2013年09月20日

検査は陽性 フレンズ7-23その6

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結婚式当日。チャンドラーが行方不明になったとも知らず、「結婚式の準備をしなきゃ!」と大はりきりのモニカを見て、レイチェルは涙ぐみます。
モニカに気づかれまいと、フィービーはレイチェルをバスルームに連れ込みます。
フィービー: Yeah, but you've got to pull yourself together! Monica can't see you like this! Then she'll know something's wrong! (そうね、でも、あなたは落ち着かなきゃ! あなたがこんな風なのをモニカが見てはいけないのよ! そしたらモニカは何かがおかしいってわかっちゃうもの!)
レイチェル: I know. I know. Oh God. (Looking around) There's no tissue! Can you grab me some toilet paper? (わかってる、わかってるわ。なんてこと。[まわりを見回して] ティッシュがない! トイレットペーパーをくれる?)
フィービー: Yeah. (Looks.) Oh, that's gone too. This is Monica's bathroom, right?! (ええ。[見て] まぁ、トイレットペーパーもないわ。ここはモニカのバスルームよね?)
レイチェル: Oh! (ああ!)
フィービー: No-no! I-I... I found one. (いえいえ、見つけたわ。)
レイチェル: Okay. (オッケー。)
(Phoebe reaches into the trash can, pulls one out, and hands it to Rachel.)
フィービーはゴミ箱に手を伸ばし、紙を引っ張り出し、それをレイチェルに手渡す。
レイチェル: Oh, thank you! (Wiping her nose.) Oh, God! (She throws it out.) Can I have another one? (あぁ、ありがとう! [紙で鼻をふく] なんてこと! [レイチェルは使った紙を捨てる] もうひとつもらえる?)
フィービー: (looking into the trash can) Sure. (Reaching into the trash can.) Do you need some floss? (Grabs a piece of it.) ([ゴミ箱を覗き込んで] もちろん。[ゴミ箱に手を伸ばす] フロスはいる? [デンタルフロスを掴む])
レイチェル: Oh, God, I just can not imagine what is gonna happen if Chandler doesn't show up! (あぁ、なんてこと、もしチャンドラーが現れなかったら、何が起こるか想像もつかないわ!)
フィービー: Oh, here's a whole bunch. ((紙の)かたまりがあるわ。)
レイチェル: Oh, I mean she's gonna be at the wedding waiting for him and people will be whispering, "Oh, that poor girl." Y'know? Then she'll have to come back here and live all alone. (あぁ、モニカは結婚式にいることになるの、チャンドラーを待ちながらね。そして人々はこうささやいてるのよ、「あぁ、あのかわいそうな子」って。でしょ? それからモニカはここに戻ってきて、ずっと一人で暮らさないといけないのよ。)
フィービー: (finding something interesting in the trash can) Oh, my God! ([ゴミ箱に興味深いものを見つけて] まぁ、なんてこと!)
レイチェル: What? (何?)
フィービー: There was a pregnancy test in the garbage, and it's positive. Monica's pregnant. (Rachel covers her mouth.) So I guess she won't be totally alone. (ゴミの中に、妊娠検査薬があったの、そしてそれは陽性よ。モニカは妊娠してる。[レイチェルは口を覆う] じゃあ私が思うに、モニカは全くの一人にはならないわね。)

pull oneself together は「落ち着く、自制心を取り戻す」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pull yourself together : to force yourself to stop behaving in a nervous, frightened, or disorganized way
例) Pull yourself together - you don't want him to see you crying like that.

つまり、「自分自身が、神経質な、おびえた、まとまりのない方法で行動するのをやめるようにすること」。
例文は、「落ち着け。そんな風に泣いているところを彼に見られたくないだろ」。

このロングマンの例文ですが、フィービーのセリフと似ているのが面白いですね。
フィービーのセリフは、Monica can't see you like this! で、ロングマンが、you don't want him to see you crying like that.
「あなたがこんな風にしているのを見る」と、「あなたがそんな風に泣いているのを見る」という微妙な違いはありますが、とにかくそんな風にパニクってるところを人に見られてもいいの? 見られちゃだめよ、だから早く落ち着きなさい、みたいな文脈になっているわけですね。
フィービーのセリフではさらに、「あなたがこんな風にしてるのを見たら、何かおかしいってモニカが気付くじゃない」みたいにも言っています。

