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シーズン7 第24話
The One With Monica and Chanlder's Wedding (ベスト”フレンズ”ウェディング -Part 2)
原題は「モニカとチャンドラーの結婚式の話」
行方不明になったチャンドラーを探しまわっていたフレンズたちですが、チャンドラーは実は勤務先のオフィスの部屋(個室)にいたことがわかります。
[Cut to an office building.]
あるオフィスビルに画面がカットする。
ロス: So this is your office? (それで、これが君のオフィスなの?)
チャンドラー: How did you guys find me? I knew I should've hid at the gym! (どうやって君らは俺を見つけたんだ? わかってたんだ、ジムに隠れとくべきだった、って!)
フィービー: What the hell are you doing?! (あなたは一体何してるのよ?)
チャンドラー: Panicking! And using the Internet to try to prove that I'm related to Monica. How is she? (パニクってるんだよ! そしてインターネットを使ってるところだ、俺がモニカと親戚関係にあることを証明しようとしてね。モニカはどう?)
ロス: She's fine. She doesn't know you're gone. And she doesn't have to know, okay? Now come on, we're going home. (モニカは元気だよ。彼女はお前が消えたことを知らない。そして知る必要もないんだ、いいか? さぁ、来いよ。僕たちは家に帰るんだ。)
チャンドラー: No! No! No! I can't do that! (だめだ、だめだ、だめだ! そんなことできないよ!)
フィービー: Why not?! (どうしてできないの?)
チャンドラー: Because if I go home, we're gonna become the Bings! I can't be the Bings! (だって、もし俺が家に帰ったら、俺たち(俺とモニカ)はビング夫妻になることになる! 俺はビング夫妻にはなれないよ!)
ロス: What's wrong with being the Bings? (ビング夫妻になることの何が問題なんだよ?)
チャンドラー: The Bings have horrible marriages! They yell, they fight, and they use the pool boy as a pawn in their sexual games! (ビング夫妻はひどい結婚をするんだ! 怒鳴って、喧嘩して、プールボーイを性的ゲームの駒として使うんだ!)
How did you guys find me? の how を使ったセリフは、「どうやって? どのようにして?」という手段を尋ねる疑問文ですね。
日本語で言うと、「どうして俺の居場所がわかったんだ?」みたいな感覚です。
I knew I should've hid at the gym! の I knew I should've p.p. (過去分詞)は、「俺は…すべきだった、ってわかってたよ」というニュアンス。
やっぱり、職場は隠れ場所にはならなかった、やっぱり、職場みたいな見つかりやすい場所じゃなくて、せめてスポーツジムにでも隠れとけば良かったよな、みたいな自分に対する反省の言葉になります。
オフィスにいるチャンドラーを見て、フィービーは、What the hell are you doing?! と言っています。
the hell という強調語が入っていることで、「結婚式当日に行方不明になって、会社のオフィスにこもってるなんて、一体全体あなたは何やってんのよ!」という非難の気持ちがより強く出ますね。
「全く何してんのよ!」みたいに言われたチャンドラーは、Panicking! と答えます。
「何してる?って、俺は今、パニクってるんだよ!」という感じですね。
And using... と続けて、パニクってて、それから…をするためにインターネットを使っているところだ、とも言っています。
to try to prove that I'm related to Monica の be related to について。
relate は、relate A to B の形で、「A と B を関係させる、関連づける」、related だと「関係ある、関連した」という形容詞になり、また、「親族・親戚関係にある」という意味にもなります。
be related to someone なら、「人と親戚関係にある」ということですね。
ですから、チャンドラーは、「俺がモニカと親戚関係にあることを証明しようと、インターネットを使ってるところだ」と言っていることになります。
極端な話をすると、「実は二人は血の繋がった兄妹だった」みたいなことが証明されれば、俺たちは結婚することができなくなる、そんな理由が見つかればいいなと思って、ネット検索してたんだよ、みたいなことですね。
「モニカと血が繋がってるって情報がないか、ネットを調べてた」、つまり、外的要因で結婚が取りやめになってくれたらいいのに、と願っていることがわかる何ともキツいジョークですが、チャンドラーが結婚に踏み切ることに怯えている様子もよくわかるように思います。
モニカの様子を尋ねたチャンドラーに、ロスは、She doesn't know you're gone. And she doesn't have to know, okay? と答えます。
