2014年04月28日

これをどう言えばいいのか フレンズ8-11その6

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妊娠中のレイチェルは、見る男性すべてが魅力的に見えてしまう状態になっています。
そういう気持ちが抑えられなくなっている自分に困っているレイチェル。
様子がおかしいと気づいたルームメイトのジョーイは、
ジョーイ: Oh, what's wrong? (あぁ、どうしたの?)
レイチェル: Oh, you really, you really just don't want to hear about it. (あぁ、ほんとにジョーイはその話を聞きたくないだろうとと思うわ[ジョーイは聞かない方がいいわ]。)
ジョーイ: Then why did I ask? (なら、何で俺は質問したんだよ?)
レイチェル: Okay, it's just-and this is really embarrassing-but lately, with this whole pregnancy thing I'm just finding myself... how do I put this, umm, erotically charged. (わかった。ただ、これはほんとに恥ずかしいことなんだけど、最近、この一連の妊娠のことのせいで、自分がこんな状態だって気づいちゃってるの…これをどう言えばいいのか…その、エロティックにみなぎってるの。)
ジョーイ: Is that college talk for "horny"? (それって「やりたがってる(ムラムラしてる)」の大学生言葉?)
レイチェル: Yeah. So y'know, I have all of these feelings and I don't know what to do about them, because I can't date like a normal person, which is fine because I don't need a relationship, I mean all I really want is one great night! Just sex, y'know? No strings attached. No relationship. Just with someone that I feel comfortable with, and who knows what he's doing. For just one great night. I mean, is that really so... hard... to find. (Looks at Joey.) So how was your day? (そうなの。それで、私はこんな気持ちになっちゃって、それについてどうしたらいいかわからないの、だって私は普通の人みたいにデートできないから。そのことはいいのよ、だって私は(恋愛)関係は要らない。私が欲しいのは素敵な一晩だけなの。ただエッチだけ。紐付きじゃなくて。関係もなくて。ただ私が一緒にいて気持ちいいと[心地よく]感じられる人と、そしてその人が自分が何をしているのかわかっている人と。たった一晩の素敵な夜だけのために。それってすっごく難しいの…見つけるのが… [ジョーイを見る] それで、今日のあなたの一日はどうだった?)
ジョーイ: Good, I uh, I saw a pretty big pigeon. (良かったよ。あぁ、かなりでっかいハトを見た。)
レイチェル: Well, I gotta get up early, and it's almost seven o'clock. (えーっと、私は朝早く起きなくちゃいけないの。で、もう7時だし。)
ジョーイ: Yeah, I gotta, I gotta go to my room too. (そうだな、俺も、俺も自分の部屋に行かなくちゃ。)
レイチェル: Okay, good night! (そうね、おやすみ!)
ジョーイ: Good night. (They both enter their rooms.) (おやすみ。[二人とも自分の部屋に入る])
(Pause.)
二人とも部屋に入るが、同時に出てくる。
ジョーイ: (entering) I can't do it! ([リビングに入ってきて] そんなことできないよ!)
レイチェル: (entering) I didn't ask you to do it! ([入ってきて] あなたにそうしてって頼んでないわ!)
ジョーイ: You're Rachel! (君はレイチェルだ!)
レイチェル: You're Joey! (あなたはジョーイよ!)
ジョーイ: You're my friend! (君は俺の友達だ!)
レイチェル: Right back at ya! (お互いさまよ!)
ジョーイ: But plus, it would be wrong, and weird and-and-and bad! (でも、それに、そんなことは間違ってるし、変だし、それにそれに、いけないことだ!)
レイチェル: And so bad. But I don't even know what you're talking about because I didn't ask you to do anything! (それも、すっごくいけないことよ。でも私はあなたが何を言ってるかすらわからないわ。だって私はあなたに何も頼んでないんだもの!)
ジョーイ: I know! (わかってるよ!)
(Pause.)
沈黙。
ジョーイ: You wanna do it? (君はしたいの?)
レイチェル: No! (いいえ!)
ジョーイ: All right, me neither! I was just testing you! (わかったよ、俺もしたくない! 俺はただ、君を試しただけだ!)
レイチェル: Hey! That's the end of this conversation! (ちょっと! 今のでこの会話は終わりよ!)
ジョーイ: This conversation never happened! (こんな会話なかったんだ!)
レイチェル: Never happened! Good night! (ええ、なかったわ! おやすみ!)
ジョーイ: Good night! (おやすみ!)
(They both go into their rooms and after a little while Rachel pokes her head into the living room.)
二人とも自分の寝室に入り、少し後に、レイチェルはリビングに頭を突き出す。
ジョーイ: Get back in there! (Rachel re-enters her room and closes the door.) (部屋に戻れ! [レイチェルは再度、自分の部屋に戻り、ドアを閉める])

