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ここ半年、エッチしていないというロスは、プレイボーイのジョーイに相談しているところ。
ロス: Please, help me! I have a date tonight. It has to go well, okay? I'm scared for my health! (お願いだよ、僕を助けてよ! 今夜デートがあるんだ。うまくいってくれないといけないんだ[うまくいかないと困るんだ]、だろ? 僕は自分の健康状態(健全さ)が心配なんだよ。)
ジョーイ: Okay. Okay. Umm.... Ooh! Oh-oh, I got something. Okay. It's this story that I came up with. Very romantic. I swear any woman that hears it, they're like putty. (わかった、わかった。うーんと、ああ! あぁ、いいのがあるよ。よし。俺が考えた、こんな話だ。すっごくロマンチックで。間違いなく、その話を聞いたどんな女も思いのまま、って感じなんだよ。)
ロス: Really? Well, then tell it to me. (ほんとに? じゃあ、それを僕に話してよ。)
ジョーイ: Okay. Now, you're gonna want to have sex with me when you hear it, but you have to remember, it is just the story. (わかった。で、お前がその話を聞くと、お前は俺とエッチしたくなるだろうけど、覚えとけよ、それはただの”お話”なんだからな。)
ロス: (sarcastic) I'll try to control myself. ([皮肉っぽく] 自分を抑えるように努めるよ。)
ジョーイ: Okay. (Clears throat) Years ago, when I was backpacking across Western Europe-- (よし。[咳払いをして] 何年か前、俺がバックパックで西ヨーロッパを旅行してた時…)
ロス: (laughs) You were backpacking across Western Europe? ([笑って] ジョーイがバックパックで西ヨーロッパを旅行してた、って?)
ジョーイ: Have a nice six more months, Ross! (Starts to leave.) (素敵な6か月以上を楽しめよ、ロス! [出て行こうとする])
ロス: (stopping him) Okay! Okay! Okay. I'm sorry. Please, please, you were in Western Europe, and...? ([ジョーイを止めて] わかった、わかった、わかった。僕が悪かった。お願いだよ。ジョーイは西ヨーロッパにいた、それで…?)
ロスは切実な声で、「お願いだよ、助けてよ! 今夜デートがあるんだ」と言っています。
It has to go well の it は、the date (今夜のそのデート)のことですね。
go well は「うまくいく」ですから、「デートがうまくいかないといけない」、つまり、「久しぶりのデートだから失敗したくないんだ」と言っていることになります。
I'm scared for my health! は「自分の健康に対して恐怖心を持っている」ようなことで、つまりは、しばらくエッチをしていないから、自分の体が健全な男子として反応できるかどうかわからない、みたいなことでしょうね。
必死にすがられたジョーイは、あることを思いついた様子。
It's this story that I came up with. は、It's 〜 that ... という強調構文の形ですね。
内容的には、I came up with this story. 「俺はこんな話を考えた、思いついたんだ」というようなことですが、this story の部分を強調するために、この形にしていることになるでしょう。
「こんな話があるんだよ。俺が考えたものなんだけど」みたいなニュアンスですね。
その話はすごくロマンチックで、と言った後、I swear any woman... と言っています。
I swear は「誓う」ということから、「…であると断言する、確かに・間違いなく…であると言える」。
any woman that hears it, they're like putty. がジョーイが断言する、と言った内容ですが、前半部分が「その話を聞くどんな女性も」、後半部分が「その人は putty みたいである」。
まず、any と they の関係ですが、any woman のように「単数扱い」の名詞の場合は、それを受ける代名詞も単数になる、というように、むかーし、学校英語で習った気がするのですが、特に口語の場合には、そういう単数名詞も they という複数代名詞で受けることが多いです。
この場合だと、any woman なので「女性」なのは明らかですから、she と表現してもいいわけですが、anyone/someone などの単数名詞を they で受けるという流れがあるので、今回もそれと同様に they で受けたと言えるでしょう。
putty は「(接合剤の)パテ」のことで、be putty in someone's hand だと「人のいいなりになる、思いのままになる」という意味として使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be putty in somebody's hands : to be easily controlled or influenced by someone
つまり、「誰かによって簡単にコントロールされる、または影響されること」。
ここでは、in my hand のような言葉は入っていませんが、putty だけでそのイディオムを示唆している、そのイディオムの意味で使っているのだろうと思います。
ジョーイのそのロマンチックな作り話を聞いたら、女はみんなメロメロになって言いなりになっちゃうよ、ということですね。
その話を聞きたがるロスにジョーイは、「お前がその話を聞いたら、俺とエッチしたくなるだろうけど、でも覚えとかないといけないぞ、それはただの(作り)話だってことを」みたいに言います。
ロスはさめた顔で「自分をコントロールするように努めるよ、努力するよ」みたいに答えていますね。
聞いた人は皆メロメロになると言っても、僕がジョーイとそんなことしたくなるかよ、とロスは言いたいわけですが、ロスはアドバイスを求めている側なので、「ジョーイとエッチしたくなりそうな気持ちを頑張って抑えるようにするよ」と言ってみせているわけですね。
ジョーイは咳払いをして、その「女がメロメロになる作り話」を語り始めます。
backpack は「バックパック」として日本語になっていますが、ここでは動詞で「バックパックを背負ってあちこち旅行する」ということですね。
「西ヨーロッパをバックパックで旅した」なんて、ジョーイらしからぬことを言うので、「ジョーイが?!」とツッコミを入れたロスですが、チャチャを入れられたジョーイは、話をやめて、Have a nice six more months, Ross! と言って部屋を出て行こうとします。
six more months は「6か月以上」なので、「素敵な6か月以上を過ごせよ」みたいな挨拶を残して去ろうとしていることになります。
アドバイスを求めてくるから、俺がいい話を教えてやろうとしてるのに、そうやってバカにするんだったら、ごぶさたは6か月以上になっちゃうな、まぁエッチなしの6か月以上を楽しく過ごすんだな、みたいに怒って言ってみせたわけですね。
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このジョイの作った話を教えてもらえませんか?
ジョーイが作った話は、ロスは最後まで全部聞いたはずですが、エピソードの映像としては、視聴者には途中までしか示されませんでした。ですから視聴者としては、「女の子をメロメロにする話というのは一体どういう内容だったのか?」は結局わからずじまいだったわけです。その「視聴者には話の内容を全部聞かせない」ところが、脚本的にはポイントだったのだろうと思います。他のフレンズのエピソードでも「ものすごく面白いジョーク」であると説明しながら、そのジョークの一部分のみしか聞かせない、だから何がどう面白いのか(視聴者には)わからない、ということもありましたが、視聴者に全部聞かせてしまうと「それがそんなにすごい?」という反応が返ってきてしまう可能性もありますし、今回の場合も「そういう話が存在する」ということだけがわかるようになっていればいい、ということですね。
そうして、「西ヨーロッパをバックパックで旅して、、」で始まる話が「女の子を口説く最高の話」であるということを最初に印象付け、それをロスがデート中の相手に使ってみようとしたり、後で意外な形で出てきたりすることで、このジョーイの作り話にまつわる最後のオチに繋がる、という構成になっているわけです。