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[Scene: Monica and Chandler's, Monica is standing in the kitchen ready to leave for the rehearsal dinner.]
モニカとチャンドラーの家。モニカは、リハーサルディナーに行く準備ができた状態で、台所に立っている。
モニカ: Honey, we gotta go! (ハニー、私たち、行かなくちゃ!)
チャンドラー: (entering from the bedroom) Okay. Here's a question you never wanna have to ask. My dad just called and wanted to know if he could borrow one of your pearl necklaces. ([バスルームからリビングに入ってきて] わかった。人が尋ねたいとは決して思わない質問があるんだけど。俺のパパがちょうど電話してきて、知りたがってるんだよ。君の真珠のネックレスを1つ、借りることができるかな、って。)
モニカ: Did he say what kind of neckline he'd be wearing? (パパが着るつもりの服は、どんな種類のネックラインか言ってた?)
チャンドラー: No. (いいや。)
モニカ: I just met him once, but I'm guessing... plunging? (私はあなたのパパに一度会っただけだけど、でも、思うに…胸元が深く開いてる?)
チャンドラー: Yeah, he is more of a if-you've-got-it-flaunt-it kind of... father. (そうだね。彼はむしろ、「持ってるもんは、見せびらかせよ」ってタイプの…父親だからね。)
リハーサルディナーというのは、フレンズ4-24 での、ロスとエミリーの結婚式の時にも出てきましたが、「結婚式の前の晩に親しい者が集う夕食会」のこと。
you never wanna have to ask は、「質問しなければならないことを決して欲しないような」質問がここにある、という感覚ですね。
こんなことを質問しなければならない立場・状況になんか絶対になりたくないような質問、というところでしょう。
My dad just called and wanted to know if... は「俺のパパがさっき電話してきて、…かどうか知りたがってた」。
何を知りたがっていたかと言うと、「モニカの真珠のネックレスの一つを自分(チャンドラーのパパ)が借りられるかどうか」ですね。
チャンドラーのパパはゲイで、いつも女装して、ドレスを着用しています。
「(女装の)パパがパールのネックレス貸してくれるかな、って言ってる」という質問は、誰もしたくないだろうけどね、という意味で、最初に前置きとして you never wanna have to ask の文章を言ったことになります。
neckline は「ネックライン」、つまり、首のラインということから想像できますが、「ドレスの襟ぐり(の線)」のこと。
パパが着ようとしているドレスの襟ぐりはどんな感じか言ってた?という質問ですね。
ネックレスを貸すにしても、襟ぐりが開いているものか、首元まで詰まっているものかによって、それに似合うネックレスの形も違ってくるから、それがわからないと貸しにくい、みたいなことになるでしょう。
どんなネックラインかは言ってなかった、というチャンドラーに、モニカは「私はあなたのパパにたった一度会っただけだけど…私が思うに… plunging かしら?」みたいに問うていますね。
neckline について、plunging と言っているわけですが、そのものズバリ、plunging neckline の意味が、研究社 新英和中辞典に載っていました。
plunging neckline=【名】【C】 プランジングネックライン 《婦人服の深くくられたV字型のネックライン》
まさに説明の通りで、「襟ぐりがV字型に深くなっている」を指すことがわかります。
英辞郎には、
plunging V-neck sweater=胸元の深く開いた V ネックセーター
という用例も載っています。
このように、plunging というのは、そういう形状・デザインを指す、とまずは理解した上で、plunge という動詞の意味とニュアンスも同時に覚えてしまいましょう。
plunge は動詞で「突っ込む、投げ込む、沈める」「(〜の状態に)陥る」「(株価などが)突然下がる」という意味があります。
そういう「ぐっと下がっている」というような感覚が、「襟ぐりが深く開いている」イメージに繋がるわけですね。
あなたのパパのことはよく知らないけど、多分、ぐっと胸元が開いたドレスよね?と言われたチャンドラーは、「そうだね、彼はむしろ…ってタイプの父親・親父だから」と言っています。
そのどういうタイプかという説明部分は、if-you've-got-it-flaunt-it と表現されていますが、このように単語をハイフンで繋いで、ある文章を一つの形容詞のように使う方法は、セリフなどの口語でよく出てくるパターンですね。
この場合は、"If you've got it, flaunt it." のような、if 節+命令文を表し、「もしそれを持ってるなら、それを flaunt しろ」というタイプの親父だと言っていることになります。
flaunt は「誇示する、見せびらかす」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、動詞 flaunt の意味と共に、まさにこのセリフに出てきたそのまんまのフレーズ、if you've got it, flaunt it も載っていました!
LAAD での説明は以下の通り。
flaunt :
1. to show your money, success, beauty etc. so that other people notice it
例) She's always flaunting her jewelry.
2. if you've got it, flaunt it : (spoken, humorous) used to tell someone not to hide their beauty, wealth, or abilities
つまり、1. は「他の人々がそれに気づくように、自分の金、成功、美を見せること」。例文は、「彼女はいつも自分の宝石を見せびらかしてばかりいる」。
2. の if you've got it, flaunt it は、「(口語、ユーモラスな表現) 誰かに、美、富、能力を隠すなと言うために使われる」。
ということで、ズバリそのものの説明がロングマンに載ってくれていたこと、とてもありがたいです^^
「持ってるもんは、遠慮せずに見せびらかせちゃえよ。別に無理して隠すことないじゃん」的なユーモラスな表現だということで、チャンドラーのパパも、そういうタイプの人間、つまり見せるべきところは見せたらいいじゃん、ってタイプだから、きっと胸元がざっくり開いたドレスを着るつもりなんだろうね、と言ってみせたことになります。
チャンドラーのパパは(実際には女優さんが演じているとは言え)、ドラマの設定上では、肉体的には男性であるゲイですよね。
そのゲイのパパが胸元をみせびらかす、というのは、「あるはずのないものを見せびらかそうとしている」ということになるかもしれないものの、心はすっかり女性なので、他の女性と同じように胸元を見せるドレスを着るだろうね、と言っているところに面白みがあるということでしょう。
実際の音声では、kind of... father. のように、father と言う前に少しの間(ま)があります。
「胸元見せちゃえばいいじゃん」ってタイプの女性…なら普通なのですが、そういうタイプの「父親」というところにこのセリフのオチがあり、「見せるところは見せちゃえば」ってタイプの人…とは言っても、まぁ男性なんだけども…みたいな風に、チャンドラーは言ってみせたわけですね。
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