お前が去ったことをモニカは知らないし、また知る必要もないんだ、ということですね。
日本語でも、「〜しないし、また〜する必要もない」みたいな言い方をしますので、ニュアンスはわかりやすいと思います。
Now come on, we're going home. は、「さぁ、来いよ。僕たちは家に帰るぞ」みたいなニュアンスですね。
チャンドラーの意向を尋ねることなく、「さぁ、俺たちは帰るぞ」と言った、その有無を言わさない感じが、We're going home. というセリフに出ているように思います。
それでもチャンドラーはまだ抵抗しています。
ロスたちと一緒に家に帰ることなんて、俺にはできない、と必死に否定するチャンドラーに理由を尋ねるフィービー。
チャンドラーは、「俺が家に帰ったら、俺たち(モニカと俺)は the Bings になっちまう。俺は the Bings になれないんだよ、なっちゃいけないんだよ」みたいに言っていますね。
the Bings は、少し前の記事で説明したように、ここでは「ビング夫妻」というニュアンス。
the Bings のように「the+名字の複数形」で、その名字の人複数を指すことになるんでしたね。
What's wrong with...? は、「…の何がいけないのか?」という決まり文句ですから、What's wrong with being the Bings? は、「the Bings でいることの何がいけないんだ、ビング夫妻になることに何の問題があるんだ?」と問うていることになります。
The Bings have horrible marriages! を直訳すると、「ビング夫妻はひどい結婚を持つ」というところですが、marriages のように複数形になっていることからもわかるように、ビングという名前の夫婦になったものたちは、代々、どれもひどい結婚をすることになるんだ、ビング夫妻となった者たちの結婚生活はひどいものとなるんだ、みたいな感覚ですね。
「The Bings となった者たちはひどい結婚をする、ひどい結婚生活となる」という、The Bings の「習性」を表す現在形だと言えるでしょう。
チャンドラーは、ビング家代々の結婚生活を知っているわけではないでしょうから、もちろんここでイメージしているのは、自分の両親の結婚についてのことですが、ビング家の人間が夫婦になると、その結婚生活はこんな風になっちゃうんだ、と言うように、結婚したビング夫妻は、怒鳴って、喧嘩して、use the pool boy as a pawn in their sexual games するんだ、とも言います。
この pawn は「(チェスの駒(こま)の)ポーン」のこと。将棋で言うところの「歩」に当たる駒になります。
その「ゲームでの駒」という意味から、「人の手先、人に操られるもの」という意味としても使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pawn :
1. one of the eight smallest and least valuable pieces which each player has in the game of chess
2. someone who is used by a more powerful person or group and has no control of the situation
in
例) The children became pawns in their parents' divorce battle.
つまり、1. は「チェスのゲームで各プレーヤーが持つ、最も小さく、最も価値のない8つの駒の1つ」。2. は「より力を持つ人またはグループによって使われ、その状況をコントロールすることができない[その状況をどうすることもできない]人」。
例文は、「その子供たちは、両親の離婚の争いで駒になった」。
つまりは離婚における親権争いなどで、親に行き先とかを決められてしまって、子供たちは自分たちの意志でそれをどうにかすることはできなかった、親の言いなりになって翻弄されるしかなかった、みたいなことを言っていることになるでしょう。
今回のチャンドラーのセリフでは、離婚の話ではなく、夫婦間の性的ゲームだと表現されています。
pool boy は言葉の通り「プールボーイ」で、プールを掃除する少年、みたいなもののようですね。
過去のフレンズのエピソードからは、幼少期のチャンドラーはお金持ちで、家には使用人もいた様子がわかっています。
そういう使用人の一人として、裕福な家庭に付き物の「自宅プール」を掃除、手入れする人として、そういう pool boy も雇っていたようですね。
Urban Dctionary という、ネット上の俗語辞典には以下の語義が載っていました。
個人が語義を投稿して、その語義に対する評価が、up (サムアップ、いいね)、down (サムダウン、だめだ)で示されるというオンライン辞典ですが、以下の語義は、267 up, 55 down という評価だったので、多くの人に賛同されている語義だと判断できるでしょう。
Urban Dictionary : pool boy
pool boy
267 up, 55 down
A sexy man that cleans the pools of the rich and famous. They are notoriously known for doing the trophy wives of the rich and famous. But then again, they're usually very hot.
