2014年01月03日

ミドルネームがミュリエル フレンズ8-5その2

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チャンドラーの会社に、ロスが遊びに来ています。
ロスと話しているチャンドラーのそばを会社の知り合いが通りかかり、
チャンドラー: (A guy walks up.) Hey, Bob. ([ある男性が歩いて近づいてくる] やあ、ボブ。)
ボブ: Hey, Toby! Have a good night. (Walks by.) (やあ、トビー! 楽しい夜を。[歩き去る])
ロス: Did that guy just call you Toby? (あの人、今、お前をトビーって呼んだ?)
チャンドラー: Yeah, he thinks that's my name. (あぁ、彼はそれが俺の名前だと思ってるんだよ。)
ロス: Well, why don't you correct him? (ふーん、訂正したらどうなんだよ?)
チャンドラー: Oh, it's been going on way too long now. Y'know, I mean the first time he said it we were just passing each other in the hallway, so I didn't say anything. And then the next time he said, "Hey, Toby, do you want a doughnut?" And I want- I wanted a doughnut. And now it's five years later, the doughnut's gone and I'm still Toby. (あぁ、もう、ものすごく長い間、続いてるんだ。ほら、彼が最初にそう言った時、俺たちはただ廊下ですれ違っただけだったんだ。だから俺は何も言わなかった。それから次に彼が「やぁ、トビー、ドーナツ欲しい?」って言った時に、俺は…俺はドーナツが欲しかったんだよ。で今は5年後、ドーナツは去り、俺はまだトビーだ。)
ロス: Five years?! Chandler, you have to tell him! (5年? チャンドラー、彼に言わないといけないよ!)
チャンドラー: No! That would be so awkward! Look-Besides, we work in different departments. He's on the sixth floor y'know? So he calls me Toby once in a while. What's the big deal? It could be worse, it's not like he's calling me Muriel. (Chandler suddenly freezes into place.) (言えないよ! そんなことしたら、すっごく気まずいじゃないか! ほら、それに、俺たちは別の部署で働いてる。彼は6階にいるんだ、だろ? それで彼がたまに俺のことをトビーと呼ぶ。それが何だって言うんだ? もっと悪いことだってありうる(まだましだよ)、彼が俺をミュリエルと呼んでいるわけじゃないんだから。[チャンドラーは突然、その場に固まる])
ロス: (laughs) Muriel. Wh-why would he call you Muriel? (Ross realizes something.) Oh, my God! Chandler "M" Bing? It's not just an "M." Your middle name is Muriel!! ([笑って] ミュリエル。なんで彼がお前をミュリエルって呼んだりするんだよ? [ロスは何かに気付く] なんてこった! チャンドラー・”M”・ビング? それってただの M じゃないのか。お前のミドルネームはミュリエルなんだな!)
チャンドラー: Shh! It is a family name! (シーッ! それは名字だよ!)
ロス: Chandler Muriel Bing. Boy, your parents never even gave you a chance, did they? (チャンドラー・ミュリエル・ビング! なんてこった、お前の両親はお前にチャンスすら与えてくれなかったんだな?)

会社の知り合いが、チャンドラーに「やあ、トビー」と挨拶して去って行くのを見て、ロスは、「今の人、お前をトビーって呼んだ?」と尋ねています。
チャンドラーは、「彼は、それ(トビー)が俺の名前だと思ってるんだ」と返事していますね。
why don't you...? という提案のフレーズを使って、ロスは「名前が間違ってるんだから、彼を訂正したらどうだ?」と言うのですが、チャンドラーは、it's been going on way too long now. と答えます。
way too... というのは、フレンズによく出てくる表現ですが、「はるかに、すごく」という意味ですね。way は too を強調する副詞になります。
it has been going という現在完了進行形を使っていますので、「今やもう、ものすごく長い間、それがずっと続いている」というような感覚になります。
「訂正したらどうだ?」って言われても、もうずーっと長い間、俺はトビーって呼ばれ続けてるから、今さら訂正できないよ、みたいなことです。

その後、トビーと呼ばれ続けることになった理由を説明していますね。
the first time, the next time というフレーズを使って、「最初に彼が…と言った時、次に彼が〜と言った時」のような形で説明しています。
最初に彼がそう言った、つまり、「俺のことを最初にトビーと呼んだ時」は、ただ廊下で pass each other しただけだった、と言っています。
pass は「通り過ぎる、通過する」ですから、「お互いを通過する」、つまり「すれ違う」感覚ですね。
通りすがりに、「よぉ、トビー」みたいに挨拶して、そのまますれ違ったので、行こうとする相手をわざわざ呼び止めてまで訂正することでもないと思って、俺は何も言わなかったんだ、みたいなことになるでしょう。

それから次の時には、彼が「なぁ、トビー、ドーナツいるか?」みたいに言ったんだ、と説明し、その後、「俺はドーナツが欲しかったんだ」と付け加えています。
「名前間違ってるんだけど」とは思ったものの、名前を訂正するとかより先に、そのドーナツが欲しかったから、とにかくドーナツをもらうことにして、名前の件はうやむやにした、みたいなことですね。
「トビー、ドーナツいる?」って言われてさぁ、俺、そのドーナツがすっごく欲しかったんで、、みたいに子供っぽいことを言っているチャンドラーが楽しいですね。

