2014年02月04日

僕のためにずっと守ってくれてる フレンズ8-6その6

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フィービーは、通りでばったり出会った自分の双子の姉アースラが結婚すると聞いて、モニカが主催するハロウィーン・パーティーに、アースラとその婚約者を招きました。
アースラの婚約者エリック(演じるはショーン・ペン)と意気投合したフィービーは、彼に惹かれている様子。
アースラがエリックに嘘ばかりついているのを知って、そのことに怒りつつも、エリックには黙っていたフィービーでしたが、、、。
エリック: (entering) Hey. Ursula said she left her purse. ([部屋に入ってきて] ねぇ。アースラが自分のバッグを置き忘れたって言ってたんだ。)
フィービー: Oh. (そう。)
エリック: (finds it) What a relief. It has all the numbers of the people in her prayer chain. ([バッグを見つけて] ホッとしたよ。アースラの「祈りの鎖」の人々の電話番号が(バッグに)入ってるんだ。)
フィービー: Sure it does. Yeah, yeah. (そうでしょうね。ええ、ええ。)
エリック: Well, I guess I'll see you at the wedding. (Exits and Phoebe follows him into the hall.) (君(フィービー)には、(僕とアースラの)結婚式で会えるよね。[部屋を出て行く。フィービーは彼を追って廊下に出る])
フィービー: Umm listen, I don't think... I don't think I'm gonna make it to the wedding. So I just want to wish you all the luck in the world. (ねぇ聞いて。式には出席できそうにないと思うの。だから私は今、あなたに幸運を祈るわ。)
エリック: I think we'll be okay. Besides it's so perfect, and (whispering) she's been saving herself for me. (僕たちは大丈夫だと思うよ。それに(相性は)すっごく完璧なんだ。それから [ささやき声で] アースラは僕のために、ずっと自分をとっておいて[守って]くれてるんだ。)
フィービー: Okay, I can't let you do this! She's lying to you. (いいわ、(もう)あなたにこんなことさせるわけにはいかない! アースラはあなたに嘘をついてるのよ。)
エリック: What? (何だって?)

アースラのバッグを取りに戻ってきたエリックは、What a relief. と言って安堵の表情を見せています。
relief は「安心、安堵、ほっとすること」で、What a relief. は「ほっとした、安心した」という決まり文句ですね。
It has の it は、her purse のことで、「彼女のバッグは〜を持っている」、つまり、「彼女のバッグの中には〜が入っている」と言っていることになります。
〜に当たる部分が、all the numbers of the people in her prayer chain で、まず、prayer chain は直訳すると、「祈りの鎖」ですから、ここでは、(キリスト教の)祈祷を行う信者たちの輪・ネットワークみたいなイメージだろうと思います。
numbers は「電話番号」で、そういう敬虔な信者たちのネットワークに参加している人全員の電話番号リストがこのバッグには入ってるんだ、とエリックが説明したことになるでしょう。
フィービーは「えぇ、そうでしょうね」みたいに言葉では言ってみせていますが、このエリックのセリフで、「アースラは自分が敬虔な信者であるようなふりをして、エリックを騙しているのね」ということに気づいたことでしょう。

「(君は妹として出席してくれるから)また君には僕らの結婚式で会えるよね」と言って去って行こうとしたエリックを追って、フィービーは廊下に出ます。
I don't think I'm gonna make it to the wedding. の make it to は「〜に間に合う、到達する、たどり着く」という感覚で、このような式の場合だと「出席する、参加する」ということですね。
直訳すると、「私があなたたちの結婚式に出席することになるとは思えない」ですから、日本語らしく言うと、「式には出席できそうにないわ」というニュアンスになります。
エリックに惹かれているフィービーは、アースラがエリックに嘘ばかりついているのをこれ以上見るのが耐えられない、だからもう、結婚式に出席するのはよそう、と思ったらしいことがわかりますね。
wish you all the luck in the world を直訳すると、「世界中の全ての幸運をあなたに祈る」みたいになるでしょうか。
Wish me luck. 「私の幸運を祈ってて」というフレーズは過去のフレンズに出てきたことがありますが、そのように、wish someone luck は「人に幸運を祈る、幸あれと祈る」という意味で、luck を all the luck in the world と表現することで「強調」した形になるでしょう。

「二人の幸せを祈ってるわ」と言われたエリックは、「僕たち二人は大丈夫だと思うし、それにね、すっごくパーフェクト・完璧なんだ」と言っています。
その後、フィービーの耳元に小さな声でささやいていますが、このセリフを聞いた後、フィービーの態度が一変し、「あなたにこんなこと(アースラとの結婚)をさせるわけにはいかないわ。アースラはあなたに嘘をついてるのよ!」と、アースラがエリックに嘘をついていたことをここで暴露することになります。
それまでは、「いくら仲の悪い姉とはいえ、結婚する予定のラブラブの二人を引き裂くのは忍びない」ということだったのでしょう、姉アースラがエリックに嘘をついていることを見逃していたフィービーだったわけですが、この嘘だけは許せなかった、ということが、そのフィービーの態度の急変からわかるわけです。
それだけ、このセリフの持つ意味が重要だということで、英語学習者の我々としては、この英語を聞いて、フィービーと同じように、「それはあんまりだ、絶対に許せない」と思えるかどうかが理解できたかどうかのポイントになるわけですね。
アースラが今までついてきたいろんな嘘があるけれど、今回のだけは特別ひどい嘘だった、ということがわかったかどうか、ということです。

she's been saving herself for me. というのは、has been saving という形の「現在完了進行形」、つまり、「現在まで、ずーっと〜していた、ずっと〜し続けていた」という感覚になります。
そして、save oneself for someone というのは、直訳すると、「ある人のために、自分自身を(安全に)守る、とっておく」という感覚になるでしょうか。
古風な日本語で言うと、「操(みさお)・貞操(ていそう)・純潔を守る」みたいなことで、ダイレクトに言ってしまうと、「処女・バージンを守る」という感じですね。