レイチェルの様子がおかしいと感じたジョーイは、What's wrong? 「どうしたの?」と尋ねています。
「どんな男性を見ても、エッチな気持ちになってしまう」というような話なので、レイチェルは「あなたは本当に、それについて聞きたいとは思わないわ」のように言っていますね。
You (really) don't want to を直訳すると、「あなたは(本当に)〜したくない」になりますが、そのように表現することで、「あなたは〜しない方がいい」というようなアドバイスのニュアンスが出ます。
日本語で「きっとあなたはこんな話、聞きたくないわよ」と表現した場合でも、「こんな話をあなたは聞かない方がいいわ、聞いてもきっと楽しくないし」みたいなニュアンスは出ますよね。

それに対するジョーイの返事、Then why did I ask? がなかなかいい表現だな、と私は思いました。
直訳すると、「それじゃあ、なぜ、俺は尋ねたんだ?」ということですね。
つまり、「聞きたくないと思っていたなら、そもそも俺は質問してない。質問したのは、レイチェルの話を聞きたかったからだ」と言っていることになるでしょう。
「こんな話、聞いても面白くないだろうし、、」という感じで、話しにくそうに、もじもじしているレイチェルに対して、「俺が聞きたくて質問したんだし、どんな話でも聞くつもりはあるから、何でも話してみてよ」と促す感覚になるわけです。
話すのをためらっている側も、そんな風に言ってもらえると、話を切り出しやすくなる感じがしますよね。

レイチェルは、「これってほんとに恥ずかしいことなの」と言いながら、最近、with this whole pregnancy thing 「この、一連の妊娠(のこと)のせいで」、I'm just finding myself と続けています。
I'm just finding myself は「私は自分自身が…だと気づいているところ or 気づきつつあるところ」みたいな感じですね。
I found myself なら「私は自分が…だと気づいちゃった、わかっちゃった」みたいなことになりますが、それを現在進行形にすることで、最近は、そういう「変わってしまった自分」に気づくことばかりなのよ、と言っている感覚になるでしょう。
find という「気づき」が毎日のように続いている、今でも進行中である、というニュアンスでしょうね。
myself の後は、本来なら、「自分がこんな風になってしまった」という状態の言葉が続くことになりますが、その前に、how do I put this という言葉が挿入されています。
直訳すると、「私はこれをどう put する?」という感じで、「これを(私は)どう言えばいいのか、何と表現すればいいのか?」というニュアンスになります。

研究社 新英和中辞典では、
put=[通例 put it で様態の副詞(句)を伴って] 〈…を〉(…に)表現する、述べる
Let me put it in another way. 別な言い方で言ってみよう。
To put it briefly [mildly], …. 手短に[控え目に]言えば…。
I'm - how shall I put it? - in love with you. ぼくは、どう言ったらいいのか、あなたを愛しているのです。


特に最後の例文の、how shall I put it? が、今回のレイチェルのセリフのニュアンスに似ていますね。

そんな風に「なんて言ったらいいのかなぁ〜、えーっと、、」とためらった後に出てきた表現が、 erotically charged でした。
erotically は「エロティカリー」というカタカナから想像できる通り、「エロティックに」ですね。
charged もまさに「チャージされる」という感じですが、他動詞の charge は、「〜を満たす、充満させる」「みなぎらせる」という感覚になります。
「充電する」という意味の「チャージ」も、「満たす、充満させる」ということですよね。

Macmillan Dictionary では、
charged [adjective] : filled with a strong emotion such as excitement or nervousness
つまり、「興奮や緊張などの強い感情で満たされている」。

