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レイチェルは産婦人科に来ています。
そこにロスもやってきて、「コンドームを使ったのに、どうして妊娠したんだ」という話ばかりしていたことを謝罪します。
ロス: Right! Right! I just-I want you to know that I'm going to be there through this whole thing, okay? Okay? The doctor's appointments, the uh, the Lamaze classes, uh baby-proofing the apartment-Although we could probably worry about that ‘til after we get married. (わかった、わかったよ! 僕はただ、君に知って欲しいんだ、この一連のことすべてにおいて、僕はその場所にいるって。いいかい? お医者さんの予約、ラマーズ法の授業、アパートを赤ちゃんにとって安全なようにすること。多分それについては、僕たちの結婚後に心配することになるだろうけどね。(→訂正:多分それを心配するのは、僕たちが結婚するまで(の間)だろうけどね。訂正ここまで))
レイチェル: What married? (結婚って何?)
ロス: Well yeah, I think we should get married. (ああ、ほら、僕たちは結婚すべきだと思うけど。)
レイチェル: What, because that's your answer to everything? (何? それが全てのことへのあなたの答えだから?)
ロス: No, because that's the right thing to do. (違うよ、それがすべき正しいことだからだよ。)
レイチェル: Yeah, maybe, if you're in love. But Ross, we are not in love, are we? (ええ、多分ね、もしあなたが愛してるなら。でもロス、私たちは愛し合ってないでしょう?)
ロス: No, but... but still you can't possibly do this alone. (愛し合ってはいないけど、でも…それでも、君はこんなことを一人でできっこないよ。)
レイチェル: Excuse me? (何ですって?)
検査のために産婦人科の診察室にいるレイチェルを訪ねたロスは、I want you to know that I'm going to be there through this whole thing, okay? と言っています。
I want you to know that... で「that 以下のことを君に知って欲しいんだ」、その that 以下の内容を直訳すると、「このすべてのことずっと(最初から最後まで)、僕はそこにいるよ」という感じですね。
this whole thing は、この「妊娠」という一大イベントにかかわる一切のこと、全部のこと、妊娠の件全体、を指す感覚で、through は「〜を通して」が基本的な意味であるように、「最初から最後までずっと」、be there 「そこにいる」というのは漠然とした表現ですが、妊娠に関係するいろんな事柄について、その時その時、必要な場所に僕もいるから、というニュアンスになるでしょう。
this whole thing の具体例として、医者のアポ、ラマーズ法のクラス(授業)、そして、baby-proofing the apartment を挙げています。
ここでの baby-proof は「赤ちゃんにとって安全なようにする」という動詞として使われています。
-proof という接尾語は、形容詞の連結形で、「防…」「耐…」「…を通さない」という意味の形容詞を作ります。
waterproof は「防水の」、soundproof は「防音の」、fireproof は「防火の」という意味ですね。
そういう流れで言うと、厳密には「アパートメントを赤ちゃんにとって安全なようにする」というよりは、「赤ちゃんが危険なものを触らないように、赤ちゃんに危険なものを触らせない、危ないところに近づけさせないようにする」という感覚が近いように思います。
「赤ちゃんが勝手に触れない、容易に手出しできない形のアパートメントにする」という意味で、「赤ちゃんを通さない」という意味の baby-proof なのでしょうが、それはつまり、赤ちゃんが危険な目に合わないようにするための行為なので、「赤ちゃんにとって安全なようにする」という日本語訳の方が、意味はわかりやすいと思います。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
-proof [suffix] :
3. [used in verbs] to treat or make something so that something else cannot pass through it, or so that it gives protection against that thing
例) to soundproof a room
4. [used in verbs] to treat or make something so that it cannot easily be affected or damaged by someone or something
例) to burglar-proof your home
つまり、3. は、「何か他のものがあるものを通り抜けることができないように、または、あるものが、他のあるものに対して防御・保護を与えるように、あるものを扱う、または作ること」。例は、「部屋を防音にする」。
4. は、「誰かや何かに容易に影響されたり、損害を与えられたりしないように、あるものを扱う、または作ること」。例は、「家を強盗に入られないようにすること(家に泥棒・強盗防止の措置を施すこと)」。
「何かを通さないようにする」ということは「バリアを張る」感覚に似ていますね。
バリアを張ると、外からは侵入できなくなることで中のものは守られる、、baby-proof の場合も、「赤ちゃんがアパートメントに対して affect, damage できないようにする」ことで、「赤ちゃん自身が、アパートメントに存在する危険から守られる」ということになるわけでしょう。
