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ジョーイは、レイチェルに「女性」を感じてしまった後、別の女性とデートするのですが、デート中も、心ここにあらず、状態で、いつものようにデートを楽しむことができません。
レイチェルが家で一人で映画「クジョー」を見ている時に、ジョーイは帰ってきて、ひとしきり、「クジョー」の怖さについて語り合った後、
レイチェル: Wait a minute, what are you doing home so early? What happened to your date? (ちょっと待って、こんなに早く家にいるなんて、どうしたの? デートで何かあったの?)
ジョーイ: Oh, uh, it didn't work out. (あぁ、あの、デートはうまく行かなかったんだよ。)
レイチェル: Oh. Do you want to watch the rest of the movie with me? (まぁ。映画(クジョー)の残りを、私と一緒に見たい?)
ジョーイ: Oh uh, okay. Yeah. (あぁ、いいよ。そうだね。)
レイチェル: Y'know, I never thought I'd say this about a movie, but I really hope this dog dies. (Joey brings over a stool at sits on it next to Rachel who's in the big chair.) What are you doing over there? Come sit here. You protect me. (ねぇ、映画のことで、自分がこんなことを言うなんて思ってもみなかったけど、でも、私はほんとに願ってるの、この犬が死んでほしいって。[ジョーイは、大きなチェアに座っているレイチェルの横に、自分が座るためのスツールを持ってくる] そっちで(離れたところで)何してるの? こっちに来て座ってよ。私を守ってよ。)
ジョーイ: Oh, sure, yeah. Why not? (Sits on the arm of the chair.) (あぁ、もちろん、そうだよね。当然だよ。[チェアのアーム部分に座る])
レイチェル: Okay. (Pushes play.) Okay, that's him! That's him! That's Cujo! That's Cujo! (オッケー。[ビデオの再生ボタンを押す] よし、あれが彼よ! あれが彼よ! あれがクジョーよ! あれがクジョーよ!)
ジョーイ: All right, I know! I know. Yeah, it's gonna be okay. (よし、わかってるよ。わかってる。あぁ、大丈夫だよ。)
レイチェル: Oh, my God. What's he gonna do now? I can't watch! (Drags Joey closer to her and cowers into his chest.) Oh. Seriously, how can you watch this? Aren't you scared? (なんてこと。彼はこれから何をする気なの? 見てられないわ! [レイチェルは、ジョーイを自分のほうに引き寄せて、ジョーイの胸の中で、すくむ] あぁ。ほんとに、どうしてあなたはこれを見ていられるの? あなたは怖くないの?)
ジョーイ: Terrified. (But for a totally different reason.) (すごく怖いよ。[しかし、全く違う理由で])
ジョーイがデートから帰ってくると、レイチェルは一人で映画「クジョー」(原題:Cujo)を見ていました。
二人のデートの時に、その映画の話題になったらしく、デート翌日の会話で、「クジョー」を見たことがないレイチェルが、レンタルして見ようと思ってるの、と言っていました。
ジョーイが帰って来た時に、まさにそれを見ているところだった、ということですね。
「クジョー」は、1983年のアメリカ映画。原作はスティーヴン・キングだそうです。
Wikipedia 日本語版: クジョー
クジョーというのは犬の名前で、そのため、今回のやりとりでは、dog という単語が登場しているわけですね。(ちなみに、私は「怖い系」の映画はダメなタチなので、見ておりません、、ので内容もよく知りません^^)
what are you doing home so early? を直訳すると、「そんなに早い時間に家で何してるの?」みたいな感じでしょうか。
その後も、「デートに(デートで)何かあったの、起こったの?」と尋ねているように、デートだというのに、プレイボーイであるジョーイが、まだ夜遅くもなっていない時間帯に、早々と帰宅したことに驚いていることになります。
ジョーイが「デートはうまくいかなかったんだ」と答えると、レイチェルは、「私と一緒に、映画の残りをあなたも見たい?」と尋ねています。
I never thought I'd say this about a movie, but... は、「映画について自分がこんなことを言うとは思ってもみなかったけど」という感覚。
その後、「本当にこの犬(クジョー)が死んでほしいと思う」と続けます。
