2014年01月14日

もらってないと言い張る フレンズ8-5その5

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チャンドラーの上司のフランクリン氏は、チームの人員を増やさないと大変だ、とボヤいています。
フランクリン氏: But we really do need to find someone up here. The work is starting to pile up. I've got a stack of documents on my desk this high. (Holds his hand at shoulder level.) (しかし、我々はこの(上の)階で本当に誰かを見つけないといけない。仕事が山積みになり始めてる。私の机の上では、このくらいの高さに書類の山があるんだよ。[自分の手を肩の高さに上げる])
チャンドラー: Y'know what you should do, just toss ‘em in the shredder and claim you never got ‘em. (すべきことは、ただ、それをシュレッダーに放り込んで、そんな書類は受け取ってなかったって言い張ることですよ。)
フランクリン氏: (laughs) That's a good one, Bing. (Walks away.) ([笑って] それはいいな、ビング。[歩き去る])
チャンドラー: What does a guy have to do to be taken seriously around here?! (この辺りで、真面目に受け止めてもらうためには、どうしたらいいのかな?)

ボブの異動はなしだと決めた上司でしたが、それでも人手が足りない、書類が机の上にこんなに山積みになってる、、みたいな話をしています。
チャンドラーは、「そんな時はどうすればいいかご存知ですか?」みたいに言って、just toss ‘em... という文章を言っています。
「ただ、その書類をシュレッダーの中にトスして、そんな書類は受け取っていなかった、と claim すればいいんですよ」というところですね。

toss は「ボールをトスする」のトスで、「軽く(ぞんざいに)ぽいと投げる」という感覚。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
toss:
1. THROW ; to throw something, especially something light, without much force
2. THROW AWAY ; to get rid of something you do not want (SYN: toss out)

つまり、1. は「投げる。何か、特に何か軽いものを、力を入れずに投げること」。2. は「捨てる。自分が必要でないものを処分する」。

ロングマンの 2. の語義の「捨てる、処分する」という感覚を考えると、ただ「シュレッダーにぽいと投げ入れる」というよりは、「投げ込んで処分しちゃう」的なニュアンスまで込められている感じがしますね。

claim は「主張する、言い張る」。
日本語の「クレーム」は、「苦情」みたいな意味で使われていますが、それは和製英語で、それに該当する英語は、complain になります。
英語 claim の本来の意味は、「(当然のこととして)要求する」です。
baggage claim は「(空港の)手荷物受取所」のことですが、これも、手荷物の件でクレームを言うところ、とかではなく(笑)、自分が受け取る権利がある手荷物を自分のものだと請求して受け取るところ、ということですね。

今回のセリフでは「要求する」というよりは、「主張する、言い張る」という感覚になります。
LAAD では、
claim : to state that something is true, even though it has not been proven
例) He claimed to have discovered the ruins of a lost city.

つまり、「何かが正しいと述べること、例えそれが証明されていなかったにしても」。例文は、「彼は滅びた都市の遺跡を発見したと主張した」。

「証明されていなかったとしても」の部分がポイントで、そこから「言い張る」みたいな日本語訳にもなるわけですね。
ですから、チャンドラーは、「山積みになってる書類を全部、シュレッダーに放り込んじゃって、そんな書類もらってないぞ、って言い張ればいいんですよ」とアドバイスしていることになります。
実際には受け取って山積みになっていたものを「もらってないと主張する」わけですから、確かにその主張は真実ではない、だから、「主張する側が一方的にそう言い張っている」ニュアンスの claim という単語を使うことになるわけです。

That's a good one. は「それはいいな、いいわ」みたいな感じで、「お前、なかなか面白いこと言うじゃないか」という感覚。
笑いながら去って行った上司を見て、チャンドラーは、What does a guy have to do... というセリフを言っています。
around here は「この辺りで」なので、「このオフィスでは」と言っていることになるでしょう。
take ... seriously は「…をまじめに・真剣に受け止める」ですから、直訳すると、「ある男が、この辺り・このオフィスで真面目に受け止めてもらうためには、何をしなければならないか?」ということ。
今回、自分の発言を冗談と取られてしまったので、「冗談だと思われないようにするには何をしたらいいんだ?」というのを、「ある一人の男はどうすべきか?」のように、抽象的に表現してみた感覚なのでしょう。

仕事の書類が溜まってしまってね、、と言っている上司に、「そんなの全部シュレッダーにかけちゃって、知らんぷりしとけばいいんですよ」みたいにアドバイスしたという発言は、誰が聞いても冗談にしか聞こえないわけですが、「ここでは誰も発言を真に受けてくれない、そんな時はどうすればいい?」みたいに言ったということは、チャンドラーはこの発言を「冗談ではなく、マジで」言った、ということになります。
「そのジョーク、面白いな」と言いながら上司が去った後に、「俺、大真面目で言ってるのに、誰も俺の話をまともに聞いてくれない」みたいに言ってみせた面白さ、「今のマジで言ってたんか、チャンドラー!?」みたいなツッコミを入れたくなるオチ、ということになります。

今回のエピソードでは、オープニング・クレジットの後にも、上司と会話するシーンがありました。
そのやりとりは以下のようなものでした。
チャンドラー: You know me, sir. Oh ah, I do have a question for ya. Do you know how I get around the office computer network so I can access the really good Internet porn? (私のことをよくおわかりで。ああ、質問があるんですが。すごくいい、インターネット・ポルノにアクセスできるように、オフィスのコンピューター・ネットワークをどうやって回避するか、ご存知ですか?)
フランクリン氏: You're a joker, Bing. (お前は面白いやつ[ジョーク好き]だな、ビング。)
チャンドラー: What's funny about that? ([上司が立ち去った後] 今の(俺の)発言で、何が面白いんだ?)

チャンドラーが大真面目な顔で「会社の PC で、エッチなサイトにアクセスできるようにするには、どうしたらいいですかねぇ?」みたいに言ったのを、上司は「そのジョーク、面白いな」とウケて去り、チャンドラーは「俺は真剣に質問したのに、、」みたいに言っているという面白さです。
そういうシーンが最初の方にあったことで、今回のこのシーンも、「また同じパターンのオチ」だと気づいて笑える、という仕組みになっているわけですね。


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posted by Rach at 12:21| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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