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ロスの高校時代の同級生ウィル(演じているのはブラッド・ピット)は、高校時代にものすごく太っていた時、レイチェルにものすごくいじめられたことを、今でも恨んでいます。
感謝祭のディナーにやってきたレイチェルを見て、怒りが爆発したウィルは、レイチェルをにらみながら、ロスに以下のようなことを言います。
ウィル: Look at her standing there with those yams! My two greatest enemies, Ross: Rachel Green and complex carbohydrates. (あの(感謝祭の)サツマイモ(料理)を持って、あそこに立っているあいつ(彼女)を見ろよ! 俺の二大天敵だ、ロス。レイチェル・グリーンと複合炭水化物だよ。)
モニカとロスは、「ウィルが高校時代、レイチェルにいじめられていたこと」を知っているのですが、レイチェルを含め、他のフレンズたちはそのことを知りません。
ウィルはレイチェルに怒りの視線を向けながらも、みんな一緒のテーブルについて、感謝祭の料理を食べることになった場面。
レイチェル: Oh y'know what? Can we please keep the chicken and the turkey and everything on the other side of the table? The smell is just yuck! (ねぇ、そのチキンやターキーとかをテーブルの向こう側に置いていいわよね? その匂いがもう、ウェ〜!なの![気持ち悪いの!])
ウィル: (sneeze talks) Typical. ([くしゃみで(くしゃみのふりをして)しゃべる] ティピカル[典型的だな・象徴的だな]!)
レイチェル: I'm sorry. What? (えーっと、何?)
ウィル: I said it was typical. Typical of you, Rachel Green, Queen Rachel does whatever she wants in little Rachel-land. (Does a fake hair flip.) (ティピカル(典型的だ)と俺は言ったんだ。君の典型だよ(いかにも君らしいよ)、レイチェル・グリーン、レイチェル女王様は、レイチェル・ランドで、したいことを何でもするんだ。[髪をさっとなびかせる真似をする])
ジョーイ: (To Monica) Seriously, who is this guy? ([モニカに] まじで、この男、誰?)
レイチェル: Umm, I'm sorry. Do you-do you have a problem with me? (あの、、申し訳ないんだけど、あなたは、あなたは私に何か問題があるの?)
ウィル: I don't know? Do I? Do I? (僕にはわからないねぇ。あるかな? あるかな?)
フィービー: I think you do. (あると思うけど。)
モニカ: (To Rachel) Apparently you were umm, a little mean to him in high school. ([レイチェルに] どうやら、あなたは、その、、高校時代、彼にちょっといじわるだったようなのよ。)
ウィル: A little mean? You made my life miserable! (ちょっといじわる? 君は俺の人生をみじめにしたんだ!)
レイチェル: I'm-I'm-I had no idea. I'm sorry. I.... (私は、私は…私は何のことかわからないわ。ごめんなさい、私は…)
ウィル: Well, you should be. Screw it! Bring on the yams! (あぁ、君は申し訳ないと思うべきだ。ちくしょう! イモを持ってこい!)
モニカ: Oh, Will. But you-you've worked so hard.... (あぁ、ウィル。でもあなたは一生懸命頑張って…)
ウィル: Yams!!!! (イモだ!!)
