2013年12月26日

怒鳴ってないからお金は入れない フレンズ8-5その1

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シーズン8 第5話
The One With Rachel's Date (チャンドラーは誰?)
原題は「レイチェルのデート(相手)の話」


モニカがシェフとして働いているレストランの厨房。料理を食べに来たフィービーが一言挨拶して帰ろうとした時、ある男性に目を止めます。
モニカ: Uh Tim? This is Phoebe. Phoebe, this is Tim, my new sous chef. (あぁ、ティム? こちらはフィービー。フィービー、こちらはティム、私の新しいスー・シェフなの。)
フィービー: Oh, so you're Monica's boss? (まぁ、それじゃあ、あなたはモニカの上司なの?)
ティム: Ac.. Actually she's my boss. "Sous" is French for "under."(実際には、モニカが僕の上司なんだ。「スー」はフランス語で「アンダー」の意味なんだよ。)
フィービー: Oh! I "sous-stand." (あぁ! 私、スー・スタンドしたわ[わかったわ]。)
モニカ: Hey Tim? I need a calamari and a caesar salad. And umm, could you get me the pesto? (ねぇ、ティム? カラマリとシーザーサラダが欲しいの。そして、私にペストーを取ってくれる?)
ティム: Yeah. (はい。)
フィービー: Oh you... you made pesto? (まぁ、あなたがペストーを作ったの?)
ティム: Yes, I did. (そう、僕が作ったんだ。)
フィービー: Would you say your pesto is the best-o? (あなたのペストーはベストーだ、って言えそう?)
ティム: I... I don't, I don't know, but I would say it's pretty good-o. (Phoebe laughs too hard.) (わからないけど、でも、かなりグッドーだとは言えるよ。[フィービーは激しく笑う])
(Monica goes over and grabs the pesto.)
モニカがやってきて、ペストーを掴む。
モニカ: All right, I still need a calamari and the caesar salad. (よし、で私は今も、カラマリとシーザーサラダが必要なんだけど。)
ティム: I like your necklace. (君のネックレス、素敵だね。)
フィービー: I made it myself. (私が自分で作ったのよ。)
ティム: You are so talented. (君ってすっごく才能あるんだね。)
フィービー: Well, it's no pesto. (まぁ、ペストーほどじゃないけど。)
モニカ: All right, all right! Let's just cut to the chase, okay? (To Phoebe) You're single. (To Tim) You're single. (To Phoebe) He gets off work at eleven. (To Tim) She'll be waiting for your call. (To Phoebe) I'll give him your number if I can get one calamari and one caesar salad!! (Everyone in the kitchen stops.) I did not yell. I am not putting a dollar in the jar. (わかった、わかった! もう手っ取り早く行きましょう、いい? [フィービーに] あなたは独身。[ティムに] あなたは独身。[フィービーに] 彼は11時に仕事が終わる。[ティムに] フィービーはあなたの電話を待ってるわ。[フィービーに] 彼にあなたの電話番号を渡すわ、もし私がカラマリ1つとシーザーサラダ1つをゲットできたらね! [台所のみんなが動きを止める] 私は怒鳴って[叫んで]ないわ。ビンに1ドルは入れないからね!)

モニカは、フィービーとティムをそれぞれに紹介しています。
「彼は新しいスー・シェフなの」というのを聞いて、フィービーは、「それじゃあ、あなたは、モニカのボス・上司?」と尋ねていますね。
その後、ティムは、「モニカが僕のボスで、sous というのはフランス語で under のことなんだ」と説明しています。
「下のシェフ」ということなので、モニカのシェフより地位としては下に当たるわけですね。
フィービーは、「わかった、納得」みたいな意味の I understand. の代わりに、I "sous-stand." と言ってみせています。
今聞いたばかりの、sous = under ネタを早速使ってみたわけですね。
ベタな日本語訳をすると、「あぁ、”下”っていう意味ね。わかりま下(した)!」みたいな感じになるでしょうか^^