パニクっている様子をモニカに気づかれないようにと、バスルームに入った二人。
「ティッシュがないから、トイレットペーパーをちょうだい」と言うレイチェルに、「(ティッシュだけじゃなくて)トイレットペーパーもないわ。ここはモニカのバスルームよね?」と言っています。
整理整頓好きのモニカの家だと言うのに、ティッシュもトイレットペーパーも切れてるなんておかしい、と言いたいわけです。

ちなみに、grab は「(ものを)ひっつかむ、捕らえる、わしづかみにする」という意味で、上のセリフでは、「grab+人+物」のように目的語を2つ取る形で、「人に物を取ってやる、つかんで渡してやる」のような感覚で使われていますが、手持ちの英和辞典、また、LAAD などの英英辞典にも、grab somebody something のような目的語を2つ取る形は載っていないんですよねぇ。
そういう意味では、「本来の正しい使い方」ではないのかもしれませんが、get somebody something 「人に物を取る、取ってやる」の get と同じニュアンスだと考えるとわかりやすいですね。
get の代わりに grab を使うことで、素早くそしてがしっと掴んで渡す感じが出るように思います。

その後、ゴミ箱を覗き込んだフィービーは、ゴミ箱に入っている使用後の(!)紙を拾い上げ、それをさも新品かのように渡したりしています。

「チャンドラーが現れなければ、何が起こるか想像もできないわ」と動揺しているレイチェルに、「ティッシュのかたまり、見っけ」みたいな呑気なことを言っているフィービー。
レイチェルは、チャンドラーが現れなかった場合を想定して、「モニカは結婚式にいてチャンドラーを待っていて、来客者の人々は口々に「あのかわいそうな子!」みたいに囁くのよ」と悲惨な状況を想像しています。
そうして新郎が式に現れず、モニカはここに戻って、一人で暮らすことになるのね、とも言います。

さきほどから、ゴミ箱漁り(あさり)を続けていたフィービーですが、ここで驚いた声を上げています。
見つけたものをフィービーが説明していますが、このフィービーのセリフを英語のままわかるかどうか、というのが大きなポイントになってきますね。
「英語で笑えるかどうか?」で理解力を測ることができるのが、シットコムで学ぶ意義の1つですが、このフィービーのセリフのような「衝撃の発言」を英語のまま理解できるかどうか、というのも、英語力のバロメーターになってくれると思います。
例えば、同時通訳がついている場合に、通訳の方が訳す前の本人の英語の発言で、「ええー?」と驚くことができる、みたいなことですね。

pregnancy は名詞で「妊娠」、pregnant なら形容詞で「妊娠した」ですね。
pregnancy test は「妊娠検査」、ここでは「妊娠検査薬」のことを言っています。
garbage は「ゴミ」、positive は「(検査の結果が)陽性の」。反意語は negative 「陰性の」ですね。
デジカメの時代にはあまり聞かなくなりましたが、写真のポジとネガというのも、positive 「陽画」、negative 「陰画」を指すんでしたね。
pregnancy/pregnant という「妊娠」を指す言葉、positive 「陽性」という言葉がしっかり聞き取れ理解できた方は、この衝撃発言を、ネイティブの観客と同時に理解できたことになるわけです。

そんな衝撃発言の後だと言うのに、フィービーのセリフのオチがいかにもフレンズぽいです。
セリフは、「そして私が思うに、モニカは全くの・完全な一人きりにはならないわ」ということ。
フィービーに言わせると、「レイチェルはさっき、”モニカはここに帰ってきて、一人で暮らすことになるのね”って言ってたけど、そうはならなくて済むみたいね。モニカには赤ちゃんができるので、少なくとも一人じゃないもの」みたいなことを言いたいわけです。
この状況で、感想がそれ?みたいなギャップの面白さですね。

ちなみに、改めて、positive という単語を LAAD で調べてみると、以下のような説明がされていました。
positive : MEDICAL/SCIENTIFIC TEST showing signs of what is being looked for (OPP: negative)
例) If he tests positive for steroids, he will be suspended for ten games.
come out/up positive
例) Phoebe's pregnancy test came out positive.