つまりは、映画という作り物、創作物だとわかってるし、私が願ってストーリーが変わるものでもないけれど、”こんなやつ、死んじゃえばいいのに!”って今はすっごく思っちゃうの、と、その映画にすごく「入り込んでしまっている」様子がうかがえますね。
その後のト書きにあるように、レイチェルは大きなチェアに座っているのですが、ジョーイは自分が座るためのスツールを持ってきて、レイチェルの隣に置きます。
ジョーイは今回のエピソードで、それまでずっと友達だったレイチェルに対して、「女性」を感じるようになっています。
そんな「恋愛感情」を持ってしまった自分に戸惑っているジョーイは、自然とレイチェルから距離を取ろうとしていることがその動作からわかりますね。
自分の気持ちをうまくコントロールできないため、いつもみたいに普通に触れ合えず、ぎこちなくなってしまう、という感覚でしょう。
しかし、そんなジョーイの気持ちに全く気づいていないレイチェルは、いつもと様子が違うジョーイの態度を見て、What are you doing over there? Come sit here. と言っています。
over there 「そっち、向こう」と here 「こっち、ここ」が対比的に使われていて、「そんな離れたところに座ろうとしてどうしたの? こっち(の私の近く)に来て座ってよ」と言っていることになります。
そして、You protect me. とも言っていますね。
Protect me. で「私を守って」という命令文ですが、そこに主語の You をつけることで、さらに命令文を強調する感覚になるでしょう。
この場合は「高圧的な命令」ということではなく、「”あなたが”私をしっかり守ってよ」みたいに念押しで言うニュアンスでしょうね。
いつものように、普通にハグする友達同士の二人なら、You protect me. というセリフもそれほど意味ありげではないのですが、レイチェルを女性として意識してしまっているジョーイにとっては、ちょっとドキっとするセリフだったでしょう。
そこまで言われたジョーイは、スツールに座るのをやめて、チェアのアームの部分に腰掛けることになります。
Why not? というのは、「もちろん」という意味の返事として使っているとは思いますが、ジョーイの心の中の気持ちとしては、「なぜいけないのか→いいじゃないか」という、Why not? の元々のニュアンスの方が合っているような気がします。
俺はどうしたらいいかわからなくて、横に別の椅子を置いて座ろうとしたけど、「友達」のレイチェルが、「一緒に座って私を守ってよ」と俺に頼んできたんだから、「どうして、座って彼女を守っちゃいけないんだ。そうすればいいじゃないか」と自分自身に「言い聞かせている」ようなニュアンスが感じられる気がするのですね。
「レイチェルに近づかないほうがいい」と思っている自分と、「友達なんだから友達として今までどおり振る舞えばいいじゃないか」と思っている自分との葛藤と言いますか。
レイチェルは、ビデオの再生ボタンを押し、映画の続きを見始めます。
「あれが彼よ! クジョーよ!」と、大騒ぎしているレイチェルを、ジョーイは「大丈夫だよ」と言って安心させようとしています。
見るのが怖いシーンになったらしく(私は見てないのでわかりませんが^^)、レイチェルは「彼(クジョー)は何をする気なの? もう見ちゃいられないわ!」と言って、レイチェルがジョーイを引き寄せて、彼の胸に顔をうずめるような態勢になります。
それをト書きでは、Drags Joey closer to her and cowers into his chest. と表現していますね。
drag は「引っ張る」。パソコン用語の drag も、「マウスのボタンを押して、対象を引っ張る、引きずる」という感覚ですよね。
cower は「(寒さ・恐怖などで)ちぢこまる、すくむ、萎縮する」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cower : to bend low and move back, especially because you are frightened
例) The children were cowering in the corner.
つまり、「かがむ、または後ろに下がること、特に、怖いという理由で」。
例文は、「子供たちは隅で、ちぢこまっていた」。
怖くて私には見られないわ、と言っているレイチェルは、自分の手で顔を覆っています。
そして、「冗談じゃなくて(真面目な話、真剣な話)、どうしてジョーイは(こんな怖い映画を)見ることができるの? 見ていられるの?」みたいに言った後、Aren't you scared? 「あなたは怖くないの?」と尋ねています。
そう言われたジョーイは、Terrified. と答えていますね。
scared も terrified も「怖い」という感覚の言葉ですが、改めて英英辞典の語義を見てみると、LAAD では、
scared : frightened of something, or nervous about something (SYN: frightened, afraid)
terrified : very frightened
と出ています。
つまり、very がついている分、terrified の方が、scared よりも「強い恐怖感」を表していると言えるでしょう。
そしてそのセリフを言った時のジョーイの様子を見てみると、自分の胸の中で怖くてすくんでいるレイチェルに対して、ビクビクする感じでゆっくり手を動かして、レイチェルをぎこちなくハグしています。
