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シーズン8 第6話
The One With the Halloween Party (恋の相手はショーン・ペン)
原題は「ハロウィーン・パーティーの話」
コーヒーハウスのセントラルパーク。フレンズたちがいるところに、チャンドラーとモニカが入ってきて、
モニカ: Hey, guys? Guess what? (ねえ、みんな。聞いて。(何だと思う?))
ロス: What? (何?)
モニカ: I know it's last minute, but we decided to have a Halloween party. (ギリギリだってわかってるけど、でも、私たち、ハロウィーンパーティーを開くことに決めたの。)
フィービー: Oh, good! (And there's general excitement.) (まぁ、素敵! [そして、みんなが盛り上がる])
モニカ: And everybody has to wear costumes. (And there's general disconcertment.) Come on! It'll be fun! (それで、みんな衣装を着ないといけないからね。[みんなが困惑する] いいでしょ! 楽しいわよ!)
ロス: Well, I'll-I'll be there. I mean I have to wear a costume to all my classes that day anyway so.... (うーんと、そのパーティーには行くよ。どの道、その日は、授業のために僕は衣装を着ないといけないからね、だから…)
レイチェル: Please tell me you're not gonna dress up like a dinosaur. (お願いだから、恐竜みたいな衣装を着たりはしない、って言ってちょうだい。)
ロス: (exhales sarcastically) Not two years in a row. ([皮肉っぽく息を吐き] 2年連続では着ないよ。)
ジョーイ: Look, I'll come to the party, but I'm not dressing up. (ねぇ、俺はそのパーティーに行くよ、でも、衣装は着ないからな。)
モニカ: You have to! (着なくちゃだめよ!)
ジョーイ: No way! Look, Halloween is so stupid! Dressing up, pretending to be someone you're not.... (絶対やだ! ほら、ハロウィーンなんてすっごくばかげてるよ! 衣装を着て、自分じゃない誰かであるふりをして…)
チャンドラー: You're an actor! (お前は俳優だろ!)
チャンドラーと二人でコーヒーハウスに入ってきたモニカは、「私たち(チャンドラーと私)は、ハロウィーン・パーティーを開くことに決めたの」と言っています。
I know it's last minute の last minute は、「最後の時」というところで、この場合は、「タイムリミット寸前の、土壇場の」というニュアンス。
つまり、ハロウィーンの日まで、ほとんど時間がないギリギリの今だけど、やっぱりパーティーをすることにしたの!と言っている感覚になります。
英英辞典の語義も確認しておきますと、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
last-minute : happening or done as late as possible within a process, event, or activity
例) a last-minute decision
つまり、「過程、イベント、活動の範囲内で、可能な限り遅く起こること、または行なわれること」。例は、「土壇場の(時間ギリギリの)決定」。
「可能な範囲内で、最終の時」ということですね。
パーティーをやると聞いて、みんなは一瞬盛り上がるのですが、その後、「みんな、コスチューム(衣装)を着ないといけないからね」みたいに言われて、ブツブツ不満を言い出すのが面白いです。
コスチュームを着る、というのは、いわゆる「コスプレをする」ということで、みんなはいちいちそんな衣装に着替えて参加するのとか、めんどくさいよ、、という気持ちのようです。
一瞬、わーっと盛り上がって、その後、ずーんと盛り下がる(笑)様子のト書き表現がなかなか興味深いですね。
盛り上がる方が、And there's general excitement. で、盛り下がった方が、And there's general disconcertment. と表現されています。
disconcert が「人を狼狽(ろうばい)させる、当惑させる」という他動詞なので、それを名詞形にした disconcertment が使われていることで、「狼狽、当惑状態になった」ことが示されていることになります。
さきほど、「コスプレ」という表現をしましたが、そのように、costume という言葉には、ただの「服」ということではなく、「特有の服装」というニュアンスがあります。
LAAD では、
costume [noun] :
1. an unusual set of clothes that you wear to an event such as a party, that makes you look like an animal, a character from a story, a ghost etc.
