2013年10月07日

あなたが望まないなら話は別だけど フレンズ7-24その5

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一時は、夫婦になることに怯えて逃げ出したチャンドラーでしたが、やっと晴れて結婚式を挙げることになりました。
司祭を務める予定のジョーイが撮影のために遅れる、というハプニングもあったものの、今は二人の前に司祭として立っています。
ジョーイが「新郎がまた逃げ出す前に式を始めよう」みたいなことを言って、モニカにチャンドラーが逃亡していたことを知られてしまったりもするのですが、まずはモニカに誓いの言葉を言うように促します。
モニカ: Chandler, for so long I... I wondered if I would ever find my prince. My soul mate. Then three years ago, at another wedding I turned to a friend for comfort. And instead, I found everything that I'd ever been looking for my whole life. And now... here we are... with our future before us. And I only want to spend it with you. My prince. My soul mate. My friend. Unless you don't want to. You go! (チャンドラー、長年、私は思っていたの、私の王子様を見つけられるだろうか、って。私のソウルメイトを。その後、3年前、ある結婚式で、私は慰めを求めて、友達に救いを求めた。そして、その代わりに、私は私の人生でずっと探し求めていたすべてのものを見つけたの。そして、今、私たちはここにいる。目の前にある未来と共に。その未来をただあなたと過ごしたいの。私の王子様。私のソウルメイト。私の友達。もしあなたがそれを望んでないのなら、話は別だけどね。次はあなたがどうぞ!)
ジョーイ: Chandler? (チャンドラー?)
(Ross leans in to give Chandler his vows.)
ロスは誓いの言葉をチャンドラーに渡すために前かがみになる。
チャンドラー: (To Ross) No, that's okay. (Ross nods and retreats.) Monica, I thought this was going to be the most difficult thing I ever had to do. But when I saw you walking down that aisle, I realized how simple it was. I love you. Any surprises that come our way, it's okay, because I will always love you. You are the person I was meant to spend the rest of my life with. You wanna know if I'm sure? (He leans in and kisses her.) ([ロスに] いいや、それはいい。[ロスはうなずいて後ろに下がる] モニカ、これは、俺がしなければならなかったことで一番難しいことになるだろうと思ってたんだ。でも君があのバージンロードを歩いてくるのを見た時、(難しいんじゃなくて)どんなに単純なことなのかがわかったんだ。君を愛してる。俺たちにやってくるどんな予期せぬことも、大丈夫だ。だって、俺はずっと君を愛するから。君は、俺が残りの人生を一緒に過ごすと運命づけられた人なんだよ。俺が本当にそう思っているかどうか知りたい? [チャンドラーは前にかがんで、モニカにキスする])

今回はモニカとチャンドラーが、それぞれ、結婚式の誓いの言葉を言うシーン。
シンプルだけれど感動的なそのセリフの素晴らしさを、是非英語で味わっていただきたいです。

for so long は「長年にわたって、久しく」。
for long だけでも「久しく」という意味になり、for very long や for so long のように long をさらに強調することもできます。
ちなみに、So long. だけだと、「さようなら、じゃあね、じゃあまたね」という別れ際の挨拶ですね。
I wondered if I would ever find my prince. は、「私のプリンス・王子様を私が見つけられるのかどうか、ってずっと考えてた」という感覚。
soul mate は英和辞典では「気の合う人、愛人」などと訳されていたりしますが、mate は「配偶者(の一方)」のことですから、直訳で「魂の配偶者」のように理解した方がイメージが湧きやすいですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
soul mate : someone you have a very close relationship with because you share the same emotions and interests
つまり、「同じ感情と興味を分け合っているという理由で、非常に近い・親しい関係を築いている誰か(相手)」。

Macmillan Dictionary では、
soulmate : someone who you have a special relationship with because you share the same feelings, attitudes, and beliefs
「同じ気持ち、考え方、信念を分け合っているという理由で、特別な関係を築いている誰か(相手)」。

