2013年07月08日

テレビをつけて音だけでも聞いといて フレンズ7-20その2

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結婚式に着るタキシードを、レイチェルに見立ててもらっているチャンドラー。
ここにあるのは、セレブが着たタキシードよ、と説明されて、
チャンドラー: You mean these tuxes have been down the red carpet with people yelling, "Who are you wearing?! You look fabulous!" (つまり、これらのタキシードはレッドカーペットを歩いたんだね、「誰(がデザインした服)を着てるの? ステキに見えるよ!」と人が叫ぶ中を。)
レイチェル: Honey, might I suggest watching a little more ESPN and a little less E!? (ハニー、もう少し多く ESPN を見て、E! を見るのをもう少し減らすことをお勧めしてもよろしいかしら?)
チャンドラー: Okay. Who wore those? (Points to the tuxedos.) (わかったよ。それは誰が着てたの? [タキシードを指さす])
レイチェル: Umm, well let's see uh, this one is Tom Brokaw. (あー、えっと、これはトム・ブロコウだわ。)
チャンドラー: Not bad. (悪くないね。)
レイチェル: (reading a tag) This one is uh Paul O'Neill. ([タグを読みながら] これは、ポール・オニールね。)
チャンドラー: Who's that? (それ、誰?)
レイチェル: He plays for the Yankees. Seriously, ESPN! Just once in a while. Have it on in the background. (ヤンキースでプレイしているわ[ヤンキースの選手よ]。冗談抜きで、ESPN を見てね! ほんのたまにでいいから。(画面を見るんじゃなくて)BGMとしてつけときなさいよ。)

セレブのために特注で作ったものの、使用後返品されてきたタキシード、というのが棚にたくさん並んでいるので、レイチェルとチャンドラーはそれをいくつか見ていっています。
these tuxes have been down the red carpet with people yelling の部分について。
down は、walk down the red carpet 「レッドカーペットを歩いていく」の down だけが残った感覚で、人が〜と叫ぶ中を、このタキシードは動いて行った、(着ている人と共に)歩いて行った、みたいなことになるでしょう。
Who are you wearing?! を直訳すると、「君は誰を着ているの?」ということになりますが、それはつまり、「誰がデザインした服を着ているの?」と尋ねているようですね。
アカデミー賞などの授賞式では、俳優さんの服装に注目が集まるのが通例で、色やデザインがカブったとか、あまりにも奇抜すぎるとか、多くの話題をふりまいています。
服装に関しては、男女とも必ず、「デザイナーの誰それがデザインしたドレスまたはタキシード」みたいな説明がつくことから、このタキシードも、レッドカーペットで披露されている時に、観客から「ねぇ、それ、誰のデザイン?」みたいに質問が飛んできた、という様子を、チャンドラーは語って見せているわけですね。

服のデザイナーがどうのこうの…などという、芸能好きの女子か!とツッコミたくなるようなことを言うチャンドラーに、レイチェルは、might I suggest... 以下のセリフを言っています。
まず、Might I suggest ですが、これは、May I suggest...? 「提案・お勧めしてもよろしいですか?」の may をさらに過去形にして婉曲にした丁寧バージョンと言えるでしょう。
「スターウォーズ」の C-3PO が、マスター・ルーク(ルーク様)に、Might I...? のように使うこともあるような丁寧表現なわけですが、もちろん、今回のレイチェルの場合は、日本語で言うと、「そのようにお勧めさせていただいてもよろしかったかしら」のような感じで、わざと慇懃無礼っぽく、皮肉っぽく言ってみせていることになります。

次に、ESPN と E! について。
まず、ESPN とは「スポーツ番組を放送している局」のこと。セリフでは「イーエスピーエヌ」と発音されています。
英辞郎では、
ESPN=イーエスピーエヌ◆アメリカの民放テレビ局。スポーツ関連の番組のみ放映。◆
【略】=Entertainment and Sports Programming Network


LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
ESPN [noun, singular, not with "the"] : A CABLE TELEVISION station that broadcasts sports programs

そして、E! の方は、これまた、E! という放送局の名前です。感嘆符を含めた E! というのが正式名称になります。
公式サイトはこちら。
Entertainment News, Celebrity News, Celebrity Gossip | E! Online
ウィキペディアはこちら。
Wikipedia 日本語版: E!
ウィキペディア日本語版では、
E!(エンターテイメント・テレビジョン)は、アメリカ合衆国のエンターテイメント専門のテレビ局。
と説明されています。
公式サイトのタイトルにあるように、「セレブのゴシップ」なども扱っている、いかにも、な感じの芸能情報局、ということなのでしょう。
ですから、上の a little more ESPN & a little less E! というのは、「芸能ゴシップ番組ばっかり見るのを少し減らして、その分を、(男子らしく)スポーツ番組を見るのに回したらどう?」と言っていることになります。

