2013年08月05日

奥さんはお元気? フレンズ7-21その4

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ロス: I can't believe in four weeks they're gonna be married! (4週間後には、二人が結婚してるなんて信じられないよ!)
フィービー: Well let's just hope it works. Y'know nine out of ten marriages end in divorce? (そうね、うまくいくようにただ祈っていましょうよ。ほら、10組中9組の結婚が離婚に終わるのよ。)
ロス: Phoebe, that's not true. (フィービー、それは真実じゃないよ。)
フィービー: Yeah, you're right. How's the missis? (そうね、あなたは正しいわ。奥さんはお元気?)
レイチェル: I can't believe they've been together for three years. (二人が3年も付き合ってたなんて信じられない。)
ジョーイ: (shocked) Has it been that long?! ([ショックを受けて] そんなに長かったの?)
ロス: Maybe, it seems like less because they hid it from us for so long. (多分、もっと短かったみたいに思えるね、二人は僕たちにすごく長い間隠してたから。)

ロスの、I can't believe in four weeks they're gonna be married! について。
in four weeks の正確なニュアンスは、「4週間後」ですね。
in 「〜の中に」というイメージから、「〜以内」と解釈してしまう日本人学習者が多いですが、「4週間以内」ということであれば、within を使うことになります。
get married なら「結婚する」で、be married だと「結婚している」という状態を指します。
ですから、ロスのセリフを正確に訳すと、「4週間後には二人が結婚している状態である(二人は夫婦になっている)ということが信じられない」と言っていることになるでしょう。
「4週間後に結婚するんだよ」という「4週間後の行動」を語っているというよりも、「4週間後には二人は結婚して夫婦になってるんだ」という「4週間後の状態」を言っているということになります。

フィービーは「ただそれがうまくいくのを祈ってましょう」みたいに言った後、nine out of ten marriages... というセリフを言います。
nine out of ten は文字通り「10から9、10のうち9」みたいなニュアンスで、「10組の結婚のうち、9組が離婚で終わる」という意味。
フィービーのセリフだと、結婚したカップルのうち9割が離婚することになる、と言っていることになりますが、いくら離婚の多いアメリカと言っても、さすがにそれは大袈裟なので、ロスは「それは違う、正しくない」と否定します。
あっさり、「えぇ、あなたの言う通りね」と認めたフィービーですが、その直後に、How's the missis? と尋ねていますね。

missis は missus とも綴り、「妻、女房、家内」という意味。
辞書では、missus の方がメジャーのようなので、以下の語義ももっぱら missus のものとなりますが、missis もそれと同じものだとお考え下さい。

研究社 新英和中辞典では、
missus 【名】[the 〜] 《口語》 女房、細君
と説明されていて、この意味では、もっぱら、the missis, the missus のように the を付けて使われることがわかります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
missus [noun, singular] : (spoken humorous) a man's wife
例) How's the missus?

つまり、「(口語、ユーモラス) 男性の妻」。例文は「奥さんはお元気?」

Macmillan Dictionary では、
missus [noun, singular] : (informal, old-fashioned) your wife
つまり、「(口語、古風な表現) 君の妻」。

ロングマンの例文も、How's the missus? となっていますから、「奥さんはどう? 元気?」というこの例文が、missis/missus の典型的な使用例だということになるでしょう。

さて、ここで、英和、英英の語義説明を見ていて注目すべきは、the missus のように、定冠詞 the がつくことと、singular 、すなわち「単数名詞」であることです。
英英辞典で singular と書いてあるということは、この名詞はもっぱら単数形でのみ使われ、複数形にはならない、ということ。
それは a man's wife や your wife という語義説明の通り、「その人の(たった一人の)奥さん」であることを指しているからなのでしょうね。
一夫一婦制の英語圏であれば、奥さんと言えばただ一人で、定冠詞 the で特定されるし、複数形も必要ないということになるのでしょう。

ここで、ロスの状況を改めて振り返ってみますと、ロスは結婚歴3回、離婚歴3回のバツ3で、「元妻」(ex-wife)が3人いる、つまり、Ross has three ex-wives. という状態なわけです。
今はバツ3で独身ですから、ロスにとって、the missus に当たる人物は今はいないことになりますが、そこをあえて、「(ところで)あなたの奥さんはお元気?」みたいに、フィービーがロスに尋ねたことで、「確かにロスの言うように、離婚率が9割っていうのは間違いだけど、でもそういうロスの”奥さん”は、お元気かしら?」→「ロスは何回も離婚して、今は奥さんはいなかったんだっけ?」みたいに皮肉を言っているわけですね。

例えばそこを、How are your ex-wives? 「あなたの元妻さんたちは(みんな)お元気?」みたいに、「離婚した」ということを「元妻」という言葉でダイレクトに出すというやり方もあるのかもしれませんが、ごく普通に使われる挨拶、How's the missus? 「奥さんはお元気?」をさらっと言った方が、ロス的にはよりグサッと来る、という気がします。
日本語でも、「あなたの”元妻さんたち”は元気?」と言ってしまうと、あまりにも皮肉がミエミエすぎて可愛げがありませんね。
フィービーは、「離婚率はそんなに高くないと言っているロス本人が、一人で離婚率を引き上げてるんじゃないの?」と言いたいわけでしょうが、それをさらっと「奥さん元気?」と普通に問い返した感じになっているのが、このやりとりをより面白くさせている、という気がしました。

レイチェルも現在完了形を使って、「あの二人が3年間も付き合ってたなんて信じられない」と言っています。
be together は「一緒にいる」ということですが、恋愛の話で言うと、「付き合っている」と訳す方が自然ですね。
get back together なら「よりを戻す」ということになります。

3年と聞いて、ジョーイは「そんなに長かったの?」と驚いています。
it seems like は「(まるで)〜のように見える、思える」。
less に思える、というのは、three years という long な期間に対して、less 「もっと少ない、短い」と思える、という意味ですね。
「(3年よりも)もっと短かったように思えるね、だって」と言って、その理由として、「彼らはそのこと(二人が付き合っていること)を、僕たちから、とても長い間、隠してたから」と説明しています。
hide+目的語+from+人 は、「人から(〜を)(知られないように・見えないように)隠す」ですね。
僕らに内緒にしてた期間がかなりあったから、僕らには3年も付き合っていたようには思えないんだよね、と言っていることになります。


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posted by Rach at 13:07| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。

今日も素敵な英語表現を学べました。

現在完了形とか。
分かってるようで使いこなすのは大変です。

またきますね。
Posted by オンライン英会話比較@エイコ at 2013年08月05日 19:23
オンライン英会話比較@エイコさんへ
はじめまして。
「学べました」と言っていただけて光栄です。ありがとうございます。
Posted by Rach at 2013年08月06日 12:48
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