになってる裸って大丈夫?」みたいなエステルの質問だったわけですが、それを聞いたジョーイの答えが面白いです。
「冗談だろ? 正面まる裸のない映画は俺は借りない」ということなので、オールヌードが出てくるような映画なら俺しょっちゅう借りてるから(笑)、問題なんかあるわけない、全然オッケーだよ、と言っていることになります。
ですが、少し後に、Oh. と何かに気付いたような声を出して、「また折り返し電話させて」と言って電話を切ることになります。
エステルが「オールヌードに問題ある?」と言ったのは、ジョーイの映画の嗜好の話(笑)ではなく、俳優のジョーイがオールヌードになることに抵抗はないか?という質問だったことに、改めて気づいたわけですね。
エステルが full-frontal nudity と表現したのを、ジョーイは be totally naked 「完全に裸、素っ裸」と表現しているのにも注目しましょう。

ジョーイが映画で素っ裸になるかも、という話の流れから、次のセリフはどちらも、be gonna (be going to) を使った文になっています。
その流れで行くと、こういうことになるわね、なりそうね、ということですね。
映画の中で俺がヌードになったら、おばあちゃんに見られることになっちゃうじゃん!と焦っているジョーイですが、フィービーは「おばあちゃんは get in line しないといけないことになる」と返しています。
get in line は「列に並ぶ」。
それを見るためにはおばあちゃんは行列しないといけないわ、ということで、おばあちゃんに見られるってジョーイは心配してるようだけど、見るのはおばあちゃんだけじゃない、もっとたくさんの人が列をなして、あなたの裸を見に来ることになるってわかってる?みたいな、からかいの混じったセリフになっているわけですね。


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posted by Rach at 12:20| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
レイチさん、こんにちわ!僕は、このブログで、最初に日本語を読んで、英語だとなんていうんだろうなって、考えて、それから英文を見ています。そうすると、ああ、なるほどなって思うところがたくさんあって面白いですし、すごく勉強になります。特に、レイチさんの解説はかゆいところに手が届くような説明なので、とても面白いですし、ためになります。
いつもありがとうございます。
Posted by 大助 at 2013年06月23日 16:55
大助さんへ
コメントありがとうございます。
私の日本語訳を読んでから、英語のセリフを見て下さっているのですね。そんな風に使っていただけていること、大変光栄で嬉しいです。ありがとうございます。

私としては「この英語は日本語で言うところのまさにこれだよね!」と思うものがいくつもあるので、そんな風に、ドンピシャな訳を増やしていければいいな、と思っています。

「かゆいところに手が届く」とのお褒めの言葉ありがとうございます。わかりやすく楽しい解説になるよう、これからも頑張りますので、よろしくお願いします。

Posted by Rach at 2013年06月24日 15:03
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