2014年03月24日

加入ではなく共同設立 フレンズ8-9その5

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高校時代にいじめられたことで、レイチェルを憎んでいるウィルは、「憎んでいるのは俺だけじゃなくて、"I Hate Rachel Green Club" というクラブまで存在したんだ」と説明します。
そのクラブのメンバーにロスも入っていたと知ったレイチェルは、
レイチェル: So Ross, we went out for two years and you never told me you were in an "I Hate Rachel" club. (それじゃあロス、私たちは2年間も付き合っていたのに、自分が「レイチェル大嫌いクラブ」に入っていたことを私に話さなかったの?)
ウィル: You went out with her?! We had a pact! (ロスはレイチェルと付き合ってたのか? 俺たちには協定があっただろ!)
ロス: That was in high school! It's not like it was binding forever. (それは高校時代の話だ! 永久に拘束力があるってことじゃないだろ。)
ウィル: Then why did it have the word "eternity" in it? (それじゃあ、どうしてその協定には「永遠」という言葉が入ってたんだ?)
レイチェル: Okay, Monica? Did you know about this?! (ねぇ、モニカ。あなたはこのことを知ってたの?)
モニカ: I swear I didn't. (To Ross and Will) Hey! Is that why you guys used to go up to your bedroom and lock the door? (誓って言う、私は知らなかったわ。[ロスとウィルに] ねぇ。あなたたち二人が、いつもロスの寝室に上がって、ドアに鍵をかけてたのは、そういう理由なの?)
ロスとウィル: Yeah. (そうだ。)
モニカ: Hmm, a little relieved, I gotta say. (ふーん、ちょっと安心したわ、っ言わなきゃね。)
ロス: Look, Rach, I-I'm sorry, okay? I... I was a stupid kid, okay? The only reason I joined-- (ねぇ、レイチェル、ごめんよ。僕はバカな子供だったんだよ、だろ? 僕が(そのクラブに)加入した唯一の理由は…)
ウィル: Co-founded! (共同設立した!)
ロス: ... co-founded. Co-founded the club was that I was insanely in love with you. Obviously I didn't handle it very well. But if you think about it, the "I Hate Rachel Club" was really the "I Love Rachel" Club. (…共同設立した、だ。そのクラブを共同設立したのは、僕が、気が変になりそうなほど、君に恋していたからだ。明らかに僕は、その気持ちをあまりうまく扱えていなかった。でも考えてみたら、「レイチェル大嫌いクラブ[レイチェルを憎んでるクラブ]」は本当は「レイチェル大好きクラブ[レイチェルを愛してるクラブ])だったんだよ。)
ウィル: Uh, except that it was really the "I Hate Rachel Club." (あー、それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であったということを除いてはね。)

I Hate Rachel Green Club が存在していたこと、そしてそこに、元恋人のロスも在籍(笑)していたことを知ったレイチェルは、あきれた顔で、「私たちは2年間も付き合っていたのに、あなたはそのことを私に一度も言わなかったの?」と言っています。
go out は「外出する、出かける」ですが、恋愛の話になると「付き合う、交際する」という意味になりますね。
「付き合っていた」という言葉にウィルも反応し、「ロスはレイチェルと交際してたのか? 俺たちには pact があったのに!」と言っています。
pact は「協定。契約、約束」ですね。
それを聞いたロスは、「クラブ内の協定と言っても、それは高校時代の話だろ」と言った後、
It's not like it was binding forever. と言っています。
bind は「縛る、くくる」という動詞で、その -ing 形の binding は「縛っている」という意味から、「拘束力がある、拘束力を持つ」という意味になります。
It's not like は「…というわけではない」ですので、つまりロスは、「その協定が永久に・永遠に拘束力を持つってわけじゃない」と言っていることになります。
「たかが高校時代の約束なんだから、大人になったらそんなものは反故(ほご)にしてもいいだろ」と言いたいのですが、ウィルは引き下がることなく、「それじゃあどうして、その協定には、eternity 「永遠」という言葉が入ってたんだ?」と指摘します。
「永遠に〜しない(ことを誓う)」的な文言が、いかにも「高校生が結んだ協定」っぽくて面白いわけですね。

