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モニカがチャンドラーのためにストリッパーを雇ったのですが、それが売春婦とわかって、チャンドラーとジョーイはどうしようかと困っているところ。
「売春婦にどっちが帰るように言うか、じゃんけんで決めよう」というチャンドラーを見て、ジョーイは「こういうの懐かしいな。お前とこうして一緒に時間を過ごすのが」と言います。
チャンドラー: Well, we... we still hang out. (俺たち、今でも一緒にいるじゃないか。)
ジョーイ: Not like we used to. Remember? You and me used to be inseparable. Y'know, now it's like... things are different. (前みたいな感じじゃないよ。覚えてる? お前と俺はいつも一緒だった[切っても切れない仲だった]。今はほら…状況が違ってる。)
チャンドラー: Well, y'know, things are different. I'm... I'm married now. (あぁ、状況は(確かに)違うよな。俺は…今は結婚してるし。)
ジョーイ: Oh, sure-And hey, don't get me wrong, I am so happy for you guys. I just... I miss... hanging out.... Just-just us, y'know? (あぁ、そうだな。で、ほら、誤解するなよ。俺はお前たち二人のことをほんとに祝福してるんだ。俺はただ…一緒にいるのが懐かしいんだ。ただ俺たち(二人)だけで、ってのがね。わかるだろ?)
チャンドラー: Yeah, I miss that too. I tell you what; from now on, we'll make time to hang out with each other. (あぁ、俺だって恋しいよ。なぁ、これからは、二人で一緒に過ごす(遊ぶ)時間を作ろう!)
ジョーイ: You got it. Come here. (They hug and are observed by the hooker.) (了解! 来いよ! [二人はハグする、その二人を売春婦が見ている])
売春婦: Oh, God! Listen, I am this close to robbing you guys. (Does the close sign.) (なんてこと! ねぇ、あなたたちから泥棒するまで、あと、このくらいよ[あとこのくらいであなたたちのところから泥棒するわよ]。 [これくらい近い、というしぐさをする])
モニカ: (entering quickly) She's a hooker! She's a hooker! She's a-- (Stops as she sees her.) Hi! Uh, we spoke on the phone. (Goes and shakes the hooker's hand.) ([急いで入ってきて] 彼女は売春婦よ! 彼女は売春婦よ! 彼女は… [モニカは売春婦を見て黙る] はーい。あのー、私たち、電話で話したわよね。 [近づいて、売春婦と握手する])
お前と、hang out するのがなつかしい、と言われたチャンドラーは、ちょっと驚いた様子で、「俺たち、今でもまだ、一緒に時間を過ごして遊んでるぞ」と返します。
Not like we used to. は「俺たちが以前にそうしていたようにはしていない、以前にしていた感じとは違う」ということ。
確かに、昔も今も、hang out してるけど、今は以前の様子とは違ってる、と言いたいのですね。
You and me used to be inseparable. は「俺とお前とは、以前は(かつては)切り離すことができなかった」という感覚。
inseparable は、separate 「切り離す」という動詞に、in- 「不」、-able 「可能」をつけて、「切り離すことが不可能、切り離すことができない」という意味にしたもの。
人間関係で言うと、「離れることができない、切り離すことができない、離れがたい、切っても切れない」ような仲を表す言葉で、兄弟姉妹や、友人、恋人など、さまざまな人間関係で使うことができます。
ジョーイは、used to 「以前は〜だった」、now it's like 「今は…という感じだ」のように、過去と現在と対比する形でその変化を説明します。
things are different. の things は、漠然と「ものごと」を指す感覚なので、「状況が(いろいろと)違っている、変わってしまった」というニュアンスになるでしょう。
チャンドラーもそれに同意して、同じ言葉を言った後、「俺は今は結婚してるから」と言います。
ジョーイが言うように、俺が結婚したことで、確かにいろいろ変わっちゃったよな、とチャンドラー自身も改めて気づいた感覚です。
寂しそうにそう言ったチャンドラーを見て、「あ、誤解しないでくれよ。お前たち二人のことは、ほんとに心から祝福してる、嬉しいと思ってるけど」とジョーイは言って、「俺はただ、一緒にいるのが、ただ二人だけでいるのが恋しい」と言います。
チャンドラーの結婚後は、こんな風に二人きりで楽しく過ごすことがなくなった、それが懐かしくて恋しいんだよ、ということですね。
過去記事、ところどころに置いてある フレンズ6-22その1 では、フィービーが美術館のチケットを3枚持っていて、男性陣が全員断ったため、女性陣3人で行くことが決まった時に、
フィービー: Great! Okay then it's just us girls! (良かった! オッケー、それじゃあ、私たち、女性陣だけね!)
