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シーズン8 第10話
The One With Monica's Boots (モニカのブーツ)
原題は「モニカのブーツの話」
セントラルパークに入ってきたジョーイは、レイチェルに話しかけています。
ジョーイ: Umm, can you do me a favor? I was talkin' to my sister and she knows you work at Ralph Lauren-- (あのー、お願いがあるんだけど? 俺の妹と話してて、その妹が、レイチェルがラルフ・ローレンで働いてることを知ってて…)
レイチェル: No, forget it! No way! I am not sending anymore Ralph Lauren clothes to prison. It is a waste. (だめよ、その件は忘れて! 絶対にだめ! 私はもう二度と、ラルフ・ローレンの服を刑務所には送らないわ。無駄だもの。)
ジョーイ: No-no-no-no-no-no, not her, not her. My youngest sister, Dina, she's really interested in fashion, and she wants to talk to someone successful, y'know, to give her some advice. (違う違う違う、その妹じゃない、その妹じゃない。俺の一番下の妹、ディーナだよ。あの子はすっごくファッションに興味があって、成功した人と話したがってるんだ。ほら、アドバイスをもらうためにね。)
レイチェル: I guess I can talk to one of my supervisors.... (私の上司の一人と話をしてみることは可能だとは思うけど…)
ジョーイ: Oh no-no-no-no, she wants to talk to you! (あぁ、違う違う。妹は君と話したいんだよ!)
レイチェル: Really?! Oh, my God! I'm successful! (ほんとに? なんてこと! 私って成功してる!)
ジョーイ: Okay, so will you meet with her? (よし、じゃあ、彼女と会ってくれる?)
レイチェル: Yes! I'd love to! Have her come by the office. (ええ! 喜んで! 彼女をオフィスに来させて。)
ジョーイ: Great! Thanks! You're gonna love her so much. And-Oh, she's the smartest of all the Tribbiani children. Hey, y'know the SATs? (最高だよ! ありがと! レイチェルは妹をすごく気に入るよ。それに、あぁ、妹は、トリビアーニ家の子供の中で一番賢いんだ。ほら、SAT って(試験)知ってるだろ?)
レイチェル: Yeah. (ええ。)
ジョーイ: She took ‘em! (妹はそれを受けたんだ。)
ジョーイはレイチェルに、お願いがあるんだけど、と言って話しかけています。
ジョーイが「妹と話してて、妹は君がラルフ・ローレンに勤めてることを知ってて…」とまで言いかけたところで、レイチェルは最後まで聞くこともせず、No, forget it! No way! と、ジョーイが頼もうとしたお願いを、即座に却下しています。
その話の流れで、ジョーイが何をお願いするかがレイチェルには見当がついた、だから先回りして、頼まれる前に断った、みたいな感じですね。
だいたい、そういう有名ブランドに勤務しているというと、discount (社員割引)を使わせてもらいたい系の話になりそうなので、レイチェルはそれを見越して断ったのかな、と思ったら、その後のレイチェルのセリフで、それとは全く違う話であることがわかります。
レイチェルは、「私はもう二度と、刑務所にラルフ・ローレンの服を送らない」と言っていて、それを聞いたジョーイは、「違う違う、その彼女じゃない。一番下の妹ディーナだよ」と答えていますね。
ジョーイには姉妹が7人いるのですが、今、俺が話題に出したその妹は、レイチェルが想像したその妹(her)じゃないんだ、と説明したことになります。
つまり、その二人のやりとりから、「何人かいるジョーイの姉妹のうちの誰かのために、レイチェルは以前、刑務所にラルフ・ローレンの服を送ったことがある」ということになりますね。
すなわち、ジョーイの姉妹の誰かが、刑務所に服役中で、その子のために服を送ってあげたことがあるけど、刑務所で着れるわけもないから(そして多分、服役中の人に着てもらっても嬉しくないから)、そんな無駄なことはもうしない、とレイチェルは言ったわけです。
ジョーイの妹たちは、気の強そうな人が多いので(笑)、妹が刑務所にいる、という話もありえそう、、と思えるところがポイントなのでしょう。
過去記事、姉か妹かがわかる場合 フレンズ3-11その19 では、パーティーの飲み物コーナーで、ジョーイの妹クッキーが、隣にいたフィービーと交わしていた会話で、
クッキー: No kiddin'. That's the exact same drink I made myself right after I shot my husband. (冗談でしょ。それって、私が自分の夫を射殺した[銃で撃った]直後に自分で作った飲み物と全く同じよ。)
というセリフも出てきていました。
