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シーズン8 第14話
The One With the Secret Closet (見てはならないモニカの秘密)
原題は「秘密のクローゼットの話」
[Scene: Monica and Chandler's, Monica has opened another wedding present as Chandler enters.]
モニカとチャンドラーの家。モニカが別の結婚祝いを開けたところ、そこにチャンドラーが入ってくる。
チャンドラー: Hey, babe. (やぁ、ベイブ(ベイビー)。)
モニカ: Hi, honey. We just got a wedding gift from Bob and Faye Bing. They don't like us, do they? (They gave them a pok-a-dotted punch bowl.) (はーい、ハニー。ちょうど、ボブ&フェイ・ビング夫妻から結婚祝いのプレゼントをもらったところよ。あの人たちは私たちのこと、好きじゃないのね。[彼らは、チャンドラーとモニカにポルカドット(水玉模様)のパンチボウルを贈った])
チャンドラー: Who says you can't get a nice punch bowl for under six bucks? Maybe we can take it back? (6ドル未満で、ナイスなパンチボウルが手に入らないって誰が言った? 多分、俺たち、それを返品できるよね?)
モニカ: No, it doesn't say where it came from. Where would we return it? (いいえ、どこの店からかが、書いてないもの。それをどこに返品しようって言うの?)
チャンドラー: How about to the street, say, from the balcony? (通りに返すのはどう? ほら、そのバルコニーから。)
モニカ: Why don't we just find a place for it? (そのための[それをしまうための]場所を、ただ探しましょうよ?)
チャンドラー: Okay. How about in that cabinet? (オッケー。そのキャビネットの中はどう?)
モニカ: No! That's where we keep the canned goods! Have you completely forgotten everything you learned at orientation? (だめよ! そこは缶詰を置いておくところよ! オリエンテーションで習ったこと全てを、あなたは完璧に忘れちゃったの?)
モニカは、Bob and Faye Bing から、結婚祝いの贈り物をもらったわ、と言っています。
Bing という名字から、チャンドラー側の親戚(おじさんなど)であることがわかりますね。
They don't like us, do they? 「あの夫妻は、私たちのことが好きじゃないのね?」のように言っていることから、「こんな趣味の悪いものくれるなんて、私たちを嫌ってる?」のように、今、手にしているその贈り物が全く嬉しくない、ありがたくないと言っていることになります。
カラフルな水玉模様のガラス製パンチボウルのセットですが、ト書きには、a pok-a-dotted punch bowl とありますね。
辞書などには、pok-a-dotted という言葉は載っていないのですが、Google で検索してみると、よく似た言葉として、Polka dot という言葉が見つかりました。
検索結果の画像も、このボウルのデザインと似た感じの水玉なので、Polka dot のことを、pok-a-dot(ted) と表記しているようです。
Wikipedia 英語版: Polka dot
polka dot の方は、ロングマンにも載っていて、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
polka dot [noun, coutable] one of a number of round spots that form a pattern, especially on cloth
例) a green shirt with blue polka dots
polka-dot, polka-dotted [adjective]
例) a polka-dot dress
つまり、「特に(服の)生地で、模様を作る、たくさんの丸い点の1つ」。
例は、「青色の水玉模様の緑のシャツ」。
形容詞は、polka-dot または polka-dotted で、例は、「水玉模様のドレス」。
モニカが水玉のパンチボウルに文句を言っているのを聞いたチャンドラーは、Who says...? というセリフを言っています。
直訳すると、「6ドル未満で、ナイスなパンチボウルが手に入らない、と誰が言うんだ?」というところ。
「人が〜できないだなんて、誰がそんなこと言うんだよ」というニュアンスなので、「ほら、こんな風に〜できるじゃないか」と言っていることになります。
