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2014年1月19日(日)に神戸市で開催予定の追加セミナーについて、
先日、定員20名を30名に増やす旨をお伝えしましたが、
おかげさまで満席となりました。
これ以降はキャンセル待ちのみの受付とさせていただきます。
たくさんのお申し込み、ありがとうございました!
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「私へのプレゼントだと思って、確認のためにもう一度、妊娠検査をやって」と頼まれたレイチェルは、再度検査を行うことを決めます。
検査薬に結果が表示される時間となり、自分で見るのは怖いというレイチェルのために、フィービーが結果を確認しているところ。
フィービー: Umm, it's negative. (あぁ、陰性(ネガティブ)だわ。)
レイチェル: What? (何ですって?)
フィービー: It's negative. (陰性よ。)
レイチェル: Oh. Oh. Well, there you go. Whew! (Pause) That is-that's great-that is really great-great news. (Pause) Y'know ‘cause the whole... uh.... not being ready and kinda the financial aspects, all that. Whew. Wow, this is so just the way it was supposed to be. (あぁ、あぁ、ほらね。ふぅ! [間があって] それで良かった、ほんとに良かった、いいニュースよ。[間] ほら、だって、準備ができてないとか、経済的な面とか、そういうの全部。ふぅ! これが、本来あるべき姿だったんだから。)
モニカ: Well... Then, great. (えぇ… それなら良かったわ。)
フィービー: Here. (Gives Rachel a tissue.) (はいどうぞ。[レイチェルにティッシュを手渡す])
レイチェル: Thanks. (Crying) God, this is so stupid! (Pause) How could I be upset over something I never had? It's negative? (ありがと。[泣きながら] なんてこと、こんなのって、すっごくばかげてるわよね! [間] ありもしなかったものにどうしてこんなに動揺することができるの? 陰性なのよね?)
フィービー: No, it's positive. (いいえ、陽性(ポジティブ)よ。)
レイチェル: What?! (何ですって?)
フィービー: It's-it's not negative, it's positive. (陰性じゃない。陽性よ。)
レイチェル: Are you sure? (確かなの?)
フィービー: Well yeah, I lied before. (ええ。さっきは嘘ついてたの。)
レイチェル: Oh! (まぁ!)
モニカ: Oh God.... (なんてこと。)
フィービー: Now you know how you really feel about it. (これで、あなたの本当の気持ちがわかったでしょ。)
レイチェル: Oh-oh, that's a risky little game! (まぁ、それって危険なゲームね。)
モニカ: Are you really gonna do this? (本当にこれをするつもり?[このまま、子供を産むつもり?])
レイチェル: Yeah. I'm gonna have a baby. I'm gonna have a baby. I'm gonna have a baby! (They all hug.) (ええ。私は赤ちゃんを産むわ。赤ちゃんを産むわ。赤ちゃんを産むわ! [三人はハグをする])
フィービー: With who? (で、誰の子供なの?)