つまり、「医学的・科学的検査。予期・期待されていることの兆候を示している」。
例文は、「もし彼がステロイドの検査で陽性と出れば、彼は10試合、出場停止になるだろう」。
come out/up positive の例文は、「フィービーの妊娠検査は、陽性という結果が出た」。

、、、え? フィービー?! このロングマンの例文の主語、Phoebe になってる!!
まぁ、フィービーと言っても、フィービー・ケイツ(Phoebe Cates)という女優さんもいましたし、別にフレンズのフィービーをイメージしたとは限らないのですが、、、
フレンズ4-12その6 では、フィービーは、自分の弟フランクのために代理母になっていて、実際に妊娠検査薬でチェックするシーンが出て来ます。
その時には、positive という言葉は使われてはおらず、
フィービー: You guys! You guys! You're gonna have a baby. They're gonna have a baby! ([フランクとアリスに]あなたたち! あなたたち! あなたたちに赤ちゃんができるわ。[フレンズたちに]彼らに赤ちゃんができるのよ!)
というセリフで、妊娠検査薬が陽性と出たことがわかる仕組みになっていたのですが、この時の状況を文章で表現すると、まさにこのロングマンの例文の、
Phoebe's pregnancy test came out positive.
ということなので、フレンズファンには嬉しい例文だと思い、こちらで紹介させていただきました。
LAAD の編纂者の中に、フレンズファンがいたんですよ、きっと^^


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posted by Rach at 14:46| Comment(4) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
以前、2年くらい前にコメントさせていただきました。確かDVDの視聴法で。当時のTOEICは600台。

それから、フレンズをRach流で3回見て1年で1周して、3ヶ月TOEIC集中して、TOEIC760(9月)→TOEIC940(11月)とりました。
あれから1年、TOEICのおかげで転職も成功しましたが、あまり話せないです。

Q1.Rachさんは瞬間英作文とかやられましたか?
私は、どうしてもああいう機会的なことが嫌いで、避けてます。
その代わり、今Callan Methodをやってます。オンラインでフィリピン人と毎日話してますが、果たして効果はあるのか...あると信じて、やってます。

Q2.Rachさんはフレンズ何周目でしょうか。やっぱり何度も回したほうがいいですよね、せっかく1周したのなら。理想は、字幕なしで見ても9割理解出来る状態にしたいのですが。

フレンズ1周してからはビジネス英会話の参考書ばかりやっていたので、正直逆にリスニング力が心配になってきたので、もう一周再度フレンズやろうかな、とおもい、ブルーレイディスク買いました。しかし、ネイティブの英語に対してブランクがあったせいか、なんて話すスピードが速いこと!あんなに単語調べたり、このサイトを全部よんだりして、凄まじい時間をかけたのに(たぶん1000時間くらい...)、単語や熟語はわからないものが頻発し、6割の理解のままで...。

色んな英語勉強法があり、現在TOEIC940なのに情けなくなってきてます。
なんかまとまりのない文章になっておりますが、TOEIC600時代の私に対するように、ご教授頂ければと思い、ご連絡いたしました。
Posted by バーバぱぱ at 2013年09月22日 17:29
バーバぱぱさんへ
コメントありがとうございます。はい、以前にコメントをいただいたこと、よく覚えています。その後、TOEIC の点数を大きく伸ばされたのですね。おめでとうございました!

TOEIC の点数の伸びほど、英語を話す力が伸びた気がしない、、というのは、多くの方がよく感じられることですよね。以下で、Q1, Q2 にお答えさせていただく形で、私の思うところを述べさせていただきます。

Q1. 瞬間英作文について
TOEIC に向けてそういうことはしませんでしたが、英検1級二次試験(面接)のために、そういう練習は自分一人でやっていました。英検の面接は、自分の意見を述べて、それに対しての質疑応答を行うことなので、今の自分の気持ち、今の自分の考えを、英語で言うための訓練のようなものを、ひとりごとのようにブツブツ言っていましたね。英会話が苦手、話せない、というのは、頭で考えたこと、イメージしたことがパッと言葉にならない、という感覚で、それがものすごくもどかしいわけですが、とにかく、シンプルな文で良いから言葉として発する、という練習がまずは必要な気がします。最終的には、複雑な文章が流暢にスラスラ口から出てくればそれが理想なのですが、やはり一足飛びにそこに到達するのはどんな人でも難しいだろうと思います。まずは簡単な文から、細かいニュアンスまでは出せなくてもいいから、必要最小限の言葉をとりあえず発する、という瞬発力を意識すべきかもしれません。オンラインでフィリピンの方と話す機会がおありだと言うことなら、無理に複雑な文章を組み立てようとせずに、言いたいことを短い文にして、それを追加追加で、情報を足していく、ような感覚で話してみるのも一つの手かな、と思うのですね。また、ドラマで仕入れたような決まり文句を、「どこかで使ってやろう」と楽しみにしたりするのも会話を続けるための励みになるのかな、と思ったりもします。