遠回しに、erotically charged という言葉で、そういうエッチな気持ちでいっぱいになっちゃってるの、という状態を表現してみたレイチェルですが、それを聞いたジョーイは、腕を組んで考えた後、「それって、horny の college talk か?」と聞き返していますね。
horny は「性的に興奮した」という意味で、フレンズでも男性陣がよく使う言葉ですね。
元々は「角の」という形容詞で、性的に興奮した場合に、あるところ(笑)が角のような形状になることから、「ムラムラする、やりたがっている」という性的な意味で使われるようになった言葉です。
アカデミックな辞書である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には載っておらず、Macmillan Dictionary では、
horny : (very informal) sexually excited
つまり、「(非常にインフォーマル) 性的に興奮した」
と出ています。very informal と書かれていることからも、「かなりインフォーマルな口語」であることがわかりますね。

college talk は「大学のトーク」ですから、「大学生の会話で使われる言葉」のようなニュアンスでしょう。
charged 「チャージされた」(充填された、充電された)という言葉が、ちょっと学術用語っぽく感じた、みたいなことでしょうか。
horny のようなダイレクトすぎる言葉を使わないようにしたのに、ジョーイに「それって horny を小難しく言ってみた言葉?」みたいに返されてしまった、ということですね。

そういう状態だとジョーイが理解してくれたので、レイチェルはその後は、あまりためらうことなく、今の正直な気持ちを述べています。
「そういう、ムラムラする気持ちがあって、それをどうしたらいいかわからないの」と言った後、「だって私は(妊婦だから)、普通の人(a normal person)みたいにデートすることはできない」と言います。
その後、which is fine because と続けていますね。
which は前文を指していて、「普通の人みたいにデートできないということ、は、それでいいの、構わないの(fine)」ということ。
そして、「デートできなくても構わない理由」を、because 以下で述べることになります。
because 以下は、ダイレクトな表現が続きますが、順番に訳していくと、「私には関係(恋愛関係、男女関係)は必要ない」「私が本当に欲しいものは、1晩の素敵な夜だけ。ただエッチが欲しいだけ」。
No strings attached の strings attached は、文字通り「ひも付き」ということ。
「ひも」というのは「付帯条件」のことですね。
with no strings attached で「ひも付きでなく」という形でよく使われます。
DVDの日本語訳では「後腐れなし」と訳されていましたが、まさにそういうことですね。

「ひも付きなし(後腐れなし)。関係なし」と言った後の、Just with someone that I feel comfortable with, and who knows what he's doing. について。
文としては長いので、前から順番にイメージしていくと、
「ただ誰かと(のエッチ)。その人と一緒に気持ち良くなる。そして、その人は自分がしていることを知っている」。
自分は、こういう誰かとのエッチを望んでるの、と説明するために、「誰か」の詳しい内容が後に続いている感覚ですね。
一緒にいて心地よい人、一緒に気持ち良くなれる人、というのが第一の条件で、一緒にいるのもいや、みたいな生理的に受け付けない人はもちろんダメということ。
そして、「自分がしていることをわかっている人」というのは、レイチェルが「後腐れのない一晩きりのエッチだけが望みで、それ以上のものは求めていない」ということをわかった上でそのエッチに応じてくれる人、みたいなことですね。
DVDの日本語訳では「相手も割り切ってくれる人」と訳されていましたが、まさにそんな感じでしょう。

「ただ一晩の素敵な夜だけのため」のような話を、熱気を帯びた様子でだんだんジョーイに顔を近づけながら話し続けているレイチェル。
「私が望んでいるそういう人を見つけることは本当にすっごく難しい」とレイチェルは言っています。
英語の語順では、is that really so... hard... 「それは本当に難しい」 to find 「見つけることが」という順番になるのですが、to find. と言った後、言葉が止まってしまったのは、目の前に「自分が求めている条件に合うかもしれない男性」がいることに気づいてしまった、その人を「見つけて」しまったからですね。
レイチェルが話している間、ジョーイの表情は映像では角度的に見えないのですが、レイチェルをずっと見つめているらしいことが微動だにしない後ろ姿からもわかります。
ここでお互い、意識してしまったことに気づき、レイチェルの方が慌てて話題を変えて、「今日のあなたの一日はどうだった?」みたいに尋ねることになります。
ジョーイの方も明らかにそわそわした感じで、「こんなでっかいハトを見た」みたいにハトの大きさを手で示しながら、どーでもいい話題(笑)をしているところに動揺が見えていますね。