ロングマンとマクミランの語義パターンが非常によく似ていますが、近くて親しくて特別な関係を持っている相手であること、その理由が、同じ感情、気持ちなどを分け合っていること、という部分がポイントだということがわかりますね。
romantic relationship 「恋愛関係」だとは限定されていないので、恋愛中の男女に限らず、非常に親しい特別な友人に対しても使える感じはします。

夫となる人チャンドラーに、my prince, my soul mate と呼び掛けた後、モニカは3年前の話をしています。
at another wedding I turned to a friend for comfort. について。
another wedding とは、今のこの自分の結婚式以外の別のある結婚式で、というような感覚ですね。
実際には、ロンドンで開かれた兄ロスとイギリス人女性エミリーとの結婚式を指します。
turn to は直訳すると、「〜の方を向く」ということですが、この場合は、「〜にを頼る、〜に救いを求める、〜の助力を仰ぐ」というニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
turn to somebody/something [phrasal verb] :
1. to try to get help, advice, or sympathy from someone
turn to somebody/something for something
例) She turned to her mother for advice.

つまり、「人から、助け、アドバイス、共感を得ようとすること」。例文は、「彼女は母にアドバイスを求めた」。

特に、turn to somebody for something という形の場合には、「〜のために・〜を求めて、(人)の方を向く」ということから、「救いを求める、助力を仰ぐ」という意味になることがわかりやすいですよね。
名詞 comfort は「快適、安楽」という意味もありますが、この場合は「慰め」が近いでしょう。
ロンドンで行われた兄ロスの結婚式で、酔っ払いのおじさんに「新郎の母」と間違えられてショックを受けたモニカが、チャンドラーに慰めを求めたことを、モニカがそう表現していることになります。(エピソードとしては、フレンズ4-24 あたりの話)。

3年前、友達に慰めを求めた時、私は人生でずっと探し続けてきたすべてのものを見つけたの、と言っています。
そして今、私たちはここにいる、私たちの前にある未来と共に、とも言っていますね。
3年前にそういう出来事があって、人生でずっと探していた人だとわかって、こうして結婚式の日を迎えられた喜びが素直に語られているセリフだと言えるでしょう。

私たちの前にある未来、それをただあなたと一緒に過ごして行きたい、と言って、私の王子様、私のソウルメイト、私の友達、と呼びかけます。
誓いの言葉の最初は、my prince, my soul mate だけだったのですが、最後に繰り返す時に my friend を付け足したのが、この二人の関係をよく表していて感動的だと思います。
二人はずっと友達関係で、それこそフレンズで言うと、シーズン1からシーズン4までの間、親友だったわけですね。
お互いを長年知っていてずっと友達だった二人が、シーズン4の終わりに恋愛関係になって、シーズン7の終わりに幸せな結婚式を迎える、ということは、ファンとしても本当に感無量で、モニカがチャンドラーに、My friend. と呼びかけることが、その二人の素敵な関係を見事に表していると思えます。

とまぁ、そんな感動的な誓いの言葉を述べていたのですが、Unless... 以下は、ちょっとキツい感じのジョークですね。
この手の「付け足しの unless」は、フレンズでよく登場しますが、こういう場合は「もし…なら話は別だけど」と訳すと、一番しっくり来ます。
つまり、Unless you don't want to. は、Unless you don't want to spend it with me. ということで、「私は、今言ったように、あなたと未来を一緒に過ごしたいけれど、もしあなたが私と一緒に未来を過ごしたくないのなら、話は別だけどね」と言ったことになります。

私が受験英語で習った時には、unless は「もし…でなければ」(if... not)と訳すように教わった気がします。
そのセオリー通りに訳すと、「もしあなたがそれを望まないのでなければ、私は未来をあなたと一緒に過ごしたい」となるわけで、語っている内容の実態は、上の訳とほぼ同じことになるわけですが、実際にこのセリフを聞いた時の「ニュアンス」がこの「いかつい訳」では出ない気がするのです。

