2014年02月26日

キレるってわかるし怒ると嫌だし フレンズ8-8その1

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は2位、「にほんブログ村」は11位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


シーズン8 第8話
The One With the Stripper (お騒がせバチェラー・パーティ)
原題は「ストリッパーの話」


[Scene: Central Perk, Joey, Monica, and Chandler are sitting on the couch and chair as Phoebe is getting coffee.]
セントラルパーク。ジョーイ、モニカ、チャンドラーがカウチや椅子に座っていて、フィービーがコーヒーを取りに行く。
レイチェル: (coming from the bathroom) Hey, Pheebs? ([トイレから戻ってきて] ねぇ、フィービー?)
フィービー: Huh? (ん?)
レイチェル: I'm having dinner with my dad tomorrow night, do you wanna come? (明日の夜、パパと一緒にディナーするのよ。あなたも来たい?)
フィービー: Sure. Yeah, he's kinda sexy. (もちろん。えぇ、あなたのパパはセクシーって感じだから。)
レイチェル: Oh no, no, I'll be there too. (違う違う違う。私もそこに行くのよ。)
フィービー: Okay so, we'll just come up with some kind of signal. If it's going well, you can take off. (わかった、じゃあ、何か合図を考えよう。もしいい雰囲気になったら[うまく行ったら]、あなたは行っていいわ。)
レイチェル: No, Phoebe! I just need you there for support. I haven't told him I'm pregnant yet. (違うのよ、フィービー! 私はサポートのためにあなたにそこにいてもらいたいの。私が妊娠してるってこと、まだパパに言ってないのよ。)
フィービー: Oh. Why not? (まぁ。どうして言ってないの?)
レイチェル: ‘Cause I know he's gonna flip out and I hate it when he's angry. (だってパパがキレるってわかるし、パパが怒ると嫌なのよ。)
フィービー: Oh, Rachel, this is all so "Papa Don't Preach." (まぁ、レイチェル、これってすっかり、すごく「パパ・ドント・プリーチ」(の世界)ね。)

レイチェルはフィービーに、「明日の夜、パパとディナーするから、フィービーも来たい?」みたいに言っています。
それに対してフィービーが、「えぇ、あなたのパパってちょっとセクシーだもんね」みたいに言うので、レイチェルは慌てて、「パパとフィービーが二人で食事するんじゃなくて、私も一緒に行くのよ」と説明します。
それなのにまだ、そっち系(笑)の方面で話を進めようと頑張るフィービーが面白いですね。
come up with は「(アイデア・答えなどを)見つける、思いつく、考えつく」という感覚なので、come up with some kind of signal は、「ある種の合図を考える」という感じ。
If it's going well は、「状況がうまく行ったら」。
take off は「テイクオフ、離陸」のイメージからも想像できるように、「立ち去る」というニュアンス。
ですから、いい感じになって、いい雰囲気になったら、あなたは行ってよし!みたいに言っていることになります。
とりあえず最初は3人で食事するとして、合図をあらかじめ考えておくから、いいムードになったらあなたは帰ってね、と言っているわけです。

何だか勘違いしているフィービーに、レイチェルは会食の目的を説明します。
「サポートのために、あなたにそこにいてほしいの。パパにまだ、妊娠したことを話してないから」というのが会食の理由ですね。
ここでの Why not? は言葉通りの意味で、「どうして not なの?、どうしてまだ話してないの?」ということ。
レイチェルは、‘Cause (=Because) を使って、その理由を説明します。
flip out は「正気を失う、かっとなる、キレる」というニュアンス。
flip は元々、「(指先で)はじく、ぴょんと動く」という動詞で、flip a coin だと「硬貨を投げて表か裏かで決める」ということですね。
その「はじく」感じ、「ぴょん」という動きの感じは、日本語の「ブチ切れ」「ブチっと切れる」「プッツンする」のような音の感覚と通じるものがある気がします。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
flip out [phrasal verb] (informal) :
to suddenly become very angry or upset, or start behaving in a crazy way
例) The guy just flipped out and started shooting.