英辞郎の説明にあるように、ESPN は Entertainment and Sports Programming Network の略なわけですが、どちらの語義でも、「スポーツ番組(のみ)放送」のように説明されていることから、局の名称に入っている、Entertainment の部分は皆無、のような状態になっているらしいことがわかります。
そして、もう一方の E! は、Entertainment にさらに感嘆符がついた名前になっていて、「エンターテインメントをこれでもか!とばかりに放送する」感じが出ている気がします。
仮に、スポーツ専用チャンネルということから、ESPN の名前が S! (Sports!)であったとしたら、「E! (娯楽)を減らして、S! (スポーツ)を見て」というセリフになり、意味としては同じことになりますが、「タイトルに名ばかりの E が入っている」 ESPN という名前(でも実際は、スポーツ専用)であることが余計に、この a little more ESPN & a little less E! というセリフを面白く聞こえさせている気がしました。

トム・ブロコウというのは、アメリカのニュースキャスター。
Wikipedia 日本語版: トム・ブロコウ
ポール・オニール(Paul O'Neill)は、レイチェルが言っているように、ヤンキースの選手のようです。
Wikipedia 日本語版:ポール・オニール (野球)

トム・ブロコウというキャスターは知っていても、ポール・オニールというヤンキースの選手を知らないと言ったチャンドラーに対しての、"Seriously, ESPN!" は、「さっきも言ったけど、ほんと、まじで、スポーツ番組見なきゃだめよ!」みたいなことですね。
有名なヤンキースの選手名も知らないなんて、ちょっとヤバいから、という感じです。
Just once in a while. は「ただちょっと、たまに、ときどき(でいいから)」。

次の Have it on in the background. というのが、英語ぽい表現ですね。こういうフレーズは、日本語からの発想ではなかなか出てこない気がします。
直訳すると、「それ(ESPN)をオンの状態で持つ、バックグラウンド・背景に」という感じになるでしょうか。
バックグラウンドで、というのは、BGM (バックグラウンド・ミュージックで)というイメージですね。
つまり、「テレビ画面を見なくてもいいから、せめてそのスポーツ専用番組をつけて(オンにして)、音だけでも聞くようにした方がいい」という忠告になります。
有名な選手の名前を聞いても誰だかわからないチャンドラーに、せめて名前くらいは覚えときなさいよ、そのために音だけでも聞いときなさいよ、と言っているわけですね。


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posted by Rach at 16:30| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんにちは。
この場面、2人のやりとりはモニカとジョーイのやり取りに比べてゆっくりはっきりしているので聞きやすいと思って見てましたが、解説されてるWho are you wearing? とHave it on in the background.が分かりませんでした。Whose are you wearing?なのですね。よくwhose やwhomをwhoで代用する、というやつですね。Have it ----.は改めてRachelのしぐさを見てるとそういう感じが伝わって来ました。E!は知りませんでした。何かの略かな?と思ってましたが実在のチャンネルなのですね。先ほどネットでE!のニュースや動画を初めて見ましたがなかなか面白かったです。

また今回もいくつか勉強させてもらいました。ありがとうございます。
Posted by koroyakun at 2013年07月11日 07:37
koroyakunさんへ
いつも温かいコメントありがとうございます。

Who are you wearing? は、Whose are you wearing? ということで、「誰の服」→「どのデザイナーの作った服」かを尋ねている疑問文になるのでしょうね。
Have it on in the background. は、Have it on in the... の部分など、本当に初歩的な単語ばかりなのですが、そういう基本単語をこのように配置することから生み出されるイメージとニュアンス、というのが、意外とノンネイティブには難しい部分、と言いましょうか。ネイティブには当たり前のように出てくるフレーズなんだろうけど、日本人でこのフレーズが口からパッと出て来ることはないんだろうなぁ、という意味で、なかなか興味深かったです。

E! については、感嘆符を含めたのが名前だと知った時はちょっと驚きました。いかにも「芸能ゴシップを集めました」という感じで、名前につけたその感嘆符も「いかにも感」をさらに増している気がします。

こちらこそ、いつも丁寧にお読みいただき、ありがとうございます。温かいコメントにいつも力をいただいています。これからも頑張ります!
Posted by Rach at 2013年07月12日 16:13
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