「このことを知ってたの?」と聞かれたモニカは、「私は知らなかった、誓って言うわ」と言っています。
その後、ロスとウィルに対して、Is that why...? 以下の文章を言っていますね。
Is that why...? は、Is that the reason why...? ということで、that は、少し前の話題、「ウィルとロスが、レイチェル大嫌いクラブに入っていた」ことを指します。
つまり、「二人がそのクラブに入っていたことが、二人でロスの寝室に行ってドアに鍵をかけてた理由なの?」と言っていることになりますね。
二人は声を揃えて肯定し、モニカは、「ちょっと安心した、って言わないとね」みたいに言っています。
高校時代、ロスとウィルの二人が、ロスの部屋に二人だけでこもって鍵までかけていたことで、モニカは「二人で何かヘンなことしてるんじゃないの?」と心配していたらしいことが、そのセリフからわかるという仕組みです。
「鍵をかけた部屋で二人がこそこそしてたのは、そのクラブのせいだったんだ、、」と、その話を聞いて安心したことを、モニカは言っていることになります。

元恋人なのに、そんなクラブに入ってたなんて、、と非難するレイチェルをなだめようと、ロスは「当時の僕はバカな子供だったんだよ」と言って、その後、The only reason I joined-- と言葉を続けるのですが、ウィルにすかさず、Co-founded! と訂正されるのが面白いですね。
ロスは、join という言葉を使っていて、それは「クラブに加入する」という意味ですが、ウィルは、「ロスはクラブに加入した、んじゃなくて、クラブを co-found した、つまり、共同設立した人間だろ!」と、みんなの前で暴露したことになります。
join だと、元々あったクラブに誘われて(場合によっては、しかたなく)加わった、加入したイメージに取ることもできますが、co-found だと、そのクラブをゼロから立ち上げた、ウィルとロスとが、co-founder 「共同設立者」であると言っていることになるため、ロスが積極的にそのクラブを作った、率先してそのクラブを立ち上げたことが、そのウィルの Co-founded! 「共同設立した、だろ?」という厳しいツッコミで明らかになってしまったわけです。

それを否定することもできず、ウィルの言うままに、co-founded という言葉で言い換えたロスは、レイチェル大嫌いクラブを「共同設立」した理由は、君に insanely に恋していたからだ、と説明します。
insane は「正気でない、狂気の、狂ったような」という意味で、副詞の insanely は「正気でないほど(ものすごく)」という意味になります。
「ものすごく」と強調する副詞は、他にもいろいろありますが、「君をあまりにも愛していたから、君を憎むクラブを設立してしまった」という正反対の行動を取ってしまったことを、「僕は尋常でないほど君に恋してた、気が変になりそうなほど君が大好きだった、だから、こんなおかしなことをしてしまったんだ」と説明するのに、insanely という副詞を使ってみたわけですね。
「私が好きなのに、大嫌いクラブに入ってたなんて、おかしいじゃない」と言われることを見越して、「そういう常軌を逸したことをしてしまうほど、正常な判断ができなくなるほど、君に恋してた」と表現したわけです。
ちなみに、insanely と同じような意味で、madly 「狂ったように」という副詞もありますが、これも、I'm madly in love with you. 「あなたを狂おしいほど愛してる」という形で使うことができますね。

Obviously I didn't handle it very well. の it は、「そういうレイチェルに対する狂おしいほどの気持ち」を指すでしょう。
handle は「(取り)扱う、処理する、対処する」なので、「大嫌いクラブ」を設立してしまったなんて、誰が見ても、明らかに、僕はその自分の気持ちをうまく扱えていなかった、と説明していることになります。
その後、「でも、その僕の複雑な気持ちを考えたら、「レイチェル大嫌いクラブ」っていうのは、実は「レイチェル大好きクラブ(レイチェルを愛してるクラブ)」だったってことなんだ」、と、何ともむりやりな説明をしていますね。
君を憎むような行動を取ったのは、君への愛の裏返しだよ、みたいなことが言いたいわけです。