「夫を銃で撃った」という言葉自体は、初対面のフィービーをビビらせる(笑)キツい冗談だったかもしれないのですが、もしかしてそれほんとかも、と思わせるような勢いの人だったので、そういうイメージから考えても、服役中の妹、というのはありえるかも、と思えるわけですね。
ジョーイは、「俺が言ってるのは、一番下の妹ディーナのことなんだ」と言って、その妹はファッションに興味があって、自分にアドバイスをくれるように、(ファッション業界で)成功した人と話したがってる、と言っています。
someone successful 「成功している人」と聞いて、レイチェルは、自分の上司を連想したようで、「私の上司の一人にその件で話をしてみることはできそうだけど…」みたいに言うのですが、ジョーイはそれを否定して、「妹は、レイチェルの上司じゃなくて、レイチェル、君と話したがってるんだよ」と説明します。
それを聞いたレイチェルが、とても嬉しそうな顔で、I'm successful! 「私は成功してる! 私って成功者!」みたいに言っているのが楽しいですね。
アドバイスをもらうために話を聞きたいという someone successful が自分のことだとわかって、大喜びしているわけです。
良い感触をつかんだジョーイは、じゃあ、妹と会ってくれる?と言っています。
セリフでは、meet with (someone) の形が使われていますね。
meet は他動詞の形で使われることが多く、その場合には、meet someone で「人に会う」という意味になりますね。
また、今回のような、meet with という形も存在するようで、
研究社 新英和中辞典では、
meet with
《米》 (約束して)〈人〉に会う、…と会見する、…と会談する
例) meet with union leaders 組合幹部と話し合う。
と説明されています。
ただ、meet するというよりも、もう少し、ものものしい感じ、あらかじめ予定を立てて時間を決めて会う、みたいな感じがする、という感覚でしょうか。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
meet with somebody/something [phrasal verb] : to have a meeting with someone
例) Dodd will fly to Washington, D.C. to meet with the Secretary of State.
つまり、「ある人と会合を持つ」。例文は、「ドッドは、国務長官と会見するために、飛行機でワシントンDCへ行く」。
この例文からもわかるように、「ただ会う」というよりも、「双方の予定を合わせて、正式に約束をした上で会う」という感覚があるのでしょうね。
meet with を使ったジョーイの方も、「いつかそのうちに」というのではなく、「じゃあ、具体的に日時を決めて会ってやってもらってもいいかな」と会うことを正式にお願いしているニュアンスなのでしょう。
喜んで!と言ったレイチェルは、Have her come by the office. と言っています。
この have は使役動詞ですね。
come by は「やって来る、立ち寄る」という感覚ですから、直訳すると、「彼女を私の(ラルフ・ローレンの)オフィスに来させて」と言っていることになります。
日本語でも、「〜を私の部屋に来させて、よこして」みたいに言うことがありますので、使役の感覚は同じですね。
大感謝のジョーイは、「レイチェルは妹ディーナのことをすっごく好きになるよ、気に入るよ」と、妹思いのジョーイらしいことを言っています。
she's the smartest of all the Tribbiani children. は「トリビアーニ家の全ての子供の中で、いちばん賢い」。
その後、「レイチェルは、SATs を知ってるだろ?」と言っています。
SAT というのは、Scholastic Assessment Test の略で、アメリカの大学に進学する際に受験する全国統一試験、大学進学適性試験のこと。
SAT については、まさにそのまんまのタイトルの過去記事、アメリカの統一テストSAT フレンズ7-8その3 で説明しています。
その過去記事では、ロスが SAT で 1450点取った、と自慢して、妹のモニカに 1250点でしょ、と訂正されたりしていました。
その記事でウィキペディアの説明を引用させていただいた通り、SAT は「大学に進学する際に受験させる共通テスト」なので、今回のジョーイのように、「妹は賢いんだよ。ほら、SAT って試験あるだろ?」という話になれば、ロスのように、SAT で○○点取ったんだよ、みたいな自慢話になるのかな、と思いますよね。
ですがジョーイが、「妹はその試験を受けた」とだけ言ったので、さすがのレイチェルも「は?」みたいな顔をしています。
成績の良し悪しにはあまり興味がないであろう、そしておそらく、ロスがするような点数の自慢話もあまり好きではないであろうと思われるレイチェルですが、「俺の妹は賢いんだよ。だってほら、SATs を”受けた”んだぜ」と言ったことについては、「そのテストを受けたくらい賢いんだ、みたいに言われても、、大学に進学する人はみんな受けるテストなんだし、、、」という気持ちだったわけでしょう。
逆に、大学に進学していないジョーイは、そのテストのことを全然知らなくて、妹がそういうテストを受けたと知って、「へぇ〜、ディーナは賢いんだなぁ〜。我が家で唯一、そんな”すごい”テストを受けた自慢の子だ!」みたいに思ったことが想像できるわけですね。
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