2014年02月19日

簡単になってるから試練が欲しい フレンズ8-7その4

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前回の続きです。前回の最後のセリフから始めます。
レイチェル: Honey, it's not just a matter of where you put it. I mean a baby changes everything. They cry all the time. I mean, imagine bringing home some girl and trying to score when there's a screaming baby around. (ハニー、どこに赤ちゃんを置くかの問題じゃないの。(たった一人の)赤ちゃんがすべてを変えるわ。赤ちゃんはずっと泣くものよ。想像してみて、ある女の子を家に連れてきて、モノにしてやろうとしている時に、泣き叫ぶ赤ちゃんが近くにいるのよ。)
ジョーイ: I could use a challenge! It's getting pretty easy. (そういう挑戦[試練]はぜひとも欲しいね! かなり簡単になってきてるからさ。)
レイチェル: Honey, it's so sweet that you want me to stay, but I-I can't do that to you. I mean it would disrupt your entire life. (ハニー、あなたが私にとどまって欲しいと思ってくれることはとっても素敵だわ。でもあなたに対してそんなことはできない。あなたの人生全体をめちゃくちゃにしちゃうもの。)
ジョーイ: It's just-- I love living with you so much. I just wish things didn't have to change. (ただ、俺は君と暮らすことがものすごく気に入ってるんだよ。物事が変わる必要がなかったら良かったのに、って思うよ。)
レイチェル: I know. (そうよね。)
ジョーイ: Y'know, I blame Ross for this. (この件では、ロスを非難するね。)
レイチェル: I do too, a little bit. (私も同じ気持ちよ、ちょっとだけね。)
ジョーイ: I'm gonna miss you. You're the hottest roommate I ever had. (レイチェルがいなくなって寂しくなるだろうと思うよ。君は今までで最高にホットな(セクシーな)ルームメイトだ。)

レイチェルに赤ちゃんが生まれると知っていても、ジョーイは今まで通り、レイチェルにはこの部屋にとどまって欲しい、引っ越ししないで欲しいと言います。
レイチェルは、「赤ちゃんが生まれたら何もかも変わってしまう。女の子を連れ込んで、モノにしよう、っていう時に、近くに泣き叫ぶ赤ちゃんがいる様子を想像してみて」と言って、赤ちゃんがいるとどんなに大変かに気づかせようとするのですが、それに対するジョーイの返事は、I could use a challenge! It's getting pretty easy. でした。

まず、could use というのは、「〜があるとありがたい、〜がぜひとも欲しい、〜が必要だ」というニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
somebody/something could use something:
(spoken) used to say that someone or something needs or really wants something
例) You look like you could use some sleep.

つまり、「何かや誰かが、何かを必要とする、または本当に欲しいと思う、ということを言うために使われる」。
例文は、「君は睡眠が必要なように見える[睡眠をとった方がいいように見える]。」

Macmillan Dictionary では、
could use something (SPOKEN) : used for saying that someone or something needs a particular thing very much
例) You both look as if you could use a drink.

つまり、「誰かや何かが、ある特別なものを非常に必要としていることを言うために用いられる」。
例文は、「君たちは二人とも、是非一杯やりたい、って顔をしてる」。

そして、challenge の方は「挑戦」ですね。「手ごたえ、やりがい」などと訳されることもあります。
過去記事、フレンズ2-17その2 でも、challenge という言葉のニュアンスについて詳しく説明しました。
フレンズ2-17 でのやりとりは以下のようなものでした。
ガラスに水が流れるオブジェを見て
フィービー: Hey, excellent, excellent water, table thing. (まぁ、素敵な、素敵な、水の「テーブルみたいなやつ」ね。)
ジョーイ: Thanks. I love this. But you know what? It makes me want to pee. (ありがと。これ気に入ってるんだ。でもさぁ。これを見てると、オシッコしたくなるんだよ。)
フィービー: Yeah, me too. I think that's the challenge. (えぇ、私もよ。それって、challenge よね。)

want to pee がどうのこうの、、と、非常にジョーイっぽいセリフ^^ になっているのも楽しいところです。
日本語の「チャレンジ」は「トライ」と同義のイメージがありますが、「トライ」よりは「試練」「挑戦」が近いですね。

LAAD では、
challenge : SOMETHING DIFFICULT
something that tests your strength, skill, or ability, especially in a way that you find interesting
例) My new job is quite a challenge.

