2014年01月10日

stay put=そのままでいる フレンズ8-5その4

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チャンドラーのオフィス。チャンドラーの同僚ボブは、チャンドラーのことを Toby (トビー)という名前だと思い込んでいます。そのボブとチャンドラーが話しているのを見たチャンドラーの上司が、チャンドラーに声を掛けます。
フランクリン氏(Mr. Franklin): Hey-hey! Bing? Was that Bob from six you were just talking to? (おいおい! ビング? お前が今ちょうど話していたのは、6階のボブだったよな?)
チャンドラー: Yeah! (ええ!)
フランクリン氏: Oh, then you know each other. (あぁ、それなら君らはお互いを知ってるんだな[知り合いなんだな]。)
チャンドラー: We're on a semi-first name basis. (半分(やや)ファースト・ネーム・ベースで。)
フランクリン氏: What do you think of adding him to our team? (彼をうちのチームに加えることについて君はどう思う?)
チャンドラー: Bob? Ooh, working here with us? Every day? Yeah, I don't know if he has what it takes. (ボブをですか? 僕らと一緒にここで働く? 毎日? 彼が必要なもの[必要とされるもの]を持っているのかどうなのか、僕にはわからないです。)
フランクリン氏: Really? They love him down on six. (そうか? 下の6階ではみんな彼を気に入ってるぞ。)
チャンドラー: But this is eleven. It's almost twice as hard up here. (でもここは11階ですよ。上のここはほぼ2倍大変です。)
フランクリン氏: Okay, I hear you loud and clear. Bob will stay put. (わかった、君の話ははっきり聞こえるよ[よくわかるよ]。ボブはそのままだ[異動なしだ]。)
チャンドラー: I think it's best, sir. (それがベストだと思います。)

ボブとチャンドラーが会話しているのを見て、チャンドラーの上司らしいフランクリン氏は、「お前がたった今話していた相手は6階のボブか?」とチャンドラーに質問しています。
それを肯定したチャンドラーに、「じゃあお前たち二人はお互いを知ってるんだな、知り合いなんだな」と上司が尋ねると、チャンドラーは、We're on a semi-first name basis. と答えます。
on a ... basis というのは、「…ベースで、…方式で」という感覚ですね。
on a commercial basis なら「商業ベースで」になります。
semi- がない、on a first name basis なら、「名前(ファースト・ネーム)ベースで」ということになり、「知り合いと言っても、お互いのファーストネームを知っている程度の知り合いです」と言っていることになるでしょう。→(追記:この部分に関して、少し後に、追記と訂正があります)

今回のセリフでは、first name に semi- がついていますね。
semi- は「セミファイナル(準決勝)」のように既に日本語化していますが、基本的な意味は「半…、…の半分」という意味で、また正確に半分ではなくても完全・全部ではない、という意味で「やや…、いくぶん…」という意味にもなります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
semi- [prefix]
1. exactly half
例) a semicircle
2. partly but not completely
例1) a semi-invalid (= someone who is not well enough to go out very much)
例2) semi-literate people (= who can only read a little)


つまり、1. は「ちょうど半分の」、例は「半円」。2. は「部分的で完全ではない」、例1は、「半病人 (よく外出するほどに十分健康ではない人)」。例2は、「やや読み書きできる人 (少しだけ文字が読める人)」。
a semi-invalid の invalid というのは名詞ですね。
invalid というのは「無効な」という意味の形容詞もありますが、ここでは「病人、病弱者」という意味の名詞になります。
半分、と言っても、半円のように正確に真半分なわけではなく、完全に寝たきりになっているわけでもないが、元気に外出できるほどにも回復しているわけでもない、という意味の「半病人」という意味ですね。

チャンドラーのセリフの semi- も「ちょうど半分、真半分」という感じではなく、「完全ではない、完全に正しいわけではない」というニュアンスでしょう。
first name で呼び合っていると言っても、その名前が正しくない間違った名前なので、first name basis とは言い難い、だから、「やや」みたいな言葉を付け加えたことになります。

(2014.1.10 17:30 追記)
Twitter でご指摘いただきました。
上の記事中で、on a first name basis について、「first name を知っている程度の仲」と訳してしまいましたが、「first name で呼び合うくらい仲が良い」が正解です。
ファーストネームで呼び合う、ということは、親しい証(あかし)ですものね。

研究社 新英和中辞典でも、
first-name 【形】【A】
ファーストネームで呼び合えるほどに親しい
We're on a first-name basis [on first-name terms]. 我々は(名で呼び合う)親しい間柄だ


と出ていますし、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも、
be on a first-name basis : to know someone well enough to call them by their first name
つまり、「ファーストネームで呼ぶほどに、よく誰かを知っていること」と説明されています。