レイチェル: No, it's still not the time. (いいえ、まだそれを言うべき時じゃない。)
暗転して画面に文字が出る。
DEDICATED TO THE PEOPLE OF NEW YORK CITY
レイチェルは自分が本当に妊娠しているかどうかを見るのが怖いと言って、代わりにフィービーが検査薬の結果を言うことになります。
フィービーが、negative 「(結果は)陰性」だと言うのを聞いた後、レイチェルは混乱した様子ではありますが、いろいろな言葉で自分の気持ちを表現しようとしています。
まず、陰性だと聞いて、「それって良かったのよね、いいニュースよね」と自分を納得させるように言っています。
だって、と理由を続けて、not being ready 「準備できていないこと」、the financial aspects 「経済的な状況、局面」を挙げています。
レイチェルが妊娠してると知らなかったモニカが、本人を目の前にしているとも知らずに、「一人で子供を産むなんて、いろいろと考えないといけないことがあるのに。経済的にもどうやっていくつもりなのかしら」などと言っていたことを思い出しての発言ですね。
the whole... や all that は、「一人で子供を産む」ことについて生じる様々な問題のあれやこれやをひっくるめた全部、全体、というニュアンス。
そういうのを全部考えると、陰性だとわかって本当に良かったのよ、ということです。
そんな風に言いながら、レイチェルは大げさに Whew. とため息をついて、this is so just the way it was supposed to be. と言います。
was supposed to (be) は、フレンズ頻出フレーズで、「…であるはずだった」という感覚。
ですから、this is... の文章は、「この今の状況は、元々そうであるべきだった、まさにその状態である」と言っていることになります。
妊娠したかもしれないと思ったことが想定外のことだった、妊娠したかもしれないと焦って慌てたけど、今、陰性だと、妊娠していないとわかったこの状況が、元々のあるべき姿だったのよね、と言っているわけですね。
そのように言葉では、「これで良かったのよ。元々妊娠するなんて思ってもみなかったんだし、この姿が本来の正しい姿なの」と言っているのですが、その口調、その表情を見ていると、レイチェルが陰性であったことを手放しに喜んでいるわけではないことがわかります。
それでモニカも、「うーん、それなら良かったわよね」みたいな感じの言葉しかかけられないわけです。
明らかに混乱して気持ちの整理がつかないでいるレイチェルは、泣きながら、「こんなのって、ほんとバカみたい、バカげてるわ!」と言っています。
その後のレイチェルのセリフ、How could I be upset over something I never had? ですが、これは聞いている方まで、ものすごく痛い気持ちになるセリフですね。
直訳すると、「私が(全く・全然)持たなかったものについて、どうして私が be upset になることができるのだろうか?」になるでしょうか。
upset の基本的な意味は「ひっくり返す」ということで、他動詞では「(人の気持ち)をひっくり返す、動転させる、狼狽させる」のように、とにかく人の気持ちをかき乱す、混乱させる、という意味で使われます。
気持ちが動揺したり、あるいは激怒したり、と文脈によりいろいろな意味で使われる言葉ですが、とにかく、落ち着いた状態ではない、平穏・穏便な状態とは反対の状態であることがわかれば良いでしょう。
今回のような be upset は「be 動詞+過去分詞」の形で、「動転・狼狽させられた」、つまり、「動転している、狼狽している」ことを表します。
be upset over の over は「〜に関して、〜のことで」という感覚ですね。
fight over 「〜のことで言い争いをする、激論する」の over と同じニュアンス。
something I never had の never は完全否定で「私が全く持っていなかったもの」になるでしょう。
つまり、妊娠したかもと思った時に、I have だと思った something ということですから、something I never had は「妊娠したかもと思った時にその存在を意識したけれど、実際にはお腹の中にいなかった赤ちゃん」を指していることになるわけです。
勝手にいる・あると思い込んでいた「もの」、実際にはありもしなかった「もの」、自分の中にはなかった「もの」のことで、どうして私はこんなに大騒ぎできちゃうわけ? どうしてこんなに動揺してしまうわけ?というのが、How could I... のセリフのニュアンスになるということです。
赤ちゃんに限らず、自分で勝手に何かを思い込んでいたけれど、実際にはそんなものは存在しなかった、実在・実存しなかった、ということは人生においてもよくありますね。
勝手にそうだと思い込んで、一人で舞い上がったり落ち込んだりしちゃって、私ってバカみたい、ありもしないものに翻弄された私って一体何なの?みたいに、自分で言いたくなる瞬間は誰にもあると思うので、そういう気持ちを表現するのに、今回のレイチェルのセリフは応用が効くのではないかな、と思います。