Wife: Well the Pool boy is doing great today.
(gay)Husband: Hah. I know he was doing great last night.
つまり、「お金持ちで有名人のプールを掃除するセクシーな男性。彼らは、その有名なお金持ちの箔付け妻と性的関係を持つことで悪名高い。しかしまた、彼らはたいてい、非常にホット(セクシー)である」。
例文
妻: ねぇ、あのプールボーイ、今日、いい仕事してるわね[よくやってるわね、頑張ってるわね]。
(ゲイの)夫: はは。昨日の夜もいい仕事をしてたって僕は知ってるよ。
まず、are notoriously known for doing は、「…することで悪名高い」という感覚。
the rich and famous は「お金持ちで有名な人々」。
このように形容詞に the をつけると「(形容詞)である人々」という意味になりますね。
the trophy wives of the rich and famous の the trophy wife という言葉がまた面白いのですが、これは英辞郎の語義が非常にわかりやすいので以下に引用させていただきます。
trophy wife
箔つけワイフ、トロフィ−妻◆金や権力のある男性が自分の社会的地位を誇示するため迎えた(と思われている)若くて美人の妻のこと。
勝利した時にもらえるトロフィーのニュアンスで、「こんなに若くて美人な妻を迎えたんだぞー」と自慢し誇示するような、そういう奥さんのことを trophy wife と言うわけですね。
また、上の訳では「妻と性的関係を持つ」のようにおとなしめに訳してみましたが、are notoriously known for doing the trophy wives の do というのは、実際のところ、もっとお下品な感じの「ヤる」というニュアンスに近いでしょう。
「お金持ちの家のプールを掃除するセクシーボーイで、そこの若くて美人な奥さんとヤることで悪名高いやつ」みたいに説明されていることになります。
そして、Urban Dictionary の例文が、まさにチャンドラーが恐れている the Bings の会話そのものみたいになっているところが興味深いですね。
妻は、「プールボーイは今日も仕事を頑張ってたわよ、よくやってたわよ」みたいなことを言っているわけですが、それに対して、ゲイの夫が、「今日だけじゃなくて、昨日の夜も彼は頑張ってたのを、俺は知ってるよ」みたいに言っていることになります。
わざわざ、(gay)Husband と書いてあることからも、また、last night のように「夜」を強調しているところからも、そのゲイの夫は、昨日の晩、そのプールボーイとそっち系の行為をしていたことが、その夫のセリフからわかる、という仕組みですね。
普通(?)は、Urban Dictionary の語義説明にもあるように、そのお金持ちの”奥さん”と関係を持つ、と言われているプールボーイですが、この例文はさらにその上を行っていて、ゲイの夫とも関係がある、それがまさに、チャンドラーが言わんとしている「プールボーイを性的ゲームの駒として使う」ことを指すわけでしょう。
フレンズのセリフに戻りますと、DVDの日本語訳では、
字幕:使用人の男を取り合って
音声:使用人の男を相手に、三角関係にまでなっちゃうんだから
と訳されていましたが、プールボーイ本人の意志を超越したところで、夫婦間の争いの材料、駆け引きの駒として使われている様子が、そのチャンドラーの言ったセリフの意味になるわけですね。
私がこれまで見た映画やドラマの中で、その「プールボーイ」そのものを見かけたことはないのですが、「デスパレートな妻たち」(Desperate Housewives)にそれと似た感じのキャラクターがいたなぁ、、と思い出しました(デス妻のネタバレは困る、という方は以下を飛ばして下さい)。
ガブリエル(エヴァ・ロンゴリア)の家の庭師のアルバイトとして、ジョンという高校生が登場するのですが、彼はガブリエルと不倫関係にありました。