calamari は「イカ」。英辞郎には、
calamari=【名】(イタリア料理としての)イカ◆複数扱い
と出ています。
pesto は、研究社 新英和中辞典では、
pesto=【名】【U】 ペストウ 《バジリコ・ニンニク・チーズ・オリーブ油などで作るソース》
日本語訳が「ペストウ」となっているように、英語の発音も「ペストウ」という感じです。
シェフであるモニカが指示を出していることから、これらの単語が料理の材料名であることはわかるので、わざわざ調べる必要もないのですが、その後のセリフで、you made pesto? という言葉があることから、原材料ではなく「人が手を加えて作るもの」なんだ、という理解はしておいた方がいいですね。

Would you say your pesto is the best-o? を直訳すると、「あなたは自分のペストウをベストウと言う?」みたいなこと。
pesto という単語が best に似ているので、「あなたのペストーってベスト(ー)かしら?」としゃれてみたわけです。
そう言われたティムは、「わからないけど、でも」と言いながら、「かなりグッドー」って言えるよ、みたいに答えます。
ベスト(最高)とは言えないかもしれないけど、「かなりグッド」くらいは言えるよ、と言ったわけですね。
そんなに超面白い返しとも思えない(笑)だじゃれだったわけですが、その相手のジョークに必要以上に大笑いしているところに、フィービーがティムに気があることがよくわかります。

二人がいちゃいちゃと楽しそうに話しているのを見て、モニカはペストーを自分で掴んで、「まだ、カラマリとシーザーサラダが要るんだけど」みたいに言っています。
頼んでも渡してくれないからペストーは自分で取ったけど、私が頼んだこと、忘れてない?みたいな感じですね。
そんなイヤミも聞こえない様子で、「ネックレス、素敵だね」「自分で作ったのよ」などと言い合う二人。
「君ってとっても才能があるんだね」と言われて、フィービーは、Well, it's no pesto. と答えますが、この no は完全否定のニュアンス。
「あなたのペストーほどじゃない、あなたのペストーほど素晴らしくない」みたいな感覚で、才能あるって褒めてもらえても、あなたのペストーと比べたら、比べ物にならないわ、という「全然違う、全然かなわない」という感じが、全否定の no という言葉に表れているわけですね。

シェフの指示を全然聞かずに、女子と楽しそうに話し込んでいるスー・シェフのティムを見て、モニカは、Let's just cut to the chase, okay? と言っています。
cut to the chase は「本題に入る、すばり要点を言う」。
chase は「カー・チェイス」などからわかるように「追跡」という意味で、また「映画の追跡シーン、カー・チェイス・シーン」も指します。
映画というのはクライマックスにチェイス・シーン(chase scenes)が出てくるものが多いですが、いきなり場面をチェイス・シーンにカットする、つまり、場面をそれに切り替えて、クライマックスに突入させる、みたいなニュアンスがあるようです。

過去記事、チェイスシーンに切り替わる フレンズ3-9その23 でも、そのフレーズについて詳しく解説しています。
使われたのは以下のセリフでした。
ロス: Okay, y'know what, I've had enough of this. Let's just cut to the chase here, okay? Heidi, which of my boys do you like? (よし。もうこんなのはたくさんだ。早く本題に入ろうよ[手っ取り早く要点を言おうよ]。お嬢さん[ハイディ、ハイジ]、この僕の友達のうち、どっちが好き?)