陰性だったということを素直に喜べない、違うと言われても納得できずにいろいろな気持ちがこみ上げて来てしまうレイチェルは、「何で私、ありもしないことにこんなに気持ちが混乱してしまうのかしら?」と自問し、再度、フィービーに、「陰性なのよね?」と確認します。
そこでフィービーが言った答えは何と、「いいえ、陽性よ」。
これには、レイチェルもモニカもただびっくりするしかありません。
フィービーはしれっとした顔で、「ええ、さっきは私、嘘をついたのよ」などと言う始末。
「これで、妊娠したことについて、あなたが本当にどう感じているかがわかったでしょう?」と言うので、レイチェルも、「それってリスキーな、危険なゲームね」と返すのが精一杯。
妊娠してないとわかってがっかりしてしまった自分、たくさんの困難が待ち受けているのはわかっていたけれどそれでも寂しいと思ってしまった自分の本心がレイチェルにもようやくわかった、ということです。
モニカは、「レイチェルはほんとにこれをするつもりなの?」と尋ねています。
do this = have a baby ですね。
レイチェルは心を決めた様子で、I'm gonna have a baby. と3回続けて宣言し、女子3人は幸せな気持ちでハグし合うことになります。
そんな中でも、with who? つまり、「その赤ちゃんは、誰との間の子供なの?」と聞き出そうとするフィービーですが、「まだその時じゃない、言うべき時じゃないわ」と言われて結局わからずじまいのまま、このシーンを終えることになります。
シーズン7の終わり頃、モニカが妊娠してる?という話になって、でも実は妊娠していたのはレイチェルだった!というのがシーズン7の最後の最後にわかって、シーズン8の第1話で、思わぬ妊娠に動揺を隠せないレイチェルの姿を見せて、妊娠してないという結果をいったんは見せた後、「やっぱり妊娠してたんだ。私、赤ちゃん産むわ!」となった、、というこの流れは、本当に「怒涛の展開」だったと思います。
私がいつも「ネタバレ禁止」で見ることをオススメしているのは、話のそれぞれのターニングポイントが「英語で理解できた喜び」を知って欲しいから、なんですよね。
例えば、ネガティブやポジティブという言葉はほぼ日本語になっていますので、妊娠の陰性・陽性の話をしていることは多くの方にもわかりやすい部分だったと思います。
そういう簡単な部分からでもいいのです。
レイチェル: It's negative?
フィービー: No, it's positive.
というセリフを聞いた瞬間に、ネイティブの観客や視聴者と同じタイミングで驚くことができる、それが「英語を英語のまま理解する」ということなんだと、多くの方に気づいて欲しいのですね。
レイチェルが「私、赤ちゃんを産むわ!」と宣言して、エンドクレジットになりますが、その前に、黒背景に白い文字で、
DEDICATED TO THE PEOPLE OF NEW YORK CITY
の言葉が映ります。
「ニューヨーク市の人々に捧ぐ」
というメッセージですが、これは、このフレンズ8-1 のエピソード放映日の時期と関係があります。
エピソード放映は 2001年9月27日だったのですが、それはあの「アメリカ同時多発テロ(2001年9月11日)」のすぐ後に当たる時期だったのです。
Wikipedia 英語版: Friends (season 8)
の Episodes の項目のフレンズ8-1 にも、以下のように説明されています。
Note: This episode is dedicated to "The People Of New York City" to remember the September 11 attacks.
私事ではありますが、2001年は、私が「フレンズ」のDVDを使って英語学習を始めた年で(開始したのは2001年4月)、DVD の場面が転換する時には、NY の象徴として「世界貿易センタービル(WTC)」がよく映っていたんですよね。
まさにそのビルが、あのテロの標的となって崩壊してしまったことは、当時の私にもものすごいショックでした。
自分が「フレンズ」に出会った年にそんな大きな出来事があって、2013年の今になって、自分のブログの解説記事でやっとそのエピソードに追いついたことを考えると、いろんなことが頭を駆け巡ります。
NY があんなことになってしまった直後に、コメディーである「フレンズ」を放映するべきかどうかについては、賛否両論があったとも聞きます。
そういうシーズン8の最初のエピソードで、レイチェルが子供を産むという人生の一大決心をする、というのも、感慨深いものがありますね。
このエピソードはちょうどそういう時期の放映だった、ということを思い出させてくれる、貴重な言葉だと思いました。
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2013年10月28日
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