モニカ: Okay. (Chandler grabs the dish from Monica and hands it to Will who starts dishing out a large helping.) (わかったわ。[チャンドラーはモニカから皿を受け取り、それをウィルに手渡す。ウィルは自分の取り分をどっさり皿に入れ始める])
まず、最初に取り上げた「二大天敵」のセリフについて。
yam というのは、「ヤムイモ」のことですが、アメリカでは「サツマイモ」のことも yam と言います。
ここでは、感謝祭のサツマイモ料理のことを yam と呼んでいるのですね。
レイチェルが、その料理のお皿を手に持っているのをにらみつけながら、ウィルは、「あのイモを持って、あそこに立っているレイチェルを見ろよ」と言いながら、My two greatest enemies という言葉を言っています。
「俺の最も大きな2つの敵」なので、日本語だと「二大天敵」というところですね。
その2つの天敵が、コロン(:)以下で説明されているのですが、1つ目はレイチェル・グリーンで、2つ目は complex carbohydrates 、つまり、「複合炭水化物」(コメやイモ類など)になります。
complex carbohydrates のような専門用語を使っているのがこのセリフのポイントで、ダイエットの時、それらの食品の摂取を控えるようにと医師に何度も言われたらしいことが想像できるわけですね。
感謝祭の食卓で、レイチェルは、Can we please keep... 以下の文章を言っています。
keep 以下の目的語が長いので構造がわかりにくいですが、要は、Can we please keep 〜 on the other side of the table? ということで、「〜をテーブルの反対側にキープする、反対側に置いておくことが私たちはできるわよね?」という感覚。
チキンやターキーやあれやこれやを、テーブルの向こう側に置いてもいいわよね?みたいなことです。
The smell is just yuck! の yuck は「ウェ〜、オェ〜、ゲェ〜!」みたいな、気持ち悪さや嫌悪を表す間投詞。なので、「その(食べ物の)匂いが、ただ、ウェ〜!って感じなのよ」と言っていることになります。
少し前のやりとりに出てきた、レイチェルは家禽類が嫌いだ、という話からも、チキンやターキーを嫌がる理由はわかりますし、レイチェルは今、妊娠中ですから、特に匂いに対して敏感なのもうなずける話です。
そういう意味では、まぁ、それほど、わがまま発言なわけでもないのでしょうが、レイチェルを心の底から憎んでいる(笑)ウィルは、くしゃみをしたようなふりをしながら、Typical. という言葉を発しています。
typical は「典型的な、象徴的な」という意味ですが、確かに、くしゃみみたいな感じで発音しているのが面白いですね。
自分の発言の直後に、くしゃみのようだけど、Typical と聞こえる言葉(笑)が聞こえてきたので、やはりそこにはレイチェルも引っかかったようで、レイチェルは、I'm sorry. What? と尋ねています。
この I'm sorry. は謝罪の「ごめんなさい」ではなく、相手の発言を聞き返す、問い返す時の「すみませんが(失礼ですが)、もう一度言って下さい。何ですって?」みたいなニュアンス。
自分の発言にレイチェルが気づいたと知って、ウィルは「俺は、典型的だと言ったんだ」と言って、その後も、レイチェルに対する憎悪を隠そうともせず、言葉を続けています。
君の典型だよね、いかにも君らしいよね、と言って、「クイーン・レイチェルは、リトル・レイチェル・ランドで、やりたいことを何でもする」と言います。
little Rachel-land の little には、「ちょっとした、とるに足りない、くだらない」という非難のニュアンスが含まれているのでしょう。
「レイチェル女王様は、ちっぽけな・くだらないレイチェル王国で、したいことを何でもするんだもんな」と言った感覚になりますね。
その後のト書きの Does a fake hair flip の flip は、「はじくこと、ぴょんと動かすこと」という感覚で、高慢ちきでプライドの高そうな女性が、どや顔で髪の毛をさっとなびかせる様子(笑)を、ウィルが真似てみせたことになります。
ロスとモニカは、ウィルがレイチェルを憎んでいることを知っているのですが、レイチェルを含め、他のフレンズたちは、そのことを全く知りません。
何だか急に、レイチェルに対して悪意に満ち溢れた言葉を発したので、明らかに様子がおかしいとみんなにもわかったようで、ジョーイは、「まじで、こいつ、誰?」と聞いているわけですが、このセリフは、seriously の部分がポイントですね。
今回のエピソードで、ジョーイがウィルのいる部屋に入ってきた時、ジョーイはターキーを丸ごと1匹食べないといけないのに、スナック菓子を食べていたことで、モニカに怒られていました。
その後、以下のようなやりとりがあったのですね。
ジョーイ: Don't worry, Tribbianis never get full. (心配すんな、トリビアーニ家の人間は決して満腹にならない。)
ウィル: I actually know what you're talking about. I'm here to tell you something, my friend, you can eat and eat and eat, but nothing will ever fill that void. (実は俺は、君の言っていることがよくわかるよ。わが友よ、俺はここで君にこう言うよ。食べて食べて食べて、、をすることは可能だけど、なにものも、その空虚感(むなしさ)を埋めることはないんだ。)
その発言に、「そうそう!」みたいにウィルを指さして微笑むものの、モニカの方を振り返ってから、背後のウィルを指で示しながら、
ジョーイ: (To Monica) Who the hell is this guy? ([モニカに] 一体、こいつは誰なんだ?)