今回のセリフも、相手に気があるそぶりがミエミエな状態でダラダラ話を続けてないで、デートしたいとかって、さっさと本題に入ったら?みたいなことですね。

get off はバスを降りる、などの意味でよく使いますが、ここでは仕事が終わる、という意味。
She'll be waiting for your call. という未来進行形は、ティムの仕事が11時くらいに終わると今言ったから、それ以降、フィービーはあなたの電話を待ってるわよ(未来の時点でそうしている、という状態)、だから仕事が終わったらすぐに電話してあげなさいね、みたいなこと。
そしてフィービーに対しては、「ティムがフィービーに電話できるように、私からティムにフィービーの番号を渡してあげるわ」と友達らしいことを言っているのですが、その後、if と条件をつけて、「もし私がカラマリとシーザーサラダをゲットできたらね」みたいに言っています。
つまり、「電話番号を教えてあげてもいいけど、とにかくさっさと頼んだカラマリとサラダをよこしなさいよ!」みたいに言っていることになります。
わざわざ、one calamori, one caesar salad のように one を付けているのは、それぞれ1つずつ渡してくれるだけでいいんだから、さっさとやってよね、みたいなニュアンスが込められているのでしょう。

ここまで一気に大声で早口でまくしたてた後、厨房にいる他の人たちが、固まったようになって、動きが止まっています。
その人たちへの言い訳のように、「私は叫ばなかったわ」と言った後、I am not putting a dollar in the jar. と言っています。
jar は「瓶(かめ)、瓶(びん)」などのことで、「叫ばなかった。(だから)私は jar に1ドルを入れない」と言っていることから、「大声で誰かに対して叫んだり怒鳴ったりしたら、罰金としてビンに1ドル入れるわ」という約束を他の人たちとしていたことが想像されるわけですね。
早口で大声で命令口調で威圧的だと言われがちなモニカ(笑)としてキャラ立ちしていることで、「怒鳴ってない。瓶にお金は入れない」というセリフだけで、厨房での取り決めの内容がわかる、という面白さだと言えるでしょう。


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posted by Rach at 16:40| Comment(2) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんにちは
putting a dollar in the jarについて

先日、たまたまBilly Joelの「Billy Joel "Pianoman" Original Video」をyoutubeで見ていたところ、歌詞の中の[put bread in my jar](4:29)のところで大きなグラスに紙幣をいれるシーンがあり、長年「パンをジャーに入れる?」と思い込んでいたのが間違いであることがわかりました。
お金をjarに入れるという行為は日本人としてあまりピンとこないのですが、アメリカではよくあることなんでしょうか?
ちょうどRachさんのブログの解説を読んだのとyoutube視聴のタイミングがぴったり合って印象に残ったので報告させていただきました。

●歌詞抜粋●
It's a pretty good crowd for a Saturday
And the manager gives me a smile
'Cause he knows that it's me they've been coming to see
To forget about life for a while

And the piano sounds like a carnival
And the microphone smells like a beer
And they sit at the bar and [put bread in my jar]
And say "Man what are you doing here?"
Posted by bugler at 2015年07月10日 17:33
buglerさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに文字で見ていると、put bread in my jar なら「パンをジャーに入れる」だと思ってしまいますよね。プロモーションビデオの映像でその謎が解けたりするのも実に面白いなぁ、と思います。

そのお金を入れるジャーには、BILLY'S TIP JAR と書いてありますね。それを見ても、お客さんからのチップを、そういう jar に入れてもらうというのは、よくあることなんだろうなぁ、と思います。フレンズでは、a jar of jam/olives/pickles のように、「食べ物の入った瓶」として出てくることが多いですね。

bread は「パン」ですが、「主食」であることから「糧(かて)」という意味にもなり、俗語では「お金」という意味としても使われるようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bread : (old-fashioned, slang) money
と出ています。

日本語の飯(めし)を使った言葉の「飯の種」「飯の食い上げ(or おまんまの食い上げ)」「〜で飯を食う」なども、収入や生計に関する言葉として使われますので、主食を表す言葉がお金を連想させる、というのは、日英に共通するところなのかな、とも思いました。

それにしても、Piano Man はいい歌ですよね♪ 昔、洋楽ベストのカセットテープ(!)を作る時に、Billy Joel では、Just the Way You Are, Honesty, Uptown Girl そして、Piano Man をセレクトしていました。懐かしいです(^^)

興味深い情報、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2015年07月13日 12:49
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