このセリフの面白さは、「私はあなたと未来を一緒に過ごしたいの、私の王子様、私のソウルメイト、私の友達」と感動的なセリフを言った直後に、「と言っても、あなたがそれを望まないなら、話は別なんだけどねっ!」と言ってみせたところにあります。
少し前のシーンで、司祭役のジョーイが、「新郎がまた逃げ出す前に式を始めよう」と失言してしまい、モニカはチャンドラーが一時期逃亡していた(笑)ことを知ることになるのですが、その件をここで、ちょっとイヤミっぽく持ち出しているわけです。
「私はこんな風に思っているけれど、誰かさんはほんとは今でも逃げ出したいと思ってるんじゃないのかなぁ〜?」みたいに、ちょっと意地悪っぽく言ってみせたわけですね。
You go! という言い方も、「次はあなたの番、(さっさと)やりなさいよ」という感じで、とてもロマンティックな結婚式の言葉とは思えないものですが、やはり花嫁としては、結婚式が怖くて逃げていた、という事実について怒りを隠しきれない部分もある、と言うところでしょう。

そんな風に、モニカっぽくキツい感じ(笑)で促されたチャンドラーは、誓いの言葉を書いた紙を渡そうとするロスに「その紙は要らないから」みたいに言って、自分の言葉で語ろうとしています。
いったんは逃げ出してしまった自分を反省し、俺は今、自分の言葉でちゃんと愛を誓ってみせる、みたいな決意がすでに見えますね。
I thought this was going to be the most difficult thing I ever had to do. は長いので、前から順番にかたまりごとにイメージして行きましょう。
「俺は(少し前には)こう思ってたんだ、これ(この結婚式、この結婚)が最も難しいことになるだろうって。俺が今までしなければならなかったものの中でね」のような感じ。
「人生でいろいろしなければならないことがあるとして、その中で一番難しいことだと思ってたんだよ、この結婚ってやつのことを」みたいなニュアンスです。
aisle は「通路、(教会堂の)側廊」という意味がありますが、結婚式で、walk down the aisle と言えば、「バージンロードを歩く」という意味になります。
結婚って人生で一番難しいことだと思ってたけど、バージンロードをこちらに歩いてくる君を見た時、それがどんなにシンプルか、簡単かってことがわかったんだ、ということですね。
その後、I love you. と言うのですが、それは、「結婚って、難しくない、簡単なことだったんだよ。それはつまり、I love you. ってことだ。それだけなんだ」ということ。
何も複雑に考えることなんかない、君を愛してる、だから俺たちは結婚するんだ、ということです。
surprise は「驚き、びっくり」と訳されることが多いですが、この場合は「予期せぬこと、意外なこと」というところでしょう。
「僕らの進む道にやってくる、どんな予期せぬことも、そんなの大丈夫、だって俺はいつも君を愛してるから」ということですね。

be meant to も、フレンズによく出てきますが、「…するように運命づけられている」という感覚。
君は、俺が残りの人生を共に過ごすと運命づけられた人だ、ということです。
spend the rest of my life with (someone) の someone の部分が、the person という単語になって前に出ているために、文の最後に with が残る構造になることにも注意しましょう。

You wanna know if I'm sure? は、「俺が本当に・確かにそう思っているかどうか君は知りたい?」という感じですね。
そう言ってかがんでモニカにキスするチャンドラー。
俺の言葉が嘘じゃないと、このキスでわからせてあげるよ、、みたいな(何か自分で書いてて、はじゅかしくなってきましたけれど、、)、とにかくそういうロマンティックな誓いの言葉を述べることで、チャンドラーは「怖くて逃げだしてしまった」ことを見事払拭した感がありますね。


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posted by Rach at 14:22| Comment(6) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
きゃー、現在2013年10月9日午前0時、
人気ブログランキングで2位突入です!
パチパチパチ。すばらしい。
Posted by 三原 at 2013年10月09日 00:01
三原さんへ
きゃー、ありがとうございます!
私が爆睡していた時間帯に(笑)、ランキングのことをそんなに気にかけて下さっていたなんて、本当に光栄で嬉しいです。ありがとうございます(^^)

