2013年07月23日

vowを買う フレンズ7-21その1

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シーズン7 第21話
The One With the Vows (思い出は美しすぎて!?)
原題は「誓いの言葉の話」


[Scene: Monica and Chandler's, Monica is at the kitchen table and Chandler is in the living room.]
モニカとチャンドラーの家。モニカはキッチンのテーブルにいて、チャンドラーはリビングにいる。
モニカ: Do you realize that four weeks from today we're getting married? Four weeks, baby!! Four weeks!!! (わかってる? 今日から4週間で、私たちは結婚するのよ。4週間よ、ベイビー! 4週間!!)
チャンドラー: You realize you get louder each week? (わかってる? 毎週声が大きくなってるってことを。)
モニカ: There's still so much to do. Have you written your vows yet? (またすべきことがたくさんあるのよ。(結婚式で言う)誓いの言葉をあなたはもう書いた?)
チャンドラー: I figured I'd just buy those. "Pat, I'd like to buy a vow." (Laughs) (それはもうただ買っちゃおうと思ってね。「パット、バウを買いたい」って。)
モニカ: Sweetie, you know I have no sense of humor when it comes to the wedding. (ハニー、私は、結婚式のこととなると、ユーモアのセンスがなくなるってこと、あなた知ってるでしょ?)
チャンドラー: Right. So uh, have you written yours yet? (そうだね。それで、君は誓いの言葉を書いたの?)
モニカ: No! But I know exactly what I'm gonna say. (いいえ! でも私が何を言うことになるかははっきりとわかってるの。)
チャンドラー: Do you happen to know what I'm gonna say? (俺が何を言うことになるかを、君はわかってたりする?)

realize は「…だとわかる、理解する、気づく、悟る」ですから、Do you realize...? は「…だってことわかってる?」という感じですね。
four weeks from today は「今日から4週間」、つまり、4週間後に私たちは結婚する予定なのよ、たった4週間よ、そのことわかってる?!と興奮気味に話していることになります。

チャンドラーも同じフレーズ、Do you realize...? を使って返すのが面白いですね。
4週間って叫んでるけど、毎週、週を追うごとに自分が get louder、つまり、声がだんだん大きくなってるの、わかってる?と言っているわけです。

「やることがまだまだたくさんある。あなたはもう、結婚式で言う誓いの言葉を書いた?」とモニカは尋ねます。
チャンドラーは、「誓いの言葉は(自分で書くんじゃなくて)ただ買っちゃおうかと思ってたんだ」みたいに言った後、"Pat, I'd like to buy a vow." と言います。
それを聞いたモニカが怒ったように、「結婚式のこととなると、私にはユーモアのセンスがないんだけど、ユーモアのセンスなくなっちゃうんだけど」みたいに言っていることから、チャンドラーのそのセリフ、"Pat, I'd like to buy a vow." が、いつものチャンドラーのジョークであることがわかります。
ちなみに、when it comes to... は「(話が)…ということになると、…のこととなると」というお決まりフレーズであることも意識しておきましょう。

さて、そのチャンドラーのジョークについて。
文字通り、結婚式の誓いの言葉を、誰か人から買う、つまり人にお金を払って書いてもらう、みたいに言うだけでも、「大切な誓いの言葉を人に任せて書かせる気かよ?!」とツッコミたくなるジョークにはなりますが、実はこのセリフ、アメリカのあるテレビ番組にちなんだジョークになっています。
そのテレビ番組については、このブログの過去記事で取り上げたことがあるため、私もセリフを聞いた時に、あぁあれか!と気づくことができました。

このジョークのポイントは、buy a vow というフレーズと、Pat という人物名。
buy a vow という「音」でピンと来たのですが、この音とよく似たフレーズに、buy a vowel というものがあります。
Google のサーチボックスに文字を入力すると、グーグルサジェスト機能で、それ以降の候補が自動的にいくつか表示されるのですが、buy a vow まで入れると、候補として、buy a vowel や buy a vowel wheel of fortune という候補が提示されます。
この buy a vowel wheel of fortune については、以下の過去記事に解説があります。
母音を買う フレンズ3-4その16

