2013年11月06日

木曜までない、という否定のニュアンス フレンズ8-2その2

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結婚式の翌日だと言うのに、「私はもう花嫁さんになれない。ただ誰かの妻なだけ」などと落ち込んでいるモニカに、
チャンドラー: We got the honeymoon. (俺たちにはハネムーンもあるよ。)
モニカ: That's not ‘til Thursday. (それは木曜日までないわ。)
チャンドラー: The wedding pictures? (結婚式の写真は?)
モニカ: They won't be ready for weeks. (写真は、何週間も見られる状態にはならないわ[見るまでに何週間もかかるわ]。)
チャンドラー: Not the disposable cameras from the tables. (テーブルで撮った使い捨てカメラならそんなにかからないよ。)
モニカ: That's true! (Happily) I knew I married you for a reason! (そうね! [幸せそうに] あなたとは理由があって結婚したってわかってた!)
チャンドラー: I'll tell you what, I will go get them developed, and you can go home. (ねぇ、俺はそれを現像してもらいに行くから、君は家に帰っていいよ。)
モニカ: Okay. (わかったわ。)

ハネムーンがある、というチャンドラーに、「木曜日までない」と返事するモニカ。
ここで、not ‘til 、つまり、not until という否定語を使っているところに、モニカの気持ちが表れている気がしますね。
例えば、That's Thursday. とか、That starts on Thursday. 「ハネムーンは木曜からよ」みたいに肯定形で言うこともできたと思うのですが、「新婚旅行は木曜日までない、木曜日まで待たないといけない」みたいに言ったことで、「木曜日の新婚旅行まで、私はずっと落ち込んだままになっちゃう」みたいな感じが出るように思うわけです。
新婚旅行と言ったって、まだ先の話でしょ? 私は今落ち込んでて、今この気持ちをどうにかしたいのよ、というのが、not until 「〜までない」というフレーズに込められている気がしました。

結婚式の写真は?と言われ、ここでもまた、They won't be ready for weeks. という否定形が使われているのも、not until と同じ感覚でしょう。
もちろんモニカも、結婚式の写真を見るのは楽しみにしているようで、それを見たら元気で幸せになるとわかっているようですが、プロのカメラマンに頼んだような写真は、すぐには出来上がらない、という意味で、「その結婚式の写真は、数週間準備できない、見られる状態にはならない」と言っているわけです。

チャンドラーが「ハネムーンは? 結婚式の写真は?」とあれやこれや言ってみても、モニカはすべて、「木曜日までない、何週間も経たないと見られない」と「ない、ない」を連発して否定的な返事で返しているところに注目していただければと思います。

写真は何週間もかかる、と言われたチャンドラーは、Not the disposable cameras from the tables. と返しています。
disposable は「処分できる、捨てられる」ということで、disposable cameras はいわゆる「使い捨てカメラ」ですね。
「写ルンです」みたいなタイプのカメラで、日本では正式には「レンズ付きフィルム」と呼ばれることの方が多いでしょうか。
Wikipedia 日本語版: レンズ付きフィルム の以下の記述にあるように、「使い捨て」という言葉からくる「もったいない」というイメージを払しょくしたいというメーカー側の意向の話はよく聞きますよね。

外部のカメラ機能部分は現像後も返却されず、フィルムを使い切った時点でカメラとしての機能を果たさなくなることから「使い捨てカメラ」と呼ばれることも多いが、最初にこれを発売した富士写真フイルムは品名として「レンズ付フィルム」、それ以外のメーカーは「使い切りカメラ」などと称している。いわゆる「もったいない」感などのため、また実際にメーカーでは回収した機能部分を再生して再利用していることなど「使い捨て」ではない点がアピールされることがある。

Wikipedia 英語版: Disposable camera では、以下のように説明されています。
The disposable or single-use camera is a simple box camera sold with a roll of film installed, meant to be used once.
ウィキペディアのタイトルに disposable camera という言葉が使われていることからも、英語ではやはり、disposable camera という言い方は一般的なようです。
single-use camera という名称も使われるようですが、それはもしかすると、日本と同じように disposable という単語に抵抗がある場合にそちらを使う、ということかもしれません。
「一度だけ使う・一度使用のカメラ、1回きりで再度使用することができないカメラ」という感覚ですね。

Not the disposable cameras from the tables. の from the tables を直訳すると、「テーブルからのカメラ」ということになりますが、これは「式や披露宴の出席者のテーブルで撮影されたカメラ」というニュアンスでしょうね。
プロのカメラマンが撮ったものではなく、あちこちのテーブルで撮影した使い捨てカメラ、その写真なら、準備に何週間もかからないよ、というのがチャンドラーのセリフになります。

それを聞いたモニカは急に元気になって、「そうね!」と同意した後、I knew I married you for a reason! と言っています。
「私は知っていた、ある理由で・ある理由があって、私があなたを結婚したことを」みたいなことになりますが、落ち込んでいるモニカに、「使い捨てカメラの写真をすぐに現像すればいいじゃん」と提案してくれたこと、それがあなたと結婚した理由ね、みたいない言っていることになります。
「チャンドラー、たまにはいいこと言うじゃない。何か理由があってあなたと結婚したと思ってたけど、これがその理由だったのね。あなたと結婚したのには、何かしらの理由があるって私にはわかってたわ」と言っている感覚です。
for a reason みたいに「ある一つの理由があって」と言っているわけですので、「何か1つくらい理由があるって思ってた、、って、理由はたった1つだけかいっ!?」とツッコミたくなるようなセリフですが、モニカがいろいろとわがままを言って、チャンドラーがそれを聞いてあげる、みたいな関係がこの二人のバランスですので、それがよく出たセリフになっているとも言えるでしょう。

develop は「発展させる、発達させる」という言葉でよく登場しますが、写真に関しては「(フィルムを)現像する」ですね。
今はデジカメの時代になって、データからお家のプリンタで印刷できたりするので、ちょっとピンと来ない世代の方もおられるでしょうが、昔は「フィルムを写真屋さんに出して、現像してもらう」というのが当たり前でした。
自分で暗室で写真を現像する、という技術のある人以外は、どうしても「誰か他の人に現像してもらう」ことになりますよね。
そのため、get them developed 「写真を現像してもらうようにする」という get something p.p. (過去分詞)の形になることにも注意しましょう。


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posted by Rach at 17:34| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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