Q2. フレンズ何周目か、について
私は今、2周目です。一通りファイナルまで見て、ブログを書くために見直している今が2周目になります。まだ2周目、、とは言っても、1周目の時も、字幕・音声を切り替えて何度か観ていますし、今の2周目に至っては、ブログ記事を書くために、多分、1周目の時よりも、見方は格段に「深い、かつ、しつこいw」ですね。

ネットスクリプトが間違っている時がよくあるので、ネットスクリプトと英語字幕の突き合わせ、というのを各エピソードごとにやっているのですが、早口で聞き取りにくくて、ネットスクリプトも何かちょっと違う気がする、、みたいな時には、何度も聞き直しをすることになります。セリフに対してご質問があった場合には、ネットスクリプトの文字情報だけでは勘違いしてしまう場合もあるので、再度、そのシーンは必ず見直すようにしています。そういうこともあって、他の作品よりは「フレンズ」を見る機会はずっと多く、それはそれでリスニングの勉強にはなっていると思うのですが、もしこういうブログを書いていなかったら、そんな風な2周目はやっていなかった気がします。もちろん、大好きな作品で何度も見たい、ということであれば、2周目、3周目も大いにアリだと思うのですが、ファイナルまで一通り見た場合には、別の作品で力試しをする、というのもいいのではないかなぁ、と。

海外ドラマや洋画は「容赦のない英語教材」である、と私はよく表現するのですが、そういうものだからこそ、何度観ても新しい発見があって、前に気づかなかったことに気づけるようにもなります。ですから、同じ作品を何度も観ることはそれはそれで大いに意味があることなので、それを楽しいと感じればそれを続けられたらいいと思います。ですが、「同じ作品を何度も観て、完全に理解できるまでにならないと!」みたいなプレッシャーをご自身に与えてしまうようなことになれば、それは逆効果かもしれない、とも思います。私自身は、他の作品を見ていて、「フレンズ」で学んだ表現に出くわした時に、「フレンズ」を一通り学んで身につけた英語力がここで発揮されたんだ!と思うことがしばしばあります。フレンズで学んだことが他で生かせた時ほど、フレンズで学んだことの効果を実感できるわけですね。「あんなにやったはずなのに、こんなにわからなくなってるなんて」という気分になってしまわれるのであれば、少し「フレンズ」から距離を置かれるのも一つの手かな、と思いました。

あまりご参考にならない意見になってしまったかもしれません。ですが、どうかあまり気負われることなく、そしてフレンズにこだわり過ぎることなく、少し様子見のつもりで、別の作品にもトライされることをおすすめします。
Posted by Rach at 2013年09月24日 17:55
Rachさん

大変ご丁寧かつ詳細なご返信ありがとうございます。

Q1については、オンライン英会話が効果的と感じられなかったので、瞬間英作文をまずはやってからにしようと思います。同時に、Lang-8も始めました。

Q2については、暫くはフレンズから離れようと思いました。

私の英語力向上にこのサイトが非常に大きく貢献してくださいましたこと、報告でき良かったです。

スピーキングについて、半年瞬間英作文を試してみて、また報告致します。

ありがとうございました!
Posted by バーバぱぱ at 2013年09月29日 18:47
バーバぱぱさんへ
こちらこそ、ご丁寧なお礼のお返事、ありがとうございます。

「フレンズから離れる」ことを、こういうブログを書いている私がお勧めしたのは、考えると変な話なのですが、フレンズを教材にして英語を学んでいる目的は、フレンズのセリフを丸暗記することではなく、フレンズの英語を通して、英語とはどんなものかを学ぶ、ということなのだと私自身は思っています。ですから、わからない部分が残っていてもいいし、めったに聞かない単語なら別に覚える必要もない、と。「フレンズの英語」というものがあるとして、それを完璧に仕上げることにこだわることはない、と言いたかったわけです。

そんな風に「フレンズから離れる」ことをお勧めはしましたが、瞬間英作文や Lang-8 などで、アウトプットの練習をされる場合には、フレンズで習ったフレーズやセリフを是非積極的に使ってみて下さい。気に入ったフレーズを何度も使っていると、それがだんだん自分の言葉になってくると思います。自分がアウトプットをする時に、「そう言えば、こんな状況で、こんな気持ちの時に、こんなセリフを言っていたな」と思い出して、それを使うことができれば、それが「フレンズで英語を学んだことによる効果が出た」と言えることになるはずです。

スピーキング、頑張って下さいね。温かいお礼のお言葉、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2013年09月30日 13:10
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