And now it's five years later, the doughnut's gone and I'm still Toby. というのが何だか物語調の言い方で面白いのですが、つまりは「今は(ドーナツいる?と言われてから)5年後で、そのドーナツは去り(消えて)、そして俺はまだトビーだ」ということ。
ドーナツ欲しさに名前を訂正しそこなって、そのドーナツは食べちゃったけど、名前だけは相変わらずトビーのままなんだ、ということを、「ドーナツは去り、ただトビーという名前だけが残った」みたいに言ってみせているわけですね。

それを聞いたロスは、「5年も名前を間違われたままなのか? 言わなきゃだめだよ」みたいに言うのですが、チャンドラーは、だめだよ!と言って、That would be so awkward! とも言っています。
awkward は「気まずい、きまりが悪い、ばつが悪い」。would が使われているのは、「もしそんなことを言ったら」という仮定のニュアンスが含まれていると考えると良いでしょう。
「名前が間違ってるって言うのは気まずい」ではなく、「もし名前が間違ってる、とか言ったりしたら、気まずくなっちゃうよ」という「仮定」の感覚ですね。
彼と俺は違う部署、違う階で働いてる。彼がたまに俺をトビーって言ったところで、What's the big deal? 「何が(そんなに)おおごとなんだ? 別にどうってことないじゃないか」みたいに言います。
It could be worse は、「より悪いことがありうる」ということですから、「それならまだましだよ」ということ。

そして、worse の例えとして、it's not like... 「…ってわけじゃないんだし」みたいに言うのですが、その例えが、「彼が俺をミュリエルと呼んでいる」になっています。
チャンドラーは自分でそう言った後、固まったようになって、焦った顔で目が泳いでいます。
唐突にミュリエルという名前が出てきたことにロスは反応して、「どうして彼がお前をミュリエルと呼んだりするんだよ?」みたいに笑っているのですが、ロスは突然あることに気づいたようですね。
「チャンドラー・M・ビング」というフルネーム、ロスはその M はただの M だけだと思っていたようですが、チャンドラーの発言でその M というのは、「ミュリエル」の頭文字であることに気づいたことになります。
「お前のミドルネームはミュリエルなんだな!」と大騒ぎするロスに、チャンドラーは「大声で言うな」みたいにシーッ!と言って「それは名字だよ」などと必死の言い訳をするので、ロスは間違いないと確信したようです。
ロスは、チャンドラーのミドルネームがミュリエルだと知って、「お前の両親はお前に1つのチャンスも与えてくれなかったんだな」みたいに言うことになります。

このやりとりを見ていると、チャンドラーのミドルネームがミュリエルであることについて、ロスは「チャンスすら与えられない名前」だと言って笑っているし、チャンドラー自身もうっかり口が滑って言ってしまったけれど、隠しておきたい秘密であった、知られたくないミドルネームであったことがわかります。
「いい名前か悪い名前か」」というのは、ネイティブ独特の感覚なので、ノンネイティブの我々には最もわかりにくい事柄の一つかな、と思うのですが、私なりに調べた結果、「どうやらミュリエルというのは女性名らしい」ので、それで男性のチャンドラーのミドルネームとしては「恥ずかしい名前」になる、、ということのようです。(私の間違いなら、どなたかご指摘いただけるとありがたいです。)

まず英辞郎には、
Muriel=【人名】ミュリエル、ムリエル◆女
と出ています。
また、ネットで「ミュリエル」という名前で検索すると、以下の人物やタイトルがヒットしました。
1. ミュリエル・アンダーソンという女性ギタリスト。
2. ミュリエル・スパークというスコットランドの女性小説家。
3. 『ミュリエルの結婚』(Muriel's Wedding)という1994年のオーストラリア映画。(ミュリエルは主人公の女性の名前)

これだけ女性名が出てくると、やはり「ミュリエルと言えば女性」というイメージが強いだろうと思うので、そんな女性名の名前をミドルネームにつけられたチャンドラーをロスは不憫に思って、「君の両親は名付けの時に、ミドルネームに女性名をつけたりして、君の人生を最初っからダメダメにしたのか?」みたいに言ったということになるのでしょうね。

ちなみに、過去記事、フレンズ2-21その1+ミドルネームの話 では、フレンズメンバーのミドルネームについて触れています。
チャンドラーのミュリエル以外をここでも簡単に書いておくと、
レイチェルは Karen (カレン)、ジョーイは Francis (フランシス)、モニカは E で始まる(が不明)、ロスも不明。
ということになっています。
「モニカのミドルネームが E で始まる」というのは、上のリンクの フレンズ2-21その1 の記事で出てきます。
レイチェルのミドルネーム Karen はしょっちゅう登場するので有名ですよね。
ジョーイのミドルネームは、やたらとフルネームで呼びたがる フレンズ7-11その2 に登場し、そのシーンの会話では、
フィービー: Joseph Francis Tribbiani, are you home yet?!! (ジョセフ・フランシス・トリビアーニ、家にいるの?)
レイチェル: Umm, I think he's still out. What's wrong? (あー、彼はまだ外出中だと思うけど。どうかしたの?)
フィービー: Well, I'll tell you, Rachel Karen Greene. I had plans with Joey tonight and he left me this note. (こういうことなのよ、レイチェル・カレン・グリーン。今夜ジョーイと会う予定にしてたのに、彼は私にこんなメモを残したのよ。)
のように、フィービーがジョーイとレイチェルをやたらとフルネームで呼ぶという展開になっていました。

日本人にはピンと来ないミドルネームの話ですが、英語圏のお話では、そんな風にいろいろとネタとして使われやすいものだということを知っておくのも決して無駄ではないな、という気がします。


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posted by Rach at 12:39| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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