ジョーイが今、レイチェルに対してどういう気持ちでいるかということを、このエピソードでずっと見てきた観客や視聴者は、そのジョーイのしぐさと、Terrified. と言った時の彼の表情を見て、「別の意味で”怖い”と言っている」ことがわかるわけです。
それをト書きでは、「(怖いといっても、それは映画のことではなく)全く違う理由で」と説明してあるわけですね。
ずっと友達だった人に対して、恋愛感情を抱いてしまう、という気持ちの変化に、ジョーイ自身が戸惑い、おびえていることから出た、Terrified. だった、ということです。
この後、暗転、及び、エンドクレジットとなりますが、いつものように、楽しそうなBGMが流れて暗転、ではなく、無音、無音楽のまま、静かに暗転を迎えるのが、シリアスさをさらに高める効果がありますね。
見ている方が、胸が苦しくなってしまうような感じのエンディングでした。
(エンドクレジットでは、フレンズらしく、ロス・ゲラー教授の楽しいシーンで幕を閉じるのが、せめてもの救いというか、ホッとするというか、、^^)
今回のエピソードは、タイトル通り、The One Where Joey Dates Rachel 「ジョーイがレイチェルとデートする話」ということで、ブログでは「その6」までの6つの記事は全て、「ジョーイとレイチェルの会話」部分を取り上げました。
もちろん、他の4人についても、それぞれのプロットがあったのですが、今回は「ジョーイの心の変化」を皆さんと一緒に楽しみたかったので、あえて「ジョーイ&レイチェル」のプロットのみに注目した、ということです。
普段のフレンズでのジョーイの位置づけは、「おバカなキャラ&プレイボーイ」という感じですよね。
それが今回は、自分の気持ちの変化に戸惑っている男心の描写が秀逸だと思いました。
レイチェルとデートしている時のジョーイもとてもキュートだと思いますし^^ いつもと違うジョーイがたくさん見られるお話で、私はこのエピソードが大好きなんですよね。
"Aren't you scared?" "Terrified." というセリフの「切なさ」を、皆さんにも感じていただけたら、とても嬉しく思います。
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これだけ長きにわたりコンスタントに続けこられたことに改めて敬意を表する次第です。
ところで今回もフレンズの内容についての反応ではなく、
>ちなみに、私は「怖い系」の映画はダメなタチなので、
で気になったことがあります。
2014年3月14日の記事に投稿させていただいた折のお返事の中で
>「デス妻」もほんと面白いですよね。最初の何話かを見て、ちょっと今は視聴を止めているのですが、
と書いておられたのを思い出し、ひょっとして「デス妻」の視聴を止めておられる理由が
それなのかなと。(違ってたらごめんさない。)
と言いますのは私自身「デス妻」の視聴を2014年4月7日にシーズン2の第2話の途中で
中断してしまったのです。
理由は「ドラマの展開が心臓に悪い」というものでした。
各妻のかかえる問題点を強調したドラマの進展は笑える部分も多くておもしろいのですが、
彼女たちを取り巻く環境の展開にハラハラドキドキ。
え〜、要するに私は英語で言うところのチキンな奴です。
現在はフレンズ(2巡目)に戻り、シーズン1の第2話「ロスの大事件」を視聴しているところです。
過去記事は大いに参考にさせてもらっています。ありがとうございます。
では。
温かいコメントありがとうございます。また、2000記事突破へのお祝いのお言葉もありがとうございます。とても嬉しいです(^^)
「デス妻」の視聴を止めている理由はですね、、実は「怖いから、心臓に悪いから」ではなくて、「続きを見たいなぁと思ったけれど、そのまま見続けると、その後のシーズンも長いので、止めるのが難しくなってしまいそう。だから、”ドラマ全体やセリフの雰囲気”がつかめた気がした時点で、とりあえず視聴をストップしてみた」みたいな感じだったりします^^
デス妻を見ていた頃、他にもいろいろな「有名どころ」の人気ドラマにも手を出していました。その中で、今さらな感じで、ジャック・バウアーの「24」を見始めたのですが、これも「次が気になってしょうがない」ドラマの代表格ですよね。「24」も結構、残酷なシーンが多くて、そういうシーンはやはり苦手なのですが、なぜか「24」だけはどうしても最後まで見たくなってしまって、結局最終話まで見てしまいました。それを見終わった時に、「また、他のドラマで”最終・最新シーズンまで見よう”と思ってしまうと、時間がいくらあっても足りないわ」みたいに思って、他のドラマは全部、「視聴を途中で停止」してしまった、ということなんですよね。
ホラー映画とかはほんとに見ないし、知らないんですよ。ただ「話題になった”ドラマ”」ということだと、「私も少しは知っておかないといけないんじゃないだろうか」という妙な使命感にかられて(笑)、怖いシーンがあったりするものも頑張って見なくちゃみたいに思ったりするところが、我ながら不思議です。「デス妻」の視聴もまた再開したいと思っているのですが、、、ドキドキしながらも「笑えて面白い」し、女性として共感できるセリフも多いですよね。
また、拙ブログの過去記事を参考にしていただいているとのこと、光栄です。これからも「大いに参考」にしていただけるような記事が書けるように頑張りますね!
コメントありがとうございました(^^)