2014年04月18日

その気ならモノにできてた フレンズ8-11その3

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妊娠4か月のレイチェルは、見る男性、見る男性に魅力を感じてしまうと言っています。レイチェルはそんな状態で妊娠検診に行ったのですが、担当医の女性が不在のため、別の若い男性医が診察することになりました。レイチェルは、自分が妊婦であり、相手が診察医であることを忘れたかのように、相手の男性の気を引くような言動ばかりをしてしまいました。その後のシーン。
[Scene: Central Perk, Monica and Phoebe are there as Rachel enters.]
セントラルパーク。モニカとフィービーがそこにいて、レイチェルが入ってくる。
レイチェル: Hi. (はーい。)
フィービー: Oh, hey! So, how did your doctor's appointment go? (あぁ、はーい。それで、お医者さんの(診察の)予約はどうだったの?)
レイチェル: Well, let's see. Uh, they gave me "cute boy" doctor today and in the middle of the exam, I put my pinky in his chin dimple. (あぁ、そうね。今日は、「セクシーボーイ」の先生を私に用意してくれたから、診察の途中で、私は自分の小指を、彼のあごえくぼに入れちゃったの。)
フィービー: Oh, my God! (まぁ、なんてこと!)
モニカ: Why did you do that? (どうしてそんなことしたの?)
フィービー: Okay, remember that little problem I was having during my fourth month of pregnancy? (ほら、あのちょっとした問題を覚えてるでしょ? 私が妊娠4か月の頃に抱えてた問題を。)
モニカ: Oh, yeah. The Evander Holyfield phase. Oh, man! You were so hard up, you practically came on to me. (あぁ、そうね。イベンダー・ホリフィールド段階(フェイズ)ね。そうよ! あなたはものすごく欲求不満になって、実際に私に誘いをかけたもの。)
フィービー: You wish. (そうだといいわね[実際には違うけど]。)
モニカ: Hey, I could've had you if I wanted you. (ちょっと! 私はあなたをモノにできてたわよ、もし私がその気なら[私があなたを欲しいと思うなら]。)
フィービー: Oh, yeah? Come and get it. (あら、そう? (じゃあ)取りに来て。)
レイチェル: Okay, even this is turning me on! (もういいわ、こういうことですら、私を燃えさせちゃう[その気にさせちゃう]のよ!)

妊娠の診察でお医者さんに行ってきたレイチェルに、フィービーは、どうだった?と尋ねています。
they gave me "cute boy" doctor today の they は「病院の人々」を漠然と指すニュアンスですね。
大きな病院でお医者さんが何人もいて、今回は主治医の都合が悪かったので、病院側が別の医師を用意した、準備した、みたいなニュアンスになるでしょう。
cute boy の cute は、これまでのフレンズにも何度も出てきましたが、男性を cute と言う場合は、日本語の「キュート、かわいい」というよりも、「異性として性的に魅力的である」、つまり「セクシーである」というニュアンスになります。
病院が「異性として魅力的な男性」のお医者さんを私の診察に寄こしたので、検査・診察の最中に、私は自分の pinky を、彼の chin dimple に入れた、と説明しています。

pinky は「小指」のことですね。小指にはめる指輪のことを、pinky ring 「ピンキー・リング」と言ったりしますので、ご存じの方も多いでしょうか。
chin dimple は「あごえくぼ」。
過去記事、顔の尻じゃなくアゴエクボ フレンズ6-19その3 でも、chin dimple という言葉が登場していました。
その過去エピソードでは、フィービーは自分のあごを指で押して a chin dimple を作ろうとしていたのですが、それを見たチャンドラーが、A face ass? 「顔の尻?」とツッコミを入れていました。
チャンドラーにそんな言われ方をしてしまいましたが、フィービーは、a chin dimple を、「男性の魅力的なところ」として挙げていたので、女性にとっては、男性のチャームポイントとして認識されているということですね。
今回のレイチェルの場合も、彼のアゴエクボに小指を入れてみた、みたいな感じですから、そこにセクシーさを感じてしまった、ということになりますね。
ちなみに、put は「置く」というのが基本語義で、put my pinky on his chin dimple なら、「小指を、彼のアゴエクボの”上に置く”」というニュアンスになるでしょうが、今回は、put my pinky in his chin dimple のように in が使われていますので、自分の小指を、エクボのように「引っ込んでいる部分」の「中に入れた」感じが出るように思います。
かすかに触れた、くらいではなく、その「へこみ」に小指をぎゅっと入れた感じが in という前置詞に出ている気がするわけです。