つまり、「パーティーなどのイベントで着なければならない、自分を動物やお話のキャラクターや幽霊などに見えるようにするような、普段とは違う服のセット(服一式)」。
えらく長い説明ですが(笑)、自分を別物に見せる「普段とは違う(unusual)」服、というのがポイントですね。
みんな不満そうな様子ながら、ロスは「パーティーに行くよ。僕はどの道、コスチュームを着ないといけないし」のように言っています。
that day つまり、ハロウィーン当日は、自分が大学で担当している授業に、コスチュームを着ていないといけないから、ということですね。
anyway という単語は、フレンズ頻出で、「とにかく」と話題を変える時によく使われる言葉ですが、日本語で言うところの、「どの道、どっちみち」というニュアンスもあります。
any+way 「どんな道」という直訳通りの日本語になるのが、面白いですね。
モニカのパーティーがあろうがなかろうが、どうせ大学で着なくちゃいけないんだから、僕は全然構わないよ、と言っていることになります。
「大学の授業の時にコスプレする」と聞いたレイチェルは、「どうか、恐竜みたいな服を着るって言わないで」と言っています。
古生物学者で恐竜オタクのロスならやりかねないと思って、「恐竜のコスプレとか、勘弁してよ!」と言っているわけですが、ここでは、wear a costume ではなく、dress up という言葉が使われていますね。
日本語で「ドレスアップ」というと、まさに「ドレスで正装する」ような様子が思い浮かぶわけですが、もちろんそういう「正装する、着飾る」という意味もあり、また、「特別な服装をする」という意味としても使われます。
LAAD では、
dress up [phrasal verb]
1. to wear special clothes, shoes etc. for fun. or to put such clothes on someone
例) We dressed the kids up as tigers for Halloween.
2. to wear clothes that are more formal than you would usually wear.
1. は、「楽しみのために、特別な服や靴を身につけること、または、そういう服を誰かに着せること」。例文は、「私たちは、ハロウィーンのために、子供たちに虎の衣装を着せた」。
2. は、「自分がいつも着ているよりも、よりフォーマルな服を着ること」。
2. の語義が、日本語の「ドレスアップ」のイメージである「フォーマルな服」のことですね。
1. の例文にも、「ハロウィーンのためにトラの衣装を着る」とあるように、dress up という句動詞とハロウィーンとは、よく使われる組み合わせだと言えるでしょう。
「恐竜のコスプレはやめてよね」みたいに言われたロスは、ト書きにあるように、皮肉っぽく息をプフッと吐いてみせます。
その様子を見ていると、「まさか、そんなことするわけないだろ」と言いたそうに見えるのですが、その後のセリフを聞いてみると、「2年連続ではしない」。
つまり、「2年連続で、恐竜のような衣装を着たりしない」と言っていることになり、それはつまり、「去年は大学の授業で、恐竜のコスプレをしたんだけど」と言っていることがわかる仕組みです。
Not two years in a row. という英語を聞いて、「2年連続では着ない、、って、じゃあ、去年は着たんかい?!」とツッコミを入れられるかどうか、がここでのポイントになるわけです。
続いてジョーイは、「パーティーには行くけど、それ用に衣装は着ない」と断言しています。
このように、「パーティーに”行く”」という場合には、日本語の「行く」から想定される go ではなく、come を使いますね。
「頭でイメージしている場所に向かう」という感覚が、come の基本的な意味になります。
「衣装は着なくちゃだめよ!」というモニカに、ジョーイは、No way! と言っていますね。
この場合の、No way! は「絶対だめだ。いやだ」という拒否のニュアンス。
ハロウィーンなんて stupid だ、と言ったジョーイはその後、「衣装を着て、自分じゃない誰かのふりをして…」と言っていますね。
その後、チャンドラーがあきれて、「お前は俳優だろ」とツッコミを入れるのも、ありがちなオチ(笑)とはいえ、やはり笑ってしまうところでしょう。
俳優を職業にしているジョーイが、「衣装を着て、他人のふりをするなんて、ばっかばかしい」と言っている面白さ、「まさにそれは、君がやってる仕事やん!」と全員から即座につっこまれそうなセリフの楽しさ、ということですね。
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