2014年04月23日

ジェスチャーは気持ちの表れ フレンズ8-11その4

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ロスはモナという女性と付き合っているのですが、二人でスケートをしている写真がうまく撮れたということで、モナは「この写真をクリスマスカードにして、連名でみんなに送りましょう」と言い出します。
ロスは、「夫婦や家族でもないのに、そんなことをするのはおかしい」と思っていて、「僕たちの関係は、連名でカードを出すようなところまではまだいっていない」と伝えるのですが、モナは「じゃあ、今の私たちはどの段階に向かってるの?」と逆に質問されてしまいます。
それにうまく答えられなかったロスは、「カードを出そう!」と言ってごまかそうとしたのですが、そのことを、今、フレンズの女性陣に説明しているところ。
ロス: Yeah, we're not just doing a card! Y'know, she-she also wants to have the conversation about where the relationship is going. (そう、僕たちはただカードを出すだけじゃないんだ! ほら、モナは、この二人の関係がどこに行こうとしているのか(どこに向かっているか)についての会話をしたいと思ってもいるんだよ。)
フィービー: Ugh! Women! (あー、女って!)
ロス: I know! I know! Why do you guys need to have this conversation?! Huh? I mean no self-respecting man would ask a woman, "So, where is this going?" (そうなんだよ、そうなんだよ! どうして君たち(女性)は、こういう会話をするのが必要なの? 自尊心のある男なら、女性にこんなことは尋ねないよ、「それで、これは(この関係は)どこに向かってるの?」なんて。)
レイチェル: Uh, Ross? You asked me that. (あのー、ロス? あなたは私にそういうことを尋ねたわよ。)
ロス: Hey! You were a closed book! Okay? I'm not a mind reader! Besides, I hate those conversations. I'm horrible at them. Really! Maybe-maybe I need some kind of a gesture. Y'know, something that says we're moving forward without having to talk about it. (ちょっと! 君は、僕には理解できない人(不可解な人)だったんだよ、いいかい? 僕は読心術者じゃないんだ! それに、僕はこういう会話は嫌いなんだよ。そういうのが苦手なんだ、ほんとに! 多分、多分、僕にはある種の意思表示の行為が必要なんだ。ほら、前に進んでいることを示していて、そのことについて(実際に言葉で)話す必要がないようなもの。)
モニカ: Like asking her to move in with you? (彼女に、あなたと一緒に住むようにお願いするとか?)
ロス: Smaller than that. (それよりも小さなことだよ。)
モニカ: Making her a mix tape? (彼女に、ミックス・テープ(自分で編集した音楽のカセットテープ)を作るとか?)
ロス: Uh, bigger than that. (あぁ、それよりも大きいやつ。)
フィービー: Give her a key to your apartment. (彼女に、あなたのアパートメントのカギを渡す。)
ロス: Whoa-hello! We were closer with the mix tape. (おい、ちょっと! ミックス・テープの方が近かったよ。)
モニカ: All right. Have you said, "I love you"? You could say, I love you. (わかった。あなたはもう「愛してる」って言った? 愛してる、って言えるでしょ。)
ロス: Yeah I-I don't-I don’t think I'm quite there yet. But, oh, I could say, "I looove spending time with you." (僕はまだその段階にはいないと思うよ。でも、こうは言えるな。「君と一緒に時間を過ごすのは、だーい好きだよ」って。)
フィービー: No, we hate that. (だめ、私たち女性はその言葉が大嫌いよ。)
モニカ: That is a slap in the face. (それって、ビンタ[平手打ち](並みの侮辱)だわ。)

ロスは、「僕とモナはカードを出すだけじゃないんだ」と言って、she also 以下の文章を言っています。
about where the relationship is going は、「この関係(ロスとモナの関係)がどこに行こうとしているのか、どこに向かっているのかについて」のようなニュアンスでしょう。
モナがそういう話題の会話をしたがっていると聞いたフィービーは、いらいらしたような口調で、Ugh! Women! と言っています。
フィービー自身も女性なので、そういうことを聞きたがる女性の気持ちをわかっていながら、わざと男性の立場に立ってみせて、「あぁ、女ってそういう会話をしたがるもんよねぇ」みたいに、うっとうしそうに言ってみせたことになるでしょう。
この Women という「複数形」は、「女というものは(みんな)そういうことをする」というニュアンスを出した感じですね。
Kids! 全く子供ってのは フレンズ6-21その6 という記事で、その記事タイトルにある通り、"Kids!" という複数形で「全く子供ってのは。子供ってやつは(これだから困る)」みたいなニュアンスで使われているセリフをご紹介しました。
同時に他のドラマで聞いたセリフの、"Men." や "Ah, doctors." というセリフも併せてご紹介しています。