その後、モニカが「高校時代の友人のウィルよ」と紹介して、二人は挨拶を交わすことになります。
ジョーイはただ、「満腹になるかどうか」の話をしているだけなのに、ウィルの方は、昔、大食いでものすごく太っていたこと、その後、必死にダイエットして今のような姿になったこと、という過去があるために、「腹いっぱいにならない」という発言を聞いて、「俺もその気持ちはよくわかる。食べても食べてもむなしさ(void)を埋めることはできないんだ。いつまで経っても満足できないんだ」と口を挟んだわけです。
その時は、普通に紹介し合って、特に問題もなかったのですが、ジョーイとしては、部屋に入ってきていきなり、空虚がどうの、という小難しい話をされたことで、「何だこいつ?」という第一印象は間違いなくあったわけですね。
そのように、今回のエピソードのあるシーンで、"Who the hell is this guy?" と一度尋ねた経緯があるので、今回の「レイチェル女王様は、、」発言に対して、「俺、さっきも聞いたけど、ほんとにまじで、こいつは誰? 一体何者?」みたいに言ったのが、Seriously のニュアンスになります。
コメディーの定番である、「少し前に出たネタを、後でまた使う」というパターンですね。
その後、レイチェルは、「あなたは私に何か問題でもあるの?」と尋ねると、ウィルは、「わからないね」と言いながらも、かなり興奮した様子で、Do I? Do I? と逆に聞き返しています。
ウィルにしてみたら、「問題あるかだなんて、もう、大ありだよ!」と言いたいところなのですが、レイチェルが全くそれに気づいていない様子なので、余計に腹が立ってきているわけです。
Do I? Do I? は、直前のレイチェルの質問を受けた形で、「俺は君について・君に対して、何か問題があるかな? あるかな?」と聞き返すニュアンスですが、疑問文で言いながらも、ウィルの本音は「あるに決まってるだろ?! 自分のしたことも忘れて、そんなことを質問するなんて、信じられないやつだ!」という気持ちですよね。
隣にいるフィービーが、激高した様子のウィルを見ながら、I think you do. と言うのも面白いです。
ウィルが疑問文で「あるかな?」と言ったので、「(あなたの様子を見ていると、間違いなく)あなたはレイチェルのことで問題があると思うわ」と、ウィルの質問に回答したかのようなセリフになっているわけですね。
誰が見ても、問題ありで、聞くまでもないことなのに、わざわざ、「うん、あるかと聞かれたら、あると思う」みたいにご丁寧に答えているのが、ちょっとピント外れのフィービーらしいところ。
レイチェルは、まだ状況が呑み込めていないようなので、事情を知っているモニカが説明することになります。
「どうやら、レイチェルは、高校時代、ウィルにちょっといじわる(a little mean)だったようなのよね」と、ちょっとボカした感じで説明するのですが、その表現にまたウィルは怒り出し、「ちょっといじわる、だったって? ちょっとどころじゃない、君は俺の人生をみじめ(不幸)にしたんだ!」と叫んでいます。
「俺の人生をみじめにしやがって!」みたいに言われてしまったレイチェルは、オロオロして、I have no idea. 「私には何のことか全くわからない」みたいに言って、I'm sorry. と言っています。
今回とりあげたやりとりでは、レイチェルが何度も I'm sorry. と言っていますが、今回のこれは、日本人がイメージする「ごめんなさい」の謝罪の I'm sorry. だと考えれば良いでしょうね。
レイチェルはまだ、高校時代に彼をいじめた記憶が全くよみがえっていない様子ですから、高校時代にいじめてごめんね、という感覚よりは、ウィルがそんなに怒っているんだから、きっと何か私は悪いことをしたのね、何も覚えてないけど、すっかり忘れてしまっていることを含めて、とにかくごめんなさい、みたいな気持ちで、I'm sorry. と言った気がします。
you should be. は、you should be sorry. ということで、「そうさ、君は sorry と思うべきだ」みたいなこと。
その後の、Screw it! について。
英辞郎には、
Screw it. =ちくしょう。/えーい、もうどうでもいい。
と出ています。
この screw は俗語で、卑語の f*ck のような意味です。
ですから、Screw it. は、F*ck it. と同じようなニュアンスですね。
Wiktionary : screw it では、以下のように説明されています。
Interjection
screw it!
