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セントラルパーク。モニカがいるところに、フィービーが嬉しそうに入ってきます。
フィービー: Oh my God! I had the best time with Tim last night. He is so sweet! Oh, I can't wait to get "sous-neath" him. (なんてこと! 昨日の晩はティムと最高の時間を過ごしたわ。彼ってとっても優しいの! あぁ、彼の「スー・ニース」になるのが待ちきれないわ!)
モニカ: I... I have to fire him. (私、ティムをクビにしないといけないの。)
フィービー: But why?! (でも、どうして?)
モニカ: Because he's terrible! Okay, he's slow, he burns things. Last night he lit my pastry chef on fire! (だって彼はダメなのよ! ほら、トロくて、ものを焦がす[燃やす]し。昨日の晩は、ペストリーシェフに火をつけたのよ!)
フィービー: Well, maybe he was just nervous, y'know you can be very intimidating. And besides I've met your pastry chef and she can stand to be taken down a peg or two. (そうねぇ、多分彼はただナーバスだったのよ。ほら、あなたってすごく威圧的になるんだもん。それに私はペストリーシェフに会ったことあるけど、彼女は鼻っ柱を折られるのには耐えられるわ。)
モニカ: Well, now she has no eyebrows. Mission accomplished. (そうね、今、彼女は眉毛がないの。任務完了ね。)
フィービー: But Monica, he loves his job so much! Can't you just give him another chance, please? (でもモニカ、彼は自分の仕事をものすごく愛してるの! ただ彼にもう1回チャンスをあげて、お願いよ。)
モニカ: (thinks about it) All right. But if-if he lights someone else on fire, he is out of there! ([それについて考えて] いいわ。でも、もし、もし彼が誰かに火をつけたら、彼はクビよ。)
フィービー: That's fair! Thank you so much. Thanks. Oops, looks like when he got the pastry chef he got you a little bit too. (それでフェアだわ! ほんとにありがとう。ありがと。おっと、ティムがペストリーシェフをやっちゃった時に、彼はあなたもちょっとやっちゃったみたいね。)
モニカ: I paid to have this done. (これをするのに、お金を払ったわ[これはお店(美容院)でやってもらったの]。)
フィービー: Love it! (それ、大好き!)
フィービーは嬉しそうにお店に入ってきて、「昨日の晩、彼と最高の時を過ごした」と言っています。
I can't wait to... は「…するのを待つことができない」→「…するのが待ちきれない、待ち遠しい」ということですね。
to get "sous-neath" him の sous は、過去記事、フレンズ8-5その1 で、スー・シェフのティムが説明していたように、sous = under ですから、sous-neath は、underneath の意味になります。
underneath は「〜の下に、下で」という前置詞ですから、I can't wait to get "sous-neath" him. は、get underneath him、つまり「彼の下(の状態)になるのが待ちきれない」と言っていることになります。
「彼の下」というのは、エッチの時の位置(笑)の話で、(彼の下になる形で)彼とエッチするのが待ちきれないわ、早く彼とそういう関係になりたいわ、と言っていることになるのですね。
過去記事の sous-stand = understand に続いて、ここでも、sous-neath = underneath という、フランス語 sous を使ったダジャレを言ったことになります。
すっかりラブラブなフィービーですが、モニカは「ティムをクビにしなくちゃ」と言っています。
理由を問われたモニカは、彼は terrible 「ひどい」と言って、he's slow とも言っています。
slow は「スロー」で、「遅い、のろい、トロい」という意味ですが、「動作の速度、スピードなどがのろい」という意味もあれば、「理解が遅い、計算が遅い」などの「鈍い(にぶい)」という意味もあります。
He's slow of understanding. なら「彼は理解が遅い、鈍い」ですね。
今回は、スー・シェフという料理人の話なので、普通に「料理を作る時の動作がトロい」という感じで使っているのだと思いますが、「いろいろ指示しても飲み込みが遅い」ということも含んでいるのかもしれません。
he burns things. の burn は「…を燃やす」、料理の場合だと「…を焦がす」という意味もあります。料理を失敗する話をしているのであれば、「彼は料理を焦がしちゃうのよ」みたいなことで、料理に限らない話で言うと、「彼はものを燃やしちゃう」というところです。