診察している医師のあごえくぼをそんな風に触るのはやはり尋常ではないので、フィービーは驚き、モニカは「どうしてそんなことしたの?」と尋ねています。
そして、レイチェルが答える代わりに、同じような状況を経験した、妊婦の先輩(笑)のフィービーが説明を始めることになります。

remember that little problem I was having... を直訳すると、「私の妊娠4か月の頃に、私が持っていた・抱えていた、あのちょっとした問題を覚えてる?」になりますね。
それを聞いたモニカは、あぁ、あれね、と思い出したようで、The Evander Holyfield phase. と答えています。
イベンダー・ホリフィールドの件は、1つ前の記事で説明したように、靴屋さんから、ホリフィールドの等身大パネルを盗んでしまう、という話でしたね。
そういうことをしてしまう時期・段階のことを、phase と表現しているわけです。
「フェイズ」と日本語になっているので、何となくイメージは湧きますが、改めて、英英辞典で見ておくと、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
phase : one of the stages of a process of development or change (SYN: stage)
つまり、「発達または変化の過程の段階の一つ」。

妊娠中の心身の変化がいろいろあるとして、「ホリフィールドのパネルが欲しくなっちゃう段階・そういうことに夢中になっちゃう時期」みたいに言ってみせたわけですね。

You were so hard up の hard up は、「必要としている」というニュアンス。
Macmillan Dictionary では、
hard up : [adjective] (informal)
not having much money
not having enough of something
例) Some of the schools are pretty hard up for teachers.

つまり、「十分なお金を持っていない」、「何かが十分にはない」。例文は、「いくつかの学校は、(必要とされる)十分な先生がいない[先生を非常に必要としている]」。

今回はエッチ系の話をしているので、「十分にない」→「足りない、枯渇している」→「欲しいものが得られなくて欲求不満になっている」というニュアンスになるだろうと思います。

practically は「実際に」、come on to は「(恋愛対象に)性的に誘いをかける、色目を使う」ということですね。
ですから、you practically came on to me は、相手を性的に誘うような言動を実際にした、というニュアンスになるでしょう。
言葉の上だけで冗談でそう言ってた、とかではなくて、結構本気で誘うアプローチを当時のフィービーから受けたわ、みたいに言っているのですね。

次のフィービーの You wish. について。
直訳すると、「あなたは(そう)願う」みたいなことですが、これは「そうだといいわね(残念ながら実際には違うけど)」のようなニュアンスがあります。
LAAD では、
you wish! : used to tell someone that something is definitely not true or definitely won't happen, even though they might wish it.
例) "Mine is better than yours." "You wish!"

つまり、「たとえある人がそれを願っているかもしれないとしても、何かが絶対に真実ではない、または絶対に起こらないと、その人に言う時に使われる」。
例文は、「私のものの方が、あなたのものより良いわ!」「そうだといいね!(残念ながら、現実には僕のもの方がいいけど)」。

Macmillan Dictionary では、
you wish : (spoken) used for telling someone that the thing that they want to happen is completely impossible
例) 'I told Ben that Sally was my girlfriend.' 'You wish!'

つまり、「起こってほしいとある人が思っていることが、全く不可能であるとその人に言うために用いられる」。例文は、「サリーは僕の彼女だってベンに言ったんだ」「そうだといいわね!(実際にはあなたの彼女じゃないけど)」。

ですから、「フィービーが実際に私に色目を使って、モーションかけてきたの」とモニカが言ったことに対して、フィービーは「そうだといいわね」と返したことになります。
つまり、「モニカが勝手にそう思ってるだけでしょ、実際にはそんなことなかったわ」とフィービーは言ったことになるため、モニカは聞き捨てならないという様子で、Hey! と言い、I could've had you if I wanted you. と言っています。

これは「事実とは反対の仮定」を表す「仮定法」ですね。
I could've had you は、I could have had you ということで、「(しようと思えば)私はあなたを have することができた」と言っている感覚になります。
I could have+p.p. (過去分詞)で、「私は(その過去の時点で)(しようと思えば)〜することもできた(けど、実際にはそうしなかった)」という意味になるわけです。
have you は「あなたを持つ」というイメージですが、こういうエッチ系の話で言うと、「あなたをモノにする」という感じになるでしょう。
実際、英英辞典では、have にそういうエッチ系のダイレクトな意味があることが載っており、
Macmillan Dictionary では、
have : (informal) to have sex with someone
例) He thinks he can have any woman he wants.