そのように応援して下さる方がおられると思うと、ますます頑張る力が湧いてきます。ご期待に添えるものとなるよう、全力で進んで行きますね!
ありがとうございました!(^^)
Posted by Rach at 2013年10月09日 12:55
Rachさんこんにちは

このシーンの英語はとても良いですよね。モニカのスピーチで、最初はmy prince, my soulmateだったのを、繰り返しではmy friendと付け加えた所で体がビビっと来ました(^^)
あとunlessの日本語訳を「〜だったら話は別だけど」とするのはとてもわかり易くて相応しい訳ですね!if notで覚えてましたがunless以下が否定文の事も多いのでこれでスッキリです。

P.s. 英検準一級のテスト勉強始めましたが、TOEICよりも使われる英単語の分野が広くて大変です!もしRachさんが英検について記事を書かれていたらリンクを貼っていただけないでしょうか?見つけられませんでした。こんなお願いをしてすみません。
Posted by Hiro at 2014年12月15日 21:40
Hiroさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

このシーンは本当に感動的でしたよね。my friend と付け加えた所は、私もビビっと来ました^^

unless = if not で覚えることが多いですが、フレンズでは、付け足しとして使われることが非常に多いんですよね。私はそれをいつも「〜だったら話は別だけど」と訳してみるのですが、その訳をそのように褒めていただけて嬉しいです(^^)

おっしゃるように、英検は TOEIC より単語の分野が広いですよね。TOEIC は主にビジネス系ですが、英検はアカデミックな文章がでるため、カバーする範囲がどうしても広くなってしまうんですよね。
私がブログで書いた英検の記事は、まとめて以下にあります。
カテゴリー:英検
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/category/22147642-1.html
記事としては、15個ほどで、下が古い記事、上が新しい記事になっています。
単語に関する記事は、「Pass単断念 1級一次(語彙編)」「語彙をどう増やしていくか?」の2つなのですが、Pass単断念、とあるように、単語を覚えることを早々に断念してしまった話なので、単語分野に関しては、あまり参考になるようなことも書けていないような気もします、、、。

英検の記事にざっと目を通していただいて、またわかりにくい箇所などございましたら、お気軽にご質問下さいね(^^)
Posted by Rach at 2014年12月17日 15:46
Rachさん、ありがとうございます!とても助かりました!

今テキストを進めて行ってる中で、知らない単語の多さに愕然としていたので、Rachさんも苦労していたんだなと思えて少し安心しました(笑)
試験を解く順番だったり、他のセクションについてもとても参考になりました。リスニングはTOEICとはかなり違うみたいで、聞いた文章を理解して記憶する作業があるのは難しいですね。リスニングも早く手をつけて、過去問もどんどんやろうと思います!
面接は一次が通ってから対策立てようと思いますが、Rachさんの奮闘記を読んで今だからちょっと笑えてしまいましたね(^^)
自分もそこまで辿り着けるよう、先ずは一次対策頑張りたいと思います!
Posted by Hiro at 2014年12月21日 22:49
Hiroさんへ
ご丁寧なお返事ありがとうございました。私の記事がお役に立てたとしたらとても嬉しいです(^^)

英検の単語の分野は、結局、私は何の達成感もないまま終わってしまいましたので、全く参考にならないと思うのですが^^ 他の分野についてはいろいろ思うところがあって、あれこれ記事に書きました。解く順番や時間配分など、極端な部分もありますが、何かの参考にしていただけたら幸いです。

上のコメントで英検記事へのリンクをはった後、当時を懐かしみながら私も記事を読みました。面接の話はまさに「今だからちょっと笑えてしまいました」というものになっていますよね。ヘコんでいた当時のことも今思い出すと全て懐かしいです。

英検、是非頑張って下さいね。応援しています!(^^)
Posted by Rach at 2014年12月22日 16:28
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