lit は、他動詞 light 「…に火をつける」の過去形。
light ... on fire も「…に火をつける」という意味で、set ... on fire 「…に火をつける、放火する」と同じ感覚ですね。
pastry は「ペストリー」と日本語になっていますが、「パイやタルトなどのパン菓子」ですから、そういうペストリー担当のシェフに誤って火をつけてしまった、と言っているわけです。
そのように「同僚に火をつけた」話をしていることを考えると、he burns things. は「料理を焦がす」というよりは、「仕事中、火を使っている時に、誤ってあれやこれやと燃やしてはいけないものまで燃やしてしまう、料理以外のものに火をつけてしまう」みたいなことを言っているのだろうと思います。
ティムとラブラブ中のフィービーは、ティムを擁護しています。
you can be very intimidating. は「あなた(モニカ)は、非常に威圧的になりうる」ということで、「あなたは時々ものすごく威圧的になったりすることがあるから、彼はナーバスになってたのよ、あなたに怯えてそんな失敗をしちゃったのよ」と弁護していることになります。
I've met your pastry chef という現在完了形は、「私はペストリーシェフに会ったことがある」という「経験」ですね。
she can stand to be taken down a peg or two. について。
まず、can stand to be は、「〜されることに耐えうる」。
be taken のように受動態になっていますが、それを能動態に直すと、take ... down a peg or two ですね。
peg は「止めくぎ、掛けくぎ、ペグ」のことなのですが、take someone down a peg (or two) というのはイディオム。
研究社 新英和中辞典では、
take a person down a peg (or two)
〈人を〉やり込める、〈人の〉鼻っ柱を折る
英辞郎では、
take someone down a peg or two
(人)の面の皮をはぐ、(人)の高慢の鼻をへし折る◆【語源】昔、英国の軍艦で、旗の木くぎ(peg)を高く掲げるとそれだけ訪問者に対する敬意の度が高まり、低くすればそれだけ下がると考えていたことに由来する。
と説明されています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
take/bring/knock somebody down a peg (or two) : to make someone realize that they are not as important or as good at something as they think they are
例) He deserved to be taken down a peg or two.
つまり、「自分が考えているほど、自分が重要ではない、何かが得意ではない、とある人に気づかせること」。
例文は、「彼は鼻っ柱を折られるに値する」。
つまりフィービーは、「そのペストリーシェフには会ったことがあるからわかるけど、自分がさも偉いと思っている高慢なタイプで、その高慢な鼻をへし折られることには耐えられるようなタイプの人だったから、火をつけられたくらい問題ないでしょ。そんなことくらいでへこたれるような人じゃなかったわ」みたいに言っていることになるでしょう。
モニカは、「今、ペストリーシェフには眉毛がないの」と言っていますが、それはティムに火を付けられて、眉毛が燃えてしまった、ということですね。
Mission accomplished. は「ミッション・任務が、遂行・完遂された」ということですから、一言でいうと「任務完了」になります。
フィービーは、「ティムは仕事をとっても愛してるから、もう一度チャンスをあげてくれない?」と頼んでいます。
少し考えたモニカはそれを了解し、条件をつけています。
もしティムがまた誰かに火をつけたら、he is out of there! だと言っていますが、out of there は「そこを出る」という感覚ですね。
there というのは、シェフとして働いている厨房を指していて、もう一度同じ失敗をして、他人に火をつけたりしたら、厨房を出ることになる、つまり、クビよ、と言っていることになるでしょう。
フィービーは、それならフェアだわ、みたいに言って、何度もお礼を言っています。
looks like when he got the pastry chef he got you a little bit too. について。
got という動詞が非常に漠然としているので、とりあえず「ゲットした」みたいに訳してみると、「ティムがそのペストリーシェフをゲットした時に、ティムはあなたも少しゲットしたように見えるわ」という感じになります。
この get というのは、「やっつける」とか「やっちまう」みたいな感覚が近いですね。
LAAD では、
get : ATTACK/PUNISH SOMEBODY
to do something bad to someone, such as attack, punish, or cause trouble for them, especially because they have done something bad to you.
例1) That stupid dog tried to get me.