ロスは「どうして君たち(女性)は、こういう会話をしたがるの?」と尋ねています。
self-respecting は、「自らをリスペクトしている」ですから、「自尊心のある」。
自尊心のある男なら、女性に、"So, where is this going?" みたいなことを聞いたりしないだろうと言っています。
レイチェルが、「えーっと、ロス? あなたは私にそういう質問をしたわよ」と言うと、ロスは怒った口調で、「君は、a closed book だった。僕は a mind reader じゃないんだ!」と答えます。

a closed book は「閉じた本」ということで、「不可解なこと、理解できないこと・人物」という意味があります。
Macmillan Dictionary では、
a closed book
something or someone that is very difficult to understand
例) I'm afraid accountancy is a closed book to me.

つまり、「理解するのが非常に難しい物や人」。例文は、「会計事務は私にとって、理解するのが非常に難しいものだ」。

a mind reader は文字通り、「心を読む人」ということで、「読心術を持った人、読心術者、人の心を読める人」ということになります。

「あなただって、付き合っている時に、この関係がどうなるか、って聞きたがったじゃない」とレイチェルに言われて、「だって、レイチェルは何も言ってくれないから、君の考えてることは僕にはさっぱりわからなかったんだ。僕は人の心を読めるわけじゃないんだから!」みたいに答えたことになります。
「どうして、女性ってのは、関係がどこに進んでるかを聞きたがるの?」と言っているロス本人が、レイチェルに同じような質問をしていたこと、「レイチェルが言わないから、わかるわけがない」と怒っていながら、ロスもモナに自分の気持ちを話そうとしていないこと、、など、女性に対して文句を言っている内容と全く同じことをロス自身が今まさにしてるんじゃないか、とツッコミたくなるところが、このセリフの面白さですね。

「それに、僕はこういう会話が嫌いなんだ」と言って、I'm horrible at them. と言っています。
この be horrible at は、be good at 「〜が得意である、上手である」の反対語のニュアンスですね。
be bad at で、「〜が苦手である、下手である」という意味になりますが、very bad の意味である horrible 「ひどい」を使って表現したことになるでしょう。

その後、「僕には、ある種の gesture が必要だ」と言って、「それについて話さなければならないことなく(話す必要なく)、僕たちは前に進んでいるんだ(move forward)と示すような何かが(必要だ)」と続けています。
つまり、「この関係がどこまで進んでいるか、どこに進んでいるのか」ということを会話として話すのは苦手なので、それを言葉で説明することなく、「僕たちの関係はちゃんと前進しているよ、前に進んでいるよ」ということを示してくれるような gesture が僕には必要だ、と言っていることになるでしょう。
something that says we're moving forward without having to talk about it. のように「言う」を意味する2つの単語、say と talk が使われていますが、talk はロスとモナの間で「会話」として話すイメージ、say の方は主語が「もの」(something, some kind of a gesture)なので、その無生物の主語が言葉を発するということではなく、その主語が「〜を表す、示す」というニュアンスで使っていることになります。
前進しているということを、自分たちが言葉で語るのではなく、gesture が語ってくれる[gesture で表わされる、示される]ような、そういう gesture が必要なんだ、ということですね。

この gesture は、日本語の「ジェスチャー」のニュアンスとは、ちょっと違う感じがしますね。
日本語のジェスチャーは、「ジェスチャー・ゲーム」のイメージで、「身ぶり手ぶり」「しぐさ」というイメージですよね。
もちろん、英語の gesture にもそういう「身ぶり手ぶり」の意味はあるのですが、今回のセリフでは、ロスが「身ぶり手ぶりのしぐさでモナに伝える」ということではなくて(笑)、「言葉で説明するのではなく、行為・行動で伝える」ことを言っていることになるでしょう。
研究社 新英和中辞典では、
gesture=(意思表示としての)行為
The Australian Government gave us a koala bear as a gesture of friendship. 「オーストラリア政府は友好のしるしとして我々にコアラを送ってくれた」


