2013年08月23日

女装趣味の木こり フレンズ7-22その4

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フィービーの彼氏ジェイクが女性用のピンクの下着をはいているのを見たジョーイは、フィービーに「それってヘンだよ!」と力説するのですが、フィービーは「私が、私の下着をはいてみて、って言ったのよ」と言って、そうすることに何の違和感も感じていない様子。
フィービー: And! Y'know what Jake says? That women's underwear is actually more comfortable. And he loves the way the silk feels against his skin. (それで! ジェイクが何て言うと思う? その女性用下着はほんとに(男性用よりも)快適だって。で、彼は肌のシルクの感触が大好きなんだって。)
ジョーイ: Yeah, well, next thing you know, he'll be telling you that your high heels are good for his posture! (そうか、気がついたら、彼は君にこう言ってるだろうね、君のハイヒールは(きれいな)姿勢(をとるの)にいいね、って。)
フィービー: There is nothing wrong with Jake! Okay? He is all man! I'm thinking even more than you. (ジェイクには何もおかしなことはないわ、いい? 彼は全くの男性なのよ! あなたよりも男らしいって私は思ってるのよ。)
ジョーイ: Oh, yeah, he looked like a real lumberjack in those pink lacies. (あぁ、そうかい。ジェイクは、ほんとに、あのピンクのレースをはいた木こりみたいに見えたよ。)

フィービーは、「ジェイクは、男性用下着よりも女性用下着の方が快適だって言ってるの」と言い、he loves the way the silk feels against his skin. と説明しています。
この英文を直訳すると、「シルクが彼の肌に対する[当たる]感じ・感触の様子が好き」みたいになるでしょうか。
つまり、シルクの肌触りが好き、ということですね。

next thing you know は文字通り、「君が知る次のこと」ということで、「気が付くと(次にはこうなっていた)」のようなニュアンス。
そんな呑気なことを言ってたら、今度は彼がこんな風に言っているのを聞くはめになるよ、みたいな感じです。
posture は「体の姿勢」なので、「ハイヒールは良い姿勢・スタイルを保つのにいいねぇ」みたいなことをそのうち彼は言い出すよ、ということになります。

彼をけなされたと感じたフィービーは、「彼はどこもおかしなところはないわ。彼は全くの男、何もかも男なのよ。あなたよりずっと男らしいわ!」と力説しています。
ですがジョーイは、女性用のピンクのレースの下着をはいている男が男らしいわけがない、と言いたいようで、he looked like... のセリフを言っていますね。
直訳すると、「ジェイクは、あのピンクのレースをはいた・つけた、本物の lumberjack みたいに見えた、lumberjack みたいだった」。
lumberjack は lumberman とも言い、「木材伐採人、材木切り出し人、木こり」のこと。
このセリフですが、a real lumberjack のように、real 「本物の、本当の(木こり)」みたいに言っていることから、何か架空の「ピンクのレースをつけたような木こり」が存在するのではないか?という気がしました。

ということで、lumberjack といろいろな単語を組み合わせて検索していると、lumberjack wear women's という検索ワードで、元ネタらしきものを発見しました。
Wikipedia 英語版: The Lumberjack Song

The Lumberjack Song というのは、モンティ・パイソン(Monty Python)の歌ですが、まずは元ネタに該当する部分について説明します。
上のウィキペディアの Synopsis という項目に、以下の記述があります。
However, as the song continues, he increasingly reveals cross-dressing tendencies ("I cut down trees, I skip and jump, I like to press wild flowers, I put on women's clothing, and hang around in bars"),

cross-dressing tendencies というのは、「服装倒錯傾向(異性の衣服を身につけたがること)」。
引用符でくくられた部分が歌詞で、そこにもはっきり、I put on women's clothing 「女性の服を身につける」と書かれています。

「女性用下着をつけている木こり」が、この The Lumberjack Song の「女装趣味の木こり」を指しているのはほぼ間違いないと確信できたところで、元ネタとなっているモンティ・パイソンについて以下にまとめてみます。

モンティ・パイソンは、イギリスのコメディグループで、「空飛ぶモンティ・パイソン」という番組は、70年代に日本でも放送されていて、人気だったようですね。
Wikipedia 日本語版: モンティ・パイソン
私は「モンティ・パイソン」という名前は知っていましたが、実は番組そのものは見たことなくて、、、広川太一郎さんが吹き替えしてたのなら、見とくべきだった!(、、、って、そこ?!)