つまり、「自分の強さ、技能、能力をテスト(吟味)する何か。特に、自分が興味深いと思える方法で」。例文は、「私の新しい仕事は、実にやりがいがある」。

2文目の It's getting pretty easy. は、「かなり easy になっている、なりつつある」という感覚。
その前にレイチェルが、bringing home some girl and trying to score 「女の子を家に連れ込んで、モノにしようとする」という話をしていたので、それ系(笑)のこと、もしくはそれ系のことをしている時の状況が、随分簡単になってきてるから、みたいに言っていることになります。

つまり、I could use a challenge! It's getting pretty easy. は、「やりがいのある試練なら、ぜひとも欲しいね! (女の子との)エッチがかなり簡単になってきてるから」というニュアンスになるでしょう。
普通にエッチに持ち込むw ことは、最近は簡単になっちゃって面白みもないから、「近くに泣き叫ぶ赤ちゃんがいる」などの困った状況にでもなってくれた方が、やりがい、達成しがいがあっていいよ、みたいなことです。

このセリフを聞いていると、上でご紹介した LAAD の語義の、something that tests your strength, skill, or ability, especially in a way that you find interesting という意味が非常に納得できる気がしますね。
まさに、ジョーイのプレイボーイとしての「強さ、技能、能力」(笑)をテスト(吟味)する試練のようなものであり、その試練のことをジョーイ自身が「面白いじゃないか。やりがいあるよね」と思っていることも、you find interesting という語義説明に一致すると言えるでしょう。
「赤ちゃんが泣き叫ぼうがどってことない。それくらいで女をモノにできないような俺じゃないよ。最近簡単になり過ぎてるから、むしろそういう試練なら大歓迎だよ」みたいに、プレイボーイとして自信満々なセリフを言ったことになります。

ジョーイはそんな風に、「四六時中泣く赤ちゃんが一緒にいても、全然困らない」と言うのですが、やはりレイチェルはジョーイの生活が一変してしまうことに躊躇があるようです。
「私にここにとどまって欲しい、とジョーイが望んでくれていることは、とっても素敵だけど、あなたに対してそんなことはできない。あなたの人生全体・全部を disrupt してしまうもの」とレイチェルは言います。
disrupt は「崩壊させる、混乱させる」ですね。
ジョーイの気持ちは本当に嬉しいけど、ジョーイの生活・人生を乱したくない、だからやはり引っ越す気持ちは変わらない、ということが、このセリフからわかります。

ジョーイもそれ以上、レイチェルを説得することはあきらめたようで、その後は、今の気持ちを正直に語っています。
「(この部屋で)君と一緒に住むこと・暮らすことがものすごく気に入ってる・大好きなんだ」と言った後、I just wish things didn't have to change. と続けています。
これは、「I (just) wish+仮定法過去」の形ですね。
「物事が変わる必要がないなら良かったのに」ということで、レイチェルが妊娠したことで、レイチェルが引っ越す、この同居が解消される、という変化が起きてしまう、実際に起こるそういう変化が起こらなければ良かったのに、、、という現実とは反対の願望、実現不可能な願望を表しているわけです。

I blame Ross for this. の blame A for B は、「B のことで A (人)をとがめる、非難する」。
こんな風に君との同居が終わってしまうのは、レイチェルを妊娠させたロスのせいだ、とジョーイは言いたいのですね。
レイチェルも、a little bit 「ちょっとだけ」と付け加えながらも、「私もロスのせいだと非難したい気持ちだわ」と言っています。
多分、レイチェル本人も、友人であるジョーイも、今回の妊娠そのものに対して非難の気持ちを持っているわけではなく、それはおめでたいことだ、幸せなことだ、と思っている、、ただ、そのせいで楽しかった同居生活が解消されてしまうのなら、「こんなことになったのは、ロスのせいだ!」と非難したい気持ちになるよね、と言いたいということなのでしょう。
全面的にロスが悪い!と非難しているのではなく、for this 「この件のことでは、この件に関しては」というような「限定」感が、I blame Ross for this. に込められているような気がしました。

ジョーイは、I'm gonna miss you. You're the hottest roommate I ever had. と言い、レイチェルはとても嬉しそうな顔をして、二人はハグすることになります。
I miss you. は「あなたがいなくて寂しく思う」ということで、普通の恋人同士なら「あなたが恋しい、あなたが愛しい」みたいな気持ちの時に使いますね。
今回のように親しい人と離れる時のセリフだと、「君がいなくなったらきっと寂しくなるだろう(と思うよ)」というニュアンスになります。
hot はここでは「セクシー」という意味で、今まで同居したルームメイトの中で、君が最高にホットだった、セクシーだった、ということ。
レイチェルの表情を見ていると、友人であり、かつ女性経験の豊富な(笑)プレイボーイのジョーイがそう言ってくれたことが女性として素直に嬉しかったんだろうな、と思えます。
ここで改めて、miss の語義を英英辞典で見ておくと、LAAD では、
miss : FEEL SAD ABOUT SOMEBODY
to feel sad because someone you love is not with you

つまり、「愛する人が自分と一緒にいないために、悲しく感じること」。
この語義を考えると、別れ際に、I'm gonna miss you. と言われることがどれほど嬉しいかよくわかりますよね。


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posted by Rach at 15:22| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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