気まずくなってしまったレイチェルは、「明日は早起きしなきゃいけないんだけど、もう7時だし」と言っています。
この微妙な空気から逃れようと、「明日早いから、もう寝るわね」と言おうとしたのに、実はまだ夜の7時で、寝るという言い訳がものすごく不自然に聞こえてしまうということになるわけです。
でもそれを聞いたジョーイの方もその不自然さを指摘することなく、「俺も寝室に行かなきゃ」と言っているところに、ジョーイのアワアワ具合がよくわかるわけです。
「おやすみ!」と言って、それぞれの寝室に入った二人ですが、二人がまた同時に出て来るのが面白いですね。
今度は二人とも、相手に怒っている口調で、「そんなことできないよ」「私はあなたにそうしてなんて頼んでない」と言い合っています。
同時にそれを言い合っているところから、双方がリアルにそういうことを想像してしまったことがよくわかりますね。
You're Rachel! You're Joey! と言い合うところも、もう今はシーズン8ですし(笑)、ずっと長年友達でいた二人が、今、急に、エッチするだのしないだの、、みたいな想像が働いた時に、そんなことできっこない!とパニックっている様子がよく出ているように思います。
You're my friend! 「君は俺の友達だ」と言ったジョーイに対しての、Right back at ya! は、Right back at you. つまり、「あなたにまっすぐ(まさに・ちょうど)戻る・返る」みたいな感覚で、日本語で言うと、「お互いさまだ」ということですね。
「その言葉、そっくりあなたに返すわ」という感じで、私だって You're my friend! って言えるわ、私の方だって同じことよ、みたいなことになるでしょう。

その後、ジョーイは、it would を使って、wrong で weird で、そして bad だ、と言っていますね。
この would は、「もしそういうことが起これば」という「仮定」の感覚ですね。
wrong は「間違った、誤った」、weird は「変な」、bad は「(道徳的に)悪い、だめだ」という感じです。
レイチェルは、最後の bad のことを、so bad だとさらに強めています。
I don't even know... の文は、「私には、あなたが何のことを言っているのかすらわからない。だって私はあなたに何かをするようには頼んでいない」みたいになるでしょう。
レイチェルが何度も「私はあなたに何かしてくれなんて頼んでない」みたいに言っているのは、「ジョーイとならそういうことも可能かも」と一瞬思ってしまった自分の気持ちを必死に否定する感じですね。
「ジョーイは何か勘違いしているようだけど、私はそんなこと、頼んだ覚えはないわよ」と言うしかないわけです。
ジョーイも「(レイチェルが頼んでないってことは)わかってるよ」と言いながら、少しの沈黙の後、「でもレイチェルはそれを望んでるの?」みたいに聞き返すのも面白いですね。
はっきり否定されて、「俺だってそんなことを望んでないさ」と言い、「ただ君をテストしただけだ、試しただけだ」と言います。
その後もお互い、「それでこの会話はおしまい」「こんな会話自体、そもそも起こらなかったんだ(こんな会話、なかったんだ)」と言って、「レイチェルがそういうエッチの相手を求めている話」をなかったことにしようとしています。
また二人は寝室に戻ることになるのですが、今度は、レイチェルの方だけが、ちょこっと寝室のドアから顔をのぞかせて、ジョーイの様子をうかがっているのが面白いですね。
ジョーイは部屋から出てこないながらも、レイチェルがそうしているのがわかったようで、「部屋に戻れ」と叫ぶことになります。
最後にドアから顔をのぞかせるレイチェルと、Get back in there! と声だけで答えるジョーイが、二人のその「ギリギリな気持ち」をよく表している気がしました。

レイチェルとジョーイがお互いを意識してしまった後は、照れ隠しだったり、自分の方はそんなつもりはない、という言い訳だったりのセリフが延々続くことになりますが、特に今回のやりとりでは、「相手が言ってきたことに対してどう返すか」に注目してみると、実際の英会話に役立ちそうな気がします。
今回は見ていて苦しくなるような喧嘩ではなく、「友達だった二人が、急にお互いを異性として意識してしまった」後のやりとりで、ずっと彼らを見てきたフレンズファンとしては、その二人の戸惑いもよくわかるわけなので、余計に二人のセリフが面白く感じられますね。
お互いが相手のことを嫌いなわけではもちろんないし、友達だからそんなことダメだ、と言いながらも、相手の気持ちを伺うような言葉も端々に出てくるなどの「二人の距離の取り方」を感じながら、セリフを楽しんでいただけたらと思います。


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posted by Rach at 15:44| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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