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シーズン8 第3話
The One Where Rachel Tells Ross (衝撃のロス)
原題は「レイチェルがロスに言う話」
前回のエピソードで、レイチェルのお腹の赤ちゃんの父親がロスであることがわかります。
レイチェルは自分の口からそのことをロスに告げるつもりなので、フィービーやジョーイはただ「レイチェルがロスに話があるって」と言うだけに留めています。
ロス: I think I might know what this is about. ((レイチェルが話したいという)この件が何のことか、僕にはわかるかもしれない、って思うよ。)
(Phoebe and Joey trade looks)
フィービーとジョーイは視線を交わす。
ジョーイ: Really? (ほんとに?)
ロス: Yeah. Uh, uh we promised we weren't gonna tell anybody this but uh, about a month ago, Rachel and I slept together. (ああ。その、誰にもこのことは言わないって僕らは約束したんだけど、1ヶ月くらい前に、レイチェルと僕は寝たんだよ。)
フィービー: (deadpan) And? ([無表情で] それで?)
ロス: Wow! I thought you would be a little more shocked. (わあ! 君らはもう少しショックを受けるだろうと思ってたんだけど。)
フィービー: Oh, sorry. (Shocked) And?! (あぁ、ごめんなさい。[驚いた様子で] それで?!)
ロス: Well, we-we said we'd just do it that one time but, but now I think she may wanna start things up again. (僕らは、そうする[寝る]のはただその一度だけにしようって言ったんだ。でも今思うに、レイチェルはまた関係を始めたいと思ってるのかもしれないな。)
ジョーイ: Yeah, I don't think that's what it is. (俺にはそうは思えないけど。)
ロス: Why? What-what else could it be? (どうして? 他にどんなことがありうるの?)
ジョーイ: Oh, wow, I don't feel well. (ああ、気分が良くないや。)
ロス: I'm telling you. I'm telling you. That's what it is. Oh. No wonder she was looking at me all funny during the wedding. She didn't say anything to you? (そうだよ、そうだよ。そういうことなんだよ。あぁ、レイチェルが結婚式の間、僕を変な風に見ていたのも無理ないな。レイチェルは君たちに何か言ってた?)
フィービー: (To Joey) Maybe it's something you ate? ([ジョーイに] 多分、あなたが食べたもの(が原因)じゃない?)
ジョーイ: Please, just-just, just go and talk to Rachel. (ただ、行ってレイチェルと話してきてよ。)
ロス: Yeah, I guess I should. (Starts to leave.) Man, y'know what I have to realize? Maybe I'm just not the type of guy women can have just one night with. Y'know, they-they always seem to want a little bit more. I should remember that. (He pauses and then exits.) (あぁ、そうすべきだろうね。[立ち去ろうとする] あぁ、僕が自覚しなければならないことが何かわかる? 多分、僕は女性が一夜だけを共にすることができるタイプの男じゃないんだよね。ほら、女性はいつも、あとちょっとを求めるみたいなんだ。そのことを僕は覚えておくべきだよね。[ロスは一瞬止まって、それから出て行く])
ジョーイとフィービーが、「レイチェルがロスに話したいことがあるって言ってロスを探してた」というのを聞いて、ロスは I think I might know what this is about. と言っています。
this は、レイチェルがロスに話があるといっている「このこと」。
くどいくらいに直訳すると、「このこと・この件が何についてであるかを、僕は知っているかもしれないと僕は思う」ということで、レイチェルが何を話そうとしているか、僕にはだいたい見当ついてるよ、と言いたいわけですね。
フィービーとジョーイは顔を見合わせています。
二人はレイチェルがロスの子供を妊娠していることを知っているので、父親であるロスもそのことに気づいてるのかな?と思ったのですね。
ロスは「多分、この件だと思うけど」という内容を二人に話して聞かせます。
「僕らはこの件を誰にも話さないって約束したんだけど」と前置きをしてから、「約1ヶ月前に、レイチェルと僕は一緒に寝たんだ」と言っています。
sleep together というのは、エッチした、をもう少しマイルドに言った表現ですね。
ト書きの deadpan は「無表情で」ということで、フレンズのト書きにちょくちょく出てくる表現。
そのト書きとセリフからわかるように、フィービーは「僕はレイチェルと寝たんだ」という発言に驚く様子もなく、「それで?」と次の話を促すので、逆にロスの方が驚くことになります。
I thought you would be a little more shocked. は、「君たちがもう少しショックを受けるだろうと僕は思ってたんだけど」ということで、今の衝撃的な告白を聞いても、君たちはあまりびっくりしてないみたいで、何だか意外だな、という気持ちが込められています。
それを聞いて、「あら、ごめんなさい」と言って、今度はひどく驚いた顔と声で And?! と言い直すのがフィービーらしいですね。