プールの掃除ではなくて、庭の芝刈りが仕事でしたが、ガブリエルもまさに、夫カルロス自慢の trophy wife だったわけですから、こういう感じの役回りのキャラクターが、チャンドラーの言う pool boy だと考えると、イメージしやすいですよね。
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pool boyの件、私は意味がわからず、さっと流していました。Rachさんは深く読み込んでいますね。しかも他のドラマの内容にまで言及して。自分には無理だなーと(いつも)感心しています。私はフレンズを見て、わからないところを調べるだけで今は精一杯ですが、参考までに他にどんなドラマを見ているか教えてもらえませんか?お勧めのものがあればよろしくお願いします。
・・・とブログランキングを今見ましたが第2位ですね。さすが。微力ながらクリックして応援させてもらっています。
こんにちは。コメントありがとうございます。
pool boy の件、「深く読み込んでいる」と言っていただき、とても光栄で嬉しいです。Urban Dictionary に語義が詳しく載っていたのもありがたかったですし、たまたま見たドラマに似たような設定があったことも解釈の助けになってくれました。
他に見たドラマの名前をざっと挙げてみますと、、
全シーズン見たものは、
アリー my Love、新スタートレック、24 -TWENTY-FOUR-
ですね。(24 は最新作の「リブ・アナザー・デイ」はまだ見てません^^)
1シーズンもしくはそれ以上見たものは、
ザ・ホワイトハウス、フルハウス、SEX AND THE CITY、LOST、ゲーム・オブ・スローンズ
それ以外に、「どんな感じか知るために、最初の数話を見たもの」が、
デスパレートな妻たち、HEROES、アグリーベティ、プリズン・ブレイク、バーン・ノーティス、
ビバヒル、ER、The O.C.、ヴェロニカ・マーズ、Lの世界、メンタリスト
くらいでしょうか。
一時期そういう「いろんなドラマを見てみる」というのにハマっていたことがあったのですが、ちょっと時間が取れなくなって、今は中断している状態です。
時間ができたら続きを見てみたいのは、ザ・ホワイトハウス、メンタリスト、HEROES あたりですが、それは私の個人的趣味の話でw、英語学習教材としては、アリー my Love や、デスパレートな妻たち、あたりがおすすめかなぁ、と思います。自分が女性なので、女性の気持ちを表現したセリフの多い作品の方が「使える表現が多くて、応用がききそうに思う」というのもありますね。
また、ブログランキングの件、クリック応援して下さっているとのこと、本当にありがとうございます! そのように応援して下さることが、ブログを続ける大きな大きな原動力となってくれています。第2位のような高順位でいさせていただけること、とても幸せに思っています。
応援して下さるお気持ちに少しでも応えられるように、これからも精一杯頑張りますね♪
温かいコメントありがとうございました!(^^)
01:09〜02:44
I’ll go back to some of the places I went last night.
「went」が日本語訳では「行かなかった(場所)」になってますが、実際は「行った(場所)」だと思うのですが、、、
コメントありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ありません。
日本語音声(吹替)では
「これから、ゆうべ探さなかったところを、回ってくるからさぁ」となっていますね。
おっしゃる通り、英語のセリフは I went 「行った」場所に go back 「戻る」となっていますので、直訳すると、
「ゆうべ僕が行った場所(のいくつか)にもう一度行ってくる」
になりますね。
ロスは「(入れ違いになったかもしれないし)チャンドラーの行きそうなところにもう一度行ってみる」という意味でそう言っていると思われるのですが、「行ったところにまた行く」よりも「探さなかったところを当たってみる」の方がイメージしやすい、というような判断だったのでしょうかね?