つまり、「突然、非常に怒る、取り乱すこと、またはクレイジーな風に行動し始めること」。
例文は、「その男はキレて、発砲し始めた。」

LAAD のようなアカデミックな辞書には似合わない(笑)なんとも過激な例文ですが、いきなり銃を発砲するぐらいのキレ方にも使われる、ということですね。

改めて、flip という動詞の語義も確認しておくと、
LAAD では、
flip : to turn something over or put into a different position with a quick, sudden movement, or to turn over in this way.
つまり、「何かをひっくり返す、または別の方向に向ける、素早く突然の動きで。または、このようにひっくり返ること」。
語義の中の、with a quick, sudden movement 「突然の素早い動き」がポイントだと言えそうですね。

「(妊娠のことを告白したら)パパがブチ切れるってわかってるし」と言った後、I hate it when he's angry. とも言っています。
直訳すると、「パパが怒る時、it がいや・嫌い」みたいな感じになりますが、「誰かが〜するのがいや」みたいに言いたい場合には、このように、I hate it when SV の形を取ることも多いですね。

過去記事、発言の後にドラムの音 フレンズ6-7その6 で、
ロス: Oh y'know what, girls don't like it when I start talking about science. (あぁ、それからさ、女の子は科学の話を始めるといやがるよ。)
というセリフが出てきましたが、これも、they don't like it when... のように、今回と同じパターンになっています。

その過去記事で、when の前に it が入る感覚を説明したのですが、今回のセリフについてもここで簡単に説明しておきますね。
I hate it when he's angry. は、「パパが怒る時、私はそういう状況を嫌だと思う」のような感じになるでしょうか。
「(人)が〜するのが嫌だ」と言いたい場合には、hate という動詞だと、I hate him to be angry. / I hate him being angry. のように、目的語の後に、to 不定詞、動名詞、の両方を取ることが可能です。
ですが、今回はその形ではなく、I hate it when he's angry. となっているので、「彼が怒るのが嫌、彼が怒ることが嫌」→「彼に怒って欲しくない」というよりも、「彼が怒ると嫌、彼が怒った時のその場の雰囲気や状況が嫌」みたいに言っている感覚になるように思うわけです。
hate の後には hate する対象となる目的語が必要ですが、when he's angry は「彼が怒っている時」という副詞節だから、直接、hate の目的語にはなり得ない、、だから、it をいう目的語を置いてから、when... 以下を続ける、という構造になっているのでしょう。
フレンズ1-22その1 にも、
ロス: I love it when we share. (そういう話をみんなに披露してくれるのは楽しいよね。)
というセリフがありましたが、これも、love it when SV の形ですね。

「パパがキレるってわかってるし、パパが怒ると嫌だし」というレイチェルに、フィービーは、
this is all so "Papa Don't Preach." だと言っています。
これは、すっかり(all)、so(とても、すごく)「パパ・ドント・プリーチ」ね、と言っている感覚で、もう少しわかりやすく言うと、「これって完全に”パパ・ドント・プリーチ”の世界よね」というニュアンスになるでしょう。
Papa Don't Preach は、マドンナの1986年のヒット曲。
Wikipedia 日本語版: パパ・ドント・プリーチ の「プロモーション・ビデオ」の説明にあるように、
「"未婚、未成年での出産"という、アメリカ社会が抱える問題がクローズアップされている。」
作品なのですね。
以下の歌詞も、そういう内容を象徴していると言えるでしょう。
Papa I know you're going to be upset
Papa don't preach, I'm in trouble deep
But I made up my mind, I'm keeping my baby

今回のレイチェルは未成年ではなく、結構いいオトナ(笑)ですが、「パパは妊娠のことを聞いたら怒るでしょう。でもお説教しないで。私は赤ちゃんを産むわ!」という状況はそっくりなので、まるでマドンナの歌みたいね!とフィービーは笑いごとのように言ったことになります。

ちなみにこの曲は、私が高校生の時に流行った歌です(ふ、古い!w)
フレンズのメンバーたちもだいたい私と同世代の設定ですから、自分が高校生くらいの時に流行った「未成年の妊娠をテーマにした曲」ということで、フレンズたちにとっても印象深い曲だったはずです。
そういう意味でもここでフィービーが例えに出したのは、世代的にもドンピシャな感じがして面白いなぁ、と思いました^^


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 15:44| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。