Wiktionary では、以下のように出ています。
Wiktionary : save oneself
save oneself
(idiomatic, figuratively) To refrain from having sex until one meets a suitable person to date or betroth or marry
例) She told me she's saving herself for marriage.

つまり、「(慣用句的、比喩的に) デートしたり、婚約したり、結婚したりするのにふさわしい人と会うまで、エッチするのを控えること」。
例文は、「彼女は結婚まで処女を守っているのだと私に言った」。

語義にも「比喩的」とあるように、処女を守っていることを婉曲に表現した言葉だということですね。
日本語の場合でも、「彼女、僕のために自分をとっておいてくれてるんだ」みたいに言えば、そーゆー意味^^ だということはわかりますよね。

この部分、DVDの日本語訳は、
(日本語字幕) 彼女は処女だったんだ
(日本語音声) 彼女、僕が初めてだったんだ
となっていたのですが、私の解釈はそれとは少し異なりますので、以下に私が考えた解釈を説明させていただきますね。

私は、この英語のセリフのポイントは、has been saving という「”現在”完了進行形」にあると思いました。
現在完了進行形というのは、「現在に至るまで、ずーっと〜している」という感覚で、「今現在もそれをしている状態」であることを示します。
つまり、she's been saving herself for me というのは、「彼女は僕のために、現在も[今でも]守り続けてくれている」ということになるはずです。
まもなく結婚式だということですから、結婚初夜まで操を守るつもり、みたいなことでしょう。
エリックがこのことをフィービーに言う前に、prayer chain 「祈りの鎖」という言葉も出てきていましたが、そういう「敬虔なキリスト教信者」というイメージが「結婚まで処女を守る」というイメージにも繋がる気がするのですね。

人に聞こえないように、でも嬉しそうに、ささやき声で、"she's been saving herself for me." と言ったエリックは、まだ、アースラとエッチをしていない、ということになるだろうと思います。
「彼女は僕とエッチするまで、処女を守ってくれていた」ということだと、”現在”完了進行形ではなく、「僕とエッチした時」という「過去の時点」までの継続を表す「過去完了進行形」(その時までずっと〜していた)になるように思うのです。

例えばこれが、アースラとエリックがすでにもうエッチをしていて、エリックが「彼女は僕が初めてだったんだ」と何かしらの理由(??)で思っているんだったとしたら、フィービーもここまで怒らなかったと思うのですね。
「理由は知らないけど、エリックがそう思っているのなら、それでいいってことにしとこうか」になりそうかな、と。

アースラというのは本当に奔放かつ邪悪な女性で、今までもいろんな男性と関係を持ってきたことが過去のエピソードで語られてきました(フレンズ1-16, 1-17 では、ジョーイとも恋愛関係にありましたよね)。
アースラが、フィービーの名前を使ってアダルトビデオに出演していたことがわかったという話も、フレンズ6-14 に出てきました。
そういう男性遍歴が豊富であるはずのアースラが、エリックに「私、まだバージンなの」と言って騙している、エリックはそれを信じて結婚しようとしているけれど、結婚初夜で二人が初めてエッチした時、きっとアースラがバージンでなかったことがエリックにもバレてしまうだろう、、それを考えると、あまりにエリックがかわいそうで、それでもう、アースラの嘘を全部暴露しようとフィービーは心に決めた、ということだろうと私は思ったわけです。
she's been saving herself for me. という現在完了進行形で、「アースラとエリックはまだ関係を持っていない」「エリックはアースラをバージンだと信じている」「アースラはエリックを信じさせるために、”あなたと結婚するまではバージンを守りたいの”と言ってみせている」ということがわかって、人を疑うことを知らなさそうな純朴なエリックを騙しているという、そのあまりの邪悪さに我慢ならなかった、ということなんだろうなぁ、と。

エリックが、アースラ=処女、と思っているという基本的な部分は、DVD の日本語訳とほぼ同じではあるのですが、DVD の日本語訳のような「彼女は処女だったんだ」「彼女、僕が初めてだったんだ」という過去形(だった)ではなく、「彼女は処女なんだ」「彼女は僕が初めての男になるんだ」という「今でも処女である」「彼女と僕とはまだエッチしていない」という意味を表す「現在完了進行形」であり、「結婚までエッチしない、と言うことで、自分が処女だとエリックを騙している」という部分にフィービーが激怒して、アースラの嘘をエリックにバラす、という結果につながったと思った、ということですね。


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posted by Rach at 15:47| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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