そんな風に、何とか言い訳を試みるロスですが、そのロスの発言に「異議あり!」という感じで立ちあがったウィルは、except that it was really the "I Hate Rachel Club." というセリフを言っています。
こういう except は、フレンズに頻出ですが、「ただし、(except 以下の内容)を除いて」のように、除外条件を追加する感覚ですね。
この場合は、「それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であったことを除いて」と言っていることになります。
ロスが、いろいろ理由を説明して、「結局のところ、「レイチェル大嫌いクラブ」は「レイチェル大好きクラブ」だった、ってことなんだよ」と、うまくまとめようと(笑)したのに、ウィルが、「それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であった、という事実を除けば、ロスの言っていることは正しい」みたいな条件付けをしたことになるわけです。
except という言葉だけ見ると、「ただし、〜ということだけを除けば」と言っていることになりますが、その except の内容は、ロスが直前に言った発言とは全く真逆の内容なので、except で条件付けすることで、ロスのさっきの発言の内容を全否定したかのような、「それを除く」としたことで、ロスの話の内容をゼロにしてしまったかのようなことになるのですね。
ロスの発言は、「あれは大嫌いクラブじゃなかった」という点がポイントなのに、その一番大事なポイントを「あれは間違いなく、大嫌いクラブだった」と、ウィルに完全否定されたことになります。

この状況で、ロスの発言を否定するのに、言い方はいろいろあると思うのですね。
例えば、You're wrong. 「ロスは間違ってる」、You're lying. 「ロスは嘘をついている」、I don't agree with you. 「ロスには同意しない」などなど。
ただ、そんな風に、真っ向(まっこう)からロスの発言を否定するのではなくて、さも、「付け足しでこれだけは言わせて」みたいに条件を付け加えただけのような except... という単語を使って、「ほんとに・実際に、それは大嫌いクラブだった」とロスの発言を「ひっくり返した」したところが、セリフとして非常に面白いものになっていると思ったわけです。

ロス: A was really B.
ウィル: Except that it was really A.
という構造になっていて、ウィルがそういう除外条件を付け加えることで、やっぱり、A was really A. であったと言ったことになる、A was really B. と言ったロスの発言を完全にひっくり返したことになる、というのが、このやりとりの流れだということですね。


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posted by Rach at 14:56| Comment(2) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブラッド・ピットさすがにイイ男ですね。ハリウッドの二枚目というと真っ先に思い出すロバート・レッドフォードを彷彿とさせます。以前「ER」というドラマでジョージ・クルーニーを初めて見たときもイイ男だなと思いましたが、模範的な二枚目という感じのジョージ・クルーニーに比べブラッド・ピットは今風のイケメンという感じです。今はだいぶ渋いおじさんですが...。

今回の共演がきっかけでジェニファー・アニストンと結婚したのかと思っていましたが、このとき既に夫婦だったのですね。離婚してしまったのは残念ですが、ファンの一人が言っていた「結局ブラピはジェニファーじゃなくてレイチェルが好きだったのよ」というのも当たらずと言えども...という気がします。

ブラッド・ピットといえば2012年のアカデミー賞授賞式のスピーチで「自分はいかに日本の怪獣映画が好きか」を熱く語ったそうで、最初聞いた時「いくらなんでもそんな檜舞台で言うか?」と思いましたが、Wikipediaにもしっかり載っており「レイチェル大嫌いクラブ」ならぬ「日本特撮ファンクラブ」といういかにもオタクのサークルに長いこと所属している自分としては嬉しいと同時に誇りに思えたものです。
Posted by ET at 2020年06月09日 18:20
ETさんへ
ブラピは実にかっこいいですね。ロバート・レッドフォードを彷彿とさせる、というお話、よくわかります。クルーニーも確かに(、、、ハリウッドはかっこいい人多すぎますね、当然ですがw)。

二人が交際することになるのは、フレンズのレイチェルを見初めて、、というのがきっかけらしいですね。このエピソードでは、「レイチェルが嫌い」というキャラを演じているのが実の夫という、夫婦であるが故の面白さみたいなものが前面に押し出されていて、実に楽しいと思います。

アカデミー賞で怪獣映画への思いを語った話、確かにウィキペディアにも出ていますね。その怪獣映画『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』は、残念ながら私は見たことがありません、、、
ただ、アニメ以外の邦画をめったに見ない私も「ガメラ2 レギオン襲来」と「シン・ゴジラ」は進んで(それも一人で)見に行きましたので、「日本特撮ファンクラブ」に入っておられるETさんの足元にも及びませんが、私も特撮は大好きです(^^) 日本の特撮は素晴らしいですし、海外の俳優さんに評価してもらえるのは実に誇らしいですよね。
Posted by Rach at 2020年06月13日 12:22
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