と言っていました。
この just us girls のニュアンスが、今回の Just us. 「俺たちだけ(で)」と同じだということです。
それを聞いたチャンドラーは、「俺も二人だけで遊んでたことが懐かしいよ、今はそれがなくなって寂しいよ」と答え、これからは二人で一緒に遊ぶ時間を作ろう、と提案します。
そして二人はハグすることになるのですが、ト書きにあるように、その様子を売春婦が見ています。
ト書きで observe が使われているのは「観察している」感覚ですね。
仕事で呼ばれたから来たのに、長い間ほったらかしにされて、様子を見に出てきてみたら、男二人が幸せそうに抱き合っている(笑)というその光景に、売春婦の女性が不満そうにセリフを言っているのですが、そのセリフの表現がなかなか面白いですね。
I am this close to robbing you guys. を直訳すると、「あなたたちを rob することまで[rob するところまで]、私はこれくらい近い、これくらいの近さの距離のところにいる」という感じ。
close to は「〜に近い」ということですから、「〜寸前で」という意味にもなります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
close [adjective] : LIKELY TO HAPPEN
seemingly likely to happen or to do something soon
close to doing something
例) The two countries are close to signing a peace agreement.
つまり、「一見(見たところ)、起こりそうである、または何かを間もなくしそうであること」。
例文は、「その二国は和平合意に調印しそうである」。
このセリフの this close の部分を言う時に、売春婦は「これくらいの近さ」という風に、指で短い長さを示しています。
ト書きの、Does the close sign. というのは、「”近い”のサイン、(これくらいの)近さというサイン・手真似・身振りをする」という感覚ですね。
rob you guys は「あなたたちから(金品を)強奪する、略奪する、奪う」ということで、このように、rob の目的語は「もの」ではなく「人」になります。
それについては、まさにそのまんまのタイトルの過去記事、強奪する、の目的語は人 フレンズ4-2その6 で解説しています。
つまり、彼女は「私を待たせてそっちで勝手に盛り上がってくれちゃって。私をほったらかしにしておいたら、あとちょっとで、あなたたちの持ち物をごっそり盗んでしまうわよ」みたいに言っているのですね。
もういい加減怒ってて、盗みを働く寸前のところまで来てるのよ、あとこれくらいで盗んじゃうわよ、というニュアンスです。
this close で「このくらい」と指で示すところが、生きた英語っぽい感じがして、こういう身振り付きのセリフは、映像付きのドラマだからこそ学べるんだよなぁ、と思ったりしました。
そんな話をしているところに、モニカが慌てて駆け込んできます。
ストリッパーだと思って雇ったのに、実は彼女は売春婦だった、と知って、慌てて家に帰って来たのですね。
部屋に入るなり、She's a hooker! 「彼女は売春婦よ!」と連呼しているのですが、まさにその She が正面に立っているのを見て、本人を目の前にしてさすがにそれは言えなくなってしまい、自分の今の発言がなかったかのように、挨拶をするモニカが面白いです。
We spoke on the phone. は「私たち、電話で話したわよね」ということ。
同僚の男性から彼女の電話番号を教えてもらった、とモニカは言っていましたので、確かに二人は電話で話したことがあるわけです。
バツの悪い状況になったので、ちょっと話題を変える感じで、さも今初めて彼女がいることに気づいたかのように、挨拶してみた感じですね。
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2014年03月10日
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