2013年11月08日

チェックとユーゴスラビアン フレンズ8-2その3

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ホテルの部屋をチェックアウトする準備をしているロスのところに、チャンドラーがやってきます。
[Scene: Ross's Hotel Room, he is letting Chandler in.]
ロスのホテルの部屋。ロスはチャンドラーを部屋に入れているところ。
ロス: Hi. (やあ。)
チャンドラー: Hey. (He sees that Ross is packing all of the hotel toiletries) Soaps? Shampoos? Are you really taking all this stuff? (やあ。[チャンドラーは、ロスがホテルのトイレタリー(化粧品・洗面用品などのバスルーム備品)を全部、荷物に詰めているのを見る] 石鹸に、シャンプー? 本当にこれを全部持っていくつもりか?)
ロス: Why not? It's, it's built into the price of the room. (もちろんだよ[どうしてだめなんだよ]。部屋の料金に組み込まれてるんだぞ。)
チャンドラー: Yeah, but you don't need-- (Picks up something) -What is this? (そうだな、でもお前にはこれは必要ないんじゃ… [あるものを取り上げる] これは何だ?)
ロス: Thread! (糸だ![裁縫セットだ])
チャンドラー: Score! Where are the disposable cameras? (やったな![やるな!] 例の使い捨てカメラはどこにある?)
ロス: What disposable cameras? (何の使い捨てカメラ?[使い捨てカメラって何?])
チャンドラー: The cameras? Remember last night I told you to take them? (あのカメラだろ? 昨日の晩、俺がお前にカメラを撮ってくれって言ったの、覚えてる?)
ロス: No, you didn't. (いや、お前はそんなこと言わなかったぞ。)
チャンドラー: Yes! Remember? Right before we cut the cake, I went up to you and I said-- (言ったさ! 覚えてるだろ? 俺たちがケーキをカットする直前に、俺はお前のところに行って、俺はこう言ったんだ…)
ロス: Oh-oh yeah, you-you came up to me and asked if I could do you a favor, and my Uncle Murray came up to you and handed you a check. And then you said, "Why do they call it a check? Why not a Yugoslavian?" (Chandler laughs.) Yeah, then you did that. (あぁ、そうだね、お前は僕のところに来て、頼みを聞いてくれるか?って僕に尋ねたんだ、で、マレーおじさんがお前のところに来て、お前に小切手を手渡したんだよ。それからお前はこう言ったんだ、「どうしてみんな、これをチェックって言うのかな? どうしてユーゴスラビアンじゃないのかな?」って。[チャンドラーは笑う] そうそう、でお前はそうしたんだ[今みたいに笑ったんだ]。)
チャンドラー: So you don't have the cameras?! (それじゃあ、お前はその(使い捨て)カメラを持ってないのか?)
ロス: No. Sorry man. (持ってないね。残念だけど。)
チャンドラー: So? What? What? They're gone! Monica's gonna freak! (それで? 何?何? カメラが消えた! モニカが大激怒しちゃうよ!)

ホテルの部屋に置いてある備品を、自分のバッグに詰め込んでいるロスを見て、チャンドラーはあきれた様子で、「石鹸にシャンプー、それを全部持っていく、持って帰るつもりか?」と尋ねています。
ロスは「どうしていけないんだよ、当然じゃないか」のように Why not? と言って、It's built into the price of the room. と説明しています。
build A into B は「A を B に組み込む」という意味ですね。
ここでは、It is built into という受動態の形になっていて、「それ(all this stuff)は、部屋の価格に組み込まれている」と言っていることになります。
消耗されるそういう備品の値段も部屋代に含まれてるんだから、もらって帰っても問題ない、当然の権利だろ、と言いたい感覚ですね。

まぁ確かに、、という感じで、Yeah と肯定するチャンドラーですが、「でもこれはお前には要らないんじゃないか?」みたいに言って、あるものを取り上げて見せています。
「これ何?」と聞くと、ロスは、Thread. と答えていますね。
thread は「糸」ですが、ここでは「ソーイングセット、裁縫セット」を指しているようです。
裁縫なんかしそうにないお前がこんなもんいるか?と言いたいところでしょうが、「持って帰って何が悪い」みたいな顔で Thread! と返事するロスに、チャンドラーは、Score! 「やったな! やるな!」みたいに皮肉っぽく返すことになります。