この例文のニュアンスが非常にわかりやすいと思うのですが、「友情・友好の気持ちを行為・行動で伝えるものとして」という感覚ですよね。
研究社の訳語にあるような「意思表示としての行為」であり、「気持ちの表れ」などと訳すのも良いかもしれません。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
gesture : something that you do or say to show how you feel about someone or something
例1) The flowers were really a nice gesture.
例2) A flag was burned as a gesture of protest.

つまり、「自分が誰か、または何かについてどう感じているかを示すために、自分がする、または言う何か」。
例文1は、「その花は、本当に素敵な意思表示の行為(気持ちの表れ)だった」。
例文2は、「一枚の旗が、抗議の意志表示行為として、焼かれた」。

つまりロスは、「言葉でくどくど説明しなくても、ある行為をすれば、関係が進展中だとわかってもらえるような、シンボル的な行為・行動」があればいいのに、と言っていることになるわけです。

Like asking... は、その「意思表示の行為」っていうのは、例えば、ask ... するようなこと?みたいなニュアンスですね。
move in は「(誰かのところに)引っ越して来る」感覚で、move in with you だと「あなたと一緒に住むために、あなたの家に引っ越してくる(そしてあなたと同居する)」という感覚になります。
ロスは「それより小さい」と言っているので、それはちょっと、今の自分からすると、ことが大きくなりすぎているから、もっと控えめなことがいい、ということですね。

次の mix tape 「ミックス・テープ」は、カセットテープ(懐かしいw)に自分の好きな曲を入れて、人にあげる、というものですね。
こういう a mix tape (a mixed tape) は、過去記事、今宵の君は、を入れたテープ フレンズ6-17その4 にも出てきたことがありました。
編集したテープを作る、という意見については、ロスは、「それよりは大きい」と言っています。

次にフィービーは、「彼女にあなたのアパートメントのカギを渡す」という案を出しています。
これまでにも何度も、「アパートの鍵」というフレーズは登場してきましたが、「〜の鍵」と言う場合には、a key to ... のように、前置詞は to を使うことを、ここで再確認しておきましょう。

アパートのカギを渡す、という言葉を聞いて、ロスは焦ったように、Whoa-hello! と大声を出しています。
「ミックス・テープの方が、より近かった」と言っていて、アパートの鍵を渡すっていうのは、あまりにも話が大きくなり過ぎだ、と言っていることになります。

モニカは、「もう、愛してる、って言った?」と尋ねますが、ロスは、「僕はまだそこにはいないと思う」と答えています。
そういう言葉を言う段階にはまだいない、それを言うには早すぎる、ということですね。
これまでのフレンズでも何回か説明しましたが、I love you. という言葉は、本当に相手に対して真剣な気持ちになった時にしか言わないもので、エッチするなどの深い関係になった後でも、お互いに、I love you. という言葉はまだ言い合っていない、という状況もよく出てきます。

ですからロスも、モナと付き合っているとはいえ、まだ、I love you. と言えるところにはいない、と思っているわけで、でも「こんな風になら言えるよ」と言って、"I looove spending time with you." という言葉を例に出しています。
つまりは、「君と一緒に時間を過ごすのが大好きだ」ということですね。

そのセリフを聞いて、フィービーとモニカは、ムッとした顔をしているのが面白いです。
フィービーは、「私たちはその言葉が嫌い」と言っていますが、we = women のことですね。
モニカは、「それは、顔への平手打ち」、つまり、「それはビンタだわ、ビンタに等しい」と言っていることになります。
I love you. と言いたくない代わりに、「君と一緒に時間を過ごすこと」を愛してる、「君と一緒に時間を過ごすのは」大好きだよ、みたいに言っているのがミエミエで、そんなことを言われたら逆にいやだと思う、ビンタされたみたいな侮辱だわ、と言っていることになるのですね。


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posted by Rach at 14:37| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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