LAAD の語義には、形容詞の例として、
a child-proof bottle (= not able to be opened by a child)
というのも出ています。
これが、baby-proof と近い感覚になるでしょうね。
ところで、LAAD に burglar-proof という単語が出てきたところでちょっと脱線しますが、burglar というのは「泥棒、強盗」という意味で、動詞 burgle 「強盗する」+ -ar 「人」ということですね。
昔、マクドナルドのCMに「ハンバーグラー」というキャラクターが登場していましたが(最近は見かけなくなりましたがw)、その「ハンバーグラー」という名前のバーグラーというのは、burglar から来ているんですよね。
Wikipedia 日本語版: ハンバーグラー にも、
名前の由来はHamburger(ハンバーガー)とBurglar(夜盗)を足してHamburglar。
と書いてあります。
だから何?と言われそうな話かもしれませんが^^ キャラクターのネーミングから、単語を覚えるのも楽しいかな、という一つの例として挙げてみました。
Although we could probably worry about that ‘til after we get married. を直訳すると、「僕たちが結婚した後に[結婚してから]、多分、そのことについて心配することになるんだろうけどね」みたいな感じ。
that というのは、直前の baby-proofing the apartment を指します。
赤ちゃんがハイハイし出して、危険なものに手を触れないようにするという話は、出産準備中の今の段階ではまだ悩むには早すぎる、だからその件について考えるのは結婚した後になるけどね、とロスは言っているわけです。
(2020.6.26 追記)
コメント欄でご意見を頂戴しました。私が最初に書いた解釈では 、‘til (= until) の部分の訳が抜けていました。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
married という言葉を聞いたレイチェルは、What married? と返しています。
ロスは「僕らは結婚すべきだと思う」と答えるのですが、それに対するレイチェルの返事が何とも辛辣ですね。
because that's your answer to everything? は、「なぜなら、それが、全てのことへのあなたの答えだから?」
これは、ロスが今まで3回結婚(プラス3回離婚)を経験していることへの皮肉っぽいセリフですね。
誰かと恋愛したら、必ずそのゴールとして結婚を考えずにはいられない、だからロスは結婚の回数が多いのよね、みたいにレイチェルは言いたいわけでしょう。
「男女関係、即、結婚」みたいに、あなたにとっては、結婚が全ての答えなのね、結論なのね、みたいに言ってみせたわけです。
恋愛関係で困った事態になった時には、すぐに「結婚」を答えにしちゃう主義だから?みたいな感じでしょう。
ロスはそれを否定して、「君と結婚することが正しいことだからだよ」と説明するのですが、レイチェルは、「もしあなたが私を愛してるなら多分それが正しいことよね。でも私たちは愛し合っていないでしょう?」とこれまた厳しい言葉を返します。
ロスもそれについては否定していませんね。
No, but... の No, は、No, we are not in love. ということで、レイチェルの意見と同じく、ロスも「僕と君は今、愛し合ってるわけじゃない」と認めたことになります。
確かにレイチェルの言うように、僕らは今愛し合ってはいないけれど、「でも」、君は子供を一人で産んで育てるようなことはできないよ、父親の僕が一緒にいないと子育てなんかできないよ、と言葉を続けることになるのですね。
フレンズファンとしては、ずっと見守ってきたロス&レイチェルの間に赤ちゃんが生まれる!という嬉しいニュースがあったのですが、こんな風にはっきりと、「私たち愛し合ってないでしょ」「うん、確かに愛し合ってはいないけど」と言う二人を見ると、ちょっと寂しい気持ちにもなってしまいますね。
「赤ちゃんもできたことだし、この際、一緒になっちゃおう!」と軽く言ってしまえないところに、ロス&レイチェルのこれまでの複雑な関係がよく表れていると言える気がしました。
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Although we could probably worry about that ‘til after we get married
多分そのことは私達の結婚が終わるまで心配することになるけどね
↓
結婚が終わればその事を心配する必要はないよっていうニュアンスかと思ったんですが
違うのでしょうか?
コメントありがとうございます。
そのセリフの解釈、ご指摘の通りだと思いました。
私が記事で以前に書いた解釈では、‘til (= until) を見逃がしていたようです。
until after we get married ですから、おっしゃる通り「結婚後、僕たちが結婚する後まで、結婚式が終わるまで」になりますね。
この部分、DVD英語字幕では以下のように書かれていました。
We can do that after we get married.
実際のセリフの worry about that や、DVD字幕の do that の that は、その前にロスが言った「お医者さんの予約、ラマーズ法の授業、アパートを赤ちゃんにとって安全なようにすること」などの一連のことを指していますよね。
DVD字幕の意味は「僕たちが結婚した後、僕たちはそういうことができる」ということで、
実際のセリフの方は、
Although we could probably worry about that ‘til after we get married.
「多分僕たちがそういうことを心配する可能性があるのは僕たちの結婚式が終わるまでだけどね」
ということになるわけですね?
ロスとしては「夫になれば(ロスがそれをするかどうか悩む余地もなく)当然そういうことをする」という考えがあるので、「今(夫でもない)僕が出産や子育てに協力的かどうか君は不安に思ってるかもしれないけど」という意味で「今言ったようなことを悩むのは結婚式が終わるまでの話だけどね」→「結婚式が終わって夫婦になれば、そんなことを”悩む”必要もなくなるけどね」と言った、ということですよね?
貴重なご意見ありがとうございました<(_ _)>