チャンドラーは、Where are the disposable cameras? と尋ね、What disposable cameras? とロスは返事していますね。
このように、the という定冠詞のついた形で尋ねて、相手が what+名詞? の形で返す、というパターンは、つい最近のエピソード、フレンズ7-24その6 にも出てきました。
その時のやり取りは以下。
チャンドラー: (To Monica) I love you. And I know about the baby. ([モニカに] 愛してるよ。それに俺は赤ちゃんのことも知ってるよ。)
モニカ: What baby? (何の赤ちゃん?)
チャンドラー: Our baby. (俺たちの赤ちゃんだよ。)
モニカ: We have a baby? (私たちに赤ちゃんがいるの?)

その時にも説明しましたが、the を使っている方は、「当然、お互いがそれだとわかっているもの」について会話しているつもりなので、定冠詞の the を付けているのですね。
でも、聞いた方は、the と言われてもピンと来ない、何のことかわからないので、「あの、例の〜」って言われてもわからない、「何の〜なの? 〜って何?」と問い返すやり取りになっているわけです。

よく日本人は、a/the などの冠詞の使い分けが苦手だと言われていて、特定できないもの、相手がそれと聞いてあああれか!とわからないものに the を付けてしまいがちだ、などとも言いますよね。
そういう the の特定感、限定感、を理解するものとして、この手の会話は良い参考になる気がしました。

ロスは「何の使い捨てカメラ? 使い捨てカメラって何のこと?」のように、the ではなく、what を付けて返していますので、何の話をしてるのか全く分かっていない様子がよくわかるのですが、チャンドラーは「知らないわけないだろ、あれだよあれ、あのカメラだよ!」みたいに、まだ the をつけたままで、何とかロスに「そのカメラ」のことを思い出させようとしています。

「昨日の晩、俺がそれ(使い捨てカメラ)を撮ってくれ、ってお前に言ったの、覚えてる? 覚えてるだろ?」みたいに言うチャンドラーに、ロスは、「いいや、お前はそんなこと言ってなかった、言わなかった」と答えます。
その次の Yes! という一言は、Yes, I did! つまり、「俺は確かにそう言った!」というニュアンスですね。
ロスが「お前はそんなこと言ってない」と No で否定したのを、チャンドラーが Yes で肯定した形になります。

何とか昨日の晩のことを思い出させようと、チャンドラーはまた、Remember? と言い、晩にあった出来事を話し始めます。
ケーキカットの前にお前のところに行ってこう言ったろ、と言うので、ロスもそれを思い出したらしく、その続きをロスが説明することになります。
そうそう、チャンドラーは僕の所に来て、asked if I could do you a favor... と言っていますね。
favor は「親切な行為」という意味で、do someone a favor は「人のためにひと肌脱ぐ、人の願い・頼みを聞いてやる」という形でよく使われますね。
"Could you do me a favor?" は「お願いがあるんだけど。俺の頼みを聞いてくれる?」という頻出フレーズとなります。
asked if I could do you a favor... はつまり、"Could you do me a favor?" 「俺の頼みを聞いてくれる?」かどうかを尋ねた、ということになるのですね。

確かにチャンドラーは僕(ロス)のところにやってきて、お願いがあるんだけど、聞いてもらえるかな?みたいに言ったよ。それから(僕のおじさんである)マレーおじさんがお前に小切手を手渡して、お前はこんなことを言ってたよね、とも言っています。
そのチャンドラーが言ったというセリフ、"Why do they call it a check? Why not a Yugoslavian?" について。
check はロスのセリフの意味の通り、「小切手」という意味ですが、このセリフで Yugoslavian 「ユーゴスラビア人」が一緒に登場している理由は、、「チェコ人」つながり!だったりします^^
チェコ共和国は英語表記では、Czech Republic となり、 そこに住むチェコ人は、英語で Czech となります。
この Czech という英単語の発音は「チェック」で、小切手の check と全く同じなのですね。(辞書で比較されるとわかると思いますが、発音記号も全く同じです)