ここでも簡単にご説明させていただきますと、アメリカのクイズ番組で Wheel of Fortune 「ホイール・オブ・フォーチュン」というものがあり、その番組で使われるフレーズが buy a vowel 「母音を買う」なのですね。
Wikipedia 英語版: Wheel of Fortune (U.S. game show)
このゲームはワードゲームで、何という言葉が隠されているかを当てるゲームなのですが、自分の手持ちのお金で、隠されている文字の母音を「買う」ことができるのです。
母音が表示されると、ものすごいヒントになりますから、手持ちのお金を減らしてもそのヒントをゲットしようとするわけです。

上の Wheel of Fortune の英語版ウィキペディアの右上の枠内には、歴代の Host の名前が載っており、その中に、
Pat Sajak (1981–89)
という司会者の名前があります。
チャンドラーが、Pat と言ったのは、この Pat Sajak のことですね。
buy a vow というフレーズが、buy a vowel というフレーズに似ていることから、Wheel of Fortune の決まり文句をもじったものだろう、という想像が働くわけですが、チャンドラーが司会者の名前を出して、「パット、僕は母音を買いたいんだ」と言ってみせたことで、このクイズ番組が元ネタであることが確信できるわけです。

モニカは結婚式のことで真面目に尋ねたのに、チャンドラーは、vow と聞いて buy a vowel を連想し、テレビのクイズ番組ネタのジョークで返したので、「結婚式のことになると、私ってユーモアのセンスがないのよね。そんなジョーク、面白いと思えないんだけど、笑えないんだけど」と、怒ることになります。

チャンドラーは逆に、「君は誓いの言葉を書いたの?」とモニカに尋ねます。
モニカは、No! と否定して、まだ書いていないことを言った後で、「でも私が何を言うか・何を言うことになるかははっきりわかってる」と答えます。
実際には文字として書いてないけど、言うことは頭の中でもう考えてるわ、という感じですね。
「言うことはもう決まってる」みたいに言うモニカに、チャンドラーは「俺が言うこともわかってたりする?」みたいに聞くのが楽しいです。
モニカが俺の言うことをついでに考えてくれたりしないかなぁ、ということですね。
この happen to というのは、フレンズでもちょくちょく出てきますが、基本的な意味は「偶然〜する、たまたま〜する」。
モニカは自分の言う誓いの言葉が頭の中で決まってるみたいに言ってるけど、俺が何を言うかも考えてある、とか、そういうラッキーなことってあったりしないかな?、みたいに言っているわけですね。


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posted by Rach at 11:25| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんにちは。いよいよWeddingが迫ってきましたね。
この会話でPat, I'd like to buy a vow.というのはなんだかよくわからなかったのですが、解説を読んで、ああ、なるほど!と思い出しました。
Pat Sejakのクイズ番組は昔アメリカに行ってる時に時々見てました。内容はあまりわからないのですが、彼の独特の言い回しや回答者や観衆の大げさなアクションを見ていて、賞金の多さもあり、いかにもアメリカ的だなー、などと思ってました。そうしたらそのうち日本でも雰囲気の良く似たクイズをやるようになってました。Patは少し前のみのもんた的な感じでしたでしょうか。

Rachさんの解説がなかったら思い出すことはなかったです。
いつもいつもありがとうございます。
Posted by koroyakun at 2013年07月30日 08:07
koroyakunさんへ
コメントありがとうございます。
今回の元ネタとなったクイズ番組をアメリカで実際にご覧になったことがおありなのですね。私はもっぱら、Wikipedia などの検索で、情報ばかりが先行している状態なので(笑)、そのように番組の雰囲気を教えていただけるととても参考になります。ありがとうございます。

フレンズでは、俳優、歌手と並んで、テレビ番組の司会者の名前もちょくちょく登場しますよね。日本でも、みのもんたさんみたいな有名な司会者を引き合いに出すことはよくありますし、そういう「テレビでよく見る人」をネタにする感覚は、日米共通のようで楽しいです。

前にもフレンズで出てきた番組のネタだったため、「これは絶対に説明せねば!」と、妙な使命感に燃えてこの記事を書きました。そのように言っていただけて嬉しいです。

こちらこそ、いつもいつも温かいコメント、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
Posted by Rach at 2013年07月30日 13:39
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