2013年08月15日

ブレーキランプを交換しといて フレンズ7-22その1

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シーズン7 第22話
The One With Chandler's Dad (パパはキャスリーン・ターナー)
原題は「チャンドラーのパパの話」


モニカの家にロスがやってきます。
ロス: Hey uh Mon, I saw the Porsche parked out front. Can I get the keys? Thought I'd take that bad boy out for a little spin. (ねぇ、モニカ、建物の前でポルシェが停まってるのを見たよ。キーを貸してくれる? あのバッドボーイをちょっとひとっ走り、連れ出したいと思ったんでね。)
レイチェル: Wait a minute! (To Monica) You let Ross drive the Porsche and when I ask you, you say you're the only one who's allowed to drive it. (ちょっと待ってよ! [モニカに] あなたはロスにはポルシェを運転させてるのね。それで私があなたに(ポルシェを運転させてと)頼むと、ポルシェの運転が許されているのは自分だけだって言うじゃない。)
モニカ: Yeah, well he's my brother! And plus he drives so slow he could never hurt it. (ええ、ロスは私の兄さんだもの! プラス、ロスはすごくゆっくり運転するから、ポルシェを傷つけることがないし。)
ロス: It's a car, Monica! Not a rocket ship! (車なんだよ、モニカ! 宇宙船じゃないんだから!)
モニカ: Whatever, Ross! Just replace the bulbs in the brake lights after you're done. (何でもいいわよ、ロス! あなたの運転が済んだ後で、ブレーキライトの電球をただ交換しといてくれれば。)

ロスは部屋に入ってきて、I saw the Porsche parked out front. と言っています。
see the Porsche parked は、see+目的語+過去分詞で、「(目的語が)〜されているのを見る」ということですね。
out front は「外で前で」という感じですから、「建物や家の前の外で」という感覚になります。
Thought といきなり過去形で始まっているのは、主語の I が省略されているということで、「あのバッドボーイを、ちょっとしたスピンに連れ出そうかなって思ってた」みたいに言っていることになります。
この場合の spin は、「一走り、ひとっ走り、ドライブ」のこと。
動詞の spin には日本語の「スピンする」のイメージ通り、「(高速で・急速に)くるくる回る」という意味が基本ですが、その他にも「(車などが)疾走する」という意味があり、その名詞形が今回の「ひとっ走り」のニュアンスになるのですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
spin [noun] : CAR [countable] (informal) a short trip in a car for pleasure
例) Let's take your new car for a spin.

つまり、「(インフォーマル) 娯楽のための、車に乗っての小旅行」。
out のあるなしという違いはありますが、take a car for a spin という形は、今回のセリフもロングマンの英文も同じで、こういう形でよく使われるということがわかります。

ロスがポルシェで一走りしたいからキー貸して、と言ったのを聞いて、レイチェルは「ちょっと待ってよ」と抗議しています。
You let Ross drive... の文章を、前から順番に直訳してみると、「モニカはロスにポルシェを運転させる。そして私があなたに(私に運転させてと)頼む時、モニカは言う、モニカがポルシェを運転することを許されているただ一人の人間だ、って」みたいになるでしょう。
ラフな感じで言うと、「ロスに運転させるわけ? 私がお願いしても、運転していいのはモニカだけだって言うくせに!」みたいなことになりますが、それを英語で言うと、上のようなセリフにしたらいい、ということになるわけですね。
妙にこなれた複雑な英語を思いつこうとする必要もないわけで、「あなたはロスに運転させる。私がお願いした場合には、あなたはこう言うのに」と、言いたいことをそれぞれ文章で区切って、いくつかの文章を並べることで表現したらいい、ということになるでしょう。

「私にはダメっていうくせに、どうしてロスはオッケーなのよ?!」みたいに言われたモニカは、「ロスは私の兄だし、それプラス…」と言って、ロスにはポルシェを貸しても問題ないことを説明しています。
この plus というのは、フレンズでもよく出てきますが、日本語でも何か追加したい時に、「(それ)プラス」みたいに言うので、そのまんまのニュアンスで使える便利な表現ですね。
後半に述べた理由は、「ロスはとてもゆっくり運転するから、決してポルシェを傷つけることがない」。
スポーツカーだからって、荒っぽい運転をしたりしないから絶対に事故ったりしない、だから貸しても大丈夫なのよ、ということですね。

「トロトロ運転するから大丈夫なのよー」みたいにバカにされたのがわかって、ロスは「車なんだよ、ロケット船・宇宙船じゃないんだ」と力説しています。
宇宙を飛ぶ宇宙船じゃあるまいし、道路を走る車なんだから、やたらめったら速く走る必要なんかないだろ、ゆっくり走らせても問題ないだろ、みたいなことですね。

Whatever. もフレンズでよく出てきますが、「何でもいいわ」みたいな投げやりな感覚。
ポルシェのことをどう思おうがロスの勝手にすればいいけど、とにかく replace してくれればいいのよ、みたいにモニカは言っています。
after you're done. は「あなたが済んだ後で」ということですから、ドライブが済んだ後で、ということ。
the bulbs in the brake lights は文字通り「ブレーキライト(ランプ)のバルブ(電球)」ですね。
replace は「取り替える・交換する」ですから、「ドライブが済んだ後、ブレーキランプの電球を交換しといてくれたらそれでいいからね」みたいに言っていることになります。
この replace のニュアンスは、以下のロングマンの語義が近いように思います。
replace : to get something new to put in the place of something that is broken, stolen, too old etc.
例) Two of the tires had to be replaced.

つまり、「何か壊れたもの、盗まれたもの、古くなり過ぎたものなどの場所に入れるために、新しいものをゲットすること」。
例文は、「タイヤの2個は、取り替えの必要があった」。

ロングマンの例文と同様に、古くなった、傷んだものを取り替える、というニュアンスなわけですが、このセリフはつまり、「ロスがドライブ中にブレーキを踏みまくってブレーキランプの電球が傷んじゃうと思うから、私に返す前に新品に交換しといてね」と言っているわけです。
ポルシェが傷つくことはないけど、ブレーキランプだけが尋常じゃないほど酷使されそうだから、それだけ交換しといてね、のように、妹のモニカにも「運転が超トロい」ことをからかわれているというオチになるのですね。


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posted by Rach at 12:26| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん

はじめまして!
高橋陽生といいます。
人気ブログランキングより来ました。

フレンズのブログ拝見しました。
私も、最初にはまったシットコムはフレンズでした。
season1 のエピソードは、暗記するほど、何回もやり込みましたよ。
11話のチャンドラーのママとロスの会話がツボでした。

Rachさんのブログの更新楽しみにしております。
Posted by 高橋 at 2013年08月17日 00:28
高橋さんへ
はじめまして。ご訪問&コメントありがとうございます。

フレンズ、面白いですよね。フレンズにはまった、という方に、このブログを読んでいただける、楽しみにしていただけるのは、本当に光栄で嬉しいです。ありがとうございます。
これからも頑張ります。よろしくお願いいたします。
Posted by Rach at 2013年08月19日 12:57
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