(idiomatic, vulgar) Expression of frustration or contempt.
例) This mathematical problem is really difficult. Oh, screw it! I can't be bothered.
Synonyms: f*ck it (vulgar), f*ck this (vulgar), screw this (coarse), whatever
(注:卑語の f*ck は、私が伏字にしました)
つまり、screw it! は、「間投詞(イディオマティック、卑語) フラストレーション(欲求不満)、または、侮辱の表現」。例文は、「この数学の問題はほんとに難しい。あぁ、ちくしょう! めんどくさい」。
同義語(類義語)として、f*ck の使われた表現も挙げられていますよね。
Screw it! というキツい表現で、イライラをあらわにした後、ウィルは、Bring on the yams! と大声で叫んでいます。
これは、「サツマイモを持ってこい! サツマイモを出せ!」みたいなニュアンスですね。
今回の記事の最初でとりあげたセリフにあったように、ウィルは、自分にとっての二大天敵(My two greatest enemies)を、高校時代に自分をいじめた Rachel Green と、complex carbohydrates (複合炭水化物)だと言っていました。
ですから本来なら、まだダイエット中のウィルは、そういう炭水化物は食べないのですが、イライラが募って、我慢できなくなった様子が、"Bring on the yams!" というセリフからわかるわけです。
少し前のシーンで、イモは天敵だ、と言ったセリフが出てきた後だからこそ、このウィルのセリフに笑ってしまうのですね。
同じくダイエットで苦労したモニカは、同志(笑)として、「あぁ、ウィル、でもあなたは一生懸命頑張って、ダイエットしたのに…」みたいに言いかけるのですが、ウィルはモニカの発言を遮るように、Yams!!!! と叫ぶことになります。
ト書きにあるように、モニカがチャンドラーに、チャンドラーがウィルに、サツマイモ料理の皿を手渡すのですが、スプーンで料理を自分のお皿に、ベチャ、ベチャっと入れながらも、ウィルはレイチェルから視線を離さず、怖い顔で睨んでいます。
ト書きの helping は「食べ物の一杯、ひと盛り。一人前」のことで、dish out a large helping は「一人前を大量に、皿に取り分ける」という感覚になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
helping : the amount of food that you are given or that you take
例) He took a huge helping of potatoes.
つまり、「人が与えられる、または自分で取る、食べ物の量」。例文は、「彼は、自分の分のポテトを大量に取った」。
今回のセリフとロングマンの例文を比較すると、同じようなイモ類(笑)であること、そして、a large helping / a huge helping と似たような表現が使われていることが興味深いですね。
レイチェル役のジェニファー・アニストンの夫(その当時の夫、then husband ですが)で、大スターのブラピが、レイチェルをものすごく憎悪する役で登場し、ジェニファーに対して、ものすごい形相で睨んでいる姿には、観客も視聴者も大喜びだったことでしょう。
フレンズファンにとっては、実に楽しいエピソードです(^^)
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2014年03月20日
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