チャンドラーは、check を手渡した相手に、何か check のジョーク、というかダジャレ(笑)を言おうとして、「そう言えば、どうしてこれのことを、英語でチェックって言うんでしょうかねぇ? チェック(チェコ人)って名前なら、ユーゴスラビア人って名前でもいいじゃないですかねぇ?」みたいに言ってみせたことになります。
チャンドラーにしてはイマイチなジョークと言うか、そんなに面白いジョークとも思えないのですがw チャンドラーは「俺のジョーク、面白い」みたいに、顔をくしゃくしゃにして嬉しそうな顔で笑っています。
その顔を見たロスは、「そうそう、昨日の晩も、そのジョークを言った後、お前はそうしてたよ、そんな顔して笑ってたよ」と指摘しています。

その話を聞いたチャンドラーは、「なぁロス、頼みがあるんだけど」と言いながら、自分のジョークでウケてしまって、話がそれきりになっていたことに今さらながら気付き、「じゃあ、お前は使い捨てカメラを持ってないのか?」と言います。
「悪いけど、残念だけど、(結局頼まれなかったから)僕は持ってないよ」と返事するロスに、チャンドラーは「カメラが消えた! モニカがパニクっちゃうよ、大激怒しちゃうよ!」と大騒ぎすることになるのですね。


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posted by Rach at 15:31| Comment(2) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ホテルの部屋のバスルームの備品のことをtoiletriesというのですね。日本では「アメニティ」とか言いましたっけ?なんでそう言うのかわかりませんが、「トイレットリー」と言うよりも音の響きが良いからなのかもしれませんね。

でもホテルの部屋の備品を何でもかんでも持って行っちゃう人っていますねぇ。私事で恐縮ですが実家が旅館を営んでおり、外国人のお客様の中には「日本のホテルはバスローブまでくれるのか!」と感動して浴衣も持ち帰ってしまう人がいるそうです。日本の旅館は小さいタオルは持ち帰り可ですがバスタオルは不可等、どこからどこまでOKなのか外国の人からしたら確かにややこしくて混乱しますね。でもトイレットペーパーまで持ち帰るのはあかんだろロス。いくらなんでもセコ過ぎるっつうに(笑)。

ところで上のチャンドラーのセリフ"Remember last night I told you to take them? "ですが、このtakeを「(写真を)撮る」ではなく「持って行く」と解釈することは可能でしょうか?つまり「昨夜お前に(複数の)カメラを(帰る際に)持って行って(持ち帰って)ほしいと言ったの覚えてない?」と訳すのもアリかな?とふと思ったもので…。出過ぎた意見で失礼しました。
Posted by ET at 2020年05月06日 19:13
ETさんへ
コメントありがとうございます。

日本語では「アメニティ(グッズ)」のように言いますよね。英語の amenity はもっと広い範囲で「快適な設備」を指すようですが、おっしゃるように toiletries だと「トイレ」の音を連想するから避けた、というのはあるように私も思います。

ご実家が旅館を経営していらっしゃるとのこと、素敵ですね。今回のロスがあれこれ持ち帰る話は、その徹底的なセコさぶりにコメディーとしては笑ってしまいますが、旅館経営者の方からすると怒りを覚えるレベルでしょう。

それから The cameras? Remember last night I told you to take them? についてのご意見ありがとうございます。
take を「(写真を)撮る」ではなく「持って行く」と解釈する、というお話、私もその解釈の方が正しいと思いました。
上の記事を書いた時は、camera → picture → take a picture のような連想が働いてしまったようなのですが、普通にこの英文を読むと、them は直前に出てきた複数形の the cameras を指していると考えるべきですよね。「写真を撮る」の take ではなくて、「これ、お前が持って行って」と言った(頼んだ)ということだと、私も今は思います。

貴重なご意見ありがとうございました<(_ _)>
Posted by Rach at 2020年05月09日 20:46
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