その語義のように、on a first-name basis は「親しい」ことを表していて、そのフレーズを利用しながらも、そこに semi- を付けることで、「親しいように見えるけど、実はそうでもない」感を出している、「ファーストネームで呼び合ってる仲だけど、実は名前を間違われてて、、」みたいな感じを出している、、のが、on a semi-first name basis と表現した面白さになっている、ということでしょう。

貴重なご指摘ありがとうございました!
(追記はここまで)

チャンドラーの semi- という表現に特に引っ掛かる様子もなく(笑)、上司は二人が知り合いだと知って、「彼を我々のチームに加えることについて君はどう思う?」と尋ねています。
さきほどから「上司」と説明していましたが、彼のこの発言で「フランクリン氏はチャンドラーと同じチームで働いている」ということがはっきりしましたね。
「ボブを我々のチームに加える」ことについて話していることからも、人事権を持つ地位にいることも想像できます。

Bob? Ooh, working here with us? Every day? というチャンドラーの不満そうな返事(笑)で、彼がボブを同じチームに入れたがっていないことがよくわかります。
I don't know if he has what it takes. について。
I don't know if he... で、「彼が…かどうか僕にはわからない」。
take という基本動詞には実にいろんな意味がありますが、この場合は「(時間・労力・金などを)必要とする、かかる」という意味の「必要とする」ニュアンス。
he has what it takes を直訳すると、「それが必要とするものを彼が持っている」になるでしょう。
つまり、ボブが我々と同じチームで働けるかどうかについて、「同じチームで働くのに必要とされる能力が彼にあるかどうか、僕にはわからないですね」とネガティブな返事をしたことになるわけです。
「どうですかねぇ〜、彼にはこのチームで働く能力ありますかねぇ〜」みたいに答えたので、上司は意外そうに、They love him down on six. と言っています。
down on six のように down が前に付く感覚が、「いかにも英語」っぽい感じですね。
on six は「6階」で、今、二人が話しているのが(その後のセリフでわかるように)上の階の11階なので、「ここから見て下の階である6階では」という感覚から、down on six のように、down が自然に付くわけです。
日本語で「下の6階では」と訳すと、ちょっとわざとらしい感じもしますが、英語の場合は、階の上下の場所を指す場合に、このように自然に up/down が付くことが多いですね。
頭でその場所をイメージしていると、up/down という言葉がすっと挿入されるのでしょう。
They love him の they は6階で一緒に働いている同僚たちを指し、love 「愛してる」というのは、同僚として彼の能力を認めている、「彼は気に入られている」みたいなこと。
「力があるかどうか、、」みたいにチャンドラーが否定的なことを言ったので、「あれ? ボブがいる6階では、彼は仕事ができるって評判がいいぞ」みたいに上司は返したことになります。

「6階では」と言われたのでチャンドラーは、「でもここは11階ですよ」と言って、It's almost twice as hard up here. と続けます。
almost twice as hard は「ほぼ2倍大変」ですね。
up here は、さきほどの down on six 「下の6階では」に対応する形で、自分たちの方が上に当たるのでこれも自然に「上のここでは、こちらの上では」のように、up が挿入されるわけです。
「6階では評判いいと言っても、ここは階が違います。11と6という数字は、ほぼ2倍違うから、大変さも2倍ですよ」みたいに、何だかわけのわからない理由を言ったことになりますね。

上司もその「ほぼ2倍大変」の話を真に受けたわけでもないでしょうが、ボブと知り合いらしいチャンドラーが、二度も否定的な返事をしたことから、上司はチャンドラーの意見を尊重することを決めたようです。
loud and clear を直訳すると、「大声でそしてはっきりと」になることから想像される通り、hear you loud and clear は「君の言うことははっきりと・明瞭に聞こえる、よくわかる」という意味になります。

stay put は「そのままでいる、動かずにいる、その場所にとどまる」という意味。
一見、動詞の原形が2つ並んでいるように見えますが、後ろの put は過去分詞形で、stay+補語の形、つまり、「put された(そこに置かれた)状態でとどまる、状態でいる」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stay put : (spoken) to remain in one place and not move
例) Stay put until I get back.

つまり、「(口語) ある場所にとどまり、動かないこと」。例文は「私が戻るまでそこにいなさい。」

このような、stay+補語(過去分詞)の形のものだと、stay seated 「座ったままでいる」というのもあります。
また、「チャンネルはそのままで」という決まり文句の、Stay tuned. も「tune された状態(テレビ受信機の周波数が合わされた状態)にしておく」という感覚になるわけですね。


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posted by Rach at 15:03| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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