つまり、「6ドル未満の値段で、結構いい感じのボウルが買えちゃうもんだよな」と言っているわけですが、これは、チャンドラーっぽい皮肉ですね。
最後に、「6ドル未満(の値段)で」というフレーズが来ているので、「ナイスなボウルも買えるんじゃん、ほら、6ドル未満で」のようなオチになり、「このボウル、絶対6ドルもしないよな」と、趣味の悪い安物であることを、チャンドラーも言っていることになるでしょう。
日本語で同じようなオチにしようとすると、セリフの最後に「ほら、6ドル未満で」と「わざとらしく付け足した」感じが出てしまうのですが、英語の場合は、チャンドラーのセリフの語順で普通なので、自然なオチになるわけですね。
ちなみに、under は、厳密に言うと、「以下」ではなく「未満」になります。
「6ドルより下」であって、「6ドルは含まれない」ということです。
「多分、俺たち、それを返品できるよね?」と言ったチャンドラーに、モニカは、it doesn't say where it came from. と言っています。
it は the punch bowl のことで、このように主語が人ではなく物の場合、say は「〜と書いてある」という意味になりますね。
それがどこから来たかが書いてない、つまり、どのお店で買われたものか表示されていない、と言っていることになります。
これまでのフレンズにも何度か登場しましたが、贈り物などには「ギフト・レシート」というものが入っていて、もらった方の人間が、そのレシートと商品を持ってお店に行くと、同じ金額のものと交換できたりする、というシステムがあります。
(レイチェルは、もらったプレゼントをしょっちゅう交換するので有名ですね^^)
今回の場合は(そういうレシートが入っていないので)どこのお店で買ったものかがわからない、と言っていることになります。
買ったお店もわからないのに、どこに返品するって言うの?とモニカが尋ねると、チャンドラーは、How about to the street... と返します。
to というのは、return it to the street ということですね。
return 「返す、返却する」は、自動詞と他動詞の両方で使えますが、他動詞の場合は、return 物 to 人(元の持ち主)/場所(元々あった場所)という形を取ります。
ですから、「the street に返却する」という場所の話であれば、to が必要になってくるわけですね。
Where would we return it? というモニカの質問の方は、疑問副詞である where に、to などの意味「どこへ、どこに」が含まれているので、to は不要ということになります。
返品する場所として、「通り(the street)」を提案したチャンドラーですが、その後、付け足しのように、「ほら、そのバルコニーから」と言ったことで、「バルコニーから下の通りに、そのガラスボウルを落とす、ってのはどう?」と言っていることがわかる仕組みですね。
そんなもの、壊して捨てちゃおうよ、というところですが、それを「通りに返却する、バルコニーから」と表現しているのが、チャンドラーらしいジョークになっていると思います。
モニカは、チャンドラーのジョークを軽く受け流し(笑)、しまう(収納する)場所を探しましょ、と提案します。
チャンドラーは、「そのキャビネットはどう?」と、また How about...? を使って言っていますが、「〜はどう?」と提案する時の表現として、How about...? が便利であることが、よくわかると思います。
キャビネットを提案したチャンドラーに、モニカは強い口調で返しています。
That's where SV は、「そこは、S が V する場所である」ということ。
canned good は「缶詰(にされた製品)」ということで、そこは缶詰をキープする場所、缶詰置き場よ、と言っていることになります。
その後の、Have you completely... というセリフは、なんだか大仰(おおぎょう)しい言い回しですが、直訳すると、「あなたは完全に忘れてしまったの? オリエンテーションであなたが学んだすべてを」と言っている感覚になります。
オリエンテーションはもう日本語になっているので、ニュアンスはわかりますね。
せっかくなので、英英辞典で語義を確認しておくと、
LAAD では、
orientation : [uncountable] a short period of training and preparation for a new job or activity
つまり、「新しい仕事や活動に対しての、短期間のトレーニングや準備」。
このセリフのシーンでは、orientation と言った部分で、大きな笑い声が起こっています。
Have you completely forgotten what I said? 「私が言ったことを、すっかり忘れたの?」程度でも良いところを、「あなたがオリエンテーションで習ったすべてを」と表現したのが面白いですね。
同居にあたり、もしくは正式に結婚するにあたって、いろんなものの保管場所をモニカが懇切丁寧にチャンドラーにレクチャーしたであろうことが想像できるため、orientation という言葉に妙に納得しまうのが楽しいところです。
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