例2) She thinks they are all out to get her (= trying to cause trouble for her)
つまり、「誰かを攻撃する、誰かを罰する。攻撃する、または罰するなどのように、誰かに悪いことをすること、または誰かに嫌がらせをすること、特にその人が自分に対して何か悪いことをしたことがある場合に」。
例文1は、「そのバカな犬は私を襲おうとした。」 例文2は、「彼らは彼女に嫌がらせをしようとしていると、彼女は考えている」。
意味としては、attack 「攻撃する」感覚が近いですが、それをあえて get という汎用性の高い単語で表現していることを考慮して、日本語訳も「やっちゃう」みたいな言い回しを当てはめるのが妥当かなと思ったので、上のような訳にしてみました。
「ティムがペストリーシェフをやっちゃった」というのは、彼女に火をつけちゃったことを言っていて、フィービーはモニカの髪の毛を見て、「あなたの髪の毛もちょっと燃えちゃったみたいよ。攻撃の余波をモニカも食らっちゃったみたいね」と言っていることなります。
I paid to have this done. を直訳すると、「私はこれをしてもらうためにお金を払った」。
つまり、モニカの髪の毛の後ろが少し燃えている、焦げているらしいことを指摘されて、「いえ、これはティムがつけた火のせいじゃないわ。こういう髪型にしてもらうために美容院に行ったのよ」と言っていることになるわけです。
フィービーは、嬉しそうな顔をして、Love it! と言っていますが、それは、いつものモニカなら、「私の髪の毛の後ろまで焦げてるの?! もう絶対あいつはクビよ!!」と大激怒するところを、「もう一度ティムにチャンスをあげる」と約束した手前、クビにするとも言えないので、「この髪型は私が美容師さんに頼んでしてもらったものよ」と言うことでティムをかばった、ティムの失敗をなかったことにした、というそのモニカの心意気みたいなものに対して、「怒りを我慢して、よくぞそう言ってくれました!」的に、「モニカの今の発言、大好き!」と言ったことになるわけですね。
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日経プラスとWEB版拝見しました。掲載おめでとうございます。ここ最近、何とか英語をモノにしよう(しなければならない)と思っているビジネスパーソンが従来に比し圧倒的に多くなっているのは間違いないので、これからRachさんはもっともっと注目されていくでしょうね。セミナーも受講希望者殺到のようで本当におめでとうございます。
今回もいつもながらのRach流タテ突込みヨコ展開で丁寧に解説していただいてありがとうございます。一つだけ、最後のモニカの髪型の件ですが、ここは素直にシーンのオチとして、フィービーが「ちょっとあなたも髪をやられちゃったわね」と言ったら、モニカが「美容院行ったんだけど」と言うのでフィービーが言葉に詰まって「それ好きよ!」とその場を丸めようとしたと言うことでこのシーンの段落、と単純に解釈したのですがいかがでしょうか?細かい話を持ち出してすみません。
コメントありがとうございます。
いつも温かく応援して下さる koroyakunさんに、実際の紙面もWEB版も、どちらも見ていただけたこと、とても嬉しいです(^^) 「日経プラス1」掲載直後に、4月セミナーの日程も決まるというタイミングの良さで、おかげさまで今年も素敵な年になりそうです。それから、「Rach流タテ突込みヨコ展開」というフレーズ、いいですね。気に入りました^^
それで、ご指摘のシーンなのですが、koroyakunさんのコメントを読ませていただいて、「ああ、そうだったんだわ!」と気付きました。そうです、koroyakunさんの解釈が正解で、わたくしが勘違いしておりました。貴重なご指摘、心より感謝です。
再度、DVD を見直してみて、koroyakunさんのおっしゃる流れであることを再確認しました。
フィービーが「モニカのその後ろの髪の毛も、炎上被害の余波?」みたいに言ったところ、モニカは自分の髪の毛の後ろを触って不満そうな顔で、「私、これ、お金払ってやってもらったんだけど、、、?」みたいに言い、観客が笑っていますよね。
その笑いは「フィービーが失言した」ことを表していて、モニカが美容院でしてもらった髪型を、「モニカの髪の毛も、火で少し燃えちゃってそんな変な髪形になってるの?」みたいに言ってしまったということですね。
モニカの返事で、自分の失言に気づいたフィービーは、「まずいこと言っちゃった」という気持ちを、こわばったような笑顔で隠して、やっと一言、「その髪型、素敵ね。好きよ!」と絞り出した、ということだったわけですよね。
そういう流れだと認識した上で、改めてセリフを見てみると、"I paid to have this done." という言い方は、「わざわざ”お金を払って”人にしてもらった」という感じが出ていますよね。美容院に行ってしてもらった髪型を、「火で焦げた変な髪形」みたいに言うわけ?!という気持ちだったのでしょう。
この解釈だと全てがしっくりきます。ご指摘本当にありがとうございました! また何かありましたら(笑)よろしくお願いいたします(^^)