日本でも人気だったということで、ウィキペディア日本語版での情報も充実しており、助かります^^
Wikipedia 日本語版: 空飛ぶモンティ・パイソン
「スケッチ 有名なスケッチ」の項目に、ちゃんと「ランバージャック」が載っているのも嬉しいところ(^^)
さらには、この The Lumberjack Song の日本語タイトル「木こりの歌」についての説明も、Wikipedia 日本語版には存在します。
Wikipedia 日本語版: 木こりの歌
女装趣味についての部分を以下に引用させていただきますと、
歌が続くに従って、最初はまともな木こりを歌っていたが、興奮してきた木こりは段々と女装趣味を露呈してくる(「女装して夜のバーをうろつく」、「ハイヒール、サスペンダーにブラつけて」、など)。騎馬警察隊を困惑させ、ついにはかれらは愛想を尽かして退場してしまう。

、、、ということで、モンティ・パイソンのファンの方なら、すぐにピンと来たかもしれない、というジョークだったわけです。
有名な歌ということで、YouTube にもたくさんアップされています。
ここではリンクははりませんが、ウィキペディアの説明通りの歌になっていることが確認できますので、ご興味のある方はどうぞ。

モンティ・パイソンの説明が長くなりましたが、フィービーが「ジェイクはすっごく男らしいんだから!」と言うのを聞いて、「男らしい仕事の代名詞みたいな木こりが実は女装趣味があった、っていう、例のモンティ・パイソンの歌に出てくる木こりみたいな感じなんじゃないの?」とからかったジョークになるわけですね。


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posted by Rach at 16:22| Comment(3) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんにちは。先日の「Pat, I'd like to buy a vow」でもへ−なるほどと思ったのですが、今度はlumberjackがそこまでの連想になっているとは全く想定外でした。実に深いですねー。
いつもながらRachさんの探求心というか嗅覚というか執着心というか、いずれにしろこだわりの気持ちと姿勢に敬服です。ここにこのブログの質の高さの原点があるのですね。いつも勉強になります。
Posted by koroyakun at 2013年08月23日 18:25
はじめまして。いつもたのしく拝読しております。

今回タイトルを見て「おっ!」と声を上げてしまいました。
じつはわたくし、高校生のころからモンティ・パイソンが好きで好きで、ビデオを繰り返し繰り返し、それこそセリフを覚えるくらい見ておりました。現在のわたしの英語力のもとになっているのは、パイソンズの英語なんです(笑)。
ですから、Rachさんの「シットコムを見て笑いながら英語表現を覚えよう」というコンセプトとその効用は、身に沁みて理解しております。(ちなみにこの"The Lumberjack Song"、教え子に三単現の口慣らし用として歌わせておりました。ぜ、前半部分だけ)

たいへんおこがましいのですが、ほんの少し、捕捉させてください。イギリス英語の"suspendies"(=suspenders)は、いわゆる「ガーターベルト」のことかと。ま、ウィキペディアの記述のことなんですが(笑)。

これからも楽しく勉強させていただきます!
Posted by WIMP at 2013年08月24日 15:46
koroyakunさんへ
コメントありがとうございます。
buy a vow も、lumberjack も、元ネタはこれか!とわかると、その面白さが倍増しますね。buy a vow については、前にもフレンズで、Wheel of Fortune ネタが出てきたことが大きなヒントにはなりましたが、前の時もネット検索でその番組とその決め台詞を知ったので、今のこういうネット環境がなければ、わからないことだらけだったと思います。こうして自分が調べたことをシェアすることで、また別の方から新たな情報をいただけることもありますし、英語学習をするに当たっては、本当に便利な世の中になりました。

また、「探求心、嗅覚、執着心」という言葉で評価していただけること、とても嬉しいです。何かにハマると、とことんまで行くタイプ(笑)であることが、英語学習においてはプラスに作用しているように自分でも思っています。結局のところは、自分の趣味の追及なのですが、それをこうしてきちんと読んでいただけること、評価していただけることは、何より幸せなことだと思います。こちらこそいつもありがとうございます!


WIMPさんへ
はじめまして。コメントありがとうございます。
WIMPさんのようにモンティ・パイソンがお好きで、パイソンズの英語にお詳しい方に、今回の記事を読んでいただけたこと、大変光栄で嬉しいです。私はモンティ・パイソンのことをよく知らないため、記事内でトンチンカンなことを書いていたらどうしよう、、みたいな気持ちもあったので、楽しくお読みいただけたようで本当に良かったです。生徒さんにこの歌を教えておられた、というほど、やっぱりこの歌は有名だったのですね。

それから、"suspendies" の件、ありがとうございます。日本語版ウィキペディアでは「ハイヒール、サスペンダーにブラつけて」と訳されていましたが、この訳だと、女性専用のものではない、という意味で、サスペンダーだけ何だか浮いていますよね。男性がつけない女性特有のものでないと面白くないわけで、「ズボンつり」であるサスペンダーではなくて、「靴下つり」のガーターベルトということなら納得です。ガーターベルトは女性のセクシーさを強調するアイテムですから、この歌詞の流れにぴったりですよね。

貴重な情報、ありがとうございました。こちらこそ、これからもよろしくお願いします!
Posted by Rach at 2013年08月27日 12:05
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