ロスはさらに説明を続けます。
do it は sleep together のことですね。
(just)... that one time は「その1回(だけ)」という感覚で、その時はそうしちゃったけど、これで終わりにしようね、もう二度とこういうことはしないでおこうね、みたいに約束したと言っていることになります。
「僕たちは、その1回限りにしよう、って言ったんだけど、でも今僕が思うに」と言って、「レイチェルは再び、start things up したいと思っているかもしれない」と言います。
start up は「スタートアップ」みたいにカタカナにもなっているのでニュアンスもわかりやすいと思いますが、「始める、始動する、起動する、立ち上げる」という感覚ですね。
start things up のように things 「物事」という漠然とした言葉が使われていますが、二人の間に起こるいろいろなことを things と表現して、またこれからそういうことを始めよう、つまり、別れた二人がまた関係を始めようと言っていることになるでしょう。
ロスの推測が違った方向に向かっているのを知って、ジョーイは I don't think that's what it is. と言っています。
that はロスの今の発言、what it is は it (今、焦点となっていること=レイチェルがロスに伝えようとしていること)が何であるか、という感じですね。
ですから直訳すると、「ロスが今言ったことは、レイチェルが言おうとしていることであるとは俺は思わない」→「ロスの言ったことは、レイチェルが言おうとしていることとは違うと思う」と言っていることになります。
What else could it be? は、it 「レイチェルが僕(ロス)に言おうとしていることが、それ以外の何になりうるのか?」というところ。
僕らには最近そういう出来事があって、今レイチェルが僕と話したいと言えば、それしかないだろ? 他に何があるって言うんだよ?と言いたいわけです。
「話って他に何があるわけ?」と聞かれても、「レイチェルの赤ちゃんのパパがロスであること」をジョーイたちが言えるはずもなく、ジョーイは話題をそらすように、胃のあたりを押さえながら、I don't feel well. 「気分が良くない」と言っています。
ロスはジョーイが話題を変えようとしたことに気づかず、話を続けていますね。
That's what it is. は、さきほどジョーイが言った、I don't think that's what it is. という否定文を、逆に肯定する形で、「僕がさっき言ったこと(レイチェルが僕とよりを戻したいと思っていること)が、まさにそれ(レイチェルが言いたいこと)だよ」と確信した発言をしていることになります。
she was looking at me all funny は、「レイチェルは、全く・すっかり、変な・おかしな感じで、僕の方を見ていた」。
no wonder は「…も不思議ではない、無理もない」。
ロスは、チャンドラーとモニカの結婚式の時に、レイチェルが自分の方をいつもとは違う感じで見ていたことを思い出して、そう言っているのですね。
すっかり自分の中で納得してしまったロスが、「レイチェルは君たちに何か言ってなかった?」と尋ねるのですが、真実を言えるはずもないフィービーは、ロスの発言を聞いてないふりをして、さっきのジョーイの腹痛の話に乗っかる形で、Maybe it's something you ate? と言っています。
「多分、あなたが食べたもの・食べた何かじゃない?」みたいなことで、あなたのその腹痛は、あなたが食べたものが原因じゃない?と言っている感覚になります。
ジョーイは痛がったふりを続けて、とにかくレイチェルと話してきてよ、と促します。
「彼女と話すべきだろうね」と言って、ロスもそれに従うことにするのですが、出て行く間際に、Man, y'know what I have to realize? 以下の言葉を言っていますね。
y'know what I have to realize? は「僕が気付かなければならないことが何かわかる?」「僕が悟らなければならないこと、自覚しなければならないことがあるとしたらそれは何だと思う?」という感覚。
Maybe I'm just not the type of guy は、「多分、僕は…というタイプの男じゃない」。
どういうタイプの男じゃないかについては以下で women can have just one night with と説明されていています。
「女性が(その男性と)たった一晩だけ過ごすことができるというタイプの男」ということで、自分はそういうタイプじゃないということは、「一晩だけで終わらせることができない、一晩だけでは物足りない、満足できない」タイプの男性だと自分で言っていることになります。
その後の発言もそれを補足する形になっていて、they always seem to want a little bit more. は、「女性たちはいつも、もうちょっと欲しいと思っているように見える」と言っています。
ロスに言わせると、今回のレイチェルもそうみたいだけど、僕と一晩寝た女性は、一晩だけと言わず、もっと僕と一緒にいたいと思うみたいなんだよねぇ、、僕はいつも女性を見てるとそう感じるんだよ、ということらしいです(笑)。
I should remember that. は「僕はそのことを覚えておくべきだ」で、女性はみんな僕に対してそう思うんだから、レイチェルとも一晩だけで終わるはずがなかったんだ、そういう自分の魅力を自覚して、行動しないといけなかったんだろうね、女性にそんな風に思わせるなんて僕って罪な男だよね、みたいにモテ男っぽい言葉を残して去っていたことになります。
今回取り上げたセリフは、難しい単語はあまり出てきませんでしたが、その代わり、「it が何を指しているか、何をイメージしているか」を学ぶのに適したセリフが多かったように思いました。
そういう it は、複数の人がやりとりしている「会話」で学ぶのが一番しっくりくるはずなので、そういう視点で今回の解説を読んでいただけるとありがたいです。
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