つまり、「(インフォーマル) 誰かとエッチすること」。例文は、「彼は自分が欲しいと思う女性なら誰でもモノにできると[エッチできると]思っている」。

このマクミランの例文は、今回のモニカのセリフと同じように、have と want が使われているのが興味深いですね。
その if I wanted you の部分ですが、文法的に厳密な「仮定法過去完了」(過去の事実とは反対の仮定をする)のセオリーに則る(のっとる)と、条件節の if 節が、if I had wanted you 「もし私が(過去のその時)あなたを欲しいと思ったなら」になるようにも思うのですね。
その場合なら、if 節、帰結節、共に、「過去の事実とは反対の仮定」をしていることになり、厳密に訳すと、「もし(あなたが妊娠4か月だったあの時)、私があなたを欲しいと[あなたとエッチしたいと]思ったなら、私はあなたをモノにすることができた」と言っている感じになるでしょう。
今回のセリフでは、if I wanted you になっているので、文法的に解釈すると、「過去の事実とは反対の仮定」の「仮定法過去完了」ではなく、「現在の事実とは反対の仮定」の「仮定法過去」になるように思うのです。
「現在の事実とは反対の仮定」だとして訳すと、「もし私があなたを欲しいと思うなら」になるでしょうか。
DVDの英語字幕でも、I could have had you if I wanted you. と表記されていて、帰結節と if 節に時制のずれがあります。
ですから、「わざと」時制のずれをつけて言った可能性が高いかな、と思うのですね。

この if I wanted you が言い間違いではなく、わざと「(仮定法過去完了ではない)仮定法過去を使った」んだとしたら、それはどういう理由からなのか?を私なりに考察してみました。
そんな細かい話には興味がない、という方は、(→→→ここまでワープ!)までお進み下さい^^

モニカとしては、「フィービーが私に迫って来たのよ」と言ったところ、You wish. 「あなたはそう願ってるんだろうけど、実際には違うわよ」のようにフィービーに言い返されたので、「私(モニカ)にはそんな気は一切なかったわ。その気満々だったのは、フィービーの方よ!」と言いたい気持ちで今はいっぱいなのでしょう。
それで、「私は、”あの当時も、そして今も”、あなたとエッチしたいなんて気持ちはこれっぽっちもないけど、もし私がその気になれば、あの時だって私はあなたをモノにできてたわ(だってあなたの方はすっかりその気だったんだから)」みたいに言ってみせたのかなぁ、と思うわけです。
ここで、if I had wanted you と「過去に限定」してしまうと、「過去の事実にだけ反対の仮定」をしたようになり、「現在では I want you になる可能性がある、今は I want you という気持ちであるかもしれない」余地を残してしまいそうだから、「とにかく私は、昔も今もフィービーに対して、性的に I want you という気持ちになることは絶対にない」という思いから、if I wanted you 「現実には私は I want you という気持ちではないけれど、もし! I want you という気持ちになることがあると仮定(現在の事実とは反対の仮定)をしたら」という意識が、if I wanted you という表現に繋がったのかな、と思うわけです。
モニカとしては、「あの当時の話」だけをしているのではなくて、「実はモニカは私に性的な魅力を感じてるんでしょ、正直に言いなさいよ」みたいな感じで、You wish. と言われたことに抗議するために、「私の方は、全くそんな気持ちになることは過去から現在に至るまで全くないわよ」と言うために、if I wanted you. という「仮定法過去」(”現在の事実”とは反対の仮定)を使ったのかな、と思ったということです。

(→→→ここまでワープ!)
ちなみに、if I wanted to do... の形なら、「もし私が…する気があるならば」というニュアンスになりますね。
映画「ゴッドファーザー」(The Godfather)で、
ソロッツォ: What are you worried about? If I wanted to kill you you'd be dead already. Get in.
というセリフがありました。
If I wanted to kill you you'd be dead already. というのが、仮定法過去ですね。
字幕では、「殺すつもりなら、とっくにやってる」と訳されていましたが、つまりは、「もし俺がお前を殺したいと思っていたら(お前を殺す気だったら)お前はとっくに死んでるだろうよ」ということですね。
物騒なセリフ(笑)ではありますが、いかにも「ゴッドファーザー」っぽいセリフでもあり、「俺がその気なら、今頃はこうなってた」という「仮定法過去」のニュアンスを理解するのに、良い例になるだろうと思います。

モニカに「私さえその気なら、あなたなんか落とせちゃうわ」みたいに言われたフィービーは、チュ!という口をして、軽く誘う感じの顔をしています。
Come and get it. は、「来て、それを取って。取りに来て」みたいなことですが、研究社 新英和中辞典では、
Come and get it!=(口語) 食事の用意ができたよ!
という説明がありました。
そういう「食事の時の決まり文句」のニュアンスを出して使っているとすると、「準備ができたから、食べに来て」みたいな感覚で言っているのかもしれません。
フィービーがいたずらっぽく、相手を誘うような顔で言っているので、「あなたがその気になったら、こっちはいつでもオッケーよ。準備はできてるからいつでも食べに来て」みたいに言ってみせたのかなぁ、と。
文字通り、「来て、it をゲットして」「it をゲットしに来て」みたいに解釈しても、it は漠然とした言葉ながら、エッチ的なことを指しているだろうと想像できるので、やはりフィービーがモニカを「誘っている」であろうことはわかりますね。

そんな女性二人の会話を聞いていたレイチェルは、even this is turning me on と言っています。
turn on は「スイッチを入れる」という意味ですが、エッチな会話の中では「その気(エッチな気持ち)にさせる」という意味で、フレンズでもよく登場しますね。
女友達二人が、今は特に具体的な行為(笑)をしているわけでもなく、エッチ系の会話を面白がってしているだけなのですが、そういう二人のやりとりを聞くだけでも、変な気持ちになってきちゃう、、と言っていることになりますね。


★ Rach からのお知らせとご挨拶 ★
神戸・住吉で開催される私の「追加セミナー第2弾」(セミナーとしては3回目)が、あさっての日曜日(4月20日)となりました。
「海外ドラマで英語を学ぶ楽しさ」をできるだけたくさんお伝えできればと思っています。
ご参加して下さる皆様は、どうかお気をつけてお越しくださいませ。
参加者の皆様とお会いできるのをとても楽しみにしています!(^^)


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posted by Rach at 14:27| Comment(2) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんにちは。
5月ごろ質問させていただいた者です。Rach式勉強法でfriends見続けてやっとシーズン8まで来ました!
今年reunionしてスペシャルドラマ撮影の予定が、COVID-19 のせいで延期になったとニュースで知って、シリーズ10の最終話まで観る時間が出来たと、私はホッとしてます。^^;。

さて、この8-11で質問です。
Rachelが検診に行った場面、看護師さんに話すところです。
Was it me, or was the guy who took my blood sample really cute?
ここでなぜ最初にmeが入るのかがわからないです。
よろしくご教示ください。
Posted by ミュゲ at 2020年08月20日 16:39
ミュゲさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
私がおすすめする方法でシーズン8まで来られたとのお話、大変光栄で、私もとても嬉しいです(^^)

reunion が撮影延期とのこと、無事に見られる日が待ち遠しいですね。

それではいただいたご質問について。
Was it me, or was the guy who took my blood sample really cute? を訳すと、
「私のせいだった? それとも私の採血をした人が本当に素敵(セクシー)だったの?」
となるでしょう。
その男性が素敵な男性だったとレイチェルは言いたいわけですが、「その男性は客観的に、実際に誰が見ても素敵なのか、それとも私にはそう見えてるだけなのか、どっちかしら?」ということです。
肯定文にした It was me. を直訳すると「それは私だった」となりますが、状況によっては「私のせいだった、(そうなった)原因は私だった」という意味になります。
この場合も、「彼って素敵よね」とか「彼って素敵だと思う」とかではなく、「彼が素敵だと私には思えるんだけど、それって私のせいなのかな、私の見え方・捉え方・感じ方の問題なのかな?」と言いたいわけです。
DVDの日本語訳では、
字幕:目の錯覚かな?/音声:私の目が変なの?
となっていましたが、「見ている私側の問題かな」というニュアンスがその和訳にも出ている気がしました。

Was it me, or... のような言い回しは他の作品にも出てきたことがありました。
『デスパレートな妻たち』s5-14 のシーン。
新車を買ったブリーは友人たちにそれを披露しています。みんなが大げさに車を褒める中、リネットだけは、仕事があるから、と言い、ぶっきらぼうな挨拶をして帰ってしまいます。

ブリー: Was it just me, or was that a little abrupt?
それって私だけだった? それともさっきの(リネットの態度)はちょっと不愛想だった?
キャサリン: Eh, don't take it personally. I think she's got other things on her mind.
あー、どうか個人的に取らないで。リネットには何か他に気になることがあるんだと思う。

これも「(そう感じるのは)私だけ? それとも実際にそう?」と言っているニュアンス。
「私だけだった? それとも(実際に)少し不愛想だった?」と尋ねていることから、「私はさっきのリネットの態度を不愛想だと感じたんだけれど、それって私だけが感じたんじゃないわよね? 私の気のせいじゃないわよね? 実際にやっぱりちょっと不愛想だったわよね?」と確認している感覚になります。